個人用ツール
レポートについて
  • このレポートは弊社が独自の調査に基づき作成したものです
  • 各レポートは、レポート対象会社との契約に基づき作成、公開されたものです。レポート作成は弊社ルールに沿ってなされていますが、その性質上完全な中立性を保証するものでない点にご留意ください
  • もっとも、投資家の皆様にとって重要なレポートの中立性・客観性には最大限の努力を払っております
  • ファンダメンタルズ分析ないしその一助となるような情報をこのレポートに網羅すべく努めております
  • このレポートと同様の内容が英文でも記載されております

オンワードホールディングス(8016)

当レポートは、掲載企業のご依頼により弊社が作成したものです。投資家用の各企業の『取扱説明書』を提供することを目的としています。正確で客観性・中立性を重視した分析を行うべく、弊社ではあらゆる努力を尽くしています。

中立的でない見解の場合は、その見解の出所を常に明示します。例えば、経営側により示された見解は常に企業の見解として、弊社による見解は弊社見解として提示されます。弊社の目的は情報を提供することであり、何かについて説得したり影響を与えたりする意図は持ち合わせておりません。

ご意見等がございましたら、sr_inquiries@sharedresearch.jp までメールをお寄せください。ブルームバーグ端末経由でも受け付けております。

当PDF文書は、株式会社シェアードリサーチに掲載しているレポートのコピーです。最新版につきましては、弊社ウェブサイト(http://www.sharedresearch.jp) をご覧ください。弊社は、継続的に最新の企業情報を掲載し、ユーザーが弊社ウェブサイトへ自由に投稿することができるという、他に類を見ないサービスを提供しています。
SR社の現在のレポートカバレッジ

2012年 2月 5日時点

あいホールディングス(3076) (最終更新日: 12/02/11 )
アンリツ(6754) (最終更新日: 01/30/12 )
イエローハット(9882) (最終更新日: 02/03/12 )
インテリジェントウェイブ(4847) (最終更新日: 02/03/12 )
エイブルCHINTAIホールディングス(3272) (最終更新日: 02/02/12 )
エレコム(6750) (最終更新日: 12/05/11 )
エン・ジャパン(4849) (最終更新日: 11/29/11 )
オンワードホールディングス(8016) (最終更新日: 02/03/12 )
クリーク・アンド・リバー社(4763) (最終更新日: 01/27/12 )
グランディハウス(8999) (最終更新日: 12/06/11 )
ゲームカード・ジョイコホールディングス(6249) (最終更新日: 02/02/12 )
シップヘルスケアホールディングス (3360) (最終更新日: 02/01/12 )
ジェイアイエヌ(3046) (最終更新日: 02/03/12 )
ジャパンベストレスキューシステム(2453) (最終更新日: 12/27/11 )
スタートトゥデイ(3092) (最終更新日: 01/27/12 )
ダイセキ(9793) (最終更新日: 01/18/12 )
デジタルガレージ(4819) (最終更新日: 01/27/12 )
ドン・キホーテ(7532) (最終更新日: 01/10/12 )
ナノキャリア(4571) (最終更新日: 01/26/12 )
バルス(2738) (最終更新日: 09/02/11 )
パナソニック電工IS(4283) (最終更新日: 01/27/12 )
フィデック(8423) (最終更新日: 01/27/12 )
フィールズ(2767) (最終更新日: 02/03/12 )
フェローテック(6890) (最終更新日: 12/15/11 )
ベリテ(9904) (最終更新日: 01/12/12 )
ベルパーク(9441) (最終更新日: 01/10/12 )
メガネトップ(7541) (最終更新日: 02/01/12 )
メディネット(2370) (最終更新日: 02/03/12 )
ユビキタス(3858) (最終更新日: 11/28/11 )
ラウンドワン(4680) (最終更新日: 01/12/12 )
ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(2769) (最終更新日: 02/03/12 )
三城ホールディングス(7455) (最終更新日: 02/03/12 )
夢真ホールディングス(2362) (最終更新日: 01/31/12 )
日本駐車場開発(2353) (最終更新日: 12/19/11 )


ディスクレーマー

この文書は、情報提供のみを目的としております。投資に関する意見を提供するものでも、投資の勧誘や推奨を意図したものでもありません。SR Inc.は、本レポートに記載されたデータの信憑性や解釈については、表出された場合と黙示された場合の両方につき、一切の保証を負わないものとします。SR Inc.は本レポートの使用により発生した損害について一切の責任を負いません。 本レポートの著作権、および本レポートとその他Shared Researchレポートの派生商品の作成および利用についての権利は、SR Inc.に帰属します。本レポートは、個人目的の使用においては複製および修正が許されていますが、配布・転送その他の利用は本レポートの著作権侵害に該当し、固く禁じられています。なお、本レポートに記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。


金融商品取引法に基づく表示

本レポートの対象となる企業への投資または同企業が発行する有価証券への投資についての決断を伝える意見が本レポートに含まれている場合、その意見は、同企業からSR Inc.への対価と引き換えに盛り込まれたものであるか、同企業とSR Inc.の間に存在する当該の対価受け取りについての約束に基づいたものです。


オンワードホールディングス(8016)

主要財務データ

Image:Onward-JP-Main-Model.png

直近更新内容

概略

2012年2月3日、株式会社オンワードホールディングスは2012年1月の月次売上高を発表した。

(月次売上高の項目へのリンクはこちら


2012年1月11日、同社は2011年12月の月次売上高を発表した。

東京地区のファミリーセールの日程が会場の関係によりずれた(前年は11月及び12月に開催したのに対し、本年は11月に開催)影響が2011年11月及び12月の月次売上高に出ている。同社によれば、12月の前売(ファミリーセール等を含まない店頭売上)は、前年比+4%であったとのことである(11月の売上高に関して、上記影響は前年比+5%であったとのことであり、ファミリーセール等を含まない11月の売上高はほぼ前年並みであったと推測される)。


2012年1月6日、同社は2012年2月期第3四半期決算及び2011年11月の月次売上高を発表した。

(決算短信へのリンクはこちら、2012年2月期第3四半期決算の項目へのリンクはこちら


3ヵ月以上経過した会社発表はニュース&トピックス


TOPへ

業績動向

月次売上高推移

Image:Onward-JP-Monthly Sales.png


四半期実績推移

Image:Onward-JP-Quarterly Performance.png


四半期ごとの季節性に関しての補足

同社の四半期ごとの売上、利益はバーゲンシーズンの有無などの季節性により大きなばらつきがある。第1四半期(3~5月)は3月の繁忙期が含まれるのに対し、第2四半期(6~8月)は7月がバーゲン時期、8月は本格的に秋冬ものが出始める時期に相当するため、正価で売れる商品の比率は第1四半期より少なく、利益が圧迫される(2009年2月期および10年2月期の第2四半期の営業利益はいずれでも赤字)傾向が強い。同様に第4四半期も1月にバーゲンシーズンが入ること、および年度末に計上される評価損の影響により利益が圧縮されるケースが多い。


2012年2月期第3四半期実績

2012年1月6日、同社は2012年2月期第3四半期の決算を発表した。通期会社予想に変更はない。

2012年2月期第3四半期累計期間の売上高は東日本大震災に伴う消費の落ち込みから回復基調にあるものの、天候不順などの影響もあって、前年比0.3%減の182,484百万円となった。しかし、海外ライセンスブランドのロイヤリティの見直し、商品提案と店舗販売力強化によりプロパー売上が向上したこと等によって、売上総利益率は49.1%と前年同期の同48.5%から改善した。また、販売管理費が前年比2.3%減となるなど経費抑制の効果もあって、営業利益は前年比30.7%増の11,370百万円となった。四半期純利益に関しては、特別利益合計で1,048百万円の計上(固定資産売却益の発生)があったものの、特別損失で合計2,864百万円(主に、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額1,086百万円、本社所在地における社屋建替関連損失1,320百万円等)を計上したことによって、前年比7.0%減の4,358百万円となった。

特別損失で計上した社屋建替関連損失について補足すると、同社は保有する日本橋のビルを3年程度かけて建て替える予定(特別損失の計上は2012年2月期のみ)。建て替えた後は、自ら一部を使用する他、残りのスペースは外部テナントを誘致する方針となっている。

ちなみに、主要子会社オンワード樫山の2012年2月期第3四半期会計期間の売上高が、ファミリーセール開催期間の前倒し影響によって実勢よりも上振れしている点には注意が必要である(数値等は下記参照)。もっとも、そうした特殊要因を考慮しても、2012年2月期第3四半期累計期間の実績に関しては、会社予想を上回る進捗ペースであると同社はコメントしている。

また、オンワード樫山の1月の年始商戦も堅調であった模様。こうした足下の好調さの背景としては、同社が積極的に商品投入を行う中、12月中旬以降の気温の低下など天候の追い風もあり、中重衣料(コート等)の売れ行きが良くなったものとSR社は認識している。これまでは、好調なメンズに対して、レディスが不振という構図が続いてきたが、足下に関しては、レディスも持ち直してきた模様である。

同社によれば、主要連結会社の業績概況(特に言及しなければ2012年2月期第3四半期累計期間)は以下のようになる。

連結営業利益は2011年2月期第3四半期累計期間と比べ、2,671百万円増加した。会社別の営業利益増減は、オンワード商事が前年同期より180百万円減、オンワードリゾートグループが同135百万円減となったものの、オンワードHD及びオンワード樫山が前年同期より2,127百万円増、GIBO’COが同494百万円増、アクロストランスポートが同216百万円増となり、それぞれ増益に寄与した。

  • オンワードHD、オンワード樫山:売上高113,209百万円(前年比2.8%減)、営業利益9,735百万円(同28.0%増)
  • オンワード商事:売上高11,010百万円(前年比2.4%減)、営業利益555百万円(同24.5%減)
  • チャコット:売上高7,811百万円(前年比0.9%増)、営業利益678百万円(同13.4%増)
  • アイランド:売上高6,136百万円(前年比14.3%増)、営業利益1,149百万円(同1.1%増)
  • クリエイティブヨーコ:売上高5,224百万円(前年比3.9%減)、営業利益295百万円(同7.7%増)
  • オンワードリゾートグループ:売上高2,415百万円(前年比12.8%減)、営業損失37百万円(前年同期:営業利益98百万円)
  • JOSEPH:売上高6,243百万円(前年比2.5%減)、営業損失584百万円(前年同期:営業損失576百万円)
  • GIBO’CO:売上高11,903百万円(前年比26.5%増)、営業利益1,087百万円(前年同期:営業利益593百万円)
  • JIL SANDER:売上高7,616百万円(前年比11.0%増)、営業損失415百万円(前年同期:営業損失342百万円)

国内

オンワード樫山において、基幹ブランドを中心に、商品提案力と店舗販売力を強化し、収益性の向上に努めたこと等により、上期の震災の影響を吸収し、大幅な増益となった。オンワード樫山の基幹ブランドの売上は、23区が前年比0.3%増、組曲が同11.3%減、自由区が同0.8%増、ICBが同0.3%増であった(第3四半期会計期間における基幹ブランドの売上は、23区が前年比5.1%増、組曲が同6.7%減、自由区が同9.0%増、ICBが同6.1%増であった)。

なお、オンワード樫山の第3四半期会計期間の売上高は、東京地区のファミリーセールの開催期間が会場の関係により前倒しとなった(12月開催はなし)影響によって、約2%上振れしている。オンワードHD及びオンワード樫山の第3四半期会計期間実績は売上高が前年比2.5%増(1,092百万円増)の44,754百万円、営業利益が同29.3%増(1,795百万円増)の7,916百万円であった。

もっとも、(前述したように)そうした特殊要因を除いても、売上は会社が想定していたよりも良かったほか、経費コントロールが効いて、オンワード樫山は当初想定を上回る実績となっている。

国内事業は、他にもアイランドが引き続き堅調で、予想を上回る実績となっているほか、チャコットも順調な結果を示している。一方、オンワード商事は、下期に入り改善傾向にあるが、上期の落ち込みを挽回するまでには至っておらず、計画を下回っている。その他子会社については、概ね計画通り。

海外

欧州地区の業績が大幅に改善するとともに、アジア地区、北米地区も順調に推移した。

欧州は、総じて計画を上回る実績となった。会社別には、JOSEPHが、年度前半の不振を補えず、計画を下振れした。一方、JIL SANDERは計画通り。GIBO’COは新規ライセンス契約に伴い卸売が順調で売上・利益共に計画を上回る実績であった。

アジア地区は、第3四半期まで順調。なお、第4四半期に入って、中国で売上が前年割れとなっており、今後の見極めは必要ながら、韓国、香港は堅調であり、アジア地区全体でみれば、特に問題はない。


2012年2月期第2四半期実績

2011年10月7日、同社は2012年2月期第2四半期の決算を発表した。

2012年2月期第2四半期累計期間の売上高は東日本大震災に伴う自粛ムードや消費マインドの冷え込みなどもあって、前年比2.3%減の113,693百万円となった。しかし、海外ライセンスブランドのロイヤリティの見直しなどによって、売上総利益率が47.1%と前年同期の同46.8%から改善したこと、経費抑制などによって、営業利益は前年比1.9%増の1,599百万円となった。四半期純利益に関しては、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額1,086百万円を特別損失で計上したこともあって(特別損失合計は1,319百万円、前年同期は同202百万円)、前年比93.4%減の76百万円となった。

期初会社予想(売上高:112,400百万円、営業利益:1,400百万円、経常利益:2,200百万円)と比較すると、売上高は1.2%、営業利益が14.2%、経常利益が12.4%、それぞれ会社予想を上回った。また、保有する土地の売却に伴う固定資産売却益の発生1,048百万円(特別利益)もあって、四半期純利益も期初会社予想(四半期純損失500百万円)を大幅に上回る実績となった。

営業利益が会社予想を上回った要因として、同社は商品提案力の強化や効率的な運営によって売上総利益率を向上できたほか、計画以上の経費削減を実現できた点を挙げている。

同社によれば、主要連結会社の業績概況(2012年2月期第2四半期累計期間)は以下のようになる。

  • オンワードHD、オンワード樫山:売上高68,455百万円(前年比6.1%減)、営業利益1,819百万円(同22.3%増)
  • オンワード商事:売上高7,434百万円(前年比2.2%減)、営業利益380百万円(同38.4%減)
  • アイランド:売上高3,875百万円(前年比12.2%増)、営業利益686百万円(同4.5%減)
  • チャコット:売上高5,062百万円(前年比1.0%減)、営業利益409百万円(同3.3%増)
  • クリエイティブヨーコ:売上高3,376百万円(前年比4.0%減)、営業利益99百万円(同8.3%減)
  • JOSEPH:売上高4,243百万円(前年比1.0%増)、営業損失533百万円(前年同期:営業損失461百万円)
  • GIBO’CO:売上高7,179百万円(前年比25.9%増)、営業利益340百万円(前年同期:営業利益31百万円)
  • JIL SANDER:売上高4,898百万円(前年比13.6%増)、営業損失669百万円(前年同期:営業損失562百万円)

国内

  • オンワードHD、オンワード樫山:ロイヤリティ減額とプロパー売上構成比の向上による粗利益率の改善と経費削減効果によって、営業利益が会社予想、前年実績を上回った。基幹ブランドの売上は、23区が前年比3.0%減、組曲が同14.0%減、自由区が3.0%減、ICBが4.0%減であった
  • オンワード商事:東日本大震災の影響でユニフォーム、学生服などの受注が落ちたほか、中国の生産コストアップなどから減益となった
  • アイランド:前年同期に実施した(現在は取り扱っていないメンズブランドの)セールの反動から減益となったが、既存店の売上拡大と新規店のオープンにより売上高は計画を上回った
  • チャコット:4月以降、旗艦路面店を中心に売上回復が加速し、営業利益が計画を上回った
  • クリエイティブヨーコ:震災影響で売上は計画を下回ったが、プロパー売上好調により売上総利益率が計画を達成した

海外

  • GIBO’CO:JIL SANDER等グループ企業向けの生産比率を向上や新規ライセンス契約に伴い卸売が順調で売上・利益共に計画を上回る
  • JIL SANDER:GIBO’COへの生産集中によるシナジー効果で売上総利益率はさらに改善。ただし、JIL SANDER NAVYの小売拡大が課題
  • JOSEPH:プロパー商品の売上拡大により、売上総利益率は改善。ただし、年末、年始のバーゲンが不振で計画を下回る実績となった。

2012年2月期通期の会社予想は据え置かれている。同社はこの点に関し、当初想定した通り、未だ先行きに不透明感があるためと述べている。

オンワード樫山の売上高の月次売上動向をみる限り、第2四半期の売上動向はやや盛り上がりの欠ける実績であった。一部他店でセールの前倒しが行われた一方、同社は通常通り7月に入ってからセールを実施したことが影響しているようだ。もっとも、9月以降、10月初旬にかけては、オンワード樫山の売上高も回復し、順調に推移しているものとSR社では認識している。

以下は、2011年10月11日に開催された2012年2月期中間決算説明会におけるオンワード樫山の馬場新社長のコメント抜粋である。

  • 厳しい環境下にあるが、増収なくして成長はあり得ない。組織、製造、創造の3つの改革を可能なところから着手し、2013年2月期からスタートする新たな「中期3ヵ年」の成長につなげていきたい
  • (成長に関して)海外だけではなく、国内に関しても伸ばせる余地がある。百貨店流通が当社の屋台骨なのでそこは引き続き強化しながら、それ以外の販路も積極的に強化していく。そのための仕掛けを行っていきたい
  • 当社の主力商品はボリュームゾーンに対応しており、名前も知れているため安心感はある。一方で、「ファッション」を感じさせるブランドをここ数年間で生み出せてきただろうかという危機感がある。当社は「OPENING CEREMONY」というファッション業界で認知度の高い海外ショップの日本における商標権を有している。「OPENING CEREMONY」を用いて何かメッセージを発していくことによって、当社のファッションに対する本気度を伝えていくことができると思う
  • JIL SANDER NAVYは海外ではエクステンションラインということで展開しているが、先月欧州を訪問した際、現地の責任者とJIL SANDER NAVYとして(セカンドラインで)攻めていくべきという話をし、先方の同意を得た
  • JOSEPHに関して、9月に入って消費者の財布の紐が固くなってきたと現場で聞いた。しかし、オンワードにとっての海外は欧州だけではなく、北米、アジアもある。JOSEPHにとっても北米、アジアの売上を上げていくことが急務と考えている
  • 北米に関して、現在はJ.PRESSの販売がメインだが、ICBを2012年秋から販売を開始していく予定。(ニューヨークに)デザイン・企画チームを設置しており、ICBを一つのステップとして、北米でブランドを発信、日本に輸入ということも行っていきたい。こうした現地でブランドを発信し、場合によっては日本その他地域に輸入するという考えは、アジアも同様である。日本と欧州だけがアパレルの機能を有するのではなく、4地域それぞれで情報・モノを双方発信し合っていく体制を構築していきたい


2012年2月期第1四半期実績

2011年7月8日、同社は2012年2月期第1四半期の決算を発表した。

売上高は東日本大震災に伴う自粛ムードや消費マインドの冷え込みなどもあって、前年比4.8%減の61,361百万円となった。しかし、売上総利益率が49.6%と前年同期の同48.9%から改善したこと、経費を抑制できたこと、海外事業が計画通り進捗したことなどもあって、営業利益は前年比4.0%増の4,678百万円となった。ちなみに当期純利益に関しては、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額1,086百万円を特別損失で計上したこともあって(特別損失合計は1,225百万円、前年同期は同156百万円)、四半期純利益は前年比16.7%減の2,159百万円となった。

同社によれば、上記実績は会社計画を上回ったとのことである。4-5月のオンワード樫山の売上高が想定を上回ったこと、連結ベースで予定していたよりも経費削減を実現できたことなどがその要因である。同社はオンワード樫山の4-5月の売上高を前年比6%減と想定していたようだが、実績は同0.4%増であった。また経費に関しては、連結ベースで人件費、広告宣伝費を中心に販売管理費が前年比4.7%減となっている。

2012年2月期上期および通期の会社予想は据え置かれている。同社はこの点に関し、6月のオンワード樫山の売上高が前年比4%減と低調だったことなどから、第2四半期の業績についてやや慎重にみているようだ。6月の月次売上高に関していえば、一部他店でセールの前倒しが行われた一方、同社は通常通り7月に入ってからセールを実施したこと、消費マインドの低迷などが影響している模様だ。

主要連結会社の業績内訳は以下のようになる。

  • オンワードHD、オンワード樫山:売上高36,966百万円(前年比7.6%減)、営業利益3,757百万円(同3.3%増)
  • オンワード商事:売上高4,325百万円(前年比1.3%増)、営業利益312百万円(同20.6%減)
  • アイランド:売上高1,886百万円(前年比7.9%増)、営業利益318百万円(同16.1%減)
  • アクロストランスポート;売上高2,947百万円(前年比5.4%増)、営業利益205百万円(同26.5%増)
  • JOSEPH:売上高2,375百万円(前年比7.6%減)、営業損失322百万円(前年同期:営業損失363百万円)
  • GIBO’CO:売上高3,894百万円(前年比7.6%増)、営業利益308百万円(同15.4%増)
  • JIL SANDER:売上高2,816百万円(前年比5.5%増)、営業利益42百万円(前年同期:営業損失49百万円)

国内

  • オンワード樫山:上記の通り、会社予想を上回る実績であった。2012年2月期第1四半期における基幹ブランド合計の売上高は前年比7.6%減。内訳は、23区が同4.6%減、組曲が同15.6%減、ICBが同4.4%減、自由区が同7.1%減であった。ちなみに、東日本大震災のあった3月を除いた4~5月実績でみると、基幹ブランド合計で前年比1.1%増。内訳は、23区が同4.0%増、組曲が同5.8%減、ICBが同2.9%増、自由区が同1.3%増であった
  • オンワード商事:東日本大震災の影響でユニフォーム、学生服などの受注が落ちたほか、中国の生産コストアップなどから減益となった
  • アイランド:前年同期に実施した(現在は取り扱っていないメンズブランドの)セールの反動から減益となった。同社はほぼ計画通りとコメントしている
  • アクロストランスポート:新規契約獲得などにより、増収増益

海外

  • JOSEPH:年末、年始のバーゲンが不振で計画を下回る実績となった。ただし、プロパー商品の売上が好調であるなど、特に深刻な状況ではないと同社はコメントしている
  • GIBO’CO:新規ライセンス契約の獲得、JIL SANDER等グループ企業向けの生産比率の向上などから計画を上回る実績となった
  • JIL SANDER:計画を上回る実績となった


過去の四半期実績と通期実績は、過去の財務諸表



2012年2月期の見通し

Image:Onward-JP-FY Forecast.png

Image:Onward-JP-FY-Segment Forecast.png

Image:Onward-JP-Subsidiary Results and Estimates.png

Image:Onward-JP-Sales Floor Area.png

Image:Onward-JP-Sales for Core Brands.png


震災影響について

2011年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」の影響について、同社は、オンワード樫山の売上構成約40%に該当する百貨店・新流通店舗で売場閉鎖や営業時間短縮が発生したとしている。この結果、2011年3月のオンワード樫山の月次売上高は前年比22%減となった(内訳は、関東地区:同35%減、東北地区:同56%減)。ただし、同社によれば3月下旬より売上高は復調傾向にあるとのことである。4月第1週目の売上高は前年比3%増であった(内訳は、関東地区:同4%増、東北地区:同31%減)。

2012年2月期の計画について、同社は震災の影響として、売上高8,700百万円(オンワード樫山:7,600百万円、その他国内子会社:1,100百万円)、売上総利益4,400百万円、営業利益1,500百万円のマイナス影響を見込んでいる。具体的には、エリア別に下記の前提を置いて売上、売上総利益に対するインパクトをみた上で、経費削減等の努力によってその一部をカバーするという考え方である。

関東地区:計画停電等の影響により、2012年2月期第1四半期まで影響が継続

東北地区:閉鎖店舗の復旧状況や福島原子力発電所等の影響を踏まえ、2012年2月期末まで影響が継続

その他地域:震災の影響は、4月以降は見込まない


2012年2月下期計画の概要

基本的な考え方としては、国内事業、海外事業共に売上拡大、売上総利益率向上による収益拡大を見込むというものである。

国内事業に関していえば、主力のオンワード樫山の売上計画は前年比0.9%増の82,145百万円である。会社側としては、経費コントロールなども含めて下期計画達成に自信を持っているようだ。

一方、海外事業は欧州経済情勢が悪化傾向にある点を踏まえると、小売ビジネスにやや不安が残るといえるかもしれない。もっとも、欧州事業の約6割は卸売ビジネスであり、卸売ビジネスは比較的安定した推移が見込めると同社は述べている。

国内

売上高は前年比2.2%増の138,838百万円、営業利益は前年比24.9%増の10,493百万円の計画。

内訳は、オンワード樫山が売上高82,145百万円(前年比0.9%増)、営業利益6,981百万円(前年比18.0%増)の計画。オンワード樫山以外の国内子会社合計が売上高33,261百万円(前年比3.4%増)、営業利益2,103百万円(前年比16.1%増)となっている。

オンワード樫山: 下期の主な施策としては、1)秋冬商戦に「ブランド横断企画」の戦略商品を投入し、プロパー売上を拡大させる、2)売場の新規及びリニューアル127店舗、中止47店舗を計画(下期レインボー作戦、新規及びリニューアルには「J.PRESS」大型複合店舗9店舗を含む)、3)メンズ「J.PRESS」にカジュアル新ラインの「RED LABEL」を導入し、大型複合店舗化を推進、4)新ブランド「SOUTHERN WINDFEELS」の大型ショップを都市型SC内に2店舗オープン、などが挙げられる。

その他国内子会社に関する、同社のコメントは以下。

  • オンワード商事:ユニフォーム等の受注回復が課題。生産コストの改善を図り収益改善を進める
  • チャコット:直営店や卸売ビジネスの強化と経費コントロールの継続により、収益の拡大を図る
  • クリエイティブヨーコ:JR系駅ビルへの出店や商品強化による差別化を図り、売上を拡大する
  • バスストップ:リニューアルした代官山旗艦店を中心に売上を拡大する
  • アイランド:大型複合ショップの展開等により、単店舗売上をさらに拡大する


海外

売上高は前年比5.3%増の23,432百万円、営業利益は前年比107.8%増の1,409百万円の計画である。営業増益を牽引する地域は欧州の見込みだが、欧州の各子会社について、同社は下記のように述べている。

  • JIL SANDER:コレクションラインの拡大と「JIL SANDER NAVY」の販売強化によって売上を拡大。売上総利益率をさらに改善し、下期の黒字化を見込む
  • JOSEPH:旗艦店を中心とした小売拡大と卸売の強化を進める
  • GIBO’CO: JIL SANDER等グループ企業からの受注の増加により、前年比+10%以上の増収及び増益を見込む


将来の展望

同社は、当初、2011年2月期までの目標として、売上高3,500億円、営業利益300億円、経常利益350億円を掲げていた。この目標は達成されていないが、いずれは実現可能であると同社は述べている。現在、同社は「重要課題を優先する」アプローチを採っており、特定期間に特定の目標を設けるというよりも、喫緊の課題を着実にこなしていくことに重点を置いている。今のところ、売上高が2,500億円程度に増加したとしても、営業利益は150億円程度を目標とするのがより現実的であると、同社は述べている。SR社は売上高3,500億円、営業利益300億円、経常利益350億円の目標は、さらなるM&Aを実施しないかぎり実現不可能と考える(現在も、M&Aの可能性は除外されていない)。

同社は、2012年春頃に2013年2月期からスタートする新たな「中期3ヵ年計画」を公表する予定である。2012年1月時点で具体的な内容は明らかとはなっていないものの、同社は、方向性として、2013年2月期以降の(売上高・営業利益の)成長スピード加速を狙っているとコメントしている。


TOPへ

事業内容

ビジネス 

Image:Onward-JP-Sales by Type, Channel.png

同社の主力ビジネスは、ファッション・アパレルの生産および販売である。同社の収益の大部分は国内事業が占めている(2011年2月期で約85%)。同社は2010年2月期に海外事業を強化し始めたが、今のところ大きな寄与にはなっていない(2011年2月期売上高の約15%)。とはいえ、海外事業は成長しつつあり、特に欧州が伸びている。日本国内における主な販売チャネルは百貨店(2011年2月期のオンワード樫山においては国内売上高の77.1%)で、同社は保有するブランドの製品のほとんどを百貨店経由で販売している(この中には子供服およびファッション雑貨等の小規模ブランドも含む)。同社は、自社を高級アパレル・メーカーと位置づけている。

同社は、アパレル事業とその他事業の2セグメントに分けられるが、アパレル事業が大半であり、2011年2月期において連結売上高の93.9%、営業利益の100%以上を同事業が占めている。

同社は、持株会社形態により組織されている。持株会社のオンワードホールディングスの傘下に、2011年2月期末で約100社の子会社を持つ。中でも最も重要な位置付けにあるのが、国内でのアパレル販売を担当する株式会社オンワード樫山である(詳細は「グループ会社」の項を参照)。


アパレル(2011年2月期売上高の93.9%、営業利益8,981百万円)

アパレル事業においては従来から国内売上に対する婦人服の寄与度が紳士服よりも高かった(2011年2月期売上高に占める比率は婦人服が67.8%、紳士服が23.9%)。

23区(出所:会社データよりSR社作成)

婦人服

同社が婦人服で力を入れているのは高級ブランドとファッション性のある衣服である。婦人服の主な販売ターゲットは、20代から40代の働く女性である。1990年代にこの年齢層向けに販売開始したブランド製品は、当時獲得した顧客層と同様に年月を重ね、現在30代後半以上の女性のファッションセンスに合ったものになっているのではないかと、SR社では見ている。同社の国内向け主力ブランドは、「23区」、「組曲」、「ICB」、「自由区」で、海外の主力ブランドとしては、「JOSEPH」および「JIL SANDER」が挙げられる(詳細については、ブランド戦略の項目を参照)。

主要ブランド:

  • 23区:(1993年下期~)オンワード樫山の代表的ブランド。30代のキャリア女性を中心ターゲットとして、シンプル&ベーシックを基本に程よくトレンドをミックスした『東京リアルクローズ』を展開。2011年2月期の売上高は24,750百万円。
  • 組曲:(1992年下期~)上品・ナチュラル志向の20代のOLをターゲットとして、カジュアルテイストに時代のモードを取り入れた「進化する定番」を提案。2011年2月期の売上高は11,360百万円。
  • ICB:(1995年下期~)都会的で洗練された30歳代のキャリア女性をターゲットとして、品質、ファッション性、価格のバランスがとれたキャリアのさまざまなシーンに対応するマルチファッションを展開。2011年2月期の売上高は8,870百万円。
  • 自由区:(2000年下期~)アクティブで生き生きとしたアラフォー世代(35~45歳)の女性に向けて、『上品』・『上質』・『日常着』という基本コンセプトのもと、『汎用性』のある大人のリュクススタイルを提案。2011年2月期の売上高は8,370百万円。
  • any FAM :(2005年下期~)ショッピングセンター等の新流通向けブランド。団塊ジュニア世代の親子をターゲットとして、高品質で着やすいデイリーカジュアルウェアを求めやすい価格で展開。
  • any SiS:(2005年下期~)ショッピングセンター等の新流通向けブランド。20代のOLをターゲットとして、ベーシックアイテムにトレンドエッセンスを取り入れたスタイリングを提案。
J.PRESS RED LABEL(出所:会社データよりSR社作成)


紳士服

同社は、1950代に紳士用スーツおよびコートを作り始めたことをきっかけにアパレル事業へ参入した。同社の主力商品は、30歳以上のビジネスマンをターゲットとしたスーツ、コート、ジャケットである。

主要ブランド:

  • 五大陸:(1992年下期~)都市に住むビジネスマンをターゲットとして、『東京発国際服』をコンセプトに時代性・国際性をブレンドしたビジネスワードローブを展開。
  • エンターG :(2010年上期~)カジュアル上手なヤングビジネスマンをターゲットにして、デザインもプライスもリアルな価値を追求したジャケットやスーツを提案。
  • J.プレス :(1974年下期~)トラッド志向のこだわりを持つ30~40代をターゲットとして、ニューヨークのマジソンアベニューから発信される“進化し続ける伝統”をコンセプトとしたネクストトラッドを提案。
  • ダックス:(2004年上期~)英国の伝統的なスタイルを愛する本物志向の55~65歳をターゲットとした、高品質なブリティッシュエレガンスに時代性をプラスしたトータルブランド。オンワードホールディングスは、2004年に日本におけるメンズおよびゴルフウェアの製造・販売権を取得。2011年2月期の売上高は3,430百万円。
JIL SANDER Navy(出所:会社データよりSR社作成)


海外

同社は、2005年にJOSEPHグループ、2008年にJIL SANDERグループを傘下におさめ、「JOSEPH」「JIL SANDER」のアパレル事業を所有している。これらのブランドのファッション性や知名度を最大限に活かし、今後のグローバル戦略の主力として北米・アジアを含めた全世界への拡大が期待されている。

  • JOSEPH:(2005年下期~)“スリック&シック”をコンセプトに都会の洗練された男女に向けて、上質で着心地の良いカジュアルウェアを展開。ロンドンを拠点に世界の主要都市で展開しているグローバルブランド。
  • JIL SANDER:(2008年下期~)1973年にドイツで誕生し、縫製技術の高さとシンプルかつミニマルでシャープなデザインで世界的な知名度を有するラグジュアリーブランド。2005年よりベルギー人のラフ・シモンズがクリエイティブディレクターに就任し、本来の世界観を継承しながらも革新性を吹き込んだコレクションは、常に高い評価を得ている。
「23区」銀座店(出所:会社データよりSR社作成)


その他 (2011年2月期売上高の8.9% 、117百万円の営業損失)

物流事業、スポーツ施設やリゾート施設の運営などを含むが、同社の業績に与える影響は限定的である。


ビジネス・モデル

同社のビジネス・モデル(アパレル部門の生産および販売)は国内と海外では異なる。

国内では、同社は(ブランドすべてについて)衣料品を企画開発の上、商社または工場経由にて生産し、主に国内の百貨店において顧客への販売を行っている。同社はデザインから販売までのすべてのリスクを負うが、百貨店が小売価格を売上として計上する一方、同社は卸売価格のみを売上として計上する。返品および売れ残り在庫は同社の責任範囲となり、(正価かバーゲン価格かという)商品価格の決定は同社が行う。百貨店の取り分は、あらかじめ設定された商品価格のある一定割合(歩率)である。

海外において、同社は2つの主力ブランド、「JOSEPH」および「JIL SANDER」のアパレル事業を有し、百貨店ならびにその他の販売業者に販売するほか、直営店での販売も行っている。アパレル関連の生産は、主にイタリアの子会社GIBO’ COが手がけている。

国内事業の詳細

同社は、自社をアパレル・メーカーと位置づける一方で、SPA業者(注)としての特徴も数多く有している。同社は多数のブランドを抱えており、直営工場を運営する代わりに、商社や工場に対して、当該ブランドの衣料品およびアクセサリーの生産を指揮する。同社と他のSPA業者(例としては、株式会社ファーストリテイリング社(東証1部9983、ユニクロ)、インディテックス社(ザラ)、ヘネス・アンド・マウリッツ社(H&M)が挙げられる)との大きな違いは、同社が直営店舗をあまり有しておらず、百貨店経由での販売が主力チャネルである点にある。

注)アパレル製造小売専門店:Specialty Store Retailer of Private Label Apparelの略。SPAとは、小売店がサプライヤーと情報を共有することで直近の需要傾向にマッチした生産と在庫の確保をめざすことである。SPAモデルは、販売地点からのフィードバックが常にバリュー・チェーン(価値連鎖)のチェーンをさかのぼって伝達されることにより、消費者のニーズが販売店の店先に即座に反映されることを狙って構築されている。これには、バリュー・チェーンのすべての要素間における密接な連携が必要不可欠である。

過去において、同社は(百貨店への卸売業を営む)メーカーであったが、1990年代から2000年代にかけて、(売上計上主体および店舗保有主体がどこなのかといった詳細な定義は別として)実質的な小売業へと進化していった。

一般的な販売形態では、同社が什器、ディスプレイ、店舗在庫を保有し、また販売員を派遣する。店舗自体は百貨店の所有で、販売した商品は百貨店の売上として計上される(売上はいったん百貨店のPOSおよび会計システムを経由するが、自社の店舗システムを併用し、タイムリーな売上・在庫の管理を行っている)。会計上は、当該販売は同社の卸売売上として計上される。しかし、実際には同社が小売業者として在庫リスクやその他の事業リスクを負っている。一方、百貨店は売場スペースを提供する点で、ある意味地主に近いといえる。百貨店の売上総利益率は基本的には賃貸料と同じであり、売上に占める一定割合として算出される。卸売価格は、「歩率」と呼ばれる割合によって決定される。この「歩率」が、百貨店の売上総利益率に該当する。この割合は、百貨店との交渉により、また取り扱うブランドおよびメーカーによって異なる。参考として、通常その割合は30%から40%の幅で設定されるが、それより高くも低くもなりうる(海外の一流ブランドの場合は、10%台前半または1桁台にまで下がるという)。

アパレル・メーカーと日本の百貨店との関係で使用される用語についての注記。主要な販売方法を意味する用語としては、「消化取引」(販売した分のみの仕入れ)があり、通常”consignment sales”と英訳される。紛らわしいことに、「委託販売」と呼ばれる取引も”consignment sales”と英訳されることが多いが、実際には両社の取引方法は異なる。前者(「販売した分のみの仕入」)は、実際に販売されるまで、商品の所有権は百貨店に移転しないことから、商品は百貨店の在庫品としては計上されない。一方、後者(「委託販売」)は、商品は百貨店の在庫品となる(売れ残った場合はメーカーに返品される)。

米国で一般的な(百貨店が在庫品を仕入れ、そのリスクも負う)無条件購入方法は日本でも一部実施されており、「買取」と呼ばれる。この方法は、伊勢丹百貨店のいくつかの事業で採用されていることで有名だが、国内ではあまりなじみがなく、同社の事業においてもごくわずかな部分を占めるにとどまる。

現在、同社の全売上高の90%以上は、「消化」型で構成される。在庫品のリスクという観点からいえば、同社はSPA業者として事業を運営していることがわかる。

Grace Continental(出所:会社データよりSR社作成)


(オンワード樫山の事例)

商品開発プロセスおよびサイクル

商品開発プロセスは、セールス(社内バイヤー)・チームおよび商品企画(ブランド)チームの2つの主要グループが管理および運営している。商品の生産は、店舗に商品を納入する従業員、つまり「社内バイヤー」の決定に基づく(当該社員は、同社において「販売部隊」と呼ばれ、全国8ヵ所の販売拠点(支店)に所属する。社内で店舗向けのアパレル商品を調達し、顧客は同商品の最終購入者となる)。同社員の商品調達は、店舗の業績およびフィードバックに基づいて決定される。

一般的に、ファッション・シーズンは4つに分けられ、さらにいくつかの小シーズン(例えば初夏)に区分される。各々のシーズンごとに、商品企画チームはコレクション向けサンプル商品を開発し、シーズンに合わせた内覧会で公開する。こうした(通常、年に2回開催される)展示会の例としては、5月に開催される秋冬の展示会が挙げられる。社内バイヤーが選択した商品は、初期投入量が生産される。追加注文は、シーズン半ばの小規模展示会(年に4回から6回開催)や内覧会を元に行う。商品企画チームは、より追加注文の可能性が高い商品を生産できるような体制を整える。つまり、早い段階で素材を確保しストックするのである。

追加生産への対応は、同社によれば、最短期間で30日である。生地および付属等の副材料が揃っていれば、中国の工場へすぐ発注が可能で、完成した商品は船便で発送される。布地の購入およびパターンの変更が必要な場合、生産には少なくともさらに1週間から2週間が必要となる。

同社は、生地および付属等の副材料を事前に調達するが、それはアパレル商品を実際に「生産する」工場および企業の倉庫に保管される。同社は、生産施設の保有、運営を行っておらず、あくまで下請業者に生産指示を出すのである。

ある特定シーズン用の各々のコレクションまたは商品ミックスは、完売しても再注文をしない商品と、再注文する商品とに分けられる。通常、コレクションの20%から30%は、再注文および継続生産を考慮に入れてデザインされる。これらの商品(例として軽めのカジュアルなトップス、シャツ、カジュアルなジャケット等を含む)は通常、総売上高の約70%を占める。同時に、限定商品はコレクション独自の特徴を醸し出し、ブランドのファッション性を際立たせる趣を添える。端的にいえば、最終的にグレーのパンツを買う顧客でも、自分が買った商品からの連想で店頭において目にした大胆なデザインの紫のコートを思い出すだろう。

個々の店舗にどの程度の品揃えをするかは、多くの要因に基づいた複雑な意思決定が必要となる。同社はメーカーとして、どのファッションスタイルのアパレル商品がどの程度売れるかを予測しなければならない。経営陣は、例えばリスクとなり得る在庫量と市場に投入する新商品の数量に関し、どの程度強気の商戦を張るかについて、包括的な決定を下す。これは、市場の全体的な経済状況ならびにボトムアップおよびトップダウン双方による情報に基づいた決定に左右される。その後社内バイヤーは、売上が最大となる商品ミックスを模索しつつ、ブランドごと、および店舗ごとに個々に決定を下すのである。社内のバイヤーは、ブランド・グループにより組織され、また、個々の店舗も数多く担当する。同社の組織は、つきつめると個々の店舗が核となっており、各店舗は、通常1つのブランドを専門に扱う。

値引きは、各シーズンの最後に実施される。シーズン中の国内販売における顕著な特徴は、欧米の店舗に比べて値引率が低く、早期に始まる点である。SR社のみるところ、欧州ではバーゲン・セール期間中は一般的に50%から70%の値引きが実施されるが、日本では30~50%の値引きがなされる場合が多い。日本のモデルでは、シーズン初めに正規料金で販売する期間が比較的短く、シーズン半ばには30%程度価格を下げるなど早い段階でより値引きを実施するが、各シーズン末に大きく割引せずにすむ。この結果として、シーズン中の業績変動はある程度穏やかなものとなる。

事業上の意思決定およびアパレル商品販売のトレードオフ

いわゆる「機会損失」の問題は、興味深いものである。アパレル関連小売業者は常に、売れ残り在庫と需要のある商品の在庫不足という2つの問題に直面している。在庫の売れ残りによる損失はすぐに目に見え、痛みを伴う。利益率を直撃し、バイヤーのキャリアに悪影響を及ぼすものだ。一方、機会損失(在庫切れかまたは店舗に商品を十分投入しなかったことから、商品の品揃えが不十分となり、販売機会を失うこと)は目に見えない。どれだけの機会損失があったか把握するのは難しく、懲罰の対象にもならない(組織全体で行った場合には特にそうである)。むしろ、健全な保守的考えであるとして評価される場合すらある。

SR社の見解では、同社は保守的な企業であり、その事業はシステマティックにというよりも経験重視で運営されているようである。このような保守主義的体制ゆえに、売上が伸び悩んでいる中でも同社は利益を確保でき、同業他社と比較でも、業績は相対的に良かった(「競合環境」の項を参照)。しかしながら、売上総利益率が比較的安定した水準にあるということは、急激な売上の減少とは相容れないということを意味する。同時に、同社は販管費の削減が比較的難しいか、あるいは削減に前向きでなかったため、結果として営業利益率の著しい低下を招いた。前述したように、同社の戦略が最適だったのか、あるいはあまりに保守的すぎたために、芳しくない業績しか達成できなかったのかを判断するのは難しい。同社の経営管理体制が厳格であるか否かという問いに答えが出ても(答えはイエスである)、同社が将来、継続的に成長できるかという問いに対する答えはまだ出ていない。

同社では、追加注文に関する意思決定プロセスに支店数社が関係し、同意に至るには数日を要する。これによって注文への対応期間を削減するとともに、ボトムアップによる同意形成がセールス・チームの結束力を強化し、また、モチベーションを向上させることができると、同社は述べている。

従業員および店舗の体制について

同社は雇用形態を変えつつある。新規採用の多くは、専門職であり(同社の視点では)以前より柔軟な雇用契約に基づく。一般的に、待遇は正社員と同程度だが、雇用契約期間をより容易に終了させることができる。このような変更を行った結果、全般的に昇進後のポストが正社員のために確保され、若手社員の昇進機会が減少している。すなわち、中間管理職以上のポストを以前にも増して50代男性が占めるという状況につながる可能性が出てきている。経験豊かな人材が配置されることも意味するが、新しい流通チャネルや斬新なアイディアを起点とした社内変革という点においては、変革に対する抵抗が増したり、意思決定の遅延を招く恐れがあるといえよう。

マネジメント層は、この問題を認識しており変革が必要と認めているが、従業員の姿勢を変え、抵抗をなくし、組織を活性化させるための人事制度を確立するには、少なくとも1年から2年を要すると指摘している。

販売員は、常勤(販売契約社員)である。販売員は自社の店舗システムより、売上や在庫を直接本社に報告する。 これにより、収益性の高く、売れ筋の商品がタイムリーに確認でき、追加納品や生産を適時行っている。店舗の規模、立地条件および1平方メートルあたりの売上効率は、(百貨店などの)店舗の場所および特定のブランド戦略によって、大きく異なる。商品ミックスは戦略的な売上計画により決定される。一方、個々の店舗は、商品の配置およびディスプレイに関してはある程度の裁量が与えられている。

新流通チャネル

ショッピングセンターにおける売上は、ここ数年(2008年2月期から2011年2月期までの期間)増減を繰り返している。同社は、このチャネル専用のブランドを持っているが、売上にはあまり貢献しておらず、特に3つの主なブランド(anyFAM、anySiS、field/dream)は、総売上高の20%に満たない(同様の指摘は前述の通り)。

直営店は、同社にとっては新しいチャネルである。興味深いが、2011年2月期末時点においてはさほど重要ではないというのが、その特徴の最も適切な表現であろう。

百貨店と並んで今後興味深い展開となりそうなのが、いわゆる「ファッションビル」(例えばパルコやルミネ)でGrace Continental(グレース・コンチネンタル)を展開する、アイランド社の買収であろう。この企業、そして同様の企業の買収が、同社にとって主要流通チャネルおよび主要顧客グループの枠を超えて企業拡大する鍵を握っている。同社は、新しい事業の拡大には新しいエネルギーおよびアイディアが必要だが、社内で見つけることは難しいと認識している。売上高で20,000百万円から30,000百万円規模のブランド製品ラインを確立するため、アイランド社の事業を拡大し、さらに企業買収を進める予定であり、これによって国内、中国をはじめとした新興アジア諸国のファッション市場の双方において事業拡大が期待できる。もし成功すれば、これらの新しいダイナミック・ブランド製品は、ショッピングセンター、ファッションビルおよびインターネット上で販売される予定である。

ネット販売に関して同社は、2012年2月期に、自社のサイトで約1,500百万円の売上を見込んでいる。

SR社は、同社が早急に取り組むべき課題の一つは、ネット販売であると考える。同社において、ネット販売の利益やリスクは、他の事業とは完全に切り離して管理が行われている。つまり、ネット販売のリスクはいまだ小さなネット販売が生みだす売上高に基づいて決まっている。もし、リスクを適切に管理し、高いリスク許容度を設定することができるならば、ネット販売による売上を飛躍的に伸ばすことができよう。


海外事業の詳細

同社は、欧州、アジア、米国地域で事業を展開しているが、中でも欧州地域が同社の海外事業で重要な位置を占めている(2011年2月期の売上高の約13%)。欧州地域での事業は、GIBO’ CO(1990年に買収したイタリアのアパレル・メーカー)を生産プラットフォームとして運営されている。その後JOSEPHグループ を買収(2005年)し、またJIL SANDERを買収(2008年)した同社にとって、GIBO’ COは戦略的に重要な位置を占めつつある。同社は、GIBO’ COの株式をほぼ100%取得している(経営陣の出資がわずかにある)。

欧州地域のファッション・ビジネスの特徴は、広範なアウトソーシングが行われていることである。ファッショデザイン事務所が商品企画から生産まで担当することはまれであるのだが、GIBO’ COはこうした機能を有している。同社は、デザイナーにライセンス料を支払うのと引き換えに、サンプル商品を開発し、完成した商品を生産・販売する。GIBO’ COは生産能力を向上させるため、時間をかけて専門の製造会社を増やしてきた。その例は以下の通りである:

  • 2004年にエリカs.r.l. (高級ニットウェアの生産販売)を買収
  • 2005年にイリスS.p.A.(高級シューズの生産販売)を買収
  • 2007年にフラッシネティs.r.l.(高級革製バッグの生産販売)を買収

GIBO’ COが長年抱える問題の一つに、「将来有望な独立ブランド製品の生産販売業者」の域を出られなかったことが挙げられる。いったんそうした将来有望であったブランドが安定した成長段階に達すると、大手ファッション企業(LVMH等)に奪われてしまい、GIBO’ COの成長の妨げとなることがしばしばあった。その点を踏まえれば、JOSEPHと、とりわけJIL SANDERの買収は、これまでとは方針を変えて行ったものであり、全世界への事業拡大という同社のスケールの大きい目標達成のための、真の意味での第一歩といえよう。

GIBO’ COはグループ外部からの新規ライセンス契約締結により売上増大をめざすとともに、グループ内の企業である、JOSEPHおよびJIL SANDER向けの生産・卸売を行うことによって生産効率の向上に努めている(2011年2月期)。


コスト構造

Image:Onward-JP-SG&A Breakdown.png


同社における二大費用項目は、売上原価および人件費である。同社の売上総利益率は(2002年2月期から2011年2月期、中央値)約45.8%と概ね安定している。アパレル・メーカーにとって重要なリスクの一つに、在庫リスクが挙げられる。つまり、商品が予想どおりに販売できなければ、余剰在庫品は完売するかまたは損失処理しなければならない。同社は、シーズン終了後に約70%まで在庫評価の引き下げを行う手法を採っている。また、同社は、在庫廃棄損の計上を避けるため、残った在庫を催事等により積極的に処分する施策を採っていると述べている。2008年2月期および2009年2月期において売上原価に計上される在庫処理損失は、ごくわずかであった。

過去において、売上高に対する販管費の割合は、(2002年2月期から2011年2月期、中央値)37.9%であった。コストの予算配分に関して、同社は、一定の収益性の前提を元に、販売目標を達成するために必要と考えるコストを可能な限り計上する。同社は人件費をいわば所与の固定費とみなしており、リストラのような人件費の削減はこれまで実施されたことがない。広告費は準固定費とみなされ、約2,000百万円が戦略上の基本的な予算枠として設けられており、2008年から2009年にかけての金融危機のような経済環境の厳しい時期には機動的な削減が行われた。


収益性・財務指標

Image:Onward-JP-Profit Margin.png


売上総利益率は、2002年2月期から2011年2月期までは、中央値45.8%と安定しており、営業利益率を左右するのは販管費であった(人件費が最も大きい割合を占める、詳細は「ビジネス・モデル」の項を参照)。同業他社と比較すると、同社の売上総利益は、中央値より低いが(概ね数パーセント・ポイント下回る)、同社の営業利益率は、他社よりも格段に高い(「競合環境」の項を参照)。これは、同社の直接費が高い一方(同社は、売上原価の高い高品質の素材を使用していると示唆)、販売管理費の抑制によって、低い売上総利益率をカバーしていることが、一つの理由と結論づけられる。

資産回転率の観点からは、同社の資産は比較的生産性が良いといえる(2002年2月期~2011年2月期までの期間で中央値約86.3%)。同社はM&Aにより、相当額ののれんが貸借対照表に計上されている。追加計上されたのれんを考慮すれば、安定した総資産回転率は、以下の2つの要因、つまり、有形固定資産の効率が向上したこと、またはM&Aがもたらした売上高増加額に対しM&Aの対価が妥当な金額であったことによると考えられる。現在の状況では、後者のケースが当てはまると考えられる。


SW(Strengths, Weaknesses)分析

強み(Strengths)

  • 強固な実行力および経営管理力。同社は経営管理能力に長けているとSR社は考えるが、成長をめざした経営管理がどれほど積極的に行われているかが、今後問われるところであろう。
  • 百貨店チャネルにおける大きな存在感。百貨店の店舗数は減少しても消滅はしないため、安定的な収益源となる。
  • 健全な財政状態。海外のブランド製品および事業において、豊富な経験を有する。


弱み(Weaknesses)

  • 百貨店チャネルに依存。他のチャネルでの小売実績に乏しい。
  • 成長戦略の形成および実施に柔軟性を欠く。
  • 経済環境の影響を受けやすい高級アパレル商品に依存。
  • 徐々に縮小しつつある日本市場に依存。国内で蓄積した経験および専門知識をグローバルな成長に、そのまま利用することができない。


事業の地理的分布

売上高の約85%を国内で占める。約13%は欧州地域、約3%をその他の地域が占める(2011年2月期)。中核となる海外ブランドは、JOSEPHおよびJIL SANDERである。同社は、海外における同社の存在感を強化することを戦略の一つととらえている(アジア地区のみならず欧州地域でも事業を拡大。詳細は、「経営戦略」の項を参照)。


グループ会社

104社(2010年2月末現在)

  • 株式会社オンワード樫山:グループの中核会社
  • オンワード商事株式会社:ユニフォーム・セールスプロモーション商品の製造販売
  • チャコット:ダンス用品の製造販売
  • クリエイティブヨーコ:ペットファッション・キャラクター雑貨等の製造販売
  • バスストップ:セレクトショップの運営
  • Project Sloan (UK): Josephグループの持ち株会社
  • Joseph Ltd. (UK): アパレル、靴、バッグの製造販売
  • GIBO’ CO S.P.A. (Italy): ヨーロッパにおける製造拠点 傘下子会社:
IRIS(シューズ)
CORPORATE(アパレル。Antonio Berardiブランド)
ERIKA(ニットウェア)
FRASSINETI(高級革製バッグ)
  • Violine S.a.r.l.(Luxemburg): Jil Sanderグループの持ち株会社。傘下に15の子会社
  • Jil Sander Italia S.P.A.: アパレル(ニット製品および織物)、靴、バッグの製造販売
  • 株式会社アイランド:「 グレース・コンチネンタル」の製造販売。
  • 株式会社キャンデラインターナショナル: セレクトショップ「CROON A SONG」の運営
  • 恩瓦徳時尚貿易(中国)有限公司: 衣料品等の販売
  • J.プレスINC.: 米国での衣料品等の販売
  • アクロストランスポート株式会社: 貨物自動車運送および物流サービス
  • オンワード ビーチリゾートグァムINC.(グアム): ホテルおよびリゾート施設の運営管理
  • オンワードゴルフリゾートグァムINC.:ゴルフクラブ


TOPへ

市場とバリューチェーン 

マーケット概略

指摘すべき点はいくつかあるが、その多くはすでに周知の内容であり、おそらく多くを述べる必要はないと思われる。少子高齢化という人口動態を踏まえると、市場は今後も縮小傾向をたどろう。(2007年から2010年にかけての)経済状況により、アパレル関連の消費行動はさらに変化している。データ不足やトピックの多面性から詳細かつ客観的な分析は難しいものの、2000年、さらにさかのぼって1990年と比較して、2010年はアパレル関連の消費が減少し、かつ一人当たりのアパレル関連消費額も減少しているとみなすのが妥当であろう。

婦人服市場が厳しい状況に直面する中、紳士服市場は著しく縮小した。この点を踏まえれば、将来の市場の成長余地を見極めるためには、婦人服市場の分析だけで足りるだろう。

ファーストリテイリング社のユニクロが牽引したカジュアル・アパレル革命は、オンワードが主なターゲットとしている高級アパレル市場を含め、アパレル市場全体に多大な影響を及ぼした。ユニクロは、非常に安価な服でもファッショナブルになり得、着ることも全く恥ずかしくないと、消費者を納得させた。マクロ経済レベルにおける「デフレ」は、好ましくないと考えられることが多いが、品質のよいフリース・ジャケットが2010年に990円で購入できること(1997年に5,000円から10,000円であったものが990円で購入できること)は、消費者の実質的な購買力向上という側面からは歓迎されるべき側面もあるだろう。また、こうした状況により、消費者は「ファッション」とは何か、「価値」とは何かと、疑問を持ち始めたのである。

消費者による再評価は、ファスト・ファッションの出現を牽引しており、世界的なトレンドではあるが、日本では特に顕著である。非常に短期間のサイクル(時に1週間という短期間)で生産および再注文が行われ、また、満足できる品質で最も「流行の最先端にある」商品が安く購入できるようになったことで、消費者は多額の出費をせずに流行を追うことが可能となったのである。こうした状況が、高級アパレルの空洞化をもたらし、高級アパレルの主要販売チャネルである百貨店は大きな課題に直面するようになったのである。

ただし、高級アパレル市場が消滅したとはSR社は見ていない。ただ単に縮小しただけである。


顧客

同社の主要顧客は百貨店であるが、(アパレル商品を購入する)バリュー・チェーンにおいて最も強い価格決定力を持っているのは末端の消費者であると思われる。消費者は、さまざまなチャネル(店舗、ネット上等)で簡単に商品を購入することができる。百貨店とメーカーとの関係は、(百貨店は適切な商品を必要とする一方、メーカーは流通チャネルを必要とすることから)共生的と位置づけられる。


サプライヤー

同社は、生産工場を保有しておらず、同社へのサプライヤーは、生産部門を持つ海外のビジネス・パートナーである(90%は国外で生産され、そのうち70%から80%は中国が占める)。メーカーと同社との力関係は、同社が強いようである。同社は、大量の注文を行うことから、ある程度契約上の条件を決定できる立場にあり、また、生産を肩代わりできる他の企業もおそらく存在すると思われるからである。


商社の役割

国内の商社は、バリュー・チェーンにおいて重要な役割を果たしている。これらの企業は、生産プロセスに携わり、同社と生産工場およびサプライヤーとを結び付け、同社が負うことのできないリスクを肩代わりしている。また、これらの企業は通常、素材および生産品の価格を日本円で保証し、為替変動のリスクも負っている。同社は、部材を含め、購入量および在庫量を決定する。同社の主要ビジネス・パートナーは、三菱商事(東証8058)、三井物産(東証8031)および住金物産(東証9938)である。


競合環境

Image:Onward-JP-Performance vs. Peers.png


広い意味では同社は、あらゆるアパレル・メーカー(ユニクロおよびH&Mといった大衆向けブランドを含む)と競合関係にあるが、ワールド(非上場)および三陽商会(東証8011)が、同社直接の競合であるとSR社は考える。

ワールド ― 国内外で卸売および小売両方のアパレル事業を運営する。

三陽商会 ― 主に百貨店で販売を行っている大規模アパレル・メーカーであり、収益の大部分(詳細は非開示)は国内におけるバーバリー製品のライセンス販売で占めている。


代替

  • 特に「ファスト・ファッション」ブランドが提供する、低価格のカジュアルウェア
  • その他のファッション関連の消費(ヘアスタイル、ネイルケア、エステティックサロン)
  • その他の消費分野(携帯電話料金、レジャー費用等)


TOPへ

経営戦略 

同社の示す経営戦略は、ファッション性が高く高品質の商品を、その価値に対して適性と思える価格で提供することである。同社は、「ブランド軸経営」と名づけた施策により目標達成に取り組んでいる。これは、高級アパレル事業に的をしぼり、世界的な存在感の確立をめざすものである。

戦略目標を達成するため、同社はまた、「市場志向型」アプローチとは対極に位置する「付加価値創造型」アプローチに軸足を移してきたとコメントしている。この二つのアプローチの違いは、「市場志向型」アプローチが、多くの場合、現在の流行を理解し、それに合った商品を生産しようとするアプローチである一方、「付加価値創造型」アプローチは、顧客に何らかの独特な価値を付加した商品を考案し生産しようとするアプローチである点、つまり、受動的か能動的かの違いである。

一方、共通のテーマを持つにもかかわらず、同社の国内戦略と海外戦略の間には著しい違いがあるように思われる。それゆえ本レポートにおいては、全般的なファッション・ブランド構築に関する概要説明の後に、この問題について別個に論じている(国内事業をより多く取り上げている)。


ブランド戦略に関する全般的なコメント

投資家、特に海外投資家が日本のアパレル・メーカーに関して注目するのは、数多くの異なったブランド製品を持っていることである。欧米企業の中には、複数のブランドを保有する例もあるが、それは、通常企業買収によるものである。日本のメーカーは、国内向けの小さいブランドを独自に開発し、数多く保有する傾向がある。

この傾向は、これまで特定のチャネルを重要視してきたことが要因の一つである。国内の大手アパレル・メーカーは、まず販売チャネルにより、次に販売ターゲットとなる顧客により、自社の事業を決定してきた。

「競合環境」の項に記載したように、同社および同業他社は、これまで販売チャネルとして百貨店を重要視してきた。同社は「総合アパレル・メーカー」と称し、制服およびペット用の衣料品を含むあらゆるアパレル商品を生産している。しかしながら、おそらく投資家も消費者も、同社を百貨店で商品を販売する高級アパレル・メーカーとして認識しているであろう。

販売チャネルは戦略には無関係と映るかもしれないが、SR社は、販売チャネルが多くの国内アパレル・メーカーの事業戦略およびブランド戦略を規定したと考える。さらに、主要販売チャネルの顧客、特に影響力の大きい百貨店の意向およびニーズが、各事業者の独立性および数多くの小さなブランドの量産を促したと思われる。

ここでいう独立性とは、国内のアパレル業界での大規模なM&Aが少ないことを意味する。この点については、各アパレル・メーカー、特に、百貨店で販売を手がけるメーカーは、代替可能であまり特異性のないブランドを保有していた。そのため、競合他社を買収しても、必ずしも百貨店に割り当てられた売場面積の拡大を保証するものではなかったと考えられる。そのため、社内でブランドを開発し、販売チャネルとの関係において優越的地位を構築することが、売り場面積を拡大させる最も賢明な選択であった。同社は、百貨店との関係に関しては、最も友好的なアパレル・メーカーの一社である。それゆえ、同社は、約70以上ものブランドを有し、深く長い関係を百貨店と築いてきたのである。

結果的に、多数のブランドを保有すれば、リスクも小さくすることができる。特に日本の顧客は、ブランドの嗜好期間が比較的短く、国内のファッション・サイクルは短くかつ安定していないことでよく知られている。急激に人気を集めたブランドは、顧客がブランドに飽きて他のブランドに走るやいなや、急激に売上が減少する。このため、(スポーツウェアを除く)海外の大規模アパレル・メーカーは、多数のブランドを保有するコングロマリット形態を取るのである(ブランドを購入するが、それを生み出すことはしない)。SR社の見解では、国内における多数のブランド開発は、今後も妥当な戦略であろう。アパレル・メーカーは、何世代にもわたって引き継がれる自社ブランド名を生み出すわけではないが、分散投資を行う資産運用会社と同じように、安定したポートフォリオのため、小規模なものを多数扱う手法で事業を管理することができるのである。

ブランドの中には、売れ行きが良いだけでなくブランド名を際立たせる商品もある。Theoryおよび同社の持つJOSEPHは、婦人用パンツの部門でそれを達成した。同様に、Ralph Laurenといえばポロシャツをイメージさせ、Burberryといえば、チェックのスカーフやコートを思い起こさせる。同社は、このような商品を販売するのは非常に簡単で収益性も高いが、主力商品と新商品との適度なバランスを探るのは、ブランドマネジメントにおいて最も難しい課題の一つであると述べている。SR社の見解では、同社は特徴的な国内ブランド商品を有していないように思われる。こうしたブランドの開発には、大胆なビジョンおよび初期段階のリスクをいとわない姿勢が要求される。同社(およびその他の成功した大手企業)のように比較的官僚的で同意形成型の組織は、個々にリスクを負おうとはしない。それゆえ、同社が国内で(JOSEPHおよび JIL SANDERといった)買収ブランドでの成功を繰り返すことは難しい。同社が、イタリアのGIBO’ COを生産拠点として、海外ブランドを別の事業グループとして発展させようとしている背景には、こうした理由があるものと思われる。この点は、グローバル展開のためには最適な選択であろう(下記参照)。

SR社は、同社が商品指向型企業であると考える。それは、ファッションそれ自体を志向するというよりも、主要な百貨店チャネルに特別に適した製品ラインを確立する志向を有するという意味である。同時に、商品を重要視するといってもそれは、同社が真の意味で独自の商品を開発し、または個々の商品の機能性を最大限に発揮させようとするということではない。むしろ、比較的狭い範囲に限定されたブランドの個々のスタイルに対応したアパレル商品を継続生産することを重要視しているのである。

高級ブランドの売上高は、非常に売れ行きの良いものであっても、通常200億円から300億円の間である(最高でも、500億円に届くものはほとんどない)。これらの商品は、何千万人もの顧客規模のマス市場を対象とした商品とは性質を異にする。価格が上昇するにつれ、ファッション性、つまり、特定の顧客層の特異なニーズに対応するブランド力も高まるのである。

さらに、海外の有名ブランドが世界各地で販売されていることからこそ、多額の売上を達成することができるのである。加えて多くの場合、これにはアクセサリーも含まれるのであって、アパレル商品のみでは、多額の売上を達成するは難しい。アパレル商品の販売で年間2,000億円から2,500億円の売上高を達成する企業はごくわずかである。

国内戦略

同社は、継続して事業運営を改善しつつ、主要なチャネルである百貨店との良好な関係を維持していく方針である。同社は、百貨店において、売上および売場面積のシェアが非常に重要であると認識している。この点は、同社の営業キャッシュ・フローの主な源泉であり、古くから同社のコア・コンピタンスであった。

(SR社は、百貨店に対するこだわりが、売上高の縮小が全社的なリストラには直結しない理由の一つであろうと見ている。さらに、同社は、国内の労働市場が流動性に乏しく、(退職一時金といった)リストラに伴う高い費用を考慮すると、大幅なリストラが長期的に利益を生み出すかどうか定かではないと指摘する。)

SR社は、百貨店向けの売上高は、景気循環や(ある程度は)主要百貨店の総売場面積に左右されるとみている。百貨店における同社のシェアは安定的ないしは徐々に上昇すると予想するのがおそらく妥当であろう。大都市における百貨店の改装および売場面積拡大が継続することを考慮に入れれば、今後2013年2月期にかけて、百貨店チャネルにおける同社の売上高は、2006年2月期から2007年2月期以降は到達できなかった、1,480億円から1,500億円のレンジを再度達成する可能性がある。

さらに国内市場では、ショッピングセンターやファッションビル、多種のブランドを扱う独立型店舗、およびインターネットといったその他の流通チャネルが拡大することに対して疑う余地はないだろう。同社は、インターネット・チャネルを積極的に活用することで、おそらく百貨店向け売上以上の高い利益率を生み、収益増が見込めると認識はしている。

国内のブランド戦略は、2つに分けられる。基幹ブランドに経営資源を集中すること、および(新ブランドの開発か、または、より現実的には、既存のブランドの買収によって)型にはまらない新規の流行スタイルを投入することである。後者に関してのよい事例が、Grace Continental(グレース・コンチネンタル)ブランドを保有するアイランド社の買収(2009年12月)である。

JOSEPHウエストボーン店(出所:会社データよりSR社作成)

海外戦略

同社の海外戦略は、(2011年初めの段階で)市場にもメディアにもあまり評価されていない。ある意味で、これは当然の結果である。同社は、2005年および2008年の2回にわたり、市場最高といわれる金額で大規模な買収を実施した。しかし、2011年2月期までをみる限り、同社の子会社であるJOSEPHおよび JIL SANDERは、利益面で貢献しておらず、むしろ業績の足を引っ張った。この点を踏まえれば、海外事業は、これまでのところ成功していないと判断せざるを得ない。

上述した買収はタイミングが悪く、買収後の2、3年の事業運営も適切ではなかった。しかし、同社にも弁解の余地はあるとSR社は考える。第1に、2007年から2009年にかけての金融危機により、ラグジュアリー市場のアパレル事業は、急成長の波から突然投げ出されてしまった。欧州地域におけるこの2つの高級ブランドがこの間、衣料品販売のみに依存していた点を考慮すると、同社にのみ非があったとは必ずしも言い切れない。さらに、為替相場も連結ベースの業績を計るにおいては、必ずしも好ましい動きではなかった。第2に、投資家は通常、12ヵ月またはそれより短期間で事業の成長および変化を要求するものだが、ブランド・ビジネスにおいては、それだけ短期間に業績を改善させることは難しい。

もっとも、将来を見越す組織こそが企業である。2011年2月期に入り、同社は、理にかなった将来性のある海外戦略を確立したようだ。この戦略では、欧州地域に焦点を当て、GIBO’ COを中核に位置づけている。同社は近年、専門の生産会社を買収しており、それによって2011年初めの段階で、衣料品、シューズおよびバッグ部門で、開発、生産ならびに流通分野の専門性を誇れるほどになったのである。

SR社が注目する2013年2月期にかけての同社の取り組みは以下の項目である。

  • GIBO’ COの管理下により、JOSEPHおよび JIL SANDERの商品生産を統合
  • 成長への重要な足がかりとして、JIL SANDERに資金を集中投入。非常に重要なマーケットである米国およびドル箱である日本市場での成長を強化するため、従来よりも価格をおさえたカジュアル・ラグジュアリーライン、「JIL SANDER NAVY」の普及に着手
  • GIBO’ COの生産力を活用し、両ブランドの革製品およびアクセサリーの生産を強化

このような試みが着実に実施され成功を収めれば、当該戦略の延長線上にある(欧州地域、米国および日本といった)主要な市場でのブランド製品の市場拡大、ならびにバッグおよびアクセサリー部門からの新しい収益増が期待されよう(バッグおよびアクセサリーの部門を単独のビジネスにまで成長させるために、ブランドは、アパレル部門での多額の小売事業の売上実績を必要とする)。

短期的にアジア市場の拡大に関しては、ICBや23区、自由区といった既存の日本のブランドを通して推進することになるだろうが、これは、新興の高所得者向けショッピングセンターなどの流通チャネルの拡大にも後押しされるだろう(中国がよい例である。中国進出に積極的な日本のデベロッパーの力を借りることもあるだろう)。2012年2月期において、同社はさらに積極的な事業の拡大を計画している。


TOPへ

過去の財務諸表

前期以前の業績概況(参考)


2011年2月期業績

2011年4月8日、同社は2011年2月期の決算を発表した(上表を参照)。

売上高が0.5%、営業利益が35.3%、経常利益が16.6%それぞれ会社予想を上回る実績となったが、同社はこの点について、基幹ブランドを中心とした収益拡大施策の結果とコメントしている。一方、当期純利益は会社予想を22.2%下回ったが、同社はこの要因として投資有価証券評価損(1,321百万円)を特別損失で計上したためとコメントしている。

2011年2月期通期の営業利益は前年比103.7%増の8,928百万円となった。営業利益に対し、主要連結子会社別にみると、国内ではオンワード樫山(オンワードHD含む)が7,401百万円(前年比24.2%増)、2009年12月に連結子会社に加わったアイランドが1,476百万円となり増益に寄与した。また、海外ではJOSEPHが営業損失352百万円(前年実績:営業損失746百万円)、JIL SANDERが営業損失664百万円(前年実績:営業損失1,910百万円)となり、営業損失額が前年実績より縮小したほか、GIBO’COが営業利益585百万円(前年比13.4%増)となったことが営業増益に寄与した格好だ。一方で、国内のオンワード商事が営業利益932百万円(前年比24.7%減)、アクロストランスポートが営業利益80百万円(前年比71.7%減)と振るわなかった。

国内

オンワード樫山は売上、営業利益共に会社計画を上回る実績であった。同社はオンワード樫山に関し、ポジティブな材料として、1)基幹ブランドが好調であったこと(23区:前年比7%増、ICB:前年比5%増、自由区:前年比5%増)、2)エアージャケットの販売好調、3)Eビジネスの拡大、の3点を挙げている。一方、マイナス材料として、1)基幹ブランドの一つである「組曲」の不振(前年比8%減少)、2)猛暑の影響によって、秋物の立ち上がりが出遅れたこと、を指摘している。

その他、国内子会社について、同社は以下のようにコメントしている。

  • アイランド:売上、利益ともに創業以来の最高水準を更新(同社傘下に入ったのは2009年12月)
  • オンワード商事:セールスプロモーション商品の受注減と中国と生産コストアップが影響し、減収減益
  • チャコット:増益ながら、売上拡大が図れなかった
  • アクロストランスポート:原油高などコストアップから減益

海外

為替影響から8.9%減収となったが、売上高は計画を上回った。また、営業利益は赤字幅が2010年2月期より大幅に縮小、計画もわずかに上回った。なお、海外子会社に対する為替影響額は59億円であり、為替影響を除いた売上高は前年比4.1%増であったと同社は試算している。

営業利益に関し、地域別の状況をみると、欧州は経営基盤の強化など、事業運営が計画通り進んだことで収益性が改善(営業損失が大幅に縮小)、計画も上回った。一方、アジアは中国での生産コストの増加などが影響し、営業減益となったほか、計画も下回った。

同社は欧州子会社について、以下のようにコメントしている。

  • JIL SANDER:生産をGIBO’COにシフトしたことにより粗利益率が大きく改善
  • JOSEPH:旗艦路面店のリニューアル効果などにより売上が増加
  • GIBO’CO:JIL SANDER商品の生産本格化と卸売の回復により増益


2011年2月期第3四半期業績

2011年1月7日、同社は2011年2月期第3四半期決算を発表した(上表を参照)。通期会社予想に対する第3四半期累計期間の進捗率は以下の通り。

  • 売上高: 75.3%(通期予想:243,300百万円)
  • 営業利益: 131.8%(同6,600百万円)
  • 経常利益: 111.7%(同9,000百万円)
  • 当期純利益: 133.9%(同3,500百万円)

第3四半期累計期間(以下、累計期間について言及)の営業利益は前年同期比で2,326百万円の増益(前年比36.5%増)だが、内訳は、国内ではオンワード樫山が951百万円(前年比14.3%増)、2009年12月に連結子会社に加わったアイランドが1,137百万円、海外ではJOSEPHが274百万円、JIL SANDERが510百万円の増益寄与となった。一方で、国内のオンワード商事が347百万円、アクロストランスポートが205百万円、海外のGIBO’COが37百万円の減益要因となっている。

同社はオンワード樫山を始め、国内外の子会社が概ね計画を上回る実績になったとコメントしている。

国内

オンワード樫山は前年同期比2.1%減収であったが、会社計画は上回ったと同社はコメントしている。基幹ブランドは、組曲が前年同期比6%減となった以外は、23区が同7%増、ICBが同4%増、自由区が5%増と比較的堅調であった。また、基幹ブランド以外に関しても、Jプレスが前年同期比5%増、ポールスミスが同11%増となるなど、堅調であった。売上高が会社計画を上回ったことに加え、経費を抑制した効果から、営業利益も会社計画を上回る結果になったと同社はコメントしている。

国内子会社では、2009年12月に連結子会社に加わったアイランドが計画よりも好調であったとのことだ。一方、物流事業を営むアクロストランスポート、制服やセールスプロモーション商品を扱うオンワード商事に関しては計画を下回ったようだ。

海外

欧州は、為替の影響もあって減収となったが、経営基盤の強化など、事業運営が計画通り進んだことで収益が改善した。営業利益はやや計画を上回ったと同社はコメントしている。

トピックスなど

2011年1月11日にSR社が実施した同社へのインタビューから主なコメントを抜粋すると以下のようになる。

  • 組曲が販売不振だが、2012年2月期より抜本的な梃入れを行っていく予定。原点である「フレンチカジュアル」への回帰を含め、商品および売場環境等の見直しを行っていく。商品については、他の商品との棲み分けを意識しつつ、価格、素材などの再定義を実施する
  • 綿花・ウール等の価格高騰影響や中国の人件費の高騰などのコスト上昇要因に対しては、円高を活用したインポート素材(イタリア等から)の増加等の商品価値向上・高価格商品強化で対応していく方針である。また、安定的な工場ラインの確保や商社との連携なども行っていく
  • 国内レディス市場は、高付加価値の商品が売れるようになっており、今までのような安い商品だけが良く売れるという状況から2極化しつつある
  • 欧州事業は概ね計画通りに推移しており、2012年2月期は黒字化が見込めるだろう。特にJIL SANDERは2011年下期で既に収支均衡を達成。2011年に入り新ライン「JIL SANDER NAVY」の販売も始まった。また、GIBO’COは2011年2月期は先行費用により、減益となる計画だが、先行費用一巡により2012年2月期は増益が見込めよう


2011年2月期第2四半期業績

2010年10月7日、同社は2011年2月期第2四半期決算を発表した(上表を参照)。また、通期会社計画に関しては、第2四半期決算の実績を踏まえ、売上高が当初予想の250,000百万円から243,300百万円に減額修正された。もっとも、営業利益、経常利益および当期純利益に関しては、当初予想が据え置かれている。また、配当予想に変更はなかった。修正後の通期会社予想に対する第2四半期累計期間の進捗率は以下の通り。

  • 売上高: 47.8%(通期予想243,300百万円に対して116,417百万円)
  • 営業利益: 23.8%(同6,600百万円に対して1,569百万円)
  • 経常利益: 29.3%(同9,000百万円に対して2,641百万円)
  • 当期純利益: 33.4%(同3,500百万円に対して1,169百万円)

第2四半期累計期間の営業利益は前年同期比で1,306百万円の増益だが、内訳をみると国内では、オンワード樫山が375百万円、2009年12月に連結子会社に加わったアイランドが718百万円、海外ではJOSEPHが234百万円、JIL SANDERが509百万円の増益寄与となった。一方で、国内のオンワード商事が417百万円、海外のGIBO’COが94百万円の減益要因となっている。

国内

オンワード樫山は、売上が減収で計画に対しても未達であったが、収益性の高い基幹ブランドの売上高が回復したほか、経費抑制により、対前年同期比で増益となった。売上の未達に関して、同社はファミリーセールを減らして店頭でなるべく販売しようとしたが、販売しきれなかったためであり、下期は、ファミリーセールの売上を前年並みにする計画とのことである。基幹ブランドに関しては、23区が前年同期比5%増。ICBが同6%増と比較的堅調であった一方、組曲が同6%減と苦戦している。組曲は若者向け衣料品の競合激化によって単価が長らく低下傾向にあることが要因であり、2010年11月より新たな提案型商品を投入し、2011年にかけて梃入れを計っていく模様である。

その他、制服やセールスプロモーション用品を扱うオンワード商事は制服の受注の減少などから減収減益であったが、アイランドが好調で、国内事業全体では増益であった。

海外

欧州においては、為替の影響もあって減収(為替影響は連結ベースで32億円)となったが、経営基盤の強化など、事業運営が計画通り進んだことで収益が改善した。JOSEPHは7割が小売事業であり、欧州経済低迷の影響を受けたが、旗艦路面店のリニューアル効果などにより売上が前年同期比20%増加となるなど好調に推移した。ただし、粗利益率改善などの課題は下期に引き継がれた格好。JIL SANDERは、売上の約6割を占める卸売事業はGIBO’COに生産が集約された影響もあって、利益率が改善傾向にある。ただし、小売業を始め、全体としては引き続き低調な模様である。

アジアにおいては事業拡大が順調に進み、増収増益になった。中国事業は上代(最終小売店でならぶ商品の販売価格のこと)ベースでは100億円を超えている模様だが、同社への売上寄与は約50億円程度とのことである。

計画対比、第2四半期の状況

第2四半期累計期間の実績は、当初予想に対し、売上高が未達であったものの、営業利益以下に関しては概ね計画通りとなった。ただし、四半期別に業績をみると、第1四半期が1.9%減収、44.6%営業増益であったのに対し、第2四半期は7.4%減収、営業赤字が前年同期並みとなっている。同社は、この点について、第1四半期が終わった時点で会社予想を上回るペースであったが、第2四半期に入り失速。結果として営業利益が会社予想通りの着地になったと説明している。

同社によれば、第2四半期が第1四半期に比して不調だった理由として、次の3点を指摘している。第一に、市場の回復力が弱いことであり、夏物に関し、前年同期と同規模の商品投入を行ったが、販売実績は前年実績を約5%下回り、評価損が発生したと説明している。第二に天候がマイナスに影響した模様で、6月から7月初旬の夏物投入(正価で売れる商品の比率が高い)タイミングで天候が悪く、その後のバーゲンのタイミング(7月中旬から8月初旬)で暑くなった。また、8月中旬からの秋物投入のタイミングで残暑の影響を受けるなど、天候と各シーズの商品投入タイミングがかみ合わなかったことも要因の一つのようだ。最後に、マーチャンダイジングの精度に改善の余地があるとのことで、商品間で好不調の差があることを指摘している。

SR社では同社の今後を占う上で、下記の点に注目している。

  • 国内事業の新商品提案(エアージャケット、ストレッチダウンなど)による新規需要開拓状況
  • 銀座、上海の直営・路面店(ともに2011年春オープン予定)
  • 欧州事業が(会社予想通り)2011年2月期下期に黒字に転じるか
  • Eビジネスの動向(2011年2月期の売上高目標は25億円、自社運営サイトは「オンワード・クローゼット」)


2011年2月期第1四半期業績

2010年7月8日、同社は2011年2月期第1四半期決算を発表した(上表を参照)。連結売上高は前年同期比1.9%減、営業利益は同44.6%増、経常利益は同30.3%増、四半期純利益も同4.2%増となった。

通期業績予想および配当予想に変更はなかった。


第1四半期業績および上期業績予想から逆算される第2四半期の業績予想は次の通り。

第1四半期 第2四半期
売上高 64,424百万円 57,476百万円 (上期予想は121,900百万円)
営業利益 4,498百万円 △2,998百万円 (上期予想は1,500百万円)
経常利益 5,295百万円 △2,695百万円 (上期予想は2,600百万円)
四半期純利益 2,592百万円 △1,492百万円 (上期予想は1,100百万円)

第1四半期の売上総利益率は48.9%まで改善し、通期見通しを上回る水準となっている。一方、第2四半期の予想数値では営業損失が前年同期より損失が拡大することになるが、同社は特に大きな悪化要因を織り込んでいるわけではない。経済の先行き不透明感もあって、第1四半期業績発表時点で上期および通期の業績予想を修正しなかったものとSR社では見ている。


国内の状況:同社では基幹ブランドの売上高が回復し売上総利益率が改善したのに加え、事業全般におけるコスト削減策の効果により対前年同期比で増益となった。これについて同社は、売場のスクラップアンドビルドの成果、精度の高い製品の投入などを要因として挙げている。2009年12月に連結子会社に加わったアイランドが好調で、業績は予想を上回るペースで推移。アイランドのブランド「グレース・コンチネンタル」はフォーマルにもカジュアルにも着られる商品が特徴で、幅広い年齢層の支持を集めているようだ。一方、制服やセールスプロモーション用品を扱うオンワード商事は制服の受注の大幅な減少などにより売上高、利益とも計画をやや下回っている様子である。

海外:海外子会社は概ね計画通りに推移した。欧州事業はラグジュアリーマーケットの本格的な回復が遅れ、売上、営業利益ともに対前年同期比で減少した。欧州においては計画比で為替がユーロ安に振れており、第1四半期は売上を3億~4億円程度押し下げた。同社は上期に為替による売上高の目減りが約30億円程度まで拡大する、との見方を示している。

月次の状況:

同社の3月の売上高は前年同月比6%減だった。前年同月比に対して日曜日が1日少なく、これを調整すれば同2%減から2.5%減であるが、依然マイナス圏であった。前年度末の売上増の反動で若干の在庫切れを招き、精彩を欠いた商戦となった。商品投入も昨年の85.6%だった。4月の売上高は前年同月比1%減とほぼ横ばいだった。バーゲン品の売上は減少したものの、正価の(新)商品は堅調だった。4、5月は商品投入量を増やし(店頭商品は、対前年比で25%から30%増)、5月には売上高は4%増まで改善した。


2010年2月期の業績

2010年4月9日、同社は2010年2月期の通期決算を発表した。主な内容は以下の通り。

  • 売上高:248,634百万円(前年同期比4.7%減)
  • 営業利益:4,383百万円(同51.7%減)
  • 経常利益:6,120百万円(同2.6%減)
  • 当期純利益:2,187百万円(前年同期は30,895百万円の損失)


損益計算書 

Image:Onward-JP-PL.png


同社の売上高は、2002年2月期~2007年2月期の期間において、年間約4.5%の伸びを示していた(2007年2月期の3,187億円が最高)。売上総利益率は、概ね安定している(2002年2月期~2011年2月期の期間において43.4%~47.4%の狭い範囲内で、中央値は45.8%)。営業利益率は、2010年2月期に1.8%まで悪化したが、2005年2月期には8.9%であった。当該期間中に販管費があまり変化していないことを考慮すると、営業利益率に影響を与える要因は主に売上高の変動である。

同社は通常、受取家賃やロイヤリティー収入等の営業外収益を計上している(「貸借対照表」を参照)。一方、2009年2月期における大幅な営業外費用の要因は、為替差損である(支払利息を削減する目的で海外子会社の借入金を円建てとしたが、2007年半ばから円換算レートが急激に反転したことで為替差損を計上することになった。こうした取引は損失計上後、実施されていない)。

同社は、過去に何度か多額の特別損失を計上している。2002年2月期に計上した22,169百万円の損失は、主に退職給付会計基準変更時の差異償却額に起因する。2007年2月期に計上した17,821百万円の損失には、グアム島でのリゾートビジネスにかかわる資産の減損(約6,104百万円)が含まれる。2009年2月期には、37,805百万円の特別損失を計上したが、これは、主に投資有価証券評価損(約22,645百万円)およびのれんにかかる減損(約11,592百万円)に起因する。

純利益率は、2004年2月期に最も高かったが、これは、厚生年金基金代行部分返上益により10,471百万円の特別利益を計上し、純利益を押し上げたためである。また、2009年2月期に多額の純損失(30,893百万円)を計上したが、これは、主に投資有価証券評価損(約22,645百万円)に起因する。

同社の純利益率は、(2009年2月期にマイナスだったが)比較的安定しており、その堅固な財務体質がROE(株主資本利益率)に重要な役割を果たしてきた。ROEをデュポン式に分解すると、2002年2月期から2008年2月期において純利益率は上昇傾向にあった。同時に、レバレッジは安定していた。(純利益、資産回転率、レバレッジに分解される)ROEは、2009年2月期に当期純損失を計上するまでは概ね改善傾向にあった。同社のレバレッジは2008年2月期から2011年2月期にかけて若干上昇していることから、仮に、純利益率が依然の水準を回復した場合、ROEは以前より高い水準になるであろう。


Image:Onward-JP-DuPont ROE.png


過去の会社予想と実績の差異

Image:Onward-JP-Initial CE vs. Results.png


同社の売上高の予想値と実績の乖離は、リーマン・ショックの2009年2月期を除いて、小さい。また、経常利益も、概ね会社予想値の通りに着地してきた。ただし、2008年2月期から2010年2月期にかけては、売上高が予想よりも落ち込み、営業減益となったことが影響している(注記:営業外損益は、毎年ほとんど変化しない)。


TOPへ

貸借対照表 

Image:Onward-JP-BS.png


2002年2月期~2011年2月期における同社の資産構成は、大部分を株主資本が占める。同社は過去において、借入による資金調達を行ってきたが、短期借入が中心だった(2002年2月期に長期借入金は全額返済したが、2009年2月期に再び長期借入を行った)。また、流動性が非常に高く(2002年2月期から2011年2月期において、流動比率は100%を超える)、同社の現金残高は、必要とされる運転資金を上回る水準が保たれてきた。


資産

同社の資産は固定資産が大部分を占めてきた(販売にかかわる有形固定資産ならびに投資有価証券および長期貸付金といったその他の固定資産)。ただし、その主因は2006年2月期から2009年2月期にかけてM&Aが頻繁に行われたことから、貸借対照表に相当額ののれんが計上されているためである。そのため、貸借対照表からのれんを控除すると、(現金および運転資本といった)流動資産の構成比が高くなる。つまり、同社は、生産設備を保有していないため(「ビジネス・モデル」の項を参照)、運転資本が同社のビジネス特性上、重要な要素といえる。


負債

流動負債は、2002年2月期~2011年2月期までの期間、負債総額の80%超を占めている。流動負債は、大部分が支払手形や買掛金などの運転資本であったが、短期借入金が徐々増加している。

同社は2002年2月期に、借入に際しては、短期のウエイトを増やす方針に切り替えたようだ(負債および資産の総額は2002年前と同程度であるが、短期借入金の構成率は上昇)。この点は、同社のビジネス・モデルの短期サイクルと調和しており、タイミングと費用を考慮すれば納得いくものである。同社は、2009年2月期に追加の借入金を実施しており、2002年2月期から2007年2月期までと比較し、それ以降、株主資本比率は低下している。


純資産

株主資本は2002年2月期~2008年2月期にかけ、純利益計上に伴う内部留保の拡充によって増加してきた。ただし、2007年2月期には土地再評価差額金を中心として評価・換算差額等が10,982百万円減少した(2007年2月期末の評価・換算差額等の残高は△8,755百万円)ため、当期純利益による純資産の増加が相殺される形となった。また、2008年2月期には子会社の当期純損失により少数株主持分が18,753百万円減少したことや、その他有価証券評価差額金が9,700百万円減少したことなどにより、純資産は27,498百万円減少した。

さらに同社は、2004年2月期に約5,000百万円、2006年2月期に約10,000百万円、2008年2月期に7,000百万円の自社株買いを実施している。


一株当たりデータ

Image:Onward-JP-Per Share.png


EPS(1株当たり純利益)は2002年2月期から2008年2月期にかけて増加傾向にはあったが、変動幅も比較的大きかった。2009年2月期については、多額の当期純損失を計上したことから、EPS、BPS(1株当たり純資産)のいずれも大きな影響を受けた。


TOPへ

キャッシュフロー計算書 

Image:Onward-JP-CF.png


営業活動によるキャッシュ・フロー

最も大きな構成要素は、当期純利益(2002年2月期から2011年2月期までの中央値は42.1%)で、同社のビジネス上、現金収入が多いという性質を表している。2004年2月期における営業キャッシュ・フローは、運転資本の減少とともに当期純利益が大幅に増加したことによるもの(前年に仕入債務が2,396百万円減少したのとは裏腹に、2004年2月期には4,942百万円増加)。2006年2月期の営業キャッシュ・フローは、前年同期と比較して増加したが、これは、(2005年2月期に支払った)2004年2月期の税金の納付時期に起因するものである。

2009年2月期には、当期純損失を30,900百万円計上したにもかかわらず、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスであった。これは、多額の非現金費用を計上したためである(投資有価証券評価損22,645百万円および減損損失12,997百万円)。


投資活動によるキャッシュ・フロー

2006年2月期の投資キャッシュ・フロー37,000百万円は、JOSEPHグループの買収(16,900百万円)および投資有価証券の購入(13,300百万円)に起因するものである。2008年2月期の投資キャッシュ・フローは、一部、インパクト21社の保有株式の売却に起因する(6,300百万円)。2009年2月期の投資キャッシュ・フローの大部分は、JIL SANDER(26,600百万円)およびクリエイティブヨーコ社(6,700百万円)の買収に起因する。


財務活動によるキャッシュ・フロー

2003年2月期における比較的多額の支出は、大半が借入金の返済(短期借入金が約9,400百万円、長期借入金が約2,100百万円)による。2004年2月期の支出は、自社株買い(5,300百万円)および短期借入金の返済(3,100百万円)に起因する。2006年2月期および2008年2月期における支出もまた、自社株買い(それぞれ9,400百万円および7,000百万円)に起因する。2009年2月期の収入は、M&Aの資金調達を目的とした長期借入金(約30,000百万円)による。


単純キャッシュ・フロー

単純フリー・キャッシュ・フローに関して、純資産対比で1年あたり4.8%(2002年2月期~2011年2月期の期間、中央値)の利回りを生んでおり、比較的大きな現金収入を得ている。


Image:Onward-JP-Cash Cycle.png


概して、同社の現金回収サイクルは早い。ただし、キャッシュ・コンバージョンサイクルは、2008年2月期から2011年2月期にかけて増加した。これは、在庫回転率が低下したためである。


TOPへ

その他情報

沿革

1927年10月 大阪で樫山商店創業

1947年9月 樫山株式会社設立

1960年10月 東京・大阪・名古屋各証券取引所第二部上場

1962年4月 オンワード販売株式会社(現オンワード商事株式会社)設立

1964年7月 東京・大阪・名古屋各証券取引所第一部上場

1988年9月 樫山株式会社を株式会社オンワード樫山に社名変更

1990年1月 GIBO’S.p.A.買収(1994年4月GIBO’CO.S.p.Aに社名変更)

2005年5月 JOSEPH買収

2007年9月 会社分割による純粋持株会社体制への移行、株式会社オンワードホールディングスに商号変更

2008年10月 株式会社クリエイティブヨーコ買収

JIL SANDER S.p.A.買収

2009年12月 株式会社アイランド買収

「樫山」の名称は、創設者である「樫山純三」の名から取ったものである。同氏は、もともと三越(現・三越百貨店)の呉服商として丁稚奉公していた。1927年、同氏は「樫山商店」を自ら創立、第二次世界大戦後まもなく、紳士既製服の生産および販売を開始した。1960年には、さらに婦人服の生産を開始した。

同社は、日本経済の成長および(オーダーメイドから既製服への)ファッション嗜好の変化とともに規模を拡大した。同社は絶えず、単一の事業、つまり、ファッション・アパレルを事業の中核と位置づけており、これが、百貨店との持続的な関係を確立する上での鍵となってきた。近年、同社は、2005年のJOSEPHおよび2008年のJIL SANDERといった海外ブランドの取得により、海外事業に多額の投資を行ってきた。


TOPへ

ニュース&トピックス 

2011年10月

2011年10月7日、同社は2012年2月期第2四半期決算及び2011年8月、9月の月次売上高を発表した。


2011年8月

2011年8月30日、同社は同日付で固定資産の譲渡契約を締結したことに伴う特別利益の発生についてリリース文を発表した(リリース文へのリンクはこちら)。

同社は保有する土地(神奈川県相模原市他)を売却。これによって固定資産売却益1,040百万円(特別利益)が発生するため、2012年2月期第2四半期に計上する予定であるとのことである。

2012年2月期第2四半期累計期間および通期の業績予想については、現在精査中であり、修正が必要な場合には速やかに開示するとコメントしている。


2011年8月26日、同社は同日開催した取締役会で代表取締役および役員の異動について決議したと発表した(リリース文へのリンクは こちら)。

異動の内容(2011年9月1日付)

株式会社オンワードホールディングス

  • 廣内 武氏(新役職:代表取締役会長兼社長、現役職:代表取締役会長)
  • 水野 健太郎氏(新役職:取締役副会長、現役職:代表取締役社長)
  • 馬場 和哉氏(新役職:取締役副社長、現役職:代表取締役副社長)

株式会社オンワード樫山

  • 馬場 昭典氏(新役職:代表取締役社長執行役員、現役職:取締役常務執行役員)
  • 水野 健太郎氏(新役職:退任、現役職:代表取締役社長執行役員)
  • 馬場 和哉氏(新役職:退任、現役職:代表取締役副社長執行役員)

同社は、世界的に企業間、ブランド間の競争激化が予想されるなか、グローバルカンパニーとして成長戦略をスピーディに推進していくために新たな経営体制を決定したと述べている。また、グループの中核事業会社であるオンワード樫山に関しては、「ファッション事業の原点である顧客起点の商品開発等を通じた新しい価値の提供がいっそう重要性を増すと考えている」とした上で、基幹ブランドである「23区」を始めとしたレディスブランド事業を永く担当してきた馬場昭典新社長を据えたと述べている(馬場昭典新社長の経歴は「トップ経営者」の項を参照)。


2011年7月

2011年7月8日、同社は2012年2月期第1四半期決算および2011年5月、6月の月次売上を発表した。

(決算短信はこちら、2012年2月期第1四半期決算の項目こちら


2011年4月

2011年4月8日、同社は2011年2月期決算を発表した。


2011年3月

2011年3月16日、同社は3月11日に発生した「東日本大震災」の2011年3月16日時点における影響について、下記のようにコメントを発表した。

被害の状況

  • 一部の事業所及び売場において、建物の損傷や商品の落下による汚損・破損等の被害が発生した
  • 東北地方を中心にライフライン等が遮断され、復旧・再開の目処が立っていない売場があるとともに、一部の売場では営業の停止または営業時間の短縮等を実施している

業績への影響

地震による影響は現在調査中。業績への重大な影響が見込まれる場合は速やかに情報開示する予定。

注:同社は、「東日本大震災」についてホームページ上で別途開示している。


2011年1月

2011年1月7日、同社は2011年2月期第3四半期決算および2010年12月の月次売上を発表した。


2010年10月

2010年10月7日、同社は2011年2月期第2四半期決算を発表した。


2010年7月

2010年7月8日、同社は2011年2月期第1四半期決算を発表した。


2010年4月

2010年4月12日 – JIL SANDERグループは、ブランド・ビジネスを拡大する重要な戦略的ステップとして、新ライン「JIL SANDER NAVY」を発売すると発表した。

「JIL SANDER NAVY」は、JIL SANDERブランドのエクステンションとして位置付けられており、価格を抑え、スポーティブでカジュアルな要素を反映させることにより、従来の顧客が必要とするライフスタイルのシーンを広げ、新たな顧客へのアプローチを行う。

商品はピュア、シンプル、着やすさを特徴とし、主力アイテムのアウター、ライトジャージーや着やすいニットウエアの他、ハンドバッグ、シューズ、ベルトといったアクセサリーラインも展開される。

2010年6月に内覧会を実施し、2011年シーズンより、世界同時に発売予定となっている。販売開始で主なターゲットとなるのは、米国地域および国内市場である。


TOPへ

トップ経営者 

株式会社オンワードホールディングス

代表取締役会長兼社長の廣内 武氏は1942年生まれで1965年に同社入社。1985年に取締役、1991年に常務取締役、1994年に専務取締役、1997年3月に同社代表取締役社長に就任した。2005年3月には代表取締役会長執行役員に就任、2007年9月の持株会社体制への移行に伴い、代表取締役会長兼CEOに就任(兼株式会社オンワード樫山代表取締役会長執行役員)した。2011年9月より代表取締役会長兼社長(兼株式会社オンワード樫山代表取締役会長執行役員)を務める。


株式会社オンワード樫山

代表取締役社長執行役員の馬場 昭典氏は1968年生まれで1990年に同社入社。2004年に執行役員23区事業本部長、2005年に常務執行役員 23区事業本部長、ICB事業本部長を歴任、2010年より取締役常務執行役員 レディス事業本部長、23区事業本部長、ICB事業本部長、自由区事業本部長、組曲事業本部長を勤め、2011年9月に代表取締役社長執行役員に就任(引き続き各事業本部長も務める)。


TOPへ

従業員 

2011年2月末現在の同社の連結従業員数は3,910名(臨時従業員数は11,967名)。持株会社の従業員数は34名、平均年齢は45.2歳、平均勤続年数は19.2年、平均年収は885万円だった。


TOPへ

配当と株主優待 

同社は、最低35%の配当性向を設定しているが、EPS(1株当たり利益)がマイナスであった2009年2月期にも、配当金を支払った。


TOPへ

IR活動 

同社は、第2四半期、および通期の決算発表後に東京で決算説明会を開催しており、IR・投資家情報のウェブサイトを日本語版、英語版で公開している。


TOPへ

ところで

1962年に使われるようになった「ONWARD」(オンワード)は、創業者・故樫山純三氏が気に入っていた賛美歌379番の「オンワード・クリスチャン・ ソルジャーズ」からとったものである。


TOPへ

最新の質問


TOPへ