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あいホールディングス(3076)

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あいホールディングス(3076)

主要財務データ

Image:AiHD-JP-Main-Model.png

直近更新内容

概略

2012年5月16日、あい ホールディングス株式会社は自己株式の取得を行ったと発表した。

(リリース文へのリンクはこちら

  • 理由:経営環境に応じた機動的な資本政策を遂行するため
  • 取得株式総数:7,352,900株
  • 取得価額総額:3,500百万円
  • 取得日:2012年5月16日
  • 取得方法:東京証券取引所の自己株式立会外買付取引による買付け


2012年5月15日、同社は2012年6月期第3四半期決算及び通期会社予想の上方修正を発表した。

(決算短信へのリンクはこちら、通期会社予想修正へのリンクはこちら、2012年6月期第3四半期決算実績の項目へのリンクはこちら


3ヵ月以上経過した会社発表はニュース&トピックスへ


業績動向

四半期実績推移

Image:AiHD-JP-Quarterly.png


2012年6月期第3四半期実績

2012年5月15日、同社は2012年6月期第3四半期決算を発表した。また、同時に2012年6月期通期会社予想の上方修正を発表した。

第3四半期累計期間の売上高は前年比8.7%増の22,208百万円、営業利益は同23.9%増の2,997百万円、経常利益は同22.2%増の3,393百万円、四半期純利益は同22.0%増の2,100百万円であった。

同社によれば、第3四半期累計期間における各事業の業績概要は以下の通りであった。

  • セキュリティ機器事業(売上高:4,511百万円(前年比10.9%増)、営業利益:784百万円(同43.3%増))

マンション・法人向けともにセキュリティ・システムの販売が堅調に推移したこと等により、上記実績となった。

2012年6月期第3四半期累計期間におけるDVR(Digital Video Recorder)のマンション向け導入件数は1,748件。新規導入が引き続き順調に推移しているほか、下期に入ってリプレイスが本格化し始めたとのことである(リプレイスが226件)。同社が既設マンションにセキュリティ機器を本格的に導入し始めてから5-6年が経つ。すなわち、2012年6月期は5-6年という当初の契約期間が終了するタイミングに差し掛かっている。同社では今後数年間に渡って、2011年6月期までに同社がマンションに対して導入した累計10,590件のリプレイス需要、年間1,000件超が順次発生していくとみている。

足下、当初契約期間終了後の顧客の動向としては、約6割がリプレイス、約3割が契約更新、約1割が他社製品をそれぞれ選択しているとのことである(マンション向けのセキュリティ機器販売の詳細は「ビジネスモデル」を参照)。

2012年6月期第3四半期累計期間におけるDVRの設置台数は4,031台。販売先業種別シェア(台数ベース、OEM供給先を除く)は、マンション:46%、金融・証券:14%、学校・医療・公共施設:8%、店舗・商業施設:5%などとなっている。

一般法人、金融・証券等に対しては、富士ゼロックス株式会社(富士フイルムホールディングス株式会社(東証1部4901)の子会社)との協業等が寄与し、堅調に推移している模様だ。

  • カード機器及びその他事務用機器事業(売上高:2,186百万円(前年比26.5%増)、営業利益:506百万円(同75.8%増))

病院向けカード発行機が安定して推移するなか、上期におけるカード即時発行機の新商品販売が寄与したことにより、上記実績となった。

  • 保守サービス事業(売上高:1,310百万円(前年比6.6%減)、営業利益:178百万円(同3.7%減)

企業の経費削減に伴いスポット修理・点検修理が減少したこと等により、減収となった。

  • 情報機器事業(売上高:5,148百万円(前年比0.1%減)、営業利益:534百万円(同25.9%増))

主力商品であるスキャナのOEM販売が減少したことや円高の影響を受けた。ただし、海外子会社であるSilhouette America Inc.で発売しているコンシューマ向け小型カッティングマシンの新商品の販売が好調に推移したこと等により上記実績となった。(Silhouette America Inc.のビジネスモデルに関しては「ビジネス」の項を参照)。

Silhouette America社は、それまでの8インチモデルの後継機種として、2011年10月に新製品の12インチモデル「CAMEO」を発売。米国での主流サイズである12インチに合わせて設計され、ヒット商品となりつつある。2012年3月時点で会員数は約4万人、累計ダウンロード数は3,500万に及んでいるとのことである。コンシューマ向け小型カッティングマシンの販売はこれまで、北米、欧州で行われていたが、2012年に入り、日本、南米、オセアニアなどへと販売地域が広がっているとのことだ。

  • 計測機器及び環境試験装置事業(売上高:1,506百万円(前年比11.6%減)、営業利益:193百万円(同32.2%減))

環境試験装置の販売が企業の設備投資抑制の影響を受けたこと等により、上記結果となった。

  • 設計事業(売上高:3,396百万円(前年比12.3%増)、営業利益:607百万円(同48.8%増))

耐震診断等の受注増加により増収となった。

  • リース及び割賦事業(売上高:3,739百万円(前年比56.5%増)、営業利益:94百万円(同2.0%増))
  • その他(売上高:409百万円(前年比57.6%減)、営業利益:14百万円(同68.8%減))

2012年6月期通期会社予想の上方修正は下記の通り。同社によれば、1)主要事業であるセキュリティ機器事業において、マンション・法人向けともに販売が好調であること、2)海外子会社Silhouette America Inc.にて発売した、コンシューマ向け小型カッティングマシンの販売が順調に拡大していること、等により、売上高、利益面ともに当初予想を上回る見込みとなったとのことである。

2012年6月期通期会社予想

  • 売上高:28,000百万円(前回予想27,700百万円)
  • 営業利益:3,500百万円(同3,100百万円)
  • 経常利益:3,900百万円(同3,500百万円)
  • 当期純利益:2,350百万円(同2,200百万円)


2012年6月期第2四半期実績

2012年2月14日、同社は2012年6月期第2四半期決算を発表した。会社予想に変更はない。

第2四半期累計期間の売上高は前年比8.7%増の13,965百万円、営業利益は同29.7%増の1,701百万円、経常利益は同27.4%増の1,973百万円、四半期純利益は同11.7%増の1,134百万円であった。

純利益の増加率が経常利益の増加率よりも小幅に留まっている理由は、法人税減税に伴う繰延税金資産取り崩しの影響によって69百万円程度、純利益がマイナスの影響を受けているためである(注)。

注:法定実効税率が、2012年4月1日から2015年3月31日までに開始する事業年度においては、従来よりも引き下げられる(2011年12月2日に改正税法が公布)。従って、税効果会計における法定実効税率も引き下げる必要が出てくる(将来の適用税率が確定しているため)

同社によれば、第2四半期累計期間における各事業の業績概要は以下の通りであった。

  • セキュリティ機器事業(売上高:2,869百万円(前年比8.9%増)、営業利益:415百万円(同25.0%増))

売上高の内訳は、マンション向けが前年比10.7%増の1,793百万円、法人向けが同6.1%増の1,076百万円となり、マンション向け、法人向けともにセキュリティ・システムの販売が堅調に推移した。マンション向けに関しては、新規導入が順調に推移しているほか、リプレイスに関しても2012年6月期下期より本格化してくる見込みとのことである。法人向けに関しては2011年6月期まで苦戦してきたが、富士ゼロックス株式会社(富士フイルムホールディングス(東証1部4901)子会社)との協業(富士ゼロックス社が代理店に)によって、日本全国の法人に対する販売が順調に進んでいる模様だ。

2012年6月期第2四半期累計期間のDVR(Digital Video Recorder)・NDVR(Network Digital Video Recorder)の導入実績は2,844台であり、販売先業種別シェア(台数ベース、OEM供給先を除く)は、マンション:45%、金融・証券:11%、学校・医療・公共施設:7%、店舗・商業施設:7%などとなった。

  • カード機器及びその他事務用機器事業(売上高:1,510百万円(前年比39.7%増)、営業利益:346百万円(同105.3%増))

病院向けカード発行機が安定的に推移する中、ふくおかフィナンシャルグループ(東証1部8354)向けのカード即時発行機の新製品(凸版印刷株式会社(東証1部7911)と共同開発)の売上が増収に寄与した格好だ。

  • 保守サービス事業(売上高:884百万円(前年比6.7%減)、営業利益:128百万円(同8.0%減)

企業の経費削減に伴いスポット修理・点検修理が減少したこと等により、減収となった。

  • 情報機器事業(売上高:3,315百万円(前年比2.2%減)、営業利益:307百万円(同13.1%増))

主力商品であるスキャナのOEM販売が減少したことや円高の影響を受けてグラフテック社は減益となった。しかし、グラフテックアメリカ社の子会社であるSilhouette America社の新製品の販売が好調に推移したことが寄与し、上記実績になった。

Silhouette America社は、それまでの8インチモデルの後継機種として、2012年10月に新製品の12インチモデル「CAMEO」を発売。2011年10-12月期における同製品の売上は25,761台と前年同期における本体(ハード)売上8,861台の2.9倍となるなど好調な売れ行きとなり、2012年2月現在でも受注に生産が追い付いていない模様だ。ちなみに、Silhouette America社のビジネスモデルは本体を販売した後、会員がデザイン素材(ソフト)をダウンロードする仕組みとなっているが、2011年12月単月におけるデータダウンロードサービスの利用者数は35,000人を突破したとのことである。

  • 計測機器及び環境試験装置事業(売上高:975百万円(前年比16.0%減)、営業利益:110百万円(前年比43.7%減))

環境試験装置の販売が企業の設備投資計画に応じて第3四半期以降に繰り延べられたこと等により、上記結果となった。

  • 設計事業(売上高:1,938百万円(前年比16.2%増)、営業利益:253百万円(前年同期は営業利益60百万円))

耐震診断等の受注増加により増収となった。

  • リース及び割賦事業(売上高:2,214百万円(前年比44.8%増)、営業利益:81百万円(同53.5%増))
  • その他(売上高:256百万円(前年比41.2%減)、営業利益:0百万円(前年同期は営業利益9百万円))


2012年6月期第1四半期実績

2011年11月11日、同社は2012年6月期第1四半期決算を発表した。

売上高は前年比7.5%増の7,291百万円、営業利益は同23.0%増の883百万円、経常利益は同20.9%増の1,007百万円、四半期純利益は同14.3%増の589百万円であった。

同社によれば、各事業の業績概要は以下の通りであった。

  • セキュリティ機器事業(売上高:1,355百万円(前年比0.3%減)、営業利益:254百万円(同26.0%増))
  • カード機器及びその他事務用機器事業(売上高:812百万円(前年比41.8%増)、営業利益:179百万円(同89.4%増))

カード発行機器の新商品販売が寄与したことにより、上記実績となった。

  • 保守サービス事業(売上高:454百万円(前年比7.2%減)、営業利益:68百万円(同3.1%増)

企業の経費削減に伴いスポット修理・点検修理が減少したこと等により、減収となった。

  • 情報機器事業(売上高:1,501百万円(前年比13.8%減)、営業利益:117百万円(同19.9%減))

主力商品であるスキャナのOEM販売が減少したことや円高の影響を受けたこと等により、上記実績となった。

  • 計測機器及び環境試験装置事業(売上高:543百万円(前年比18.7%減)、営業利益:61百万円(前年比49.9%減))

環境試験装置の販売が企業の設備投資計画に応じて第2四半期以降に繰り延べられたこと等により、上記結果となった。

  • 設計事業(売上高:936百万円(前年比14.7%増)、営業利益:133百万円(前年同期は営業利益21百万円))

耐震診断等の受注増加により増収となったほか、原価率の改善により大幅な増益となった。

  • リース及び割賦事業(売上高:1,549百万円(前年比52.8%増)、営業利益:39百万円(同20.2%増))
  • その他(売上高:139百万円(前年比13.1%増)、営業利益:3百万円(前年同期は営業損失3百万円))


2011年6月期通期実績

2011年8月19日、同社は2011年6月期通期決算を発表した。

売上高は前年比0.6%増の26,006百万円と微増に留まったものの、効率性や採算性の強化を図ったこと等により営業利益は前年比28.9%増の2,980百万円となった。当期純利益に関しては、特別損失として退職給付制度移行に伴う損失154百万円など合計359百万円を計上したほか、2010年6月期の法人税が税効果会計の影響で少額であった反動などによって、前年比5.7%増の2,254百万円に留まった。

各事業の業績概要は以下。

  • セキュリティ機器事業(売上高:5,371百万円(前年比11.3%減)、営業利益:738百万円(前年比27.1%増))

マンション向けが堅調に推移、法人向け販売も徐々に回復傾向にあるが、2010年6月期に計上した防衛省向けの売上高約9億円が減少したこと等によって売上高合計は対前年で減少した。もっとも、採算は改善し、売上総利益は前年を上回った。

  • カード機器及びその他事務用機器事業(売上高:2,405百万円(前年比2.9%減)、営業利益:390百万円(前年比1.5%増))

病院向けのカード発行機は前年を上回り堅調に推移したものの、その他事務用機器が企業の設備投資抑制の影響を受けたこと等によって売上高合計は対前年で減少した。営業利益はカード機器の売上によって微増となった。

  • 保守サービス事業(売上高:1,819百万円(前年比4.3%減)、営業利益:214百万円(前年は営業利益18百万円)

企業の経費削減に伴いスポット修理・点検修理が減少したこと等によって売上高は対前年で減少した。保守体制の見直しに伴うグループ内の人員異動のため、本セグメントの営業利益は大幅な増益となったが、セグメント全体での保守サービスの収益自体は大きく変わっていない。

  • 情報機器事業(売上高:6,816百万円(前年比4.0%増)、営業利益:499百万円(前年比26.1%増))

カッティングプロッタ、スキャナの販売が中国を中心としたアジア地域をはじめ、海外向けで堅調であり、増収増益となった。

  • 計測機器及び環境試験装置事業(売上高:2,161百万円(前年比15.0%増)、営業利益:333百万円(前年比44.6%増))

主力商品のデータロガーの販売が国内・海外ともに好調で、増収増益となった。

  • 設計事業(売上高:3,896百万円(前年比9.3%減)、営業利益:451百万円(前年比3.8%増))

年度当初の予算執行の遅延等によって売上高は対前年で減少したが、耐震診断、耐震構造設計中心に増益を確保した。

  • リース及び割賦事業(売上高:2,432百万円(前年比14.3%増)、営業利益:130百万円(前年比88.6%増))
  • その他(売上高:1,102百万円(前年比96.3%増)、営業利益:48百万円(前年比46.5%増))

重要な後発事象

2011年8月30日をもって、同社の連結子会社のグラフテック社及び同社と株式会社ミマキエンジニアリングは、全ての訴訟を終了させることで合意した。

(訴訟の提起から解決に至るまでの経緯)

グラフテック社及び同社は、2008年11月7日付でミマキエンジニアリング社からミマキエンジニアリング社の有する特許権に基づき侵害行為の差止と損害賠償を求める訴訟を提起された。その後、グラフテック社は、2009年1月30日付で、ミマキエンジニアリング社に対し、グラフテック社が有していた特許権に基づき損害賠償を求める訴訟を提起し、係争が継続していた。

グラフテック社及び同社、ミマキエンジニアリング社のいずれも訴訟についての正当性を主張してきたが、訴訟を継続することによって生じる各種負担も勘案した上で、互いに全ての訴訟を終了させることで合意に至った。



2012年6月期の会社予想

Image:AiHD-JP-FY-Outlook.png


2012年5月15日、同社は2012年6月期第3四半期決算発表と、同時に2012年6月期通期会社予想の上方修正を発表した。

2012年6月期通期会社予想の上方修正は下記の通り。同社によれば、1)主要事業であるセキュリティ機器事業において、マンション・法人向けともに販売が好調であること、2)海外子会社Silhouette America Inc.にて発売した、コンシューマ向け小型カッティングマシンの販売が順調に拡大していること、等により、売上高、利益面ともに当初予想を上回る見込みとなったとのことである。

2012年6月期通期会社予想

  • 売上高:28,000百万円(前回予想27,700百万円)
  • 営業利益:3,500百万円(同3,100百万円)
  • 経常利益:3,900百万円(同3,500百万円)
  • 当期純利益:2,350百万円(同2,200百万円)

同社は、2012年6月期業績を順調とみている。特にセキュリティ機器事業及び情報機器事業(Silhouette America Inc.が牽引)は好調で、2013年6月期以降も同社の成長ドライバーになるとみているようだ。



将来展望

同社は中期経営計画を公表していない。

同社の今後を展望するに際し、既存事業の成長ポテンシャル(内部成長:オーガニックグロース)とM&A等外部成長に分けて考えたい。内部成長に関していえば、同社の事業はニッチ市場で高シェアのものが多い。逆にいえば、安定キャッシュフローは望めるが、市場自体は飽和しており、その中での同社のシェアアップも難しい事業が多いようにSR社は感じている。

もっとも、マンション向けのセキュリティ・システム販売は、日本の既設分譲マンションが約14万棟あると推定(出所:同社)されている一方、同社のシステムの累計導入件数は2011年6月末で10,590棟と約7.5%を占めているに過ぎない。同社が今後累計導入件数2万件をめざすとしているように、今後もポテンシャルのある分野とSR社は考える。

また、同社が今後の成長分野として期待しているのが、Silhouette America Inc.の手掛ける小型カッティングプロッタを用いた、ペーパークラフトやホビー向けを対象とした新市場の開拓だ。Silhouette America社が着目している分野だけで、4,747億円の市場規模(「市場概況」の項を参照)があり、Silhouette America社のビジネスモデルが斬新であること、2011年9月時点で引き合いが良好な模様であること、等を踏まえ、SR社も今後の動向に注目している。

同社は、セキュリティ機器事業における金融機関向けのシステム販売やカード機の金融機関向けの販売などにも注力しているが、同社の業績の牽引役となるか否かについては、今後の動向を見守る必要があるといえよう。

最後に同社が重要施策と位置付けているM&A等外部成長に関しては、当然ながらそのタイミングは読めない。ただし、同社のM&Aとその実績をドッドウエルBMS社時代まで遡ってみる限り、トラッキングレコードは良好なように思われる。つまり、近い将来に同社がM&Aを実行するかどうかは不確かだが、将来いずれかの時点ではM&Aを実行するであろうし、その成功確率も高いようにSR社には思える。


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事業内容

ビジネス 

あいホールディングスは、ともに東証1部上場企業であった「株式会社ドッドウエル ビー・エム・エス(以下、ドッドウエルBMS社)」と「グラフテック株式会社(以下、グラフテック社)」の株式移転によって2007年4月に設立された共同持株会社である。

同社はこれまで度重なるM&Aを実施し、組織が大きく変化してきた。今後もビジネスあるいは組織が大きく変わり得るが、2011年6月期を終えた時点では以下のような事業概要となっている。

同社は8つの事業を営んでおり、各事業と主要事業会社の対応関係は下記のようになる。中核企業の1社であるドッドウエルBMS社はセキュリティ機器の販売やICカード発行機等の開発・販売を主な事業としている。同じく中核企業であるグラフテック社は計測機器とコンピュータ周辺機器の製造・販売事業を主要事業としている。また、これら2社に次いであい設計社があり、2009年に同社グループ参加に加わった耐震構造設計事業を手掛ける建築設計専門会社である。

1)セキュリティ機器事業:ドッドウエルBMS社
2)カード機器及びその他事務用機器事業:ドッドウエルBMS社
3)保守サービス事業:ドッドウエルBMS社
4)情報機器事業:グラフテック社
5)計測機器及び環境試験装置事業:グラフテック社
6)設計事業:株式会社あい設計
7)リース及び割賦事業:ドッドウエルBMS社
8)その他


Image:AiHD-JP-Segment-Sales.png

Image:AiHD-JP-Segment-OP.png


主要事業

セキュリティ機器事業

ドッドウエルBMS社を中心に、監視カメラ等のセキュリティ・システムを販売している。

同社が販売するセキュリティ・システムの主力はデジタル方式の監視カメラシステムである。ドッドウエルBMS社は、2000年6月期よりセキュリティ・システムの販売を開始したが、当初、韓国POSDATA社(韓国の鉄鋼大手POSCOの情報システム子会社)との販売契約を締結するなど、セキュリティ分野で世界最先端を走るとされる韓国の大手3社のうち2社と密接な関係を築いていた。同社によれば、韓国が同分野で世界最先端を走っている理由は、ブロードバンド技術の普及やデジタル圧縮技術による動画圧縮などへの応用が進んでいたためとのことである。一方、日本においてはセキュリティ機器への取り組みが遅れ、家庭用のAV機器の技術の応用を大手家電メーカーが行っている状況にある。

2011年10月時点では韓国企業に限らず、台湾企業、カナダの企業など他の国からも調達を行っている。ただし、調達先の中心は韓国であり、続いて台湾企業となっている。同社によれば、メーカーにこだわらず、世界で最先端の商品を仕入れ、販売することが同社の強みとのことである。

競合先は、パナソニック株式会社(東証1部6752)、三菱電機株式会社(東証1部6503)、日立株式会社(東証1部6501)などである。

同社は競合他社に対して同社が優位な点として、コストパフォーマンスの良さを指摘している。このコストパフォーマンスの良さは、同社によれば、上述したような製品の優位性に加え、メーカーから仕入れた製品をドッドウエルBMS社が販売するといった具合に流通経路が簡素化されている点に起因するとのことだ。反面、日本の競合他社は流通経路が多層となっており、その過程で中間マージンが上乗せされる傾向がある。

販売先は、マンションと一般法人が大半を占める(一部官公庁に納めている)。2011年6月期のDVR(Digital Video Recorder)販売先業種別シェア(台数ベース、OEM供給先を除く)としては、マンション:44%、金融・証券:15%、学校・医療・公共施設:7%、店舗・商業施設:6%、レジャー施設:3%、工場・倉庫・運輸:3%などとなっている。

販売先のマンションの全てが既設マンションである。理由としては、新築マンションではセキュリティ・システムを建設会社や設計事務所が主体となって取りまとめてしまうため、収益の確保が難しく、取り組むメリットが少ないためである。同社は既設マンション向けのセキュリティ・システム販売で国内トップシェアを誇る。

既設マンションへの販売の際は、提携したマンション管理会社(マンションの設備維持管理を担う会社)を通じて監視カメラシステムの導入、更新に関する情報を入手している。ドッドウエルBMS社はマンション管理会社の中でも大手の主要企業の大半と業務提携をしている。そこで入手した情報を元に、顧客であるマンション管理組合(一般的な建売マンションには住人を代表してマンション管理組合という組織が設けられている)の会合に参加し、そこで同社の営業員がプレゼンテーションを行っている。マンションでは、セキュリティ強化やトラブル時のチェックのため、エントランスルームやエレベーター、ポスト、自転車置き場、ゴミ捨て場などにおける監視ニーズが高い模様である。マンション向けのセキュリティ機器販売のビジネスモデルについては「ビジネスモデル」の項を参照されたい。

2011年6月末の時点で、同社がマンションに対して導入した累計件数は10,590棟である。また、2011年6月期の年間導入件数は2,146棟であった。同社は中長期的に、累計導入件数20,000棟を目標としている。ちなみに、日本の既設分譲マンションは約14万棟あると推定されている(出所:同社)。

マンション以外の法人等に対する販売は、入札の場合を除いて大半が代理店経由で行っている。同社がセキュリティ機器の販売で業務提携を締結している先としては、株式会社山武(東証1部6845)、株式会社イトーキ(東証1部7972)、富士ゼロックス株式会社(富士フイルムホールディングス株式会社(東証1部4901)の子会社)などが挙げられる。いずれも自社商品を軸に有力企業の顧客を抱え、全国的な販売網を有している企業である。

同社によれば、2011年6月期までの数年間、マンション向けの販売は順調にきたとのことだが、それ以外の法人等に対する販売は景気変動の影響を受けやすい側面もあって、やや苦戦が続いたとのことである。同社は新商品「マルチアイシステム」の提案や提携先との協業を通じて、2012年6月期以降、金融機関向けの販売を増やしていく方針である。


カード機器及びその他事務用機器事業

ドッドウエルBMS社が、カード発行機システム、その他事務用機器の開発・販売などをおこなっている。

ドッドウエルBMS社の取り扱っている代表的な商品として、病院やクリニックの診察券を発行するカード即時発行システムが挙げられる。ドッドウエルBMS社は、病院及びクリニックの診察券の即時発行機に関し、競合先へのOEM提供分を含めると、ほぼ100%の国内シェアを有していると同社は述べている。

ドッドウエルBMS社では病院及びクリニックの診察券の発行機以外には、金融機関・流通系カードなどが主にキャッシュカードやクレジットカードを発行することができる即時発行型のカード発行機を取り扱っている。

同社によれば、2011年6月期で当該事業の売上高の約90%が病院及びクリニック向け、残りがそれ以外の金融機関などが占めているとのことである。

ドッドウエルBMS社では、カード発行機に関し、企画・開発から設計までをグループ内で行っているが、製造は社外の生産委託会社が手掛けている。

カード発行機を手掛けている競合他社としては、米国のDatacard社が挙げられる。米国のDatacard社は世界市場で約90%以上の市場シェアを誇り、市場をほぼ独占している。Datacard社がこうした高いシェアを誇っている理由として、カード発行には一般的にはエンボス加工(数字やローマ字などを裏面から押し上げて浮かす加工技術)が必要であるが、基本技術を有するメーカーが世界でも数少なかったことが挙げられる。その数少ないメーカーがDatacard社であり、ドッドウエルBMS社の連結子会社であるプロメック社である。

従来、Datacard社は大小様々なカード発行機の製造・販売を行っていた。しかし、2007年にドッドウエルBMS社がDatacard社の日本法人である日本データカード株式会社と日本国内における小型即時カード発行機の供給に関するOEM契約を締結し、病院向け及び金融流通向けに商品供給を行っている。2009年にはドッドウエルBMS社がDatacard社との間で、ドッドウエルBMS社製の国内金融流通業向けカード発行機をDatacard社向け海外仕様に変更し、Datacardグループ傘下の各国現地法人へOEM供給する契約を締結した。これによって、Datacard社が手掛けてきた小型カード発行機は、順次ドッドウエルBMS社製のモデルに切り替わってきていると同社はコメントしている。一般的に、大型機は大ロット一括発行に用いられ、中小型機は小ロット即時発行に用いられる。同社によれば、Datacard社が強みを有しているのが、大型機であり、ドッドウエルBMS社が強みを有しているのが小型機である。

同社は病院及びクリニック向けのカード発行機では圧倒的なシェアを占めるが、それ以外の金融機関等に対するシェアは相対的に低い。同社はこの点について、上記の通りDatacard社に対してOEM提供を行うほか、カード自体を製造している凸版印刷株式会社(東証1部7911)等との提携によって、伸ばしていく方針とのことである。

ドッドウエルBMS社は凸版印刷と共同でICキャッシュカード(注)即時発行機「CP600MH」を開発したと2011年3月に発表した。日本でICカードの製造を手掛けているのは、専ら大日本印刷株式会社(東証1部7912)と凸版印刷社である。そのため、ICカード発行機を拡販していくためにはこれらカード製造会社と組む必要がある。

同社は「CP600MH」を導入することによる金融機関のメリットとして、カード輸送コストの削減と口座開設時のカード即時渡しによる顧客満足度の向上を指摘している。2011年9月時点で既に凸版印刷社経由で、国内金融機関グループへの納入が決定している。

同社によれば、ICキャッシュカード即時発行機(エンボス加工)は実質的な競合先はいないが、エンボス加工がないICキャッシュカード即時発行機の競合先として、日本電産サンキョー株式会社(日本電産株式会社(東証1部6594)の子会社)が挙げられるとのことである。

注:日本では、2001年3月に全国銀行協会が「ICキャッシュカード標準仕様」を制定し、2002年頃から導入検討や実証実験などが行われていたが、カード偽造が拡大し、その被害が報道された2004年~2005年以降、導入が加速した。


保守サービス事業

セキュリティ機器、カード機器などドッドウエル社の製品の保守サービスを手掛けている。一部外部委託保証サービスも行っているが、縮小傾向にあり、自社製品の保守サービスのウェイトの方が高い。


情報機器事業

グラフテック社を中心に、カッティング製品(カッティングプロッタ)やスキャナ等コンピュータ周辺機器を製造、販売している(一部OEM提供も含む)。基本的には業務用が中心である。

2011年6月期における同事業の売上の半分以上をカッティングプロッタが、残り1/4近くをスキャナが占める。

2011年6月期における情報機器売上(グラフテック単体)の国内売上高比率と海外売上高比率はほぼ同程度であった(前年に比べ、国内がやや不振であったが、海外販売が順調であった)。国内の販売ルートは大半が代理店経由であり、株式会社リコー(東証1部7752)、株式会社大塚商会(東証1部4768)などが代理店となっている。

海外での販売比率は高いが、北米市場を中心に南北アメリカ大陸をカバーするため、アメリカにグラフテック社の販売子会社であるグラフテック アメリカ インクがある。グラフテックアメリカ社での販売の中心はカッティングプロッタである。海外では販売子会社を通して現地のディストリビューターまたはディーラーへ販売している。

グラフテック社は、企画・開発から設計までを社内で行っているが、製造は国内、海外の協力会社に生産を委託し、自社での生産は行っていない(計測器事業の大型環境装置だけは社内で組立・調整作業を実施)。

  • カッティングプロッタ

カッティングプロッタとは、プロッタと呼ばれる出力装置の一種で、コンピュータから送られる図形データ(文字や記号、イラストなど)に基づいてシートを切り抜くことができる装置のことである。広告用のステッカーやポスター、看板を造る際に用いられ、顧客の大半は広告・看板業者である。なお、一部アパレル業界向けに専用モデルが販売されている。

グラフテック社は日本初のX-Yプロッタ(自動作図機)を開発した会社である。1980年代の日本の住宅・不動産バブルの中で、CAD用ペンプロッタ(ペンを自動的に動かして図面を出力する機械)を主力製品として手掛けていた。その後ペンプロッタの需要は1990年代始めに米国ヒューレット・パッカード社がCAD用にインクジェットプリンタを投入したことにより、急減してしまった。しかし、そのペンプロッタのペンをカッターに置き換えたのがカッティングプロッタである。ペンプロッタは製図を中心としたCAD市場から看板・広告市場へとターゲット市場を変えたことによって生き残った。カッティングプロッタは国内市場でみれば引き続き一定の需要が存続しており、グローバルにみればアジアを中心に拡大基調にある。

同社のカッティングプロッタは世界シェアの3割強を占め、トップシェアを誇る(2011年6月期、出所:同社)。

競合先はローランド ディー.ジー.株式会社(東証1部6789)、ミマキエンジニアリング社(JASDAQスタンダード6638), ベルギーのSumma社などである。

  • Silhouette America, Inc.について

前述したグラフテックアメリカ社では、Silhouette America Inc.を2009年9月に設立した。同社ではSilhouette America社の今後に関して、非常に期待しているとコメントしている(2011年9月時点)。Silhouette America社がターゲットとしているのは、これまでの業務用とは別に、一般消費者向けに小型カッティングプロッタを用いた、ペーパークラフトやホビー向けを対象とした新市場の開拓である。Silhouette America社がその中でもさらに着目しているのは、以下の1)から5)の分野である(市場規模に関しては「市場概況」の項を参照)。

1)スクラップブッキング:台紙に写真や手紙の切り抜きを張ったり、それにまつわる思い出のメッセージを書き添えたりしてつくるアルバムないしはスクラップブックづくり
2)カードメーキング:装飾を施したカード作り
3)カスタムアパレル:ラインストーン、熱転写、布切りによるオリジナルアパレルの作成
4)ホームデコ:室内装飾
5)教育市場

Silhouette America社を一言で表すと、インターネットを利用したペーパークラフト、ホビーのデザインコンテンツを提供する会社である。具体的には、Silhouette America社が会員登録をしたユーザーに対し、外部クリエータと契約したカット素材のデザインを専用のWEBサイトから提供。会員がこれらデザイン素材を購入する都度、ダウンロード数に応じて課金されるというサービスを提供している。カッティングプロッタを用いたこうしたビジネスを手掛けているのは、米国でもSilhouette America社のみである。

対象顧客は米国の消費者であるが、消費者がSilhouette America社のサービスを利用するためには、1)家庭用カッティングプロッタを購入する、2)会員となり、デジタルコンテンツをSilhouette America社が運用・管理するWEBからダウンロードする、というプロセスを踏むことになる。Silhouette America社からみれば、1)がフローのビジネス、2)はストックビジネス、ということがいえる。SR社の理解では、Silhouette America社のビジネスはiTuneのようなビジネスといえる。つまり、カッティングプロッタ(「Silhouette」)本体が「iPod」に該当し、カット素材のデザイン等のダウンロードコンテンツがiTuneの音楽、映画などに相当するといえよう。

同社はSilhouette America社のビジネス上の強みとして、グラフテック社のカッティングプロッタの技術、すなわち、紙その他対象物を精巧に切り取る能力に優れている点を指摘している。

2011年10月時点で、Silhouette America社はカッティングプロッタ本体をアメリカ、カナダ、イギリスを始めとした北米、欧州で相当数の販売を行っており、その他の地域には今後展開する予定とのことである。また、ダウンロードビジネスはアメリカ、カナダが大半だが、今後は他の国・地域に展開を図っていくとコメントしている。

  • スキャナ

業務用の大判サイズ対応のスキャナの製造を行っている。大判サイズのスキャナは専ら土木測量図など図面のコピーをするのに用いられている。競合他社にはデンマークのContex社やイギリスのColortrac社などがある。スキャナ単体でのグラフテック社のシェアは30%程度であるが、むしろ大判サイズのスキャナは単体での利用よりもプリンタと一体となった複合機に使用される割合が高く、グラフテック社も一部直販はあるものの、大半はOEM供給しており、最終的な顧客は官公庁が多いと同社はコメントしている。


計測機器及び環境試験装置事業

グラフテック社の創業以来の中核事業であり、グラフテック社が開発・製造する計測機器や環境試験装置の販売を行っている。主力製品はデータロガーである。

  • データロガー

データロガーとは、センサーから計測を行ってその計測結果を保存する電子計測器である。一般的な計測対象として、温度、圧力、電流・電圧、速度、歪み、変位などの物理現象が挙げられる。同社によれば、用途として多いのが温度計測で用途の半分以上を占め、次に多いのが振動計測などとのことである。

データロガーは、センサーとともに使用して物理現象を電圧や電流などの電気信号に変換。その電気信号をさらにバイナリデータ(文字データ以外のデータ形式全般のこと)に変換して、デジタル化する。そのバイナリデータは簡単にソフトウェアで解析、PCのハードディスクやメモリデバイスなどに保存できるようになっている。

つまり、センサー計測を行ってデータを保存する機能がデータロガーの特徴である。加えて、概ね20万円以下の値段設定となっているため、日本においては固定資産計上対象とはならないなど、安価な値段設定も特徴の一つである。こうした特徴により、様々なところで用いられている。市場規模は、同社によれば100億円程度。競合他社としては、株式会社キーエンス(東証1部6861)、日置電機株式会社(東証1部6866)などが挙げられる。同タイプのモデルにおいてはシェア30%以上を占めると同社はコメントしている。

同社がデータロガーの参入障壁として指摘しているのは、顧客にとっての使い勝手である。元々、データロガーを手掛けるメーカーは多数存在したが、30年程度の過程で数社に絞り込まれてきた。同社によれば、その際、決め手となったのが、顧客にとっての使い勝手である。すなわち、データロガーを使用する際には、接続方法やパラメータの設定など色々と手順が必要になる。そのため、顧客にとって使いなれたマシンや使い勝手のいいマシンの人気が自然に高まり、その他のマシンは淘汰されていくという構図だ。

2011年6月期における計測機器売上(グラフテック単体)の国内売上高比率と海外売上高比率は前年に比べ、海外売上高比率が増加し、ほぼ3対1の比率となった。日本の売上構成比が高い理由として、同社は販売網の充実を上げている。つまり、日本全国にデータロガーの販売代理店が存在するという。一方、海外の売上構成比が低い理由として、グラフテック社の経営が厳しかった際に海外の拠点を幾つか閉め、海外の代理店との関係が希薄になった点を同社は指摘している。グラフテック社は今後の海外向け売上の拡大に向けて、再び海外の販売拠点の拡充を進めている。


設計事業

あい設計社が軸となって、建築物・構築物における意匠設計と構造設計を中心とした設計事業を手掛けている。同社が、2009年に塩見ホールディングス(大証2部2414)より同社の主力事業であった当該事業を譲り受けたことが当該事業のベースとなっている。

あい設計社は広島県を地盤として全国に拠点を持っている。同社によれば、耐震構造設計を得意としており、低コストと高度なノウハウを武器に、小規模物件から高層ビルまで、地震など自然災害に耐えられる建物の設計を行っている。

2011年3月11日の東日本大震災の発生前より、東京都では大震災が発生した際の緊急輸送道路の確保のため、特に重要な緊急輸送道路沿いの中高層建物の耐震診断を義務化して実施させる方針が決定された。2011年3月の東日本大震災の発生によって、東京都のような動きが全国的に高まっていくのではないかと同社ではみている。


リース及び割賦事業

ドッドウエルBMS社が色々な商品を販売する中、顧客の利便性を考慮し、与信管理を行った上で、転貸リースや割賦販売などを一部行っている。


その他事業

上記各セグメントに含まれないその他の製品やソフトウェアの開発・製造及び販売等が含まれる。


店舗網

ドッドウエルBMS社は日本全国31ヵ所に支店および営業所を構える。この拠点網の背景として、ドッドウエルBMS社が郵便料金計器(切手の代わりになる郵便料金スタンプを郵便物などに直接プリントすることのできる機械)のアフターサービスに力を入れていたことによる。


ビジネスモデル

セキュリティ機器事業のビジネスモデルはやや複雑なので、本項目にて、同社がマンションに提供している「防犯システム安心パックの仕組み」について記載する。ドッドウエルBMS社は、顧客であるマンション管理組合に対し、リース会社と共同して監視カメラシステムを提案し、その導入を図ろうとしている。ビジネスモデルを単純にいえば、レンタル契約をベースに、保守サービスを付帯するビジネスモデルである。このようなパッケージを組んでいるのは同社のみであり、このパッケージ自体が他社との差別化につながっている側面もある。

特に重要なのは以下の3点である。

1)ドッドウエルBMS社はリース会社にセキュリティ・システムを物販、リース会社が顧客であるマンション管理組合に契約期間中、レンタルする。また、ドッドウエルBMS社は顧客に対して契約期間中、定期点検や電話があった際の修理など保守サービスを無料で提供する
2)契約期間終了後も同じセキュリティ・システムの使用を顧客が希望すれば同一条件での1年毎の更新が可能となる。最初の契約期間中は無償保証だが、契約更新後はリース会社に対しては有償保証となる
3)契約期間終了を見込んで通常は、2)のように契約期間を延長するのではなく、ドッドウエルBMS社が新たなセキュリティ・システムのリプレイスを顧客に提案する場合もある

1)によって、ドッドウエルBMS社にはセキュリティ・システムの売上が計上される(95%が製品売上、5%が保守料金)。一方、顧客はリース会社とレンタル契約を締結するので、セキュリティ・システムの購入代金を一括で支払うのではなく、月額レンタル料金を支払うことになる。顧客にとってはレンタル価格を一定に保てるため、予算が組みやすいというメリットがある。また、管理会社にとっては、トラブル時や修理の際に業者に取り次ぐ手間が省けるメリットがある。

2)によって、契約期間終了後に契約更新があれば、更新された契約期間中、ドッドウエルBMS社に保守売上が計上されることになる(リース会社から保守料を徴収している)。これは顧客が契約更新を行った際、リース会社とドッドウエルBMS社との間で保守請負契約を締結するためである。ちなみに、契約更新後も顧客にとっての月額レンタル料金は契約更新前と変わらない。

3)ドッドウエルBMS社は、契約期間の終了が近づくと新たなセキュリティ・システムへのリプレイス提案に顧客に出向く。顧客がリプレイスを希望すれば、再度契約が始まる。この際の契約は基本的に1)と一緒だが、ビデオカメラとレコーダーの更新のみで配線など既存のインフラを使えるので、顧客のレンタル料金も一部安くなるし、ドッドウエルBMS社にとっての設置費用が安くなる側面もある。

同社によると、契約更新とリプレイスの比率は、リプレイスを希望する顧客の割合の方が高いとのことである(2011年6月末時点)。リプレイスの比率が高い理由として、ドッドウエルBMS社がリプレイスを推奨しているのも一因である。また、同社は契約更新しなかったケースで、他社製品に流れる比率は1割以下であるとコメントしている。

先述したように、2011年6月末の時点で同社がマンションに対して導入した累計件数は10,590棟である。契約期間が5-6年であり、累計件数は将来的なリプレイス需要を意味する。またリプレイスではなく、契約更新となった際にも同社には保守料が入ってくる。そのため、セキュリティ機器の累計導入件数が積み上がれば積み上がるほど、セキュリティ機器事業のビジネスは「フロー型」から「ストック型」の色彩を帯びていくということがいえる。


防犯システム安心パックの仕組み

Image:AiHD-JP-Anshin-Security.png
出所:同社資料よりSR社作成


顧客(マンション管理組合)とリース会社

  • 安心パック契約

1)顧客はリース会社と安心パック契約を結ぶ。契約期間は5-6年であり、顧客は途中解約が可能である

2)途中解約がなければ、顧客はリース会社に対して、契約期間中、月額レンタル料金を支払う

3)上記契約期間満了後、同一条件での1年毎の更新が可能となっている

リース会社とドッドウエルBMS社

  • 商品売買契約

1)リース会社とドッドウエルBMS社は商品売買契約を結ぶ。ドッドウエルBMS社はリース会社に対して、物販をした扱いとなる

2)ドッドウエルBMS社の社内売上の内訳は、うち95%が製品売上、5%が保守料金となる。保守料金は契約期間中に期間按分され計上される

3)当初契約期間中は無償保証扱い

  • 保守請負契約(契約更新後)

1)リース会社とドッドウエルBMS社は保守請負契約を結ぶ。これによって、当初契約期間中は無償保証扱いだが、契約更新後は有償保証扱いとなる

2)契約更新後、ドッドウエルBMS社はリース会社から保守料を徴収する

マンション管理会社とドッドウエルBMS社

  • 業務委託契約

マンション管理会社とドッドウエルBMS社との間で業務委託契約を結ぶ。マンション管理会社は、ドッドウエルBMS社に対し、顧客の紹介並びに保守等の窓口業務を行い、この対価として手数料を受け取る


収益性・財務指標

Image:AiHD-JP-Ratios.png

同社の売上総利益率は変則決算となった2007年6月期を除いて、30%台後半を維持している。特にリーマンショック後の世界的の経済・金融危機を迎えた2009年6月期にも売上総利益率で37.8%と高水準を維持している点は注目される。同社はこうした高水準の売上総利益率を実現している理由として、売上が厳しい時期には仕入原価を抑制するなど、売上総利益率を高水準に維持するよう厳密に収益性の管理をしている点を指摘している。営業利益率は2008年6月期以降、徐々に改善しているが、同社によれば、グラフテック社を中心に仕入原価の低減並びに販売管理費の削減・抑制に努めてきた結果であるとのことだ。


SW(Strengths, Weaknesses)分析

強み(Strengths)

  • トップマネジメントの経営手腕:佐々木会長は25歳で独立して以来、長年経営者として手腕をふるってきた。その過程で、数々のM&Aを行い、今日のあい ホールディングスに至る。ドッドウエルBMS社もグラフテック社も佐々木会長に買収される以前は赤字に苦しんでいた会社であったが、いずれも見事に再建を果たし、順調にビジネスを拡大している。佐々木会長のM&Aを行う際の基準は堅実である。逆に、機会を見出せば、確実にものにするという力強さも兼ね備えているとの印象をSR社は受けている。
  • ニッチ市場で強みを有する事業が多い:同社の事業に対する考え方やM&Aを行う際の基準を映して、ニッチ市場で強みを有する製品、あるいは独自のサービス展開を行っている事業が多い。例えば、情報機器事業や計測機器における主力製品の世界的に高いシェアを占める。また、病院やクリニックの診察券を発行するカード即時発行システムでは国内市場のほぼ100%のシェアを有する。その他、既設マンション向けのセキュリティ・システム販売で国内トップシェアを誇る。こうした事業特性によって同社は経営の安定度を保ち、高水準のフリーキャッシュフロー創出を通じて次のM&Aの原資を捻出することが可能になるものとSR社は考える。
  • 高い財務健全性と厳しい収益性管理:大規模な生産設備を抱えていないこと、M&Aを行う際の基準としてバランスシートがクリーンであることを掲げていることなどの結果、同社の財務健全性は高い。無借金であり、70%超の自己資本比率を誇る。また、財務健全性のみならず、収益性も重視しており、2011年6月期で約39%の売上総利益率、約12%の営業利益率を実現している。

弱み(Weaknesses)

  • 慎重なM&Aへのスタンス:佐々木会長は、同社は上場している以上、M&Aで失敗するわけにはいかないと述べている。多少なりとも機会を見出したら、即M&Aに打って出るというよりは、慎重に買収対象を見極めるスタンスを取っている。こうしたスタンスは同社のM&Aの成功確率を高める一方、同時に一定の機会損失を生じさせている可能性もあるのではないかとSR社は考える。ここでいう機会損失とは同社が慎重に考慮し、M&Aを見送ったが、実は同社にとってM&Aを実行した方がプラスであったような案件をさす。こうした考えは、あくまで理論上の話であり、失敗するわけにいかないという実情を踏まえれば、実際はより慎重にならざるを得ないのかもしれない。ただし、機会損失の可能性がある点については指摘しておきたい。
  • 海外企業にM&Aをする上でのネットワークに乏しいこと:同社は海外の企業に対するM&Aに対しても前向きである。しかし、同社は、海外において、M&Aの対象企業を発掘する上での人的ネットワークの構築を課題して掲げている。SR社はこの点を非常に重要と認識している。なぜならば、被買収企業を立て直す手法の端的な例が、マネジメントの刷新であるが、海外企業はマネジメントが実績を残せなければ、当該企業のマネジメントが交代し、買収対象となる事例が多い。一方、日本企業は、マネジメントが長年結果を残せなくても、居座るケースが散見されるからである。すなわち、同社が海外企業に対してM&Aを実施する土台を築くことができれば、同社の慎重なM&Aへのスタンスを踏まえた上でも、機会は飛躍的に増大するものと考えられる。
  • 既存事業の成長ポテンシャルが限られること: 「強み」に記載した通り、同社はニッチ市場で強みを有する製品、あるいは独自のサービス展開を行っている事業が多い。反面、市場自体は飽和しており、その中での同社のシェアアップも難しい事業が多いようにSR社は感じている。そのため、同社が成長率を加速させるためには、今後もM&Aを行う必要があるといえよう。


グループ会社

同社は、純粋持株会社と連結子会社、関係会社によって構成されているが、同社の8つの事業を主要事業会社と対応させると下記のようになる(括弧内は出資比率)。

  • 株式会社ドッドウエル ビー・エム・エス(100%):セキュリティ機器事業、カード機器及びその他事務用機器事業、保守サービス事業、リース及び割賦事業を行う。
  • グラフテック株式会社(100%):情報機器事業、計測機器及び環境試験装置事業を行う。
  • 株式会社あい設計(100%):設計事業を行う。
  • あいエンジニアリング株式会社(100%): グループ各社の商品開発を効率的に行うため、各社毎に抱えていた開発要員を一箇所に集結させるべく設立された会社。2011年7月よりグラフテック株式会社の開発要員は、グラフテック社の所属に復帰することにした。
  • 株式会社プロメック(99.9%):カードシステムの開発・製造。ドッドウエル ビー・エム・エス社の子会社。
  • グラフテック アメリカ インク(100%):グラフテック社の米国における販売子会社。
  • Silhouette America Inc. (100%):グラフテックアメリカ社の100%子会社。インターネットを利用したペーパークラフト、ホビーのデザインコンテンツ提供会社。
  • グラフテック ヨーロッパ B.V.(100%):グラフテック社の欧州における販売子会社。


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市場とバリューチェーン 

市場概況

同社のビジネスは多岐に渡るので、同社の業績を展望する上で、包括的なインプリケーションを提示し得る市場動向をここで記載するのは難しい。

そのため、同社がM&A等の外部成長ではなく、内部成長を遂げていく際に牽引役として期待している、Silhouette America社の対象市場について触れたい。

CHA(Craft & Hobby Association、全米クラフト&ホビー協会)によれば、2010年7月~2011年6月における全米のクラフト市場は303億ドルとなる。普及率は58%に上るとのことであり、全米1億1,500万世帯の58%、6,670万世帯がクラフトを趣味としていることになる。

Silhouette America社が対象としているペーパークラフトやホビー向けなどはそのうち以下2分野である。

1)ペーパー&メモリークラフト:35億ドル
2)アーティスティッククラフト:31億ドル

1)及び2)を合算すると66億ドルの市場規模となる。同社によれば、これらは米国、欧州で人気の高い趣味であり、主なファン層は年齢30~50歳代の子供のいる中級所得以上の女性であるとのことである。特に1)ペーパー&メモリークラフトに含まれるスクラップブッキングは米国において主婦の3大ホビーの一つに位置付けられるようだ。また、こうした既存の市場のみならず、カスタムアパレルや教育市場などの新たな市場の開拓も行っていく予定と同社は述べている。

米国で類似したビジネスを展開している会社として、Provo Craft & Novelty社がある。同社によればProvo Craft & Novelty社は、カッティングプロッタとデザインをパッケージで各消費者に売るビジネスモデルであり、ネットでのデザイン提供は行っていない。米国で250億円ぐらいの売上実績を誇っているとのことである。


顧客

同社のビジネスは大半がB to Bである。例外は、セキュリティ機器事業のマンション向けの販売とSilhouette America社であり、この二つについては消費者を顧客としている。


参入障壁

同社の場合、ニッチ市場で高いシェアを有する商品・サービスが多く、他社からみて同社のビジネスに対する参入障壁は高いものと思われる。


競合環境

同社の場合、ニッチ市場で高いシェアを有する商品・サービスが多く、主に2-3社で競合しているケースが多い。特に競合環境が厳しいというわけではない。競合他社は各事業の項に記した通りである。


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経営戦略 

同社は事業の拡大を図る手段として、M&Aを経営の重要な課題として位置付け、日々積極的に被買収先を探している。同社の佐々木会長はM&Aは経営戦略ではないとコメントしているが、S&R社は同社のこれまでの発展と今後を展望するに際し、極めて重要であるとの認識から「経営戦略」の項にM&Aについて記載する。

同社のこれまでのM&Aの事例を振り返る限り、1)M&Aを既存事業の梃入れや新規事業の立ち上げに活用するケース、2)ニッチ市場で魅力ある製品・サービスを有しているが、諸々の要因から本来の力を発揮できず、赤字となっている企業を買収・立て直すケース、などが挙げられる。1)に関しては、ドッドウエルBMS社の中核事業である「セキュリティ機器事業」を立ち上げる、あるいは「カード機器事業」を強化するために、M&Aを行った事例が挙げられる。また、2)に関しては、ドッドウエルBMS社、グラフテック社がその最たる例であろう。

同社がM&Aの対象企業の基準として定めているのが、相手先のバランスシートが痛んでいないこと、損益は赤字でも構わないが、ニッチ市場で強みを有する会社である。業種は、佐々木会長が以前手掛けたが失敗した経験のある食品と不動産以外ならどこでも対象範囲内であると同社は述べている。また、最初から売却する目的でM&Aを実施することはないし、敵対的買収も行わないとのことだ。買収する際の金額の目安としては、純資産価値以下を目安として掲げている。

再建事例としては、経営者の手腕等の問題によって、本来の持ち味を発揮できていない会社を傘下に加え、同社の顧客基盤(法人3~4万社)に買収先企業の商品・サービスを提供する、あるいは選択と集中を進めるケースが多いという。グラフテック社は後者の例である。

同社は、成長をむやみに追い求めるためのM&Aは実施しないとコメントをしている。すなわち、慎重に成功するM&A案件を見極めたいとのスタンスだ。実際、これまでのところ、同社のそうしたスタンスは成功しているように思われる。

課題は、既存事業等の内部成長とM&Aを活用した外部成長の組合せによる成長スピードであろう。SR社の認識としては、日本企業の場合、赤字が続いているような企業であっても、バランスシートが痛んでいないような場合においては、経営者が居座るようなケースも珍しくない。そのため、本来ならば、同社にとって格好のM&Aのターゲットとなるような企業であっても、経営者が居座り続けることによって、同社がM&Aを行う機会を逃すケースも多いのではないかと考える。

こうした問題への一つの対処法は、海外へとM&Aの対象を広げることであろう。海外企業はマネジメントが実績を残せなければ、当該企業のマネジメントが交代し、買収対象となる事例が多いからである。同社も海外企業のM&Aについては、前向きに検討しているが、M&Aの対象企業を発掘する上での人的ネットワークの構築等を課題とであると指摘している。グラフテック社は海外売上高が高く、既にグローバルに展開を行っているが、そのネットワークの活用等も手段として考えられよう。


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過去の財務諸表

概略 

損益計算書 

Image:AiHD-JP-Income-Statement.png


2007年6月期

2007年4月2日にあい ホールディングスを設立し、2007年4月2日から2007年6月30日までの3ヵ月決算となった。売上高はデジタル・セキュリティ・システムの導入が好調に推移したことなどから7,588百万円となった。しかし、たな卸資産の評価損470百万円を売上原価に計上したこと、取引先であった株式会社ダイエーが民事再生法の適用を申請し、割賦債権の全額1,144百万円を貸倒引当金として販売管理費に計上したことにより、988百万円の経常損失となった。もっとも、株式移転に伴う税効果会計の適用による、法人税等調整2,038百万円の計上によって、当期純利益は996百万円となった。


2008年6月期 売上高は23,674百万円となったが、同社は環境試験装置の大型受注案件の翌期への繰延べや、米国景気低迷の影響、遊技用機器、遊技施設向けの音響設備及び照明設備に関する事業縮小などの影響を受けたと述べている。営業利益は、たな卸資産の評価損89百万円の売上原価計上や貸倒引当金繰入額61百万円を販売管理費に計上したことにより、1,797百万円となった。当期純利益は、投資有価証券評価損621百万円、投資有価証券売却損71百万円を計上したこと等により、609百万円となった。


2009年6月期

売上高は23,308百万円(前年比1.5%減)と微減に留まった。世界的な金融・経済危機の影響から企業の設備投資の凍結や先送りの影響を受けたが、耐震診断・補強設計などを主な業務とする設計事業を第3四半期より開始したためである。営業利益は減収によって前年比13.9%減の1,548百万円であった。当期純利益は、近畿地区におけるメーリング機器事業を譲渡したことによる事業譲渡益290百万円を特別利益で計上、投資有価証券評価損607百万円を特別損失で計上したこと、などから966百万円(前年比58.6%増)となった。


2010年6月期

売上高は設計事業の通期寄与(2009年6月期は下期のみ計上)等によって前年比10.9%増の25,855百万円となった。営業利益は増収に加え、効率性や採算性の強化を図ったことから前年比49.4%増の2,312百万円となった。当期純利益は法人税等が税効果会計の影響で369百万円減少したこともあって、前年比120.7%増の2,132百万円となった。


過去の会社予想と実績の差異

Image:AiHD-JP-Perf-v-Estimates.png

会社予想と実績との関係に明確なトレンドは見出せない。2008年6月期、2009年6月期はいずれも営業利益が期初会社予想を大幅に下回った。逆に2010年6月期、2011年6月期は会社予想を実績が大幅に上回った。2011年6月期は売上高がほぼ計画並みであったが、営業利益、経常利益はともに会社予想を上回った。2011年10月時点で同社は、売上高よりも営業利益を重視するスタンスを同社は採用しており、売上高が計画を下回ったり、計画通りであっても、営業利益に関しては、会社予想とほぼ同水準に留める、あるいは計画を上回るようにするつもりとコメントしている。


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貸借対照表 

Image:AiHD-JP-Balance-Sheet.png


資産

同社の資産の部の特徴としては、一定の現預金ならびに投資有価証券を有していること、合併買収が比較的頻繁にあるがのれん残高水準がさほど高いわけではない点、などが挙げられよう。

一定の現預金及び投資有価証券を有している理由として、SR社は同社が常にM&Aの機会を窺っているためと考えている。2010年6月期の投資有価証券は2,235百万円だが、同社は有価証券報告書でうち501百万円が純投資目的以外、「経営戦略上の保有」と記載している。うち一番大きなエクスポージャーが日本電計株式会社で368百万円(1,084千株、2008年10月8日に取得)、次が株式会社内田洋行の97百万円(349千株)である。

2011年6月期末ののれん代は894百万円であり、総資産の2.8%を占めるに過ぎない。この理由として、SR社は同社が買収対象企業を購入する際に純資産価値以下であることを条件の一つとして掲げていることも大きいのではないかと推測している。2009年6月期にのれんが増加しているが、これは塩見設計社(現あい設計社)を譲り受けた際に発生したのれん代1,000百万円に起因する。


負債

同社は上場以来無借金である。主な負債勘定は買掛金や未払金であり、その点に関し特に特筆すべき事項はない。


純資産

有利子負債がないこともあって、同社の自己資本比率は2008年6月期以降70%超を維持している。この点、同社はM&Aを比較的頻繁に行ってはいるが、買収対象として貸借対照表が健全な企業であること、購入する際は純資産価値以下であることなどを条件として掲げていることを反映しているとSR社では考える。


1株当たり数値

Image:AiHD-JP-Per-Share-Data.png


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キャッシュフロー計算書 

Image:AiHD-JP-Cash-Flow-Statement.png


営業キャッシュフロー

同社の営業キャッシュフローは2008年6月期こそ37百万円と低水準に留まったが、2009年6月期以降は改善基調にある。同社はニッチ市場で強みを有する事業群を抱えており、そうした事業群が厳密な収益性管理等によって本来の力を発揮することにより、高い営業キャッシュフローがもたらされているものとSR社では推測している。


投資キャッシュフロー

同社の場合、投資有価証券の取得や売却、貸付金の増減などM&Aの実施や事業譲渡によって変動する。

2009年6月期の投資キャッシュフローが2,014百万円の支出となっているが、これは主に塩見設計社(現あい設計社)が構造設計、耐震診断・補強設計等の事業を譲り受けたことによる。


財務キャッシュフロー

2007年6月期は長期借入金返済による支出だが、2008年6月期以降は主に配当金の支払いによる支出による。


単純フリーキャッシュフロー

同社の場合、大規模な設備投資を必要としておらず、営業キャッシュフローも一定水準を確保していることから、単純フリーキャッシュフローがプラスとなり易い。特に2010年6月期および2011年6月期の単純フリーキャッシュフローは営業キャッシュフローの水準を映して高水準となっている。


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その他情報

沿革

同社は、ドッドウエルBMS社とグラフテック社の株式移転によって2007年4月に設立された共同持株会社である。あい ホールディングスとしての歴史は浅いが、共同持株会社が設立されるに至るまでの沿革を以下にまとめる。

ドッドウエルBMS社の沿革

1950年9月  有限会社タイプライターサービス社を設立

1963年7月  株式会社ドッドウエル・ビジネスマシーンズ・サービス社に改組

1978年10月 株式会社ドッドウエル ビー・エム・エスに商号変更、販売部門を確立する

1999年3月  株式会社正晃を子会社とする(2004年7月に全株式を売却)

1999年12月 日本証券業協会に株式を店頭登録

2000年12月 株式会社プロメテックを子会社とする

2001年2月  株式会社高見沢サイバネティックスへ資本参加する

2002年6月  東京証券取引所市場第2部に株式を上場

2003年6月  東京証券取引所市場第1部銘柄に指定

2003年11月 韓国3R社からデジタルセキュリティネットワーク事業を譲り受ける

2005年5月  グラフテック社と業務提携をする

ドッドウエルBMS社の前身は1950年に遡る。1963年には株式会社ドッドウエル・ビジネスマシーンズ・サービス社に改組し、事務用機器のアフターサービス業務を開始した。その後、1978 年、株式会社ドッドウエル ビー・エム・エスに商号変更するとともに販売業務にも展開し、郵便料金計器、カード発行機などニッチ分野での外国製事務用特殊機器を日本で販売、業容を拡大してきた。同社が販売していた事務用特殊機器は米ピッツニーボウズ社の製品である。

佐々木会長はバブルが崩壊、創業者もいなくなったドッドウエルBMS社を見出し、1993年にドッドウエルBMS社の取締役に就任。その後、1994年にドッドウエルBMS社の代表取締役社長に就任した。佐々木会長がドッドウエルBMS社を買収した時には、ドッドウエルBMS社の収益構造は、米ピッツニーボウズ社の製品の販売と保守サービスに多くを依存していた。しかし、佐々木会長はそうした収益構造では会社としての成長に限界があるとの判断から、新たな事業を立ち上げる。「セキュリティ機器事業」と「カード機器事業」である。

「セキュリティ機器事業」に関しては、監視カメラのレンズのメーカーであった正晃社を買収したことが起点となっている。正晃社は世界の監視カメラメーカーにレンズを納入していた会社でその技術に定評があったが、創業者が高齢で後継ぎがいなかった。長年のM&Aで培ってきた人脈を元に同社を知った佐々木取締役会長は、1999年に同社を子会社とした。さらに、正晃社を通じて世界のセキュリティ事情を知るうちに、日本でも将来的にセキュリティニーズが高まると実感、2000年より「セキュリティ機器事業」を立ち上げた。同社は、監視カメラシステムとして、韓国の製品を仕入れているが、元はといえば、正晃社が取引をしていた会社であった。「セキュリティ機器事業」はその後順調に拡大し、同社の中核事業となっている。

「カード機器事業」に関していえば、同社は上記の通り、米ピッツニーボウズ社のカード発行機の日本における販売代理店を務めていた。当時、米ピッツニーボウズ社のカード発行機は日本市場における病院向けで大半のシェアを握っていたが、一方、クリニック向けのシェアの大半を握っていたのが、プロメック社であった。しかし、その後、米ピッツニーボウズ社が郵便料金計器などのメーリングシステム機器に事業を集中させる一方、カード機器事業から撤退する。その際に、カード機器事業を買ったのがドッドウエルBMS社である。さらにドッドウエルBMS社は競合先であったプロメック社を2000年に買収、子会社とした。

競合先であったプロメック社を子会社としたことで、ドッドウエルBMS社は病院及びクリニック向けのカード発行機で圧倒的シェアを有することになった。佐々木取締役会長がそこで、病院と同様に即時発行のニーズが高まると推測したのが、銀行など金融機関である。しかし、病院の診察券とキャッシュカードでは性能やキャパシティなど求められる技術が異なった。そこで同社はATMの内部を手掛けていた高見沢サイバネティックス社に2001年に資本参加し、金融機関向けカード発行機を共同開発した。

ドッドウエルBMS社とグラフテック社との接点は、もともとドッドウエルBMS社が鉄骨加工用ソフトウェアを手掛けており、CAD図面やポスターを出力するプロッタなどの製造・販売を行うグラフテック社と取引があったことに求められる。2005年5月に両社の関係は業務提携を結ぶまでに発展する。業務提携の内容は、グラフテック社の国内保守サービス部門をドッドウエルBMS社へ移管し、グラフテック社はドッドウエルBMS社のセキュリティ・システムを販売する事業を立ち上げるというものであった。


グラフテック社の沿革

グラフテック社は1949年に横河電機社をスピンアウトした渡辺氏が設立した株式会社渡辺研究所が前身。主に計測器事業を営んでおり、嘘発見器やX-Yプロッタ(自動作図機)を日本で初めて開発した。その後CAD図面やポスターを出力するプロッタなどの製造・販売も手掛け、グローバルに事業を行ってきた。しかし、バブル経済が崩壊した1991年をピークに業績悪化が続いていた。

グラフテック社は業績悪化の過程で日本各地にあった拠点を縮小したが、商品のアフターサービスが必要ということで、2005年5月ドッドウエルBMS社との業務提携が実現することとなった。また、2005年6月に損失処理による資本の補填を行うために資本金並びに資本準備金を取り崩しているが、2006年1月に第三者割当増資を実施。その際、ドッドウエルBMS社が大半の株式を引き受け、グラフテック社の筆頭株主となった。

2006年12月にドッドウエルBMS社とグラフテック社は共同持株会社設立による経営統合を発表した。グラフテック社との経営統合に踏みきった理由について、佐々木会長は、2005年の社長交代を機により厳格な原価計算に取り組むなど経営の基本に戻り、今後の収益改善が予想されたためとコメントしている。実際、グラフテック社は2007年3月期決算で10期ぶりの経常黒字に転じた。


あい ホールディングスの沿革

2007年4月 同社設立。東証1部へ上場

2007年7月 株式会社USTAGEの株式66.7%を第三者割当増資の引受けにより取得し、子会社とする

2008年7月 株式会社ニューロンの株式100%を取得し、子会社とする

2009年2月 株式会社塩見設計が構造設計、耐震診断・補強設計及び建築設計事業を譲受け、設計事業を開始

2009年7月 あいエンジニアリグ株式会社を設立

2009年9月 Silhouette America, Inc.を設立

2010年7月 株式会社塩見設計が商号を株式会社あい設計に変更


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ニュース&トピックス 

2012年2月

2012年2月14日、同社は2012年6月期第2四半期決算を発表した。


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大株主 

筆頭株主は佐々木会長で19.4%だが、2位はレスポワール投資事業組合の18.6%。レスポワール投資事業組合は佐々木会長とは直接的な関係がない。


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トップ経営者 

佐々木 秀吉取締役会長(代表取締役)・最高経営責任者(CEO)

1956年生まれ。1978年に新卒で日本石油化学株式会社(現JXホールディングス(東証1部5020))に入社。その後25歳で独立し、数々のM&Aを手掛けてきた。佐々木取締役会長が掲げるM&A成功の条件は、損益は赤字でも構わないが貸借対照表が痛んでいないこと、ニッチ市場で強みを有する会社、などである(詳細は「経営戦略」の項参照)。ドッドウエルBMS社、グラフテック社ともにこの条件に当てはまる(両社の歴史は「沿革」を参照)。1993年5月にドッドウエルBMS社取締役に就任、1994年6月よりドッドウエルBMS社代表取締役社長を務める。2007年4月にあい ホールディングス会長兼最高経営責任者に就任。2009年7月よりグラフテック社代表取締役社長なども務める


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従業員 

2011年6月末現在、連結ベースで従業員数は1,000名。持株会社の従業員数は35名、平均年齢は45.5歳、平均勤続年数は15.3年、平均年間給与は545万円であった。


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IR活動 

同社は、第2四半期、および決算期の業績発表後に決算説明会を開催している。


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ところで

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最新の質問


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