インテリジェントウェイブ(4847)
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2012年 2月 5日時点
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直近更新内容
概略
2012年2月3日、株式会社インテリジェントウェイブが2012年6月期第2四半期決算を発表した。
(決算短信へのリンクはこちら、2012年6月期第2四半期決算の項目へのリンクはこちら)
2012年1月25日、同社は会社予想の修正及び繰延税金資産の計上について発表した。
(リリース文へのリンクはこちら)
2012年6月期第2四半期累計期間会社予想
- 売上高:2,528百万円(前回予想2,400百万円)
- 営業利益:29百万円(同10百万円)
- 経常利益:33百万円(同12百万円)
- 純利益:174百万円(同5百万円)
2012年6月期通期会社予想
- 売上高:5,300百万円(据え置き)
- 営業利益:400百万円(同上)
- 経常利益:410百万円(同上)
- 純利益:393百万円(前回予想220百万円)
同社は2012年6月期第2四半期累計期間の業績予想の上方修正要因として以下2点を挙げている。
1)親会社である大日本印刷株式会社(東証1部7912)のグループ会社向けのシステム開発受託の受注を伸ばすことにより当初計画を上回る売上を計上したこと
2)カードビジネスのフロント業務とシステムソリューション業務のソフトウェア開発業務において効率的な業務遂行を進めた結果
加えて、同日開催の取締役会において2012年6月を精算結了予定として子会社Intelligent Wave USA, Inc.の解散及び精算を決議。これによって、過年度に計上した当該子会社の株式評価損(497百万円)の税務上の損金算入が明確となり、繰延税金資産を計上できると判断したため、2012年6月期第2四半期累計期間において(173百万円を繰延税金資産及び法人税等調整額として計上し)当期純利益が当初予想を大幅に上回る見込みとなったとのことである。
3ヵ月以上経過した会社発表はニュース&トピックスへ
業績動向
四半期業績動向
2012年6月期第2四半期実績
2012年2月3日、同社は2012年6月期第2四半期決算を発表した。同社は2012年1月25日に既に通期会社予想の修正を行っており、今回の修正はない。
第2四半期累計期間の売上高は2,529百万円(前年比22.1%増)、営業利益29百万円(前年同期は営業損失62百万円)、純利益175百万円(前年同期は純損失68百万円)となった。
同社によれば、各セグメントの状況は以下の通りであった。
- カードビジネスのフロント業務(売上高:1,064百万円(前年比15.8%減)、営業利益:155百万円(同46.8%減)
クレジットカードのオンライン決済処理に係るシステム開発受託、システム保守サービス並びにハードウェア販売等により、上記実績となった。
- システムソリューション業務(売上高:1,290百万円(前年比98.0%増)、営業利益:97百万円(前年同期は営業損失76百万円))
親会社である大日本印刷株式会社(東証1部7912)のグループ会社向けのシステム開発受託、証券会社向けのトレーディングや情報配信に係るシステム開発受託と製品販売等によって上記実績となった。
- セキュリティシステム業務(売上高:149百万円(前年比3.5%減)、営業損失:127百万円(前年同期は営業損失278百万円))
情報漏洩対策システム「CWAT」の販売及び保守等を売上計上した。
2012年6月期第1四半期実績
2011年11月4日、同社は2012年6月期第1四半期決算を発表した。
売上高は1,094百万円(前年比56.7%増)、営業損失58百万円(前年同期は営業損失173百万円)、純損失38百万円(前年同期は純損失139百万円)となった。同社は第1四半期決算に関し、対前年で改善しており、順調な進捗状況であるとコメントしている。2012年6月期通期で大日本印刷社とのシナジー効果として売上高700百万円を達成する計画だが、第1四半期において同売上高は200百万円であった。
「カードビジネスのフロント業務」:売上高は496百万円、営業利益は63百万円であった。主要顧客であるクレジットカード会社向けのシステム開発受託及びシステム保守並びにハードウェア販売等があった。クレジットカード業界の状況として、カード取扱高は2011年3-4月こそ東日本大震災の影響で落ち込んだが、その後、回復基調にある。こうした取扱高の増加傾向が2011年6月期に引き続き、カード会社の能力増強のための投資需要を誘発し、同社のハードウェア売上に結びついていると同社は指摘している。また、ネット経由での取扱高の増加に伴い、新たにカード業務を手掛ける企業が出てきていることも、同社のビジネスには追い風となっているようだ。
同社は今後の取り組みとして、これまでのようなカードビジネスのフロント業務(オーソリゼーション等)に加え、チャージバック(チャージバックとは、カード保有者が身に覚えのない不正請求があった場合、カード会社にその旨を申し出て、支払い代金の返還を求める制度のこと。カード会社はその処理を行わなければならない)のようなバックエンド業務まで領域の拡大をめざしていくと述べている。
「システムソリューション業務」:売上高は518百万円、営業利益は4百万円であった。クレジットカード会社、証券向けのシステム開発受託と親会社大日本印刷株式会社(東証1部7912)のグループ会社向けのシステム開発受託等を売上計上した。同社によれば、株式売買代金の低迷等に示されるように、証券会社の業績が低迷する中、証券系事業は厳しく、売上高は71百万円(前年同期は166百万円)であったとのことである。一方、カード系・その他事業の売上高は447百万円(前年同期は92百万円)と大きく業績を伸ばしている。「その他」の中には、大日本印刷グループの「ハイブリッド書店システム」等に伴う受託開発も含まれている。
「セキュリティシステム業務」:売上高は73百万円、営業損失は70百万円であった。「CWAT」の販売及び保守、セキュリティ製品の販売等を売上計上した。同社によれば、同業務の事業環境は厳しいが、組織の見直しなど体質改善を進めることによって、通期黒字化をめざすとしている。
「その他 製品販売(新規事業)」:事業セグメントに含まれない他社製システム販売の事業。第1四半期では4百万円の売上を計上した。
過去の四半期実績と通期実績は、過去の財務諸表へ
2012年6月期会社予想
注:各セグメントの営業利益は共通経費の配布前数値
2012年6月期の業績予想の全体的な特徴として、以下の点を挙げている。
1)同社は四半期毎の損益を改善していくこと(2010年6月期、2011年6月期ともに第1四半期では営業損失を計上)を目標としている
2)上期に東日本大震災の影響を想定しているため、上期と比べ、下期の業績が改善する計画となっている
3)新期事業として、他社製品を活用した情報システムや業務システムの提案と販売活動に注力していく
4)大日本印刷株式会社(東証1部7912)とのシナジー効果としてシステムソリューション業務における受託開発を中心に700百万円の売上高をめざす(2011年6月期の売上高は100百万円)
1)について、同社は一括検収をより分割検収にしていくことで実現をめざしていくと述べている。具体的には、営業交渉の段階から分割検収の契約を進めるほか、分割検収が行われる傾向のある大型の受注獲得をめざしてよく方向のようだ。
2)については、セキュリティシステム業務を中心に、上期の案件が下期に後ずれすると見込んでいるとのことである。
その他、事業セグメントの計画ならびに取組みは以下。
カードビジネスのフロント業務
売上高については、2011年6月期に膨らんだハードウェア売上の減少から前年比で減少するとみている。また、営業利益率についても2011年6月期より低下をみている。「NET+1」のLinux版のような新製品の販売、導入を進める過程で、一時的に作業効率が低下する傾向があることを踏まえたためだ。
同社の既存顧客であるクレジットカード各社の業績は、経費削減や利息過払い請求の減少傾向などを受けて徐々に改善しつつある。同社は大規模な投資は今後も抑制される可能性が高いとみている。しかし、投資額の圧縮や運用経費の節減に貢献するようなシステムに対する需要は高まっているとみており、そうした需要に対応してきたいとコメントしている。
2012年6月期における取組みとしては、「NET+1」のLinux版の開発、投入をめざしている。Linux版の導入は顧客にとって初期投資を抑制し運用経費を削減できるメリットがあるため、引き合いが増えてきていると同社は述べている。引き合いがある先は、既存のカード会社ではなく、新たに加盟店の決済代行会社やアクワイアリング業務(クレジットカードの加盟店を獲得し、管理する業務のこと)を展開していこうとしている会社が多い模様だ。
システムソリューション業務
売上高予想の内訳は、証券系事業が850百万円(2011年6月期:639百万円)、カード系・その他事業が1,145百万円(2011年6月期:850百万円)である。証券系事業の売上高の増収要因として2011年6月期の延伸案件の実行など、カード系・その他事業の増収要因として、大日本印刷社グループの「ハイブリッド書店システム(ハイブリッド書店に関する大日本印刷社のリリース文へのリンクはこちら)」の受託開発など大日本印刷社とのシナジー効果をみていることなどが挙げられる。営業利益率について2011年6月期より低下する計画となっているが、この点に関しては、新製品の導入や新たな開発を手掛けることによって一時的に作業効率が落ちることを見込んでいるためと同社は説明している。
証券系事業における取組みとして、自社製の「市況情報配信システム」やミドルウェアの「RIX」の他、他社製品も組み合わせ、高速取引に係るシステム提案を行っていきたいと同社は述べている。また、カード系事業においては、クレジットカード不正利用検知システム「ACE Plus」の海外(韓国、中国、東南アジア)営業を強化する方針である。
セキュリティシステム業務
「CWAT」と「EUCSecure」を中心に新規顧客の獲得をめざすことで、増収、営業利益創出をめざしたいと同社は述べている。
同社はこれまで、EUCSecureの新規開拓で苦戦をしてきたが、スマートフォン・Android端末への展開を進めることで、Android端末のビジネスユーズの拡大とともに、新規顧客獲得の起爆剤になるのではないかとみている。
新規事業
売上高や同社の事業分野拡大をめざして、(同社が)技術的に優位性が高いとみなした他社製システムやパッケージ販売を2012年6月期より本格的に開始する予定である。同社の役割としては、単なる他社製品の販売に留まらず、他社製品をユーザーサイドにコーディネートするコンサルティング的対応も含まれる。2012年6月期は売上高150百万円、営業利益0百万円に留まるが、中長期的に伸ばしていきたいと同社はコメントしている。
「セキュリティ強化」、「業務効率化」といった2つのテーマを軸に他社製品の取扱を拡大していく方針である。
SR社が、興味深いと考えた製品は「IN2(セマンティック・ソリューション)」である。「IN2」は同社が2011年2月に戦略的事業提携を締結した韓国Saltlux Inc.が開発した製品である。セマンティック技術とは、情報の意味や関連性をコンピュータが理解した上で、様々な処理を実行する技術であり、以下のような企業用ソリューションが期待されている。
- 企業内に蓄積されたまま有効活用できていない情報の活用
- メール、文書ファイル、メモ書き等のデータ分析や活用
- SNS(ソーシャル・ネットワーク・システム)、ブログなどWebページ掲載情報の活用
従来のソリューションであれば、文書の単純検索(例、キーワード検索)しかできなかったものが、セマンティック・ソリューションによって文書の意味の自動解釈・判断(例、意味が同じもの、あるいは類似のものを発見/情報の関連性、トレンドを分析できる)といったことができると同社は述べている。
中長期見通し
2010年8月12日、同社は2011年6月期から2013年6月期までの3ヵ年中期経営計画を発表した。
骨子は、大日本印刷社とのシナジーの追求、および既存の事業領域拡大の2つである。
大日本印刷社とのシナジー追求における各分野の詳細は以下の通りとなる。
・クロスセールス: 両社の営業同士が協業、お互いの顧客にお互いの商品を提供していくことをめざしている。2008年以来、両社は営業的な協力を既にEUCSecure製品などで実施してきており、ある程度の売上見通しの推測がつくとのことである。上表のように中計初年度が150百万円、次年度以降で200百万円と伸び率が限定的となっているが、同社によれば顧客のセキュリティ需要意欲が抑制された環境ではクロスセールス効果も限定的であるとのことである。
同社と大日本印刷社との相対的な規模の差を踏まえれば、さらなる開拓余地があるとSR社ではみている。金融業界のカード、銀行といった顧客に関しては両社で営業分野が合致しているもようだが、銀行との結びつきは大日本印刷社の方がより強い。そのため、金融業界の顧客に対するクロスセルが同社のカードビジネスのフロント業務の拡大につながり得る。また、金融以外の分野に関しても大日本印刷社は広範な取引関係を築いているため、大日本印刷社の既存顧客が同社によっては新規顧客にとなり得る。顧客企業のセキュリティ需要次第では、同社の新規開拓につながる可能性がある。
・受託開発: 大日本印刷社が印刷に関連した周辺システムの提案を顧客に対して実施しているが、この受託開発業務を同社が請け負っていくという内容である。同社の説明によれば、2010年6月期中においても1億円弱の案件を既に同社が納品しているほか、実際に案件の引き合いがあるなかで、達成確度の高い目標値とのことである。ただし、社内の限られた人員を受託開発に振り向けなければならず、協力会社も含めた体制整備や人材育成などを行う必要が生じるなどある程度の時間が必要とのことで、2012年6月期以降に売上高が拡大する計画となっている。
・セキュリティ分野新規事業の立ち上げ: 両社の協力によって、セキュリティ分野におけるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)やSaaS(サース、Software as a Service)といったサービスによる新規事業を開発、実行することで、収益力を高めていく方針とされている。現在は検討段階とのことであり、具体化はこれからのようだ。例えば、BPOに関しては、同社がACE Plusをカード会社に提供する延長線上で周辺業務の運用コスト削減ニーズを求められる機会があり、大日本印刷社と共同でコスト削減を提案していくなどの事業が検討されているとのことである。また、SaaSについては、同社と大日本印刷社の100%子会社であるネクサンティス社の製品を組み合わせたセキュリティサービスの導入などが検討されているもようである。
SR社では、同社のネットワークセキュリティのコアコンピタンスと、大日本印刷社の出版事業(紙ベースの出版物および電子出版物など)およびインターネット(コンテンツ管理、支払システム)事業の組み合わせは、シナジーを生みやすいと考え、新規事業立ち上げの潜在的な拡大余地は大きいとみている(大日本印刷社との関係、マーケット概要の項目を参照)。
その他、中期経営計画における重点施策を事業セグメントごとにみると以下のようになる。
カードビジネスのフロント業務: NET+1のLinux対応版の開発、投入によるカード会社へのソリューション提供
カードビジネスのフロント業務に関しては、NET+1のLinux対応版を開発することで、顧客の投資額削減およびメンテナンス費用抑制に寄与したうえで、拡販に努めていこうとしている。また、SR社の見解では、中期経営計画期間中に、カード会社の収益構造改革(キャッシング収益依存からの脱却)や商品ごとのリレーションの高まり(例、クレジットカードとデビットカードの融合)、カード会社次期システム始動に向けた動き、など主要顧客であるカード会社をめぐる事業環境の変化が生じる可能性がある。SR社は、同社がこうした事業環境変化をいかに収益に結び付けていくかに注目している。
システムソリューション業務: クレジットカードの不正利用検知システムACE Plusや証券会社向けの業務システム等、主要な自社開発製品の国内外における拡販
システムソリューション業務において、ACE Plusはこれまで専らカード会社に販売されてきたが、大日本印刷社との共同営業の過程で銀行向けの対応に着手したとのことである。同社ではこれを他のネット銀行や地方銀行にも拡大していきたいとしている。なお、カードの不正利用に対する対処は邦銀が世界的に遅れており、現在、この対応が各銀行で進められている。同社としては、この需要を取り込みたいとのことである。
セキュリティシステム業務: CWATとEUCSecureを中心とした情報セキュリティ需要の開拓、大日本印刷社との共同営業強化および新規事業の共同開発
SR社の考えでは、CWATの販売拡大のための課題として、同社の販売チャネルの強化が挙げられる。セキュリティシステム業務については、前述した大日本印刷とのシナジー効果の実現が中核である。仮に大日本印刷社の協力によって、海外販売力が強化されるならば、CWATの受注獲得は再び勢いを取り戻すだろう。
事業内容
ビジネス
同社は、主に自社開発パッケージ製品を主体としたソフトウェアソリューションを販売している。主要顧客は金融業界に属し、中核製品はクレジットカード取引処理、ローレイテンシー(レイテンシーとは配信データを処理するための遅延時間のこと)のネットワークセキュリティおよびデータ保護に焦点を当てている。
主要事業セグメント
同社は「カードビジネスのフロント業務」、「システムソリューション業務」、「セキュリティシステム業務」の3つのセグメントで構成されている。セグメント間の相対的重要性は次のようにまとめられる。「カードビジネスのフロント業務」は同社を今日の姿に築き上げた(同社のコアコンピタンス)事業であり、「システムソリューション業務」と「セキュリティシステム業務」は、同社の今後の成長エンジンとなる可能性を秘めた事業である。
カードビジネスのフロント業務(2011年6月期の売上高2,766百万円、営業利益695百万円)
「カードビジネスのフロント業務」は「NET+1」という同社の中核製品を中心にした主要事業である。NET+1はクレジットカード会社が取引のオーソリゼーション(カード加盟店がクレジットカード会社に対して、カード利用者の信用照会をすること)やその他のフロントエンド処理に使用するソリューションである。同社の推定では、NET+1は日本の主なクレジットカード会社のオーソリゼーションシステムの約70%に関与している。NET+1が解決する業務要件とは、クレジットカード会社が加盟店(POS端末単体との接続または大規模クレジットカード処理センターとの接続)およびクレジットカード取引に関係する信用情報センターとの接続に要する特別なネットワークの構築・保守である。
一般的に、クレジットカード取引システムはフロントエンドシステム(加盟店端末からクレジットカード会社に送られる情報処理)とバックエンドシステム(決済、情報検索、顧客情報管理など、クレジットカード会社内での情報処理)に分けられる。同社の「カードビジネスのフロント業務」はフロントエンドシステムに焦点をあてている。バックエンドシステムは大規模システムが必要なため、開発プロジェクトは範囲が広く期間も数年にわたり、通常は最上層の大手システムインテグレーターが扱える案件である。フロントエンドソリューションは重要ではありつつも、通常はバックエンド側のソリューションが選定された後に決定される。
NET+1はハードウェアとソフトウェアで構成されている。システムは通常大幅な改修なく4、5年(時にはそれ以上)は使用されるため、同社は導入済システムの使用期間中の保守サポートでも売上を得ている。
当セグメントには他の業務も含まれているが(保守および他のパッケージ製品の再販)、売上のほとんどはNET+1パッケージに関連している(上表のセグメント売上の内訳を参照)。
当セグメントの主要顧客(クレジットカード会社およびノンバンク系消費者金融会社)は業法改正や厳しい景気情勢の中、困難な事業環境と闘ってきた(2006年6月期から2010年6月期までのセグメント売上にマイナスの影響を与えた)。顧客の事業が回復するにつれ、当セグメントの収益も回復するであろう。
システムソリューション業務(2011年6月期の売上高1,489百万円、営業損失56百万円)
「システムソリューション業務」で販売する製品は、データ通信関連(自社開発の『市況情報配信システム』)とクレジットカード不正検知システム(ACE Plus)である。当セグメントの中核製品は証券会社のディーラーに価格情報やニュースを配信する『市況情報配信システム』である。
その他に当セグメントで販売される製品およびサービスには、システム保守、自社開発したRIX通信プラットフォームおよびWebSequencer (ソフトの開発・保守を合理化するよう設計された自社製システム)などがある。同社はさらに以下のサードパーティ製ソフトウェアパッケージ製品も販売している。
- RIX:自社製メッセージングミドルウェア。国内で豊富な実績があり、高速性、信頼性に定評がある
- Latency Buster Messaging (LBM):29West社が開発したメッセージングミドルウェアパッケージ製品。海外の証券取引所数社で採用されている
- WebLogic Server: オラクル社が開発したウェブアプリケーションサーバー
- Tuxedo: オラクル社(旧BEA社)のミドルウェアパッケージ。ネットワーク上で大量データの効率的処理を可能にする分散コンピューティングプラットフォーム
- 市況情報配信システム
市況情報配信システムは、複数の情報源から収集した情報をユーザー(通常はディーラー)の端末に配信する。配信する情報の例として、取引所または売買システム(東証、JASDAQなど)の価格情報やニュース(QUICK、ロイターなど)がある。当システムは、耐障害性を有し、低遅延(証券取引が市況情報に反映されるまでのロスタイムが短いなど)で情報を検索・保存し、ユーザーが効率的かつ妥当なコストで最新情報を入手できるという業務要件を満たすことができる。
マーケットシェアについては、取引所から情報を直接受信する証券会社の約20%が市況情報配信システムを使用していると同社は推測している。当システムは大和証券グループ(東証8601)の主要情報アクセスシステムに採用されており、当セグメントの主要顧客である。他の顧客のほとんどは国内の銀行および証券会社である(外資系および海外企業は海外のパッケージ製品を使用しているケースが多い)。
- (技術的コメント)
- 市況情報配信システムはSun Solaris(サン・マイクロシステムズ社が販売するサーバーソフトウェア・ハードウェアシステム)をベースにしている。Sun Solarisは同社がそのシステムの優れたTCP/IP(データ転送に使用される通信プロトコル)処理能力を評価して選定した。SR社の見解では、売買システムの評価には2つの主要な指標がある。遅延時間(データをある場所から別の場所に転送するためにかかる時間)とスループット(ネットワーク上を支障なく転送できる最大データ量)である。処理や転送の若干の遅れは、データ量の増加に伴い増幅する。データ処理に1マイクロ秒余分にかかるだけで、ユーザーへの情報配信がさらに遅れることを意味する。
- 同社はネットワーク遅延時間を最小限に抑え最適スループットを達成するために、いつどのデータを配信すべきかといったノウハウを有していると主張している(ほとんどの情報は最短時間で目的地に転送される)。
- 同システムには自社設計したソフトウェアとSun Solarisハードウェアが含まれている。ネットワークソフトはRIX(自社製の低遅延パッケージ)またはLBM(Latency Busters Messaging、他社製品)のいずれかとなる。
- システムはサーバーライセンス契約である(ディーラー/トレーダの端末ごとのライセンスではない)。
- 当セグメントの事業を拡大するには、既存および新規顧客へのサーバーライセンス売上を増やすか、新機能を付加して既存顧客に販売する必要がある。(国内証券会社が事業を海外展開していることから)海外販売も事業拡大の潜在領域として考えられる。また、国内でも中小証券会社など顧客数を増やすことを試みている。価格情報のフィードと他のサービス(売買注文処理、アルゴリズム型トレーディングエンジン)を統合し、単一の総合ソリューションとして販売するなどの手段によって、売上増加が図れるかもしれない。ほかに売上を増大させる策として、海外でオフショア開発したパッケージを国内の顧客に販売するなどして、現行製品ラインアップを拡充することも考えられる。
- ACE Plus
ACE Plusはクレジットカードの不正利用を検知・防止するソフトウェアシステムである。システムは「スコア」ベースのシステム、もしくはあらかじめ定義した「ルール」を使用して取引が不正かどうかを判断する。スコア算出アルゴリズムは柔軟性の高いソリューションであり、スコア生成のロジックは同社が提供している。システムの利用者がデータを更新することにより、最新の(関連性の高い)取引データに基づいてスコアが算出される。
同社によれば、ACE Plusは通常パッケージ(ソフトウェア、ハードウェアおよびインストール)で、約150百万円で販売している。保守料金は年間6百万~10百万円の範囲である。パッケージ製品の売上総利益は50%を超えており、パッケージソフト製品の典型として購入顧客数が増えれば通常粗利率も向上する。同時にインストールやカスタマイズに関連した変動費がかかることから、純粋な市販パッケージ製品(理論上は100%の粗利率を達成できる)よりは粗利率は低い。
- (技術的コメント)
- 取引の不正を判断するにあたって、ACE Plusシステムのロジックは「ルール」を使用するか、もしくは「スコア」を使用するかを設定で変更できる。「ルール」システムは単純明快である。取引が一連の設定基準を満たした場合(短時間で買付操作を連続するなど)は、その買付を遅延させ検証する、または拒絶する等のアクションがとられる。「ルール」システムは数万件のルールに対応している。対して「スコア」システムは、より複雑である。内部ロジックが、特定の買付が以前の買付行動に一致しているかを判断し、取引に対し承認/確認/拒絶の判断を下す。買付行動履歴モデルは過去の買付情報の累積を基盤にしている(システムは特定の消費者の典型的買付パターンを「学習」する)。
- スコアリングシステムの学習能力が実用面でどのような意味を持つかというと、ある特定の消費者の取引量が増えれば、その消費者の買付に関しデータベースはさらに「賢く」なるということだ。この特徴は競争優位性と捉えることができる。SR社の理解では、競合製品の中にはソフトメーカーによるデータ更新をベースにしているものがあるが、ACE Plus に比べてかなり割高となる傾向がある。
- 独自開発したソリューションを好む企業もあるようだが、同社の推定では国内市場の約50%はACE Plusを使用しているとのことである。同社は海外市場(主にアジア)に成長の可能性を見出しており、二つのプラス要因があると述べている。一つには、アジア諸国におけるクレジットカード利用が増えてきていること、そして海外の競合製品に比べてACE Plusはカスタマイズのしやすさで柔軟性が高いことである。
- 同時に、同社はカスタマイズの必要性がより低いパッケージ製品を開発し、高い利益率を確保する必要性を感じている。カスタマイズを実施するということは追加の労務費がかかるからだ。対して1パッケージソフト製品を追加する費用はさほど高くないため、高い粗利率を確保できる。
セキュリティシステム業務(2011年6月期売上高 507百万円、営業損失318百万円)
「セキュリティシステム業務」セグメントで販売される主力製品はCWAT(社内情報漏洩検知システム)である。その他にはウイルスチェイサー(ウイルス対策ソフト)およびEUCSecure(文書セキュリティ管理ソフトウェア)があるが、どちらも2009年6月期の当セグメント売上への寄与度は低い。
大日本印刷社(東証7912)との製品協業の可能性を考えた場合、セキュリティシステム業務は同社にとって高い成長ポテンシャルを秘めたセグメントである。両社は既にクレディセゾン(東証8253)向けセキュリティシステムで、大日本印刷社のICカードと同社のセキュリティネットワーク技術を組み合わせる共同開発を実施している。新製品開発に加え、同社は大日本印刷社の既存顧客(CWATシステムの潜在的ユーザー)にアクセスすることもできる。
- CWAT
CWATは企業のITインフラ内の情報を保護し、リアルタイムで脅威を検知し無効にするための製品として2004年に開発された。システムは社内ネットワークを保護し(不正コンピュータのネットワーク接続阻止)データのセキュリティを確保する(機密情報ファイルの不正使用やアクセスの検知と防止)。CWATはクライアント/サーバーアーキテクチャを採用しているため、システムは社員のPCとシステム全域の情報を収集し監視・コントロールを行うサーバーにインストールされている。
- (技術的コメント)
- CWATは侵出(エクストゥルージョン)検知システムである。比較的新しいコンピュータセキュリティ分野で1990年後半に注目を集めだした。それ以前は、セキュリティコミュニティは侵入(イントゥルージョン)検知と防止で「外部から入ってくる脅威」を阻止することに焦点を当てていた。対して侵出(エクストゥルージョン)検知とは、コンピューターネットワーク上またはシステム内部で発生するセキュリティの問題に対応するものである。情報の侵出の例として、社員が機密文書を外部者にEメール送信する、ウイルス感染したワークステーションが専有情報を外部の攻撃者にアップロードするなどがある。
- CWATシステムはローカルネットワーク(単一施設内)に適しており、オプションで会社拠点間の保護を行うように設定することもできる。同社から提供されたデータによると、ソフトウェアは英語、日本語、中国語、韓国語と多言語に対応しており、混合言語環境での中央管理が可能である。
- 侵出検知システム開発における課題は、脅威が存在するか否かを検知するために社内外のネットワークトラフィックを解析しなければならない点である。これに対して侵入検知はネットワーク上のルーターまたは他のゲートウェイの外部トラフィックを遮断するという単純な方法もあり得る。侵出検知システムが最大の効果を出すには、ネットワークから外に配信されるデータと受信データを審査し、ネットワーク上で交換される情報の種類を判断できるロジックを備えていなければならない。侵出検知システムが解決しなければならない問題の例として、Eメールに添付された会社の専有情報のメモや、友人に送信された私用レターなどがある。
- CWATは包括的情報セキュリティシステムである。社員による情報アクセスの監視とコントロールを実施し、情報の持ち出しを検知し防止することができる。
- 通常、顧客はCWATシステムと保守をパッケージで購入する。ソフトウェアは1ユーザー(PC1台)当たりの価格をベースにしており、1台当たり約19,800円である。同社から提供されたデータによれば、2010年6月期末時点で534,027ライセンスが使用中である。同社によれば保守費は販売価格の約15%である。
- CWATは2004年に発売、2008年にCWAT Ver.4の出荷を開始しており、新バージョンはシステムの安定性が向上し、保守費用が安価になったとされている。
- EUCSecure
EUCSecure(End User Computer Secure) - デスクトップPC上の文書セキュリティ管理機能を提供するソフトウェアパッケージである。同ソフトはファイルを暗号化(権限のないユーザーによる解読を不能にする)し、文書へのアクセス(閲覧、更新、印刷または削除)を制限し、文書への全アクセスのログ(記録)を採取する。同ソフトの面白い機能として、文書が部外者に使用される時だけでなく、社内でアクセスされている際のセキュリティとアクセス管理もできる。
EUCSecureの潜在的ユーザーとして、遵守すべき法規制がある会社や知的財産管理の要件がある会社などが含まれる。EUCSecureは年間約30万円(クライアント50台分+サーバーライセンス)で提供されている。
EUCSecureは同社初の「クライアント側」のセキュリティアプリケーションであり、大日本印刷社との協業を象徴する製品である(大日本印刷社の貢献にはマーケティング支援も含まれる)。
大日本印刷社との関係
大日本印刷社との関係が始まったのは2006年近辺である。両社は2007年に金融機関向けの共同オフィスセキュリティサービスの発足と、クレディセゾン社向けの統合セキュリティシステムの共同開発(2008年に完了)の発足のために事業提携を実施した。大日本印刷社は2008年8月に同社株式の株式公開買付を実施したが、買付予定株式数の下限に至らなかったため失敗に終わった。公開買付失敗後、両者は2008年11月にさらなる事業提携を実施し2009年には人事交流を行い、同社の新ソフトウェア製品EUCSecureの共同マーケティング活動を開始した。
大日本印刷社は非接触型カード(組み込み型電子チップ付きの、いわゆる「スマートカード」とよばれるもの)のセキュリティ形態を確立し促進するために2005年にセキュリティ関連の業界団体、Shared Security Formats Cooperation (SSFC)を発足した。同社はSSFCのメンバーであり、同社CWATシステムはSSFCに対応している。
大日本印刷社は、2010年2月より再び同社株式に対する公開買付けを実地した。2010年4月9日付で同社株式を50.61%保有する筆頭株主となり、同社は大日本印刷社の連結子会社になった。
同社にとって、大日本印刷社とのより緊密な関係は、将来的成長に向けて海外の顧客網にアクセスする機会をもたらそう。同社は以前、単独で海外事業を成長させるべく試みたが、功罪相半ばする結果となった(海外事業の2010年6月期連結売上高への貢献は1%未満であった)。
ただ、もう一方の将来的な関係はより重要と見受けられる。同社は、市場が従来のソフトウェアソリューションモデルから急速に変化していると感じている。クラウドコンピューティングの進歩により、顧客へのソフトウェアの配信方法やソフトウェアそのものの定義が見直されている(注)。これは同社に大いに関連してくる。クラウドコンピューティングの進歩により、資源やネットワークに対する高度なセキュリティへの需要が増えることが予想される。同社のセキュリティ技術と大日本印刷社のコンテンツや出版物を統合できれば、マーケットの今後のニーズを満たす製品を開発し、大日本印刷社の広範な販売流通網を活用して顧客に配信するということも考えられるであろう。
注)従来のコンピュータ利用では、ユーザーがコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、データなどを自分自身で保有・管理していたのに対し、クラウドコンピューティングでは、外部からこうしたサービスを提供されることになる。クラウド(雲)とはネットワーク(通常はインターネット)を表す。あたかも雲から何かが降ってくるかのようなイメージでネットワーク上にあるサービスを活用できるというコンピューティング形態。
主な拠点
同社は東京、函館の2ヵ所に拠点を持ち、2011年6月期時点で社員のほとんどは東京本社に勤務している。
ビジネスモデル
同社の売上は、最初に支払われるソフトウェアパッケージの代金と労務費(保守サービス)およびライセンス料で構成される。既存製品とサービスは若干異なる形で販売されている。NET+1の案件はプロジェクト単位の売上となる(つまり収益性を上げるには効果的なプロジェクト管理が必要である)。市況情報配信システムは、サーバー単位での販売である(顧客先のシステムを利用するディーラーの数が50人でも1000人でも売上は同じ)。そしてCWATのパッケージは、保護されるPCの台数をベースにしている。全社売上高の観点でいえば、以下の変動要因がセグメント別売上の鍵となる。
- カードビジネスのフロント業務:プロジェクト数、プロジェクトの規模、プロジェクト管理
- システムソリューション業務:インストールされたサーバー台数
- セキュリティシステム業務:保護されるエンドユーザーのPCの台数(ライセンス数)
同社の売上のほとんどは、自社製品に関連したソフトウェア開発受託から生じている(「主要事業セグメント」の項を参照)。技術者をほぼフル稼働させているという前提であれば、費用構造としては固定費型であろう。
同社は研究開発に投資し(下記「コスト構造」を参照)、より簡単に顧客のシステムに統合できるパッケージを開発中である。さらに多くのパッケージソフト製品(またはSaaS)の開発努力が実を結べば、利益率が向上し財務的に魅力的なビジネスモデルとなるであろう(ソフトウェアは製品化されれば、その後の販売に際し、追加費用はほとんどかからない)。
コスト構造
利益性、財務指標
同社の売上総利益率は2001年6月期から2011年6月期を通して比較的安定している。
SW(Strengths, Weaknesses)分析
強み
- フロントエンドクレジットカード市場での圧倒的なポジション 同社は高いマーケットシェアを誇っている(主要クレジットカード企業のフロントエンド処理の70%)。これは安定的な保守収入およびリピートオーダーによって一定のキャッシュフローが確保されていることを意味する。その資金で新たな成長分野を探求し、自社販売網を活用し既存顧客基盤に対し新製品やサービスを提供することができる。
- 独立ベンダー 独立系であることで、系列が望ましくない、もしくは制約となる状況での新規顧客の獲得において優位性を持っている。さらに自社でのソフトウェアパッケージ開発だけでなく幅広いインテグレーションの専門性も有しているため、即時利用可能なパッケージソリューションも提供でき、そのパッケージソリューションをカスタマイズ度の高いシステムに統合することもできる。このことは、潜在マーケットを拡大し、マーケットの状況変化にも容易に適応できることを意味している。
- 大日本印刷社との協力 まだ初期の段階ながら、大日本印刷社との協業は同社の収益動向を占うに当たり、大いに期待されるところである。大日本印刷社の財務、幅広い取引関係網、印刷市場における圧倒的なプレゼンスを考えた場合、この提携を巧みに活用することにより、同社は大きな成長機会を得られよう。しかしSR社は、この強みがアキレス腱にならないようにするには満たすべき条件がいくつかあると考える。まずは同社が独立性を保ちつつ、提携事業においても柔軟かつ利益を確保できるように振る舞うことである。二つ目に、大日本印刷社との共同案件は、同社のような小規模で歴史の浅い企業にとって最適な開発期間とキャッシュフローを伴う性格のものでなければならない。端的にいえば、共同プロジェクトは同社の事業規模に見合った、高いROIを期待できる案件である必要がある。
弱み
- スケールメリットが働く市場での規模の小ささ 同社には一次請負レベルの大規模なシステムインテグレーションを提供する力が弱いため、現在のところ同社の売上高は、同社が作業の一部を請け負っている大規模案件に依るところが大きい。これが長期的な戦略立案を難しくしている側面もある。ただし同時に、この弱みがあることにより経営陣はさらに成長に向けてパッケージソフトやサービスソリューションの開発に注力しており、新たな強みを生み出す原動力ともなり得る。
- 比較的弱い販売チャネル 小型のパッケージソフト製品を、特に金融機関以外の大多数の顧客に販売する場合(セキュリティパッケージ製品など)に弱みとなる。これまで金融機関数社との関係を深めてきたが、今後パッケージソフト製品やSaaSおよび分散サービスソリューションを新規顧客層に販売していくには、それに適した、より広く浅い販売網が必要である。この弱みは、最も将来性のあるセキュリティシステム業務の収益性の低さによって示されている。同社は海外販売力も強くはない。海外、特にアジアでは製品自体の競争力があると感じているようだが、チャネルの構築はコストも時間もかかり、困難な課題が多々ある。
- 大日本印刷社との関係と詳細に関する不確定要素 SR社は、両社の関係の詳細が最終決定されない限り、同社が独自に積極的な新施策を追求することが難しい点を懸念している。これにより急速に変化する市場環境において、経営陣は時間と柔軟性を奪われることになりかねない。
グループ企業
同社は親会社と子会社(100%所有)2社で構成されている。
Intelligent Wave USA, Inc. – CWATを米国市場に販売するために設立された。
Intelligent Wave Korea Inc. – CWATを韓国市場に販売するために設立された。
グループ戦略
海外に子会社を持つが、事業活動のほとんどは国内中心である。海外でのプレゼンスを増やそうとしているが、海外事業がの収益貢献には時間が掛かるだろう。
市場とバリューチェーン
マーケット概要
日本のITサービス業界は約15兆円の市場であり(出典:経済産業省 2008年調査)、社員数300人超の大手企業に独占されている(経済産業省によると2008年の業界売上の62.8%)。業界は数年にわたる複雑なプロジェクトの一次請負となる大手企業から、具体的な専門性を持つ中小規模の会社まで広く何層かに分類できる。大規模プロジェクト(金融機関のバックエンドオフィスシステムの統合など)は通常「最上層」の一次請負企業(NTTデータ、野村総研、日本IBMなど)が受注し、プロジェクトは部分ごとに下層の下請企業数社に割り当てられ、さらにそこから食物連鎖のように作業が下ろされ、最後は最下層の社員数人規模の小さなソフトウェア会社にたどりつく。
日本の銀行その他金融機関が求めるITソリューションは、海外からみるとユニークである。日本には個人が自身の保有する口座間の資金移動(普通預金口座から貯蓄預金口座への移動など)や、公共料金や税金などの外部への支払いのために「口座振替」というシステムがある。このシステムにより、月の数日は取引量が膨大となる(主に27日と3日)。したがって、銀行は大量のバッチ処理を実行して円滑な決済フローを可能にしている。海外の多くの金融機関が分散型(クライアントサーバーや最近増えているクラウド型)に移行している中、いまだ日本の金融機関においてメインフレーム(専用のコンピューターセンターを占有する大型機)がITシステムの中核を占めるのは、このバッチ処理の使用が理由の一つである。
メインフレームは大型で高価である上、カスタマイズしたソフトウェアに対する埋没費用(サンクコスト)も多額である。さらに1990年代まで、日本企業同士の合併や海外企業の買収、人材の転職事例が比較的少なかったこともあって、システムの互換性や「ベストプラクティス」の共有に対するニーズは低かった。結果として、外部からパッケージソフトを購入し、管理していくのではなく、各企業に独自のシステムが作り上げられた。従って、システムの更新は抜本的というよりは徐々に実施された。
ただし、こうした状況はここ数年で劇的に変化した。統合や海外への事業拡大で、ほぼすべての日本の産業が分散コンピューティングモデルへ移行しつつある(銀行業界だけが例外)。また、その際、低コスト化がパッケージソフトの需要に拍車をかけた。もっとも、国内においてビジネスパッケージソフトウェア産業は完全には根付いておらず、かたや海外パッケージ製品は日本の経営慣行に合わせるために大幅なカスタマイズが必要になるため、導入時には「パッケージ製品」ではなくなってしまっているのが実情である。
こうした状況下、クラウドコンピューティングとSaaSの到来により、新たな変化が生じている。これまで日本におけるパッケージ製品の販売が難しかった理由の一つとして、システムインテグレーター(カスタマイズすることで利益を得られる)経由で導入する必要があったため、パッケージ製品を提供するインセンティブが働かなかったためと、SR社は見ている。
一方、SaaSタイプのソリューションは、ソフトメーカーやサービスプロバイダーから直接提供することができる。たとえば、出版会社はデジタル文書のセキュリティシステムを著作権管理システムと統合して提供することができる。SR社は、大日本印刷社との関係を踏まえれば、このような環境の変化は、同社にとって魅力的な機会をもたらすかもしれないと見ている。
顧客
主要顧客はクレジットカード会社および証券会社である。
サプライヤー
同社の主要事業は自社製ソフトウェアサービス業務であるが、一部のソフトウェアパッケージ製品の代理店業務も行っている(「事業概要」の項を参照)。
参入障壁
同社の主要事業であるクレジットカード処理ネットワークビジネスの参入障壁は比較的高い。参入を検討する企業が克服しなければならない最大の課題は、技術的なものであろう。つまり、24時間無休の高い耐障害性を有するNET+1システムと同様のシステム構築が必要になる。
もう一つの参入障壁は、NET+1システムが既に70%もの主要クレジットカード会社に使用されているという点である。他社が競合システムを提案しても、それに切り替えるほどの利点を同社の既存顧客に提供するのは容易ではないだろう。
他のセグメントに関しても、同様の技術を開発するためのコストと時間を鑑みると、参入障壁は比較的高いといえる。
競合
カードビジネスのフロント業務セグメントに関して、同社の提供する製品は比較的独自性が強く、日本のクレジットカード業界で圧倒的な位置を占めているため、直接競合する企業は少ない。例として、JCB向けにクレジットカードシステムを用いて大規模統合パッケージ(バックエンドとフロントエンドの両方)を開発したITホールディングスグループが挙げられる。このパッケージは、日本のバックエンドシステムとしては珍しくUNIXをベースに開発された。
また、日本総研はクレジットカードシステムに関して広範な経験を有している。同社は三井住友フィナンシャルグループの完全子会社であり、公式なシステム調達先である。
他のセグメントについては、現時点では事業規模が比較的小さく、将来的な形がまだ十分見えないため、競合についての記述を省略した。
代替品
同社の中核製品(NET+1)またはセキュリティ製品の代替は数少ない。クレジットカードネットワークもセキュリティ検知・防止製品も同社の顧客にとってはどちらも必須であると考えられる。
経営戦略
同社の競争戦略は、従来から差別化戦略(ユニークなコンピテンスであるネットワーク技術)およびセグメント戦略(金融機関を主な顧客グループとしている)を組み合わせたものである。確かに、同社の技術的専門性(ネットワーク構築、システムインテグレーションなど)は、これまで対象としてきた金融業界だけでなく、幅広くさまざまな業界に適用することができる。同社は、その成長の中期目標として顧客基盤(参入する業界という意味で)の拡大を掲げている。情報セキュリティは戦略的に最も焦点を当てている分野である。また、中核製品(NET+1、ACE Plus)を新興市場の企業(ネットバンクやネット証券企業)や海外に販売することを試みている。当然、大日本印刷社との関係は、同社の経営戦略を具現化させる大きな要素となり得る。
過去の業績
前期以前の業績概況(参考)
2011年6月期通期実績
2011年8月10日、同社は2011年6月期通期決算を発表した(上表を参照)。
同社は2011年8月3日に2011年6月期通期業績予想の修正を行っており、修正値通りの着地であった。
売上高は前年比3.9%減の4,763百万円。1)同社の主要な事業領域であるクレジットカード業界各社が、利息過払い請求への対応や貸金業法等改正による厳しい事業環境変化に対応するためシステム投資を抑制したこと、2)証券会社各社もシステム投資を慎重に選択する姿勢が続いたこと、などからソフトウェア開発やパッケージ販売等の売上が減少した。
営業利益は前年比10.4%減の321百万円。1)ソフトウェア開発業務における効率的なプロジェクト管理・執行、2)ハードウェア販売における原価抑制、3)全社的な経費節減の取り組み、などに取り組んだ結果、当初予想は上回った。しかし、減収影響を補うには至らず、減益となった。
同社によれば、セグメント毎の概況は以下のようになる。
「カードビジネスのフロント業務」:売上高は2,766百万円(前年比14.9%増)、営業利益は695百万円(前年比15.2%増)であった。売上高は当初予想2,440百万円を上回った。同社はこの点について、主要顧客のカード会社が更新投資のタイミングに入っており、ハードウェアの売上が伸びたと指摘している。また、カード会社は次期システムのような大規模なシステム投資を見送る代わりに、既存のシステムを増強する傾向があるのことであり、それによってハードウェアの売上が伸びた側面もあるとのことだ。
「システムソリューション業務」:売上高は1,489百万円(前年比20.5%減)、営業損失は56百万円(2010年6月期は営業利益167百万円)であった。売上高の内訳はカード系・その他事業が850百万円(2010年6月期:1,050百万円)、証券系事業が639百万円(2010年6月期:823百万円)といずれも減収となった。同社は2011年6月期第3四半期終了時点で、カード系・その他事業の受託開発が厳しいので、証券系事業でカバーしていきたいと述べていたが、証券系も事業も計画を下回ったとのことだ。もっとも、証券系事業の売上高が計画を下回った点については延伸であり、2012年6月期にその分の売上計上ができるだろうと同社は述べている。
「セキュリティシステム業務」:売上高は507百万円(前年比24.9%減)、営業損失は318百万円(2010年6月期は営業損失413百万円)であった。製造業各社を中心に営業活動を進めてきたがシステム投資抑制傾向が続き、新規顧客獲得が難しかったほか、東日本大震災の影響で商談の一部が延期されたと同社は述べている。同社は2011年6月期のセキュリティシステムの黒字化をめざしていたが、その目標は2012年6月期に引き継がれた格好となった。
2011年6月期第3四半期実績
2011年5月6日、同社は2011年6月期第3四半期決算を発表した(上表を参照)。
2011年6月期通期の会社予想に変更はない。2011年6月期第3四半期累計期間としては、会社の見込みを上回る実績であったようだが、第4四半期に「東日本大震災」に伴う悪影響が顕在化するリスクもあり、同社はやや会社予想を達成できるかどうかについて慎重にみているとのことである。
2011年6月期第3四半期累計期間のセグメント概況などは以下の通り(各セグメントの営業利益は共通経費の配布前の数値)。
「カードビジネスのフロント業務」:売上高は2,128百万円、営業利益は851百万円であった。同セグメントの2011年6月期通期予想が売上高2,440百万円、営業利益が763百万円であることから、第3四半期累計期間で営業利益は既に通期会社予想を超過している。計画を上回った要因として、同社は計画が保守的であったこと、主要顧客であるカード会社の投資が徐々に顕在化してきた点を挙げている。主要カード会社の取扱高は堅調に推移しているが、これによって能力増強のための投資需要が出て、同社に受注がきているようだ。
2011年6月期第4四半期から2012年6月期を展望するに際し、カード会社の一部で着手する予定であった次期システムの凍結(システム共同化プロジェクトの凍結)が各種紙面で報じられている。ただし、同社がもっぱら手掛けているのは、フロントエンドシステム(加盟店端末からクレジットカード会社に送られる情報処理)であり、基幹系を中心とした次期システムの凍結影響は受けないとのことである。むしろ同社は、これによってカード会社が効率化を図れなかった分の投資をフロントエンドシステムの効率化投資に回す可能性が増し、ビジネスチャンスが増した側面もあるとみている。
「システムソリューション業務」:売上高は1,009百万円、営業利益は126百万円であった。売上高の内訳は、証券系事業が513百万円と前年同期の593百万円から減少、また、カード系・その他事業も495百万円と前年同期の659百万円から減少している。同セグメントの2011年6月期通期予想が売上高2,060百万円、営業利益が405百万円であることから、通期会社予想を達成するためには、第4四半期で売上高1,051百万円、営業利益279百万円を達成しなければならない。同社によれば、カード系・その他事業の受託開発が厳しい状況が第3四半期まで続いているとのことである。
同社は証券系事業を中心に2011年6月期第4四半期における売上計上を見込むが、同セグメントにおける通期会社予想の達成は難しいかもしれないと述べている。
「セキュリティシステム業務」:売上高は264百万円、営業損失は223百万円であった。同セグメントの2011年6月期通期予想が売上高830百万円、営業利益が53百万円であることから、通期会社予想を達成するためには、第4四半期で売上高566百万円、営業利益276百万円を達成しなければならない。同社は第4四半期において、保守売上の確実な取り込みと経費節減をめざすものの、同セグメントの通期会社予想の達成は難しいとコメントしている。
震災影響:2011年6月期に関し、同社は「東日本大震災」の直接的な影響は、「セキュリティシステム業務」において、商談が先送りされたことによる3,000万円から4,000万円程度の減収インパクトに留まるであろうとしている。ただし、2012年6月期において製造業やその他企業がサプライチェーンの再構築に対する予算を優先し、セキュリティ向けの予算を減額する可能性がある点を懸念しているとコメントしている。もっとも、より長い視野にたてば、復興需要等に伴う経済へのプラス影響が同社にも好影響として作用してくると推測しているようだ。
2011年6月期第2四半期実績
2011年2月4日、同社は2011年6月期第2四半期決算を発表した(上表を参照)。
2011年6月期上期のセグメント実績は以下の通り。
「カードビジネスのフロント業務」:売上高は1,263百万円、営業利益は293百万円、営業利益率は23.2%
「システムソリューション業務」:売上高は652百万円、営業損失は76百万円
「セキュリティシステム業務」:売上高は155百万円、営業損失は278百万円
期初計画が2011年6月期上期で売上高1,720百万円、営業損失330百万円であったことから、売上高で350百万円、営業利益で269百万円上振れた格好。セグメント別には、カードビジネスのフロント業務が上振れ、システムソリューション業務が概ね計画並みで、セキュリティシステム業務が計画を大きく下回る厳しい状況となっている。通期計画については据え置かれた。
「カードビジネスのフロント業務」:売上高は1,263百万円(上期予想783百万円)、営業利益は293百万円(上期予想85百万円)、営業利益率は23.2%(前年同期は35.3%)であった。計画を上回った要因として、同社は計画が保守的であったこと、主要顧客であるカード会社の投資が徐々に顕在化してきた点を挙げている。カード会社を巡る環境は、2010年6月からの改正貸金業規制法・総量規制や武富士の会社更生法申請による悪影響はそれほど顕在化しておらず、少しずつ改善しているとのことである。また、これまで改正貸金業規制法や割賦販売法対応など「後向き」の投資が中心であったのに対し、設備の更新需要など「前向き」の投資が少しずつでてきたとのことであった。同社によれば、カード会社のシステムは投資から5年から6年を経ており、消却が既に終わり、新規投資を行って業務フローの効率化を図るところも出てきたとのことである。
下期に関して、同社は、カード会社の一部で「次期システム」に着手するところもあり、計画に対して上積みを狙いたいとコメントしている。また、NET+1のLinux対応版を開発することで、顧客の投資額削減およびメンテナンス費用抑制に寄与したうえで、拡販に努めていこうとしている。この点については開発、営業ともに順調であり、2011年6月期下期か2012年6月期上期に売上を計上できる見通しだ。
「システムソリューション業務」:売上高は652百万円(上期予想690百万円)、営業損失は77百万円(上期予想は20百万円の営業損失)であった。売上高の内訳は、証券系事業が335百万円と前年同期の392百万円から減少、また、カード系・その他事業も316百万円と前年同期の400百万円から減少している。
同社の現在の取り組みとしては、ACE Plusの海外展開のほか、マネーロンダリングなど銀行口座の不正取引を自動検知するシステムであるACE Plus for BANKを大日本印刷社と共同で拡販していること、証券ソリューション製品ラインの拡大などが挙げられる。証券向けビジネスに関しては、大手証券会社の海外拠点強化でシステム需要が出てきているほか、中小証券会社も合理化目的で投資を行っており、同社の製品ライン拡充と合せて、下期に売上が拡大する見込みだ。ただし、競合も厳しく、利益寄与は不透明であると同社はコメントしている。
「セキュリティシステム業務」:売上高は155百万円(上期予想246百万円)、営業損失は278百万円(上期予想は120百万円の営業損失)であった。計画を下回ったが、製造業のソフトウェア投資の回復ペースが鈍く、セキュリティ投資はその他投資と比較しても後回しにされる傾向があるためであると同社は述べている。
また、下期に関しては、製造業の2012年3月期の予算次第であるとコメントしている。その他先行きに関しては、官公庁がセキュリティシステムに対する予算を増額させる可能性があり、その点にも期待しているとのことだ。
2011年6月期第1四半期実績
2010年11月10日、同社は2011年6月期第1四半期決算を発表した(上表を参照)。2011年6月期上期会社予想に対する進捗率は以下の通り。
- 売上高: 40.6%(上期予想1,720百万円)
- 営業損失: 173百万円(上期予想330百万円の営業損失)
- 経常損失: 175百万円(上期予想330百万円の経常損失)
- 四半期純損失: 139百万円(上期予想210百万円の四半期純損失)
「カードビジネスのフロント業務」:売上高は372百万円(上期予想783百万円の47.5%)、営業利益は26百万円(上期予想85百万円の31.8%)、営業利益率は7.0%(前年同期は23.3%)であった。当該分野について、同社は当初計画を上回る実績だったとコメントしている。主な顧客であるカード会社を巡る環境は、2010年6月からの改正貸金業規制法・総量規制の悪影響はそれほど顕在化しておらず、1年前とくらべれば少しずつ改善しているとのことである。
今後に向けた取り組みとしては、NET+1のLinux対応版の開発を進めており(「中長期見通し」を参照)、2011年6月期内の受注獲得に向けて営業活動をしている。
「システムソリューション業務」:売上高は258百万円(上期予想690百万円の37.4%)、営業損失は47百万円(上期予想は20百万円の営業損失)であった。当該分野について、同社は当初計画通りの実績だったとコメントしている。売上高の内訳は、証券系事業が166百万円と前年同期の155百万円から増加した一方、カード系・その他事業が92百万円と前年同期の99百万円から減少している。
同社の現在の取り組みとしては、ACE Plusの海外展開のほか、マネーロンダリングなど銀行口座の不正取引を自動検知するシステムであるACE Plus for BANKを大日本印刷社と共同で拡販などが挙げられる。ACE Plusの海外展開に関しては、同社の子会社Intelligent Wave Koreaと韓国のShinsegae I&C(韓国流通大手Shinsegaeグループのシステムベンダー)が戦略的販売提携を2010年9月に締結済みである。韓国はクレジットカード利用率が2009年実績で個人消費の53%に達するなど高水準にあるが、カード不正使用への対応として検知精度の向上ニーズが顕在化しつつあると同社は述べている。
「セキュリティシステム業務」:売上高は68百万円(上期予想246百万円の27.8%)、営業損失は152百万円(上期予想は120百万円の営業損失)であった。当該分野について、同社は当初計画を下回ったとコメントしている。同社によれば、製造業のソフトウェア投資は徐々に回復傾向にあり、同社の製品に対する引き合いも徐々に高まりつつあるとのことである。ただし、回復ペースが緩慢であるため、2011年6月期でどれだけ売上計上できるかどうかは製造業の2012年3月期の予算状況をみてみないとわからないと同社はコメントしている。
同社によれば、第1四半期はカードビジネスのフロント業務を始め、やや当初計画を上回る実績だったようだ。ただし、セキュリティシステム業務など厳しい分野もあって、上期および通期予想は据え置いているとのことである。
2010年6月期通期実績
2010年8月11日、同社は2010年6月期通期業績を発表した(上表を参照)。売上高は4,957百万円(前年比10.3%減)、営業利益は358百万円(前年比56.6%増)、経常利益は388百万円(前年比64.9%)、当期純利益は212百万円(前年比12.6%)であった。同社は2010年8月4日に2010年6月期通期業績予想の修正を行っており、概ね修正後の業績予想並みの実績となった。
カードビジネスのフロント業務は、引き続き厳しい環境にある。売上高は2,407百万円と当初予想の2,259百万円を上回ったが、クレジットカード会社が厳しい事業環境に直面し、システム投資を抑制するなか、前年度比△6.8%となった。ただし、外注費を抑制するなどプロジェクト管理の効率化を実施、固定費の削減を実施した結果、営業利益は前年度比17.6%となった。
システムソリューション業務は、売上高が前年度比で△9.1%となったものの、1,873百万円と当初予想の1,740百万円を上回った。東京証券取引所の新売買システム「アローヘッド」の稼働で関連の売上高が寄与した。また、営業利益はカードビジネスのフロント業務と同様、ソフトウェア開発において効率的なプロジェクト管理が実施された結果、前年度比5.4%となった。
セキュリティシステム業務においては、製造業を中心とした投資抑制傾向を受けて、新規の顧客獲得が進まず、売上高は前年度比△23.6%、267百万円の営業損失となった。
2010年6月期第3四半期の業績
2010年5月12日、同社は2010年6月期第3四半期の業績を発表した(上表を参照)。通期業績予想値に対する第3四半期累計期間の進捗は以下の通りである。
- 売上高: 66.3%(通期予想5,003百万円に対し3,315百万円)
- 営業利益: 77.5%(通期予想150百万円に対し116百万円)
- 経常利益: 74.3%(通期予想163百万円に対し121百万円)
- 四半期純利益: 65.3%(通期予想 176百万円に対し115百万円)
同社によれば、第3四半期累計の業績は概ね予想通りとなり、この状況が続けば、通期収益予想は会社予想を幾分上回る可能性があるという。
第3四半期の売上高は前年同期比で横ばいとなったものの(上表を参照)、9ヵ月間の累計売上高は同15.6%減少した。同期間の累計営業利益は同234.7 %増となり、営業利益率はカードビジネスのフロント業務とシステムソリューション業務の売上総利益率の改善(前年同期比8.6%増と5.7%増)を受け、2009年6月期第3四半期の0.9%から3.5%へと増加した。
カードビジネスのフロント業務における事業状況は、引き続き厳しい状況にある。同業務の第3四半期累計の売上高は前年同期比13.4%減少した。同社の顧客は引き続き非常に厳しい事業環境に直面しており、実際に同業務が改善するためには、幾つかの厳しい規則(総量規制等)を反転させるような法改正が必要である、と同社はコメントしている。当面、クレジットカード会社は非常に厳しい予算での経営を強いられ、経費の削減と業務の省力化を可能とする分野に限定した投資を行う見通しである。しかしながら、厳しい環境下においても、大手クレジットカード会社数社はコスト基盤をスリム化させ、業務効率を改善させる大型プロジェクトを立ち上げる可能性があることから、2012年6月期については引き続き楽観的に見ていることを、同社はSR社に対し指摘している。一方で、中小のクレジットカード会社については、再編が進み、幾つかのシステムインテグレーターが運営しているデータセンターへの業務委託が増加する見通しである。
システムソリューション業務については、第3四半期までの累計売上高は前年同期比小幅減(3.5%減)となり、営業利益率は(10.7%から19.4%に)改善した。主に自社パッケージと東証の新売買システム「アローヘッド」関連の売上高が同部門の売上に寄与している。同社によれば、東証アローヘッドに直接関連する受注は既にピークアウトしたものの、同システムの導入で向上した処理速度、およびスループットから新たなサービスとアプリケーション(アルゴリズム型トレーディングの普及が一例)が発生し、追加的な需要を創出するであろう、とのことである。しかしながら、同部門の課題の一つに、発注システムがある。しかし、発注システムが基幹系システムであるという特性によって、(受注の前提条件として過去の実績が必要という理由だけで)同社は同システムを独自に提供することができない状況にある。その結果、同社が提携先を見つけない限り(あるいは現段階では可能性が低いが、大日本印刷社がそのような提携先を買収することがない限り)、この分野を積極的に拡大する機会は限定的となる公算が高い。
セキュリティシステム業務については、第3四半期までの累計売上高は前年同期比で49.0%減と大きく減少した。第3四半期には遅れていた大型契約が第4四半期には実現化に向かうと見られている。全体的には、同部門は通期では予想をやや下回る可能性があるとSR社は予想している。
大日本印刷社との関係についての新たな動きは見られない。両社は依然として(常に両社の共同プロジェクトの焦点となる公算が高い)、セキュリティシステム業務における主要な課題やその他機会についての検討を重ねている。第一段階として、両社が同分野において、これまで、それぞれ各社で行ってきた努力が期待するほどの成果に結び付かなかった理由を考察する必要があると、SR社では考えている。おそらく、セキュリティ関連製品を販売するためには、プロダクトを既存のものとは完全に異なるパッケージ商品にする必要があるかもしれない。
2010年6月期第2四半期の業績
2010年2月10日、同社は2010年6月期第2四半期(上期)の業績を発表した(上表を参照)。通期業績予想値に対する第2四半期(上期)累計期間の進捗は以下の通りである。
- 売上高: 43.5%(通期予想5,003百万円に対し2,177百万円)
- 営業利益: △4百万円(通期予想150百万円)
- 経常利益: △1百万円(通期予想163百万円)
- 四半期純利益: 進捗率31.3%(通期予想176百万円に対し55百万円)
第2四半期の売上高は1,527百万円(8.6%減)であった。第2四半期累計期間の売上高は期初の会社予想を約32.8%(537百万円)上回った。同社によると、案件が前倒しで完了したことによりが350百万円、新規受注により約187百万円、それぞれ売上増加に寄与したとのことである。
第2四半期の売上総利益は505百万円(前年同期比5.0%増)であった。売上総利益率は対前年同期よりも約4.3%改善している(2009年6月期第2四半期の28.8%に対し、2010年6月期第2四半期は33.1%)。
第2四半期連結営業利益は159百万円(前年同期比809.0%増)であった。販売管理費は同25.4%減。売上高販管費比率は約5.1%低下した(2009年6月期第2四半期 : 27.8%、2010年6月期第2四半期 : 22.7%)。上期営業損失は4百万円に留まり、営業損失389百万円という同社期初予想を上回った。 第2四半期の経常利益は165百万円と、前年同期の経常損失9百万円から好転した。上期の経常損失は1百万円であり、期初予想の経常損失389百万円を上回っている。
第2四半期純利益は147百万円(前年同期比825.3%増)であった。上期純利益は55百万円であり、期初予想の上期純損失124百万円を上回った。同社によれば、期首予想との差は投資関連の特別利益179百万円によるものである。
セグメント別では、「カードビジネスのフロント業務」の上期売上高は累計で1,196百万円(上記の通期予想比進捗率は52.9%)であった。同社いわく、引き続き厳しいクレジットカード会社各社の状況(貸金業法等の改正による)はシステム投資の抑制につながり、ひいては同社の売上高に影響した。当セグメントの第2四半期の売上高は前年同期比で横ばいであった。当セグメントの受注残高は対前年同四半期比で3.8%の増加、上期営業利益累計は421百万円(上記の通期予想に対し61.4%の進捗率)であった。上期の営業利益率は前年同期よりも約3%上昇したが(2009年6月期第2四半期の32.5%に対し、2010年6月期第2四半期は35.2%)、これは一部に社内のコスト削減努力および(単位当たりのロイヤリティ料支出が不要の)自社開発ソフト製品の販売に注力したことによる。
「システムソリューション業務」の上期売上高累計は793百万円(上記の通期予想比進捗率は45.5%)であった。。同セグメントの業績は東京証券取引所の新規売買システム(「アローヘッド」、2010年1月4日に公式に稼働開始)関連の案件により下支えされた。受注残高は前年同期比で11.1%減である。同セグメントの上期営業利益は累計で122百万円(通期予想に対する進捗率は39.2%)。上期営業利益率は前年よりも約10%上昇している(2009年6月期第2四半期の4.9%に対し、2010年6月期第2四半期は15.4%)。同社はプロジェクト管理力の向上が当セグメントの利益率改善の主な理由としている。
「セキュリティシステム業務」の上期売上高累計は189百万円(上記の通期予想比進捗率は18.7%)であった。。同社は当セグメントの状況を一言で「厳しい」と表現している。サービス売上、ライセンス販売ともに引き続き厳しい。同社は、製造業各社が業務および生産拠点を海外に移転するに伴い、先々、情報漏洩対策ソフト製品CWATに対し新たな関心が集まるであろうと述べている。当セグメントの上期営業損失は280百万円であった。通期予想は102百万円であることから、会社予想を達成するために下期は382百万円の営業利益計上が必要となる。
2010年6月期第1四半期の業績
2009年11月11日、同社は2010年6月期第1四半期の業績を発表している(上表参照)。同社の上期予想に対する第1四半期の進捗率は以下の通り。
- 売上高: 39.6%(上期予想1,640百万円に対し650百万円)
- 営業利益:上期予想△389百万円に対し△164百万円
- 経常利益:上期予想△389百万円に対し△165百万円
- 四半期純利益:上期予想△124百万円に対し△92百万円
第1四半期の主要業績値は以下の通り。
売上高:650百万円(前年同期比40.8%減)
営業利益:△164百万円(前年同期は△15百万円)
経常利益:△166百万円(同△28百万円)
四半期純利益:△92百万円(同△23百万円)
「カードビジネスのフロント業務」の売上高は281百万円(上期予想698百万円の40.3%)であった。営業利益は65百万円(上期予想206百万円の31.8%)、営業利益率は23.3%(前年同期は41.7%)であった。
「システムソリューション業務」の売上高は255百万円(上期予想の658百万円の38.8%)であった。営業利益は23百万円(上期予想47百万円の50.8%)、営業利益率は9.4%(前年同期は0.9%)であった。
「セキュリティシステム業務」の売上高は114百万円(上期予想282百万円の40.4%)であった。営業利益は△128百万円(上期予想は△170百万円)であった。
損益計算書
売上高は変動が激しい。同社の事業セグメントの割合は、カードビジネスのフロント業務関連の受注の状況に大きく左右される。2001年6月期から2011年6月期で増収率が最も高かったのは2006年6月期である(前年比37.9%増)。2006年6月期の売上高の増加の大半は、クレジットカード会社各社からの受注増とハードウェアの売上に起因している。セグメントでいえば「システムソリューション業務」および「セキュリティシステム業務」の両セグメントの寄与が大きかった。同社は同年度にACE(クレジットカード不正検知プログラム)およびCWAT(情報配信セキュリティプログラム)の新バージョンをリリースしている。
売上総利益率は全社ベースでは比較的安定している(2004年6月期に22.8%となったが、その他の期は32.5%から44.5%の範囲内)。
営業利益率は2001年6月期の31.5%から2011年6月期には6.7%へと低下している。同社の販売管理費で構成比率が高いのは人件費であるが(下図を参照)、2008年6月期から2009年6月期にかけて研究開発費を増やしている。
経常利益はほぼ営業利益と同水準である。
同社は2001年6月期から2011年6月期までの間、大きな特別損失を2回計上している。2007年6月期と2008年6月期である。2007年6月期の損失計上額は466百万円で、主な内訳はソフトウェア臨時償却費(146百万円)、訴訟費用(114百万円)、および投資損失引当金繰入額(156百万円)である。2008年6月期の損失計上額は398百万円で、主な内訳は減損損失(145百万円)とソフトウェア臨時償却費(137百万円)である。
当初会社計画と実績
同社の売上予想が比較的高い精度で予想可能なのは、同社の主要製品である大規模ソフトウェア案件やNET+1システムの収益が長期間にわたって確保されていることが理由であろう。 ただし当期純利益に関しては、同社の2004年6月期の期首の予想が実績との比較で極めて高かった。同社は2004年6月期の第3四半期に予想を下方修正したが、(全社売上総利益に貢献すると考えられていた)セキュリティシステム業務の売上が予想より低かったため、業績全般に影響を与えた。
2005年6月期の業績はセキュリティ製品CWATの売上計上にかかる会計方針変更の影響を受けた。同期の業績(会計方針の変更がなかった場合)と計画値との対比は以下の通りである。
売上高: +2.8%
営業利益: +66.7%
経常利益: +69.3%
当期純利益: +48.1%
会計方針変更の詳細:当初パッケージ製品の売上は代理店出荷時に計上していたが、新しい方針の採用によりエンドユーザーがライセンスキーを割り当てる(実際に製品が使用可能になる)時点まで売上計上が遅れることになった。
貸借対照表
資産の部
同社の資産基盤は、IT企業にありがちな固定資産に比べ流動資産の比率が高いことで特徴づけられる。流動資産のほとんどが現金・現金同等物および売上債権である。
負債の部
同社は2006年6月期以来、借入はゼロであるが、過去には有利子負債による資金調達をしていた。負債のほとんどは仕入債務である。
資本の部
資本の部は、減損などによる大きな変動はない。2011年6月期末時点で、転換社債やストックオプションはない。
キャッシュフロー計算書
営業活動によるキャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは概して当期純利益によって変動しているが、運転資本増減の影響も受けている。例えば、2009年6月期の営業キャッシュフローと当期純利益の差異は売上債権の減少によるところが大きい(221百万円)。2008年6月期の営業キャッシュフローと当期純利益の差異は在庫の減少によるものである(685百万円)。両年度とも、結果として純利益に比較して営業キャッシュフローが大幅に増加した。
投資活動によるキャッシュフロー
2002年6月期と2003年6月期に見られた大幅なキャッシュアウトフローは、主に投資有価証券取得の結果である(2002年6月期の883百万円と2003年6月期の425百万円)。
財務活動によるキャッシュフロー
財務活動によるキャッシュフローは、概して自己株式の取得 (2003年6月期から2007年6月期の平均は237百万円)および配当金支払い等に左右されていた。
その他情報
沿革
インテリジェント ウェイブ社は1984年に現会長の安達一彦氏により設立され、近代化する日本のクレジットカード会社のニーズを満たすために創業された(同年NTTデータ社が日本初のオンラインクレジットカードネットワークを構築した。それまでのオーソリゼーション業務は電話で、取引の記録は紙ベースで行われていた)。安達氏は日本タンデムコンピューターズ社で得たフォールトトレランスシステムの経験を活用し、フロントエンドネットワークに対する新たな需要を満たし、利益を得られることを発見した。
さらなるネットワーク接続需要の増大に対応して、中核製品NET+1が開発された。1980年末のUCカード社のアップグレードプロジェクトにおいて同社は、必要な変更を適用するには独自開発されたシステムのコード半分以上が書き換えになることが分かった。取引処理において異なるシステム間で相互接続を可能にするパッケージソリューションのニーズを見た同社は1989年にNET+1パッケージを開発した。
業界における最初の変革の波は、マスターカード社が1990年代初頭にブランド方針を変更し、マスターカードの他のクレジットカード会社との共同ブランディングを許可した時に始まった。このブランド方針の決定が、後にはマルチブランド化とつながり(カード発行会社がビザとマスターカードの2種類のカードを発行できるようになった)、さらにネットワーク接続の需要が増えインテリジェント ウェイブ社の受注増につながった。
次の大規模な変革の波は1990年代後半から2000年代にかけて起こった。バブル崩壊を主因として銀行の統廃合が相次ぎ、金融業界が再形成された。この再編によるインテグレーションの需要は2010年現在でも続いている。
2001年6月、同社はJASDAQ証券取引所に上場している。
ニュース&トピックス
企業ニュース&トピックス
2011年11月
2011年11月4日、同社は2012年6月期第1四半期決算を発表した。
2011年8月
2011年8月10日、同社は2011年6月期通期決算を発表した。
2011年8月3日、同社は2011年6月期通期業績予想の修正を発表した。
2011年6月期通期業績予想の修正は以下のようになる。
- 売上高:4,762百万円(前回予想5,330百万円)
- 営業利益:321百万円(同230百万円)
- 経常利益:341百万円(同250百万円)
- 当期純利益:129百万円(同120百万円)
業績予想の修正理由について、同社は以下のようにコメントしている。
- 売上高の下方修正は、1)クレジットカード、証券などの各業界各社においてシステム投資案件の抑制、絞り込みを行う姿勢が強く、同社のソフトウェア開発売上もその影響を受けたこと、2)証券業務における大型案件の投資決定時期が延期となったため、関連するソフトウェア開発やパッケージ販売等の売上が見込みより減少した、などが理由
- 営業利益の上方修正は、1)ソフトウェア開発業務における効率的なプロジェクト管理・執行、2)ハードウェア販売における原価抑制、3)全社的な経費節減の取り組み、4)ソフトウェア臨時償却費77百万円を特別損失として処理するため、その分の減価償却費が減額されたこと、などが理由
- 当期純利益は、特別損失として新たにソフトウェア臨時償却費77百万円を計上するが、営業利益の上方修正がそれを上回ることによって、小幅に前回予想を上回る見込み
- ソフトウェア臨時償却費は、販売用ソフトウェアの販売計画と販売実績とを検討した結果、無形固定資産評価額を見直す必要があると判断したため、特別損失として計上
2011年5月
2011年5月6日、同社は2011年6月期第3四半期決算を発表した。
2011年2月
2011年2月21日、同社は韓国のSaltlux社とセマンテック分野における事業提携を2011年2月10日に締結したと発表した。同社によれば、Saltlux社は韓国の政府機関や各種民間企業をはじめ、欧米、アジアの各地域において400社を超える企業にセマンテック検索ソリューションを提供している。同社は、Salutlux社のソリューションを日本国内で販売するほか、同社の技術やノウハウとの組合せによる新製品・サービスの開発、販売を進める予定であるとしている。
2011年2月4日、同社は2011年6月期第2四半期決算を発表した。
2011年1月
2011年1月28日、同社は2011年6月期上期会社計画の上方修正を発表した。2011年6月期上期会社計画の修正内容は以下の通り。
- 売上高:2,070百万円(期初予想1,720百万円)
- 営業損失:61百万円(同330百万円の営業損失)
- 経常損失:61百万円(同330百万円の経常損失)
- 純損失:67百万円(同210百万円の四半期純損失)
同社は上方修正の理由として、1)複数のクレジットカード会社の設備更新に伴う新規受注を獲得し、ハードウェア販売による売上を計上したこと、2)カードビジネスのフロント業務に係るソフトウェア開発において効率的な業務遂行を進めたこと、を指摘している。
通期会社計画に関しては期初計画が据え置かれた。
2010年11月
2010年11月10日、同社は、2011年6月期第1四半期決算を発表した。
2010年9月
2010年9月28日、株式会社インテリジェントウェイブは、同社のパートナー企業の株式会社DTS(東証9682)が「CWAT」を使用したSaaSサービス「EAGISCORP」を10月1日から発売することを発表した。
2010年9月17日、同社の子会社であるIntelligent Wave Korea Inc.と韓国の流通最大手ShinsegaeグループのシステムベンダーであるShinsegae I&C Co.,Ltdは、9月15日付で、同社が提供するクレジットカード不正検知システム「ACE Plus」の韓国市場への投入のために販売提携したことを発表した。
2010年9月9日、同社と大日本印刷株式会社は、マネーロンダリングなど、銀行口座における不正な取引を自動的に検知するシステム「ACE Plus for Bank」を開発し、2010年9月10日より販売すると発表した。「ACE Plus for Bank」については、同社がシステム構築を担当し、大日本印刷社が営業を担当して全国の地銀、信金、信組、ネット銀行等に販促する計画で、今後3年間で約10億円の売上をめざすと同社はコメントしている。
2010年8月
2010年8月30日、同社はセリシスソリューションズ株式会社と戦略的パートナーを締結。DECIDE(プラットフォーム)をベースとして、ブローカー業務、トレーディング業務とリスク管理のソリューションを日本で展開していくと発表した。
2010年8月12日、同社は中期経営計画を発表した。
2010年8月11日、同社は2010年6月期通期業績を発表した。
2010年8月4日、同社は2010年6月期通期業績予想の修正を発表した。
2010年5月
2010年5月12日、同社は2010年6月期第3四半期の業績を発表した。
2010年4月
2010年4月3日、同社は大日本印刷社が2010年2月より実地している株式に対する公開買付けの終了を発表した。公開買付の詳細は以下の通り。
- 取得株式数: 133,306株
- 決済開始日: 2010年4月9日
- 異動後の総株主の議決権数に対する割合: 50.61%
大日本印刷株式会社が同社の親会社および主要株主である筆頭株主となる。なお、本公開買付の結果が同社の2010年6月期業績に与える影響はごくわずかである。
2010年3月
2010年3月8日、大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社に同社の『市況情報配信システム』製品が導入されたことを発表した。
2010年2月
2010年2月10日、大日本印刷株式会社による同社株式に対する公開買付に賛同意見を表明したことを発表した。公開買付の詳細は以下の通り。
- 買付価格: 1株当たり26,100円(過去3ヵ月の終値の単純平均値に78.1%のプレミアムを付加)
- 株式数: 上限および下限の設定はなし
- 買付期間: 2010年2月10日~4月2日
トップ経営者
安達 一彦 会長および創業者。安達氏のIT業界でのキャリアは、1967年に株式会社日本ユニバック総合研究所(メインフレームメーカー・米国スペリーユニバックの日本法人)で始まった。1970年から1974年までは日本シーディーシー株式会社(スーパーコンピューターメーカー・米国コントロールデータ社の日本法人)にてソフトウェア開発マネージャーおよびテクニカルサービス部門のゼネラルマネージャーを歴任。1974年には日本マーク株式会社(ミニコンメーカー・プライムコンピュータ社の日本総代理店)を設立。1979年日本タンデムコンピューターズ株式会社(初期の大型耐障害コンピューターメーカー・タンデムコンピュータ社の日本法人)の代表取締役社長に就任。1984年にインテリジェント ウェイブ社を設立した。
山本 祥之 代表取締役社長。山本氏は1985年に同社に入社し、営業や製品部門など数々の責任者を歴任した。2005年に社長に就任。
従業員
2011年6月期の社員数は261名:連結273名
- 平均年齢:36.7歳
- 平均勤続年数:9.9年
- 平均年収:708万円
- 労働組合はなし
大株主
配当と株主優待
同社は年間配当を支払っており、安定配当の維持(配当性向とは対照的に)を重視している。配当は2006年6月期に500円へ増配(前期より倍増)し、その水準を2011年6月期も維持している。
株主優待としてウイルス対策ソフト「ウイルスチェイサー」の1年間の無料版を1株主あたり5ライセンス提供している。
IR活動
IR情報のウェブサイトがあり、日本語および英語で情報を提供している。http://www.iwi.co.jp/ir/index.htm
また、各四半期ごとに決算説明会を開催している。




















