スタートトゥデイ(3092)
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2012年 2月 5日時点
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直近更新内容
概略
2012年1月27日、株式会社スタートトゥデイは2012年3月期第3四半期の決算を発表した。
(リリース文へのリンクはこちら、2012年3月期第3四半期決算実績の項目へのリンクはこちら)
2012年1月10日、同社は12月の月次商品取扱高および会員数の状況を発表した。
(リリース文へのリンクはこちら、月次動向の項目へのリンクはこちら)
2011年12月6日、同社は11月の月次商品取扱高および会員数の状況を発表した。
2011年11月7日、同社は10月の月次商品取扱高および会員数の状況を発表した。
3ヵ月以上経過した会社発表はニュース&トピックスへ
業績動向
月次動向
注:商品取扱高は会計上の売上高とは異なりEコマース事業の(自社販売および受託販売売上高を含む)総売上高を意味する。補足的説明は事業内容の項を参照のこと。
四半期実績の推移
2012年3月期第3四半期実績
2012年1月27日、同社は2012年3月期第3四半期決算を発表した。通期会社予想に変更はない。
当四半期の主要指標
- ショップ数: 356ショップ(ストア企画開発事業38ショップ、 ストア運営管理事業318ショップ)
- メーカー自社EC支援事業受託数:19件
- 総会員数:4,173,754人(2011年3月期第3四半期末比+1,400,778人、2011年3月期末比+1,040,663人)
- アクティブ会員数:1,719,418人(2011年3月期第3四半期末比+621,933人、2011年3月期末比+502,720人)
- アクティブ会員1人当たり年間購入金額:38,933円(2011年3月期第3四半期:44,659円)
- 商品取扱高:第3四半期累計期間57,732百万円(前年比43.6%増)
第3四半期累計期間の売上高は前年比33.9%増の22,831百万円であった。2012年3月期に入って新たに取り組んだ施策(返品受付の開始、各種ポイントキャンペーンの実施、ゲスト購入制度の開始、初めてタレントを起用したTVCMを実施等)、や新規ショップのオープンなどによってアクティブ会員数が増加、商品取扱高が前年比43.6%増の57,732百万円となったことが寄与した。また、営業利益は前年比35.4%増の5,428百万円となった。ポイント関連費用など販売管理費が前年比58.8%増(販売管理費÷商品取扱高では2012年3月期第3四半期累計期間:20.2%、2011年3月期第3四半期累計期間:18.4%)となったが、増収が営業増益に寄与した。なお、特別利益合計で213百万円を計上しているが、うち208百万円は2011年6月にファッションオークションサイトを手掛ける株式会社クラウンジュエルの株式追加取得(完全子会社化)を実施したことに関連した利益である。
同社によれば、1人当たりの購入金額が計画に対し未達であったものの、新規アクティブ会員数が計画を大幅に上回ったことから、商品取扱高は計画を250百万円程度上回ったとのことだ。
2012年3月期第2四半期実績
2011年10月28日、同社は2012年3月期第2四半期決算を発表した。
当四半期の主要指標
- ショップ数: 321ショップ(ストア企画開発事業41ショップ、 ストア運営管理事業280ショップ)
- メーカー自社EC支援事業受託数:19件
- 総会員数:3,698,962人(2011年3月期第2四半期末比+1,256,706人、2011年3月期末比+565,871人)
- アクティブ会員数:1,515,500人(2011年3月期第2四半期末比+541,515人、2011年3月期末比+298,802人)
- アクティブ会員1人当たり年間購入金額:40,344円(2011年3月期第2四半期:44,936円)
- 商品取扱高:第2四半期会計期間では17,168百万円(前年比41.4%増)、第2四半期累計期間では34,142百万円(前年比41.4%増)
第2四半期累計期間の売上高は前年比34.5%増の13,773百万円であった。2012年3月期に入って新たに取り組んだ施策(返品受付の開始、ポイント還元率のアップ(1%から3%へ)、ゲスト購入制度の開始等)、や新規ショップのオープンなどによってアクティブ会員数が増加、商品取扱高が前年比46.1%増の34,142百万円となったことが寄与した。また、営業利益は前年比36.4%増の3,367百万円となった。ポイント関連費用など販売管理費が前年比62.9%増(対商品取扱高では2012年3月期第2四半期累計期間:19.8%、2011年3月期第2四半期累計期間:17.7%)となったが、増収効果が営業増益に寄与した。なお、特別利益合計で213百万円を計上しているが、うち208百万円は2011年6月にファッションオークションサイトを手掛ける株式会社クラウンジュエルの株式追加取得(完全子会社化)を実施したことに関連した利益である。
同社によれば、1人当たりの購入金額が計画に対し未達であったものの、アクティブ会員数が新規、既存ともに計画を大幅に上回ったことから、商品取扱高は計画を250百万円程度上回ったとのことだ。
商品取扱高の実績を第1四半期会計期間と第2四半期会計期間に分けてみると、第1四半期会計期間は会社計画を上回ったものの第2四半期会計期間は計画を下回った模様だ。一見するとネガティブにも思えるが、第2四半期会計期間が計画を下回った主因は、第1四半期の販売が好調で第2四半期でセールに回す商材が不足したためと同社は分析している。そのため、実態は見かけの数字以上に順調といえそうだ。実際に、同社は第2四半期累計期間の売上高、営業利益などに関しては、2011年10月14日に会社予想を上方修正していた。
2011年10月の商品取扱高については、会社計画に対してやや未達であった模様。理由は定かではないものの気温が比較的暖かかく、冬物の売れ行きが悪かったことが理由ではないかと同社はみている。
通期会社予想は据え置かれている。この点について同社は、第2四半期累計期間の売上高実績の通期計画に対する進捗率は約43%と2011年3月期とほぼ同等の進捗率(2011年3月期第2四半期累計期間売上高/2011年3月期売上高≒43%)であり、通期会社予想は今のところ妥当ではないかとコメントしている。
説明会から
2012年3月期第2四半期決算説明会(2011年10月31日開催)では、前澤社長より前述した事項以外に、以下3つの分野について説明があった。前澤社長のコメントに若干の補足をしつつ纏めると下記のようになる。
1)既存事業:ZOZOTOWNについて
ストア運営管理事業のショップ数が、2011年3月期末から82ショップ増加したことに示されるように、同社はこれまで以上に新規ブランドの呼び込みに力を入れている。多岐にわたるブランド(前澤社長の言葉でいうところの「ルイヴィトンからユニクロ」まで)をZOZOTOWNへ呼び込み、新規顧客の開拓に活かしていきたい意向のようだ。象徴的な事例として、2011年10月より「COACH」がZOZOTOWNに新たなブランドとして加わったことが挙げられる。
これに伴い、人材を増やすほか、ZOZOBASE(倉庫)の拡充に努めるとしている。同社は商品取扱高5,000億円を中長期的な目標として定めているが、商品取扱高3,000億円の流通ボリュームに対応できるような倉庫スペースの確保等の物流キャパシティ拡充に動いている。
一方、スマートフォン経由の購入が全体の15-20%を占めつつあることもあって、現状のiPhone向けアプリのみならず、Android対応のアプリも早急にリリースしていくとしている。同社はこうした携帯用アプリに、単なるチャネルとしてだけではなく、雑誌的な意味合いをもたせ、宣伝効果も狙っていくとしている(携帯電話は空いた時間にユーザーが気軽にみることができるため、宣伝効果が高いと同社はみている)。
顧客拡大のためのプロモーションとしては、大々的なTVCMを2011年12月から放映していくとしている。また、2013年3月期以降を見据えて、2012年3月期第4四半期にテストプロモーションを実施する可能性があると同社は述べている。
2)海外展開について
同社は2012年3月期に入ってから本格的な海外展開を開始しているが、2011年10月31日に中国にてZOZOTOWNをオープンした。具体的には、中国最大のショッピングサイトである「タオバオモール(淘宝商城)」にZOZOTOWNを出店するとともに、「タオバオ」のプラットフォームを利用した自社ECサイトZOZOTOWNを開設した。サイトオープン時のブランド数は約40ブランド、決済方法はアリペイで、物流業務及びカスタマーサポート業務はパートナー企業に委託している。中国ビジネスで、同社は在庫リスクを抱えている。そのため、当初ブランド数を絞り、かつ幅広いジャンルの商材を取り扱った上で顧客ニーズを探り、それが明らかになってから、ブランド数を増やしていきたい方針のようだ。
また、2011年11月1日に韓国にてZOZOTOWNをオープン。韓国最大のショッピングサイトである「Gmarket」および「eBay Auction」にZOZOTOWNを出店し、サイトオープン時のブランドは約110ブランドとなった。
中国、韓国いずれも日本のブランドを中心に展開しているが、将来的には現地のブランドの取扱いを増やしていく意向も同社は示している。
3)クラウンジュエル(2次流通業について)
ZOZOTOWN(新品購入)の顧客に、同時に下取りサービスを行った場合についてのアンケートを取ったところ、反応が良好であったとのことで、下取りサービスを順次拡大していきたいと同社は述べている。数値的には、2次流通で1次流通の2割の取扱高をめざす意向のようだ。
2012年3月期第1四半期実績
2011年7月28日、同社は2012年3月期第1四半期決算を発表した。
当四半期の主要指標
- ショップ数: 254ショップ(ストア企画開発事業42ショップ、 ストア運営管理事業212ショップ)
- メーカー自社EC支援事業受託数:17件
- 総会員数:3,390,827人(2011年3月期第1四半期末比+1,193,680人、2011年3月期末比+257,736人)
- アクティブ会員数:1,370,295人(2011年3月期第1四半期末比+498,979人、2011年3月期末比+153,597人)
- アクティブ会員1人当たり年間購入金額:41,478円(2011年3月期第1四半期:45,412円)
- 商品取扱高:16,974百万円(前年比51.1%増)
売上高は前年比38.0%増の6,750百万円。2011年3月期からの施策および2012年3月期に入って新たに取り組んだ施策(返品受付の開始、ポイント還元率のアップ(1%→3%))などによって会員数、アクティブ会員数が増加、商品取扱高が前年比51.1%増となったことが寄与した。また、営業利益は前年比53.0%増となった。ポイント関連費用など販売管理費が前年比73.8%増(対商品取扱高では2012年3月期第1四半期:19.2%、2011年3月期第1四半期:16.7%)となったが増収効果が営業増益に寄与した。なお、特別利益合計で213百万円を計上しているが、うち208百万円は2011年6月にファッションオークションサイトを手掛ける株式会社クラウンジュエルの株式追加取得(完全子会社化)を実施したことに関連した利益である。
同社によれば、1人当たりの購入金額が計画に対し未達であったものの、アクティブ会員数は新規、既存ともに計画を大幅に上回ったことから、商品取扱高は計画を800百万円程度上回ったとのことである。また、商品取扱高が計画を上回ったことから、売上高で300百万円程度、営業利益で500百万円程度、それぞれ計画を超過した。営業利益の計画超過達成には、人件費、業務委託費を始めとした販売管理費が計画を下回ったことも寄与している。ちなみに、新たに始めた返品について、同社は取扱高の10%程度の返品をみていたようだが、実際は取扱高の5%程度に留まっているとのことだ。
同社によれば、アクティブ会員数は新規、既存ともに計画を大幅に推移したものの、1人当たりの購入金額が計画に対し未達であったため、商品取扱高はほぼ計画通りに推移したとのことである。
2012年3月期上期および通期会社予想は期初予想が据え置かれた。
2011年7月の月次動向もアクティブ会員53.1%増、商品取扱高で前年比39.2%増と好調に推移している。同社は6月下旬から「ZOZOTOWN」の会員登録を行わなくても、同サイトで購入をできる「ゲスト会員制」を導入しているが、2011年7月のゲスト購入者数は59,242人(6月は9,939人)とアクティブ会員数の4.1%を占める。さらに7月のアクティブ会員数は前月比58,887人増だが、その大半をゲスト購入者が占めている格好だ。
同社は2012年3月期に本格的な海外展開を開始。2011年5月に海外顧客向けのグローバルサイト「ZOZOTOWN.com」を開設、2011年6月に中国香港に子会社ZOZOTOWN HONGKONG Co., LIMITEDを設立している。今後についても、2011年8月下旬に韓国最大のショッピングサイトである「Gmarket」および「eBay Auction」に「ZOZOTOWN」を出店するほか、2011年9月からは中国でのファッションECサイトを開始する予定となっている。
韓国での事業については、同社が商品情報・在庫情報の提供や顧客への発送を行う一方、提携先企業がマーケティングや決済を担当。日本における「ZOZOTOWN」との大きな違いは、サイトがハングル文字であることを除けば、提携先企業がマーケティングや決済を担う点に限られるものとSR社では認識している。サイトオープン時のブランド数は約130となる予定である。
中国での事業について、詳細は未定ながら、現地で物流センターを保有するなど、一定の初期費用を投じる模様である。
通期(2012年3月期)の見通し
2012年3月期の事業計画(主要計数)は下記のようになっている。
- 商品取扱高:84,000百万円(2011年3月期実績:57,131百万円)
- 既存アクティブ会員数:904,800人(同:562,684人)
- 既存アクティブ会員1人当たり年間購入金額:66,313円(同:62,536円)
- 新規アクティブ会員数:660,000人(同:662,570人)
- 新規アクティブ会員1人当たり年間購入金額:25,000円(同:25,715円)
会社予想の2012 年3月期の商品取扱高は84,000百万円(前年比47.0%増)であり、その内訳として、既存アクティブ会員商品取扱高60,000百万円、新規アクティブ会員同16,500百万円、EC 支援事業同7,500百万円を見込んでいる。
既存アクティブ会員商品取扱高60,000万円の前提は、既存アクティブ会員904,800人×既存アクティブ会員1人当たり年間購入金額66,313円である。既存アクティブ会員904,800人に関していえば、2011年3月末の会員数が3,133,091人であることを踏まえると、アクティブ率として約29%を想定していることになる。2011年3月期の既存会員のアクティブ率の実績値27%との乖離は少なく、あくまで無理なく自然体の数値を置いているように思える。一方、既存アクティブ会員1人当たり年間購入金額66,313円に関しては、2011年3月期が同62,536円であり、約6%増を見込んでいることになる。同社によれば、返品の受付開始、ポイント還元率の変更の効果を織り込み、アクティブ会員1 人当たりの年間購入回数の増加を見込んでいる模様である。
これまで同社は、返品を原則行っておらず、不良品、もしくは注文と異なる商品が届いた場合のみ返品を受け付けていた。しかし2011年4 月1 日からは一定の条件下で、上記以外の返品も受けつける施策の導入を始めた。また、同時に購入金額に対するポイント付与率を1%から3%(ZOZOカード会員は2%から4%)に引き上げている。同社は2011年3月期に行ったテレビCMの効果などによって同社の認知度が十分高まったとみて、2012年3月期以降は、それをいかに顧客による実際の購買につなげていくかという点を課題として挙げている。そのための施策が、こうした返品受け付けやポイント付与率の向上ということになろう。ちなみに、ZOZOTOWNの認知率は2009年12月が49%であったのに対し、2010年12月は77%である(対象年齢18歳から33歳、同社独自調査)。
一方、新規アクティブ会員商品取扱高16,500百万円の前提は、新規アクティブ会員数660,000人×新規アクティブ会員1人当たり年間購入金額25,000円である。会員数、1人当たり年間購入金額ともに2011年3月期並みの数値が想定されている。
同社は売上高を上記商品取扱高の増加に伴い、前年比35.3%増の32,200百万円と予想している。また、販売管理費は前年比61%増の17,000百万円程度が見込まれている。販売管理費については、広告宣伝費は前年比で減少するものの、変動費の増加に加えて、ポイント還元率の上昇による関連費用の増加や物流センター関連の人件費の増加を織り込んだ模様である。これらの結果、営業利益は前年比46.3%増の8,560百万円の予想となっている。
中長期業績見通し
同社は中長期的に5,000億円の総取扱高、500億円の経常利益の創出をめざしている。同数値は国内事業のみを対象とした数値であり、算出根拠として、アクティブ会員数1,000 万人(全体会員数2,000 万人、アクティブ率50%)、1 人当たり年間購入金額5 万円という内訳が提示されている。なお、商品取扱高 5,000 億円は、同社がターゲットとしている国内アパレル市場5 兆円(実際の市場規模の約半分)に対するEC化率を20%(1 兆円)と見込み、そのうち半分のシェアを同社が占めるという想定によっても算出することができる。
従って、同社の成長は、大手アパレルメーカー数社が小売の主要拠点としてインターネット、すなわち同社の「ZOZOTOWN」を受け入れるか否かに概ね依存する。その点、大手アパレルメーカーがそうした動きに出ると想定することは自然であるように思われる。他の国内小売販路は成熟化していることを踏まえれば、(仮想店舗であったとしても)トレンディなファッション地域への進出は事業戦略上の当然の帰結であり、一時的な流行に終わることはない。当面は、多くのアパレル会社にとって、「ZOZOに出る」ことが戦略上重要な選択となる可能性がある。
事業内容
ビジネス
同社はアパレルおよび装飾品のオンライン小売会社である。「ZOZOTOWN」(同社ウェブサイト)で扱われるアパレルは流行に敏感な若年層(20代前半から30代中盤)をターゲットとしている。同社の事業は実際のショッピング・モールと類似しており、ウェブサイトがショッピング・モールの土地建物に相当する。テナントショップの大部分はアパレルメーカーからの受託販売に基づき運営されているが、幾つかの店舗は同社の自社販売ショップ(ブランドショップならびに複数ブランドからなるセレクトショップ)となっている。「ZOZOTOWN」はファッション性の高いアパレルを求めている顧客にとってはワンストップで買い物ができる場所であり、アパレルメーカーにとってはターゲットとする市場なのである。ネット上の店舗に加え、同社はアパレルメーカーにフルフィルメント(Eコマースの受注から発送まで)のサービスも提供している。
主要事業部門
ストア企画開発事業(自社販売)とストア運営管理事業(受託販売)、メーカー自社EC支援事業(受託販売)、という3つの事業区分の売上が計上されている。主に、ストア運営管理事業が全体の収益を牽引している。
ストア企画開発事業(2011年3月期の売上高は11,688百万円、売上構成比は49.1%)
同社のストア企画開発事業は、自社のバイヤーが仕入れた商品を「ZOZOTOWN」内の自社セレクトショップで販売する一般的な小売販売である。2011年3月期末で、同社は50店舗を運営しており、知名度の高いブランドとインキュベーション・ブランド(育成ブランド)で構成されている。同事業の売上高は商品取扱高とイコールである。
ストア企画開発事業は、同社の発展に重要な役割を果たしてきており、「ZOZOTOWN」が国内で広く知られるファッション・ショッピングサイトとなった理由も同事業部門にある。しかし同社は、ストア企画開発事業ではなく、ストア運営管理事業が将来的な成長の鍵である、としている。
ストア運営管理事業 (2011年3月期の売上高は10,635百万円、売上構成比は44.7%)
同事業では「ZOZOTOWN」における、アパレルメーカーのインターネットショップの出店誘致および運営管理を行っている。同社は各ブランドの店舗(インターネット上の)を設計し、当該店舗に掲載する商品を同社が受託在庫として預かり、フルフィルメント業務(商品の入荷、撮影、採寸、保管、梱包、発送、代金決済など)を行っている。一方、同社は商品管理システムを各アパレルメーカーに開放しており、アパレルメーカーが商品の品揃え、数量、価格を決定している。ストア企画開発事業との大きな違いは、アパレルメーカーが商品の品揃え、数量、価格を決定している、同社には在庫リスクを負わない(アパレルメーカーが在庫リスクを負う)ことである。同事業の売上高はアパレルメーカーからの受託販売手数料収入(商品取扱高×受託手数料率)である。商品取扱高ではなく、受託販売手数料だけが売上に計上されるため、同セグメントの売上総利益率は100%となる。2011年3月期末の同社運営ショップ数は198ショップであった。
メーカー自社EC支援事業(2011年3月期の売上高は1,065百万円、売上構成比は4.5%)
2008年5月に設立した子会社(株式会社スタートトゥデイコンサルティング)を通して実施している。同事業は「ZOZOTOWN」運営のために構築している自社システム、物流インフラを活用して、メーカーが独自に運営するECサイトのシステム開発、デザイン制作、物流請負、マーケティング支援などのフルフィルメント関連事業を支援するという業務内容になっている。2011年3月期末時点で同社は、伊勢丹、ビームス、ユナイテッドアローズ、オンワード樫山など14社のECサイトの支援業務を行っている。売上高は同社が支援したサイトでの商品取扱高×受託手数料率によって決まり、在庫リスクを同社は負っていない。ストア運営管理事業とメーカー自社EC支援事業との間で同社が行う作業に大きな違いはない。違いは、「ZOZOTOWN」経由で売れるかメーカーの「自社ECサイト」で売れるかだけである。
ウェブサイト・コンセプト
同社のウェブサイトである「ZOZORESORT」は流行に敏感な消費者に単一のショッピング目的地を提供する。このウェブサイトの中心はEコマースのショッピングサイト「ZOZOTOWN」である。同ウェブサイトには、画像や動画が満載されており、その外観や雰囲気でユニークな、またはクールなショッピング体験を味わってもらうことを目的としている。より技術的な面では、標準的な「カート」機能に加え、会員制サービス、シンプルなレコメンドエンジン、商品再入荷の電子メール通知等の機能を有する。会員登録によりユーザーはウェブサイト・サービスのカスタマイズ化や、気に入った商品情報の保存ができる。レコメンドエンジンは顧客購入データを収集・分析し、商品のレコメンドを行う。商品再入荷の電子メール通知は、在庫切れ商品が購入可能になった時にユーザーに通知する。このようなサービスはウェブサイト利用者に有益であるだけでなく、同社が購入データを収集し、テナントショップに需要動向に関する情報を与えることを可能とする。(ウェブサイトに関する詳細は「ところで」の項を参照のこと)
2011年3月期、同社のウェブサイトは249ショップを有し、1,555種類のファッション・ブランドから商品を提供している。同社によれば、同サイトで販売される品目のうち、約90%がアパレル(残りは装飾品)であるという。サイトで購入可能なブランドは(ユナイテッドアローズ、ビームス、シップス等の)大手ブランドから小型ブティックのブランドが含まれる。知名度の高いブランドと新興ブランドの両ブランドを有することで、「このウェブサイトはクールで、最先端にあり、ファッション性の高い、流行中の衣料品を提供している」とのメッセージを発信することになる。同時に、もう少し保守的な買い物客は主流ブランドやトレンドの中から「より安全な」選択肢を見つけることが可能となる。
同社の総会員数とアクティブ会員数(過去1年以内に購入実績のある会員)を見れば、同社ウェブサイトがいかに効果的であり、いかにうまくターゲット顧客にアピールできているかは明らかである。総会員数には収入に直結しないサイト・サービス利用を目的に登録したユーザー数も含むが、サイトの人気度を評価する上では有益なデータとなっている。
同社は、実際に購入を行った新規会員数を公表している。2011年3月期の1.104.384人の新規会員獲得のうち、約60%が新規アクティブ会員(新規登録と購入を行った会員)であり、2010年3月期の約57%から上昇した。
主要設備
同社の主要な設備は千葉に所在する物流センターの「ZOZOBASE」で、その床面積は約5,750坪(19,000㎡)となっている。「ZOZOBASE」が同社のフルフィルメント・センター(Eコマースの受注から発送までを管理)となっている。
ビジネスモデル
ショッピングサイトの「ZOZOTOWN」は分かりやすい作りである。顧客は商品カテゴリー別(トップス、ドレス、ジーンズ等)、ブランド別、価格帯別、色別に閲覧可能である。商品は「カート」に追加される。会計時に支払いの詳細手続きは決済代行業者が処理し、その代行業者が同社への支払いを行う。会計手続の終了に伴い発注がフルフィルメント・センターに入力される。同社は「ZOZOBASE(物流センター)」で発注処理を行い、最終的な配送は別業者を利用している。
同社の売上は受託販売と自社販売から構成される。自社販売は同社自身が在庫リスクを取り、メーカーからのアパレルを選別し購入する。このような伝統的なモデルは、最も流行に敏感な消費者との関係を同社が維持していく上で必要であり、これまであまりインターネット取引に携わってこなかったアパレルメーカーに対して、商品企画やマーケティングに関する助言を行うのに役立つとSR社は考えている。
受託販売からの売上高は総商品取扱高に応じて決まる手数料収入である(2011年3月時点で約25%)。このビジネス・モデルは自社販売よりも格段に優れている。同社はマーチャンダイジングの決定に関する提案を行い、オンライン上の見栄え(写真を掲載等)やフルフィルメントに関する支援を提供するが、事業リスクは完全にメーカー側がとることになる。さらに、同社は複数のメーカーと取引することから、売上高の変動を効果的に分散し低減させることが可能である。このような観点から、受託販売はアパレル小売業務というよりもショッピング・モールの運営業務に類似する事業となっている。「ZOZOTOWN」と実際のショッピング・モールとの違いは、同社には不動産開発やその所有リスクがないことである。他方、同社が受け取る手数料は実際のショッピング・モールやファッションビルが受け取る賃料に近い。アパレルメーカー側から見れば、メーカーは適正な賃料を支払うのと同じである(場合によっては適正な賃料よりも安くなることもある。例えば、百貨店の変動賃料は売上の40%を上回る場合もある)。一方、メーカー側から見れば、人気の高い新たな小売拠点を取得することができる上に(日本市場において優れた立地の確保は困難で費用もかかる)、どの商品をどの程度販売するかに関して、より管理可能である(店舗規模の物理的な制約がないため)。
同社によれば、同社ウェブサイト上の価格は実際の店舗の価格と同水準であり、総売上高を拡大するためには出荷件数を増やすか、あるいは出荷単価を上げる必要がある。出荷数は2008年3月期第1四半期から増加傾向を示しているのに対し、平均出荷単価は相対的に横ばいとなっている。
コスト構造
同社によれば、個々のセグメントの売上総利益率は安定しているため、売上総利益の増減は商品ミックスの変化によってもたらされるとのことである。また、受託販売(ストア運営管理事業、メーカー自社EC支援事業)の売上総利益率は100%である。自社販売(ストア企画開発事業)の棚卸評価前の売上総利益率は約40%であり、アパレル小売会社としては標準的な水準にある。
販管費の多くは変動費である(2003年3月期から2011年3月期にかけての売上高販管費比率は32.4~44.0%で推移)。同社ビジネス・モデルの性質上、販管費は商品取扱高(出荷および支払回収)に応じて変動する。なお、同社は、人への投資と、2011年3月期は特に広告宣伝費への投資を積極的に行っている。このような投資は必要ではあるものの、本質的には同社の裁量に基づく支出である。同社は成長途上にあるため、広告宣伝費や従業員に対する費用の掛け方を模索している段階にある、とSR社は考えている。しかしながら、ある時点を境に、売上高が増えてもコストは比例的には増えなくなるなど、ウェブに基づくビジネス・モデルの特性が顕在化することとなるものと思われる。
広告宣伝費が同社にとって重要な費用である。というのも、同社の事業成長を加速させるためには、コアユーザー(ファッションに非常に敏感なインターネットに精通した顧客)以外のユーザーへの認知度を高めることが不可欠である。同社は今までインターネットを中心に広告活動(今までの広告宣伝費の約70%を構成)を行ってきたが、2010年3月期の後半からより広範な顧客に訴求するために、その媒体にテレビを追加した。同社は、テレビ広告は成功しており、現在のニッチからメインストリームへと顧客基盤を拡大させるために、今後も増加させると述べている。
利益性、財務指標
同社の営業成績に関する指標は良好であるように思われる。売上総利益率および営業利益率の推移をみると、その水準はアパレル小売会社としては非常に高いものとなっている(ただし、純粋なインターネット・モールの利益率と比較すると低い。)
同社の総資産回転率は減少傾向にあるが、現金が増加したことが要因と思われる。バランス・シート上の現金はROAおよびROEにマイナスの影響を及ぼすが、こうした指標は、同社が現金を事業拡大のための投資や株主への配当などより有効に活用すれば改善するだろう。ただし、SR社は、同社が依然新興企業で拡大局面にあるため、大幅な配当の実施は時期尚早と考える。もっとも、一般的に若い企業は投資に向けるため現金を必要とするが、同社の場合は一定のキャシュ・フローを創出している。
SW(Strengths, Weaknesses) 分析
強み(Strengths)
- ファッション、ウェブおよび事業に対するバランス感覚。実際に検証することが難しい議論ではあるが、このような背景が同社のその他の強みを引き出している最も重要な無形固定資産であるとSR社は考えている。高校生の時にロック・ミュージシャンだった若者がインディーズCDのオンライン通販を開始したという珍しい背景を持つ創業時から、同社は一貫して3つの要素に焦点を当ててきた。それは、ファッションと関係すること、ユニークな特質を有するEコマースを開発すること、お金を稼ぐこと、である。このような要素の一つを実践している会社は数多い。二つの要素が成功している会社は数少ない。しかしながら、今までのところ、同社はこの3つの要素のバランスを保ちながら経営を行ってきたと思われる。このバランスを継続させていくことが成功を維持する鍵となろう。
- 主流の高級SPAブランドからの力強い支持。成功が成功を生み、大手国内アパレルメーカーや大手小売業者の数社は、若い企業であるにもかかわらず同社がストリート・ブランドの通信販売に成功したことを受け、同社との包括的な提携を結ぶようになった。早期段階のユナイテッドアローズとの提携が今日の同社事業を決定付けたともいえる。ユナイテッドアローズ、シップス、ビームス等のブランドの求心力が「ZOZOTOWN」を全くのニッチから万人に知られるファッション・モールへと発展させるきっかけとなった。このような関係は共生的なもので、これが同社事業のもう一つの決定的な強みとなっている。
- 自社販売+ 受託販売 = 適切な事業ミックス。SR社の見解では、消費者とアパレルメーカーの両方からの信頼を勝ち得ているのは、同社が自社販売を通じて、ブランドを選択し、ファッション意識の高い消費者が望む衣料品を選別する能力を得ているためである。しかしながら、同社の事業に高収益と拡大の可能性をもたらしているのは受託販売である。この二つの事業ミックスにより、魅力的で他の追随を許さないビジネス・モデルが成り立っている。
弱み(Weaknesses)
SR社は通常、顧客レポートの中に複数の強みと弱みを記載するようにしているが、同社の場合には、弱みの特定が難しかった。弱みの1点目は実際に顕在化する可能性が高く、かつ長期的なリスクである。後者2点は即座に生じる弱みではないが、特定の状況下において生じる可能性がある(本レポート読者の皆様からその他のリスクファクターに関するご提案を頂ければ幸いです)。
- 失敗の経験がないこと。同社は創業以来大きな成功を収めてきており、適切な時期に適切なことを行ってきている。同社は継続的かつ絶対的な成功の上に築かれてきているため、想定外の競合その他の事象に対する対処が難しいかもしれない。成功は慢心を生むため、同社が潜在的な弱点を常に意識しておく必要がある。勝者は時に、恐れを知らずに突き進む傾向がある。そのことが偉大な功績を成し遂げさせるが、時には失墜を招くこともある。
- ファッションに特化した焦点の狭さ。同社は、成長と事業リスクに対処する上で正しい手法を見いだしていると思われる。しかし、より一般的な観点からは、国内におけるYahoo!や楽天、あるいは米国におけるアマゾンやeBAY等の総合的なプラットフォームはより目に触れる機会が多く、事業としての耐久性が高い可能性がある。ファッション限定の販売は、特に市場が成熟したり、景気が悪化した際などに、事業リスクが高まる可能性がある。
- 国内市場への依存。日本市場は世界で最大のアパレル市場の一つではあるものの(同社のような若い企業にも十分な成長機会を創出)、成長が滞っている市場でもある。オンライン通販の現在の蜜月期間が終わった場合に、同社の成長は現在より困難となる可能性がある。さらに、一定水準の成熟を迎えた場合には、先行者メリットを維持できるかどうかも疑問である。メーカーは成長中のプラットフォームを無視することはできないものの、成長が停滞したときには、より大きな付加価値のパイを求める積極的な動きに出て、自身のウェブサイトや他のプラットフォームに力を入れていく可能性もある。また、その頃には多くの大企業がEコマースへの理解を深め、 Eコマースの規模も大きくなり、独自で大規模な取り組みを実施する可能性も高い(すなわち同社が犠牲を強いられる可能性がある)。
グループ会社
同社の子会社は小規模なスタートトゥデイコンサルティング一社である。
市場とバリューチェーン
マーケット概略
同社の会社規模を鑑みれば、全体の市場規模(「日本のアパレル市場は9~10兆円」「インターネット通販市場は4兆円」等)を論じることは不適切であるとSR社は考えている。同社に関しては、取扱高が中期的目標である1,000億円ラインを超える頃には、アパレル市場が6~7兆円に縮小するか否か、オンライン通販の市場占有率が15%あるいは20%に達するか否かといった問題がより重要性を帯びてくるかもしれない。しかし、2011年時点の市場規模は、同社の成長を後押しするにおそらく十分な規模であるといえよう。一般に日本のアパレル市場は縮小傾向にあると言われており(http://www.nri.co.jp/publicity/n_letter/2006/pdf/nl20060202.pdf)、一方のオンライン通販市場はここ数年間成長を続けている(http://diamond.jp/articles/-/2820/)。人口動態、経済の低迷、ファスト・ファッションを好む流行トレンド等を背景に、アパレル売上高が減少する一方で、オンライン・ショッピングは標準的な消費者行動の一部となってきている。
携帯電話はアパレルのオンライン通販の主要チャネルにはなっていない。しかしながら、携帯電話会社の間でのスマートフォンの人気化とLTE(Long Term Evolution、3.9G)へのシフトが状況を変化させていくとSR社は考えている。以前から幾つかの要因がアパレルのEコマース成長への制約となってきた。それは、表示画面の解像度(詳細が見づらい)、通信速度(画像を開くするのに時間がかかる)、充足感の遅れ(フルフィルメントと配送の速度)および支払いである。しかし、近年の環境では、このような問題の大部分が解決され、オンライン通販の急成長につながった。スマートフォンの高解像度の大型表示画面、接続速度の改善、電子マネー決済があれば、電車での通勤途中に、自宅の居間でパソコンを使用して行うように、携帯電話でのアパレル購入が一般的になっていくと思われる。
顧客
同社の顧客はファッションに強い関心を持つ若年層である。その多くは仕事を持ち独立した収入源を持つ。2011年3月期の同社サイトの会員数の加速的な拡大は、同社がファッションのアーリーアダプター(初期採用者)よりもむしろ主流層を取り込むことに成功したことを意味しているのかもしれない。従って、このことは、今後、複数年にわたる高成長につながる可能性があるとSR社ではみている。ただし、「トレンド・セッター」である元々の同社コア顧客を遠ざけることがないよう、注意深い対応が必要であろう。さもなければ、同社ウェブサイトのイメージが傷つき希薄化することもあり得る。現在の平均的な会員属性は下記の通りである。
会員の平均的属性(2011年3月期現在)
- 平均年齢: 29.8歳
- 男女比: 44%/56%
- 地理的分布: 関東(41%)、近畿 ・東海(27%)
調達先
同社の主な調達先はアパレルメーカーである。相対的な力関係において、同社と調達先のどちらが有利な立場にいるかは簡単に断言することはできない。メーカーに提供される同社の独自販売チャネルでは、メーカーが自社のウェブサイトと比べてより早く多くの商品を販売できるという点からみると、間違いなく同社の力がより強いといえよう。だが、楽天市場やYahoo! Japanのショッピングモール・モデルとは異なり、同社は少数の大手メーカーへの依存度が比較的高い。ファッション・アパレルに特化し、「クールでいること」に大きな焦点を置く同社モデルは、大きな強みの一つである一方、力関係において一定の脆弱性をもたらしている。主要調達先との関係は共存関係にあり、両社の関係はますます均衡した状態となっている。というのも、サイト上で販売するメーカーにとって、同社サイトからの離脱は、(売上や利益の喪失から)同社と同等あるいは同社以上の苦痛を伴うものとなる可能性があるからだ。同社が非常にうまくいっているニッチのウェブサイトから主流の若年消費者にとってのデフォルト(標準)となるファッション小売の目的地へと成長すれば、力関係は同社に有利な方向へシフトするであろう。
参入障壁
ウェブサイトを構築し、その上でアパレル販売を行うことは非常に簡単である。また、クールなウェブサイトを作ることも比較的容易である。ただし、飽和状態にある現在のインターネット環境のなかで、認知度を高め、大量のトラフィックを創出することは非常に困難である(そのため、Yahoo!、楽天、アマゾン等の大手総合ショッピングサイトに人気が集まる)。このような観点から、人気の高いファッション関連ウェブサイトの構築にかかる参入障壁は非常に高い。トラフィックを築き上げるには、昨今は多額な投資を必要するがお金をかけたからといって必ずしも成功するとは限らない。
他方、同社による今日までの功績は、参入障壁をさらに高いものとなる。同社は人気のあるウェブサイト(Alexa.com上の2010年3月期第4四半期のアクセスランキングデータによれば、国内で上位100サイトの一つ)を作り上げ、リスク特性が低くかつ力強いキャッシュを創出する事業を構築している。
競合状況
同社によれば、現在直接的な競合はほとんど存在しない。この見解には二つの見方がある。一つは、ウェブ上には相対的に目を引く専門的ウェブサイトが多数存在するということである。具体的にはfashionwalker.com(ファッションウォーカー)、 megaseek.com(マガシーク)、 style-life.jp(スタイライフ)、girlswalker.com.(ガールズウォーカー)等である。次に、Yahoo! Japan (yahoo.co.jp)や楽天市場(rakuten.co.jp)等の大手サイトでもアパレルが販売されており、これらのサイトは明らかに「ZOZOTOWN」が提供する商品と競合する。一方、同社は完全に異なる体験を提供することを主張する。それは、クールさやスタイルからの違いであり、すなわち、「衣類」とは対照的な本当の「ファッション」の提供である。多数の消費者が(「ZOZOTOWN」で販売される)ビームスのカットソーを購入するときと(Yahoo!で販売される)Untitledのカットソーを購入するときに、「ZOZORESORT」を根本的に異なる体験として見るかについては議論の余地がある。しかしながら、同社が達成してきた成長率を見た場合に、競争の問題は、ウェブサイトの認知度やインターネット小売販売の一般的な成長率と比べれば、二の次であると、SR社は考える。換言すると、競合の問題は重要ではあるが、今は大きな問題ではないといえよう。
代替
オンライン通販、すなわち「ZOZOTOWN」の代替は多数存在する。取扱ブランドは数多くの実際の店舗あるいはメーカー自身のECウェブサイト(ただし同社による運営サイトもある)で購入可能である。より広い視点では、最新ブランドは相対的に差別化が限られていることから、アパレルブランド自体の多くが互いに代替可能となる。さらに、アパレルの購入を裁量支出とみなせば、広い意味では代替の中に娯楽、旅行、サービス等も含まれよう。消費の低迷が国内の小売売上高減少の原因とされているが、日本のように成熟した社会では、数多くの選択肢がお金と時間の両方の消費活動における選択肢を多様化させているといえよう。特に時間の消費は非常に重要なポイントである。というのは、消費者が昨今ではお金を使わずに時間を使うといった選択を増大させており、これはアパレル小売会社から見ればマイナス要因となる。一方で、同社が低ストレスの「時間消費」環境を閲覧者に提供することで、同社のような企業にとってはプラス要因となり得る。
経営戦略
受託販売の取引関係のさらなる深耕
おそらく同社にとっての最重要課題の一つは、より多くのアパレルメーカーに対し、同社からメーカーが実際に何を得られるかを納得させることであろう。同社によれば、ショップ数の大幅な増加にかかわらず(2011年3月期で249ショップ)、数テナントだけがZOZO店舗を戦略的に重要であると見ている。この数を大幅に高めることが、同社とテナントの両サイドにとっての爆発的な成長を意味することになり得る。現時点(2011年3月期末)で、多くのテナントがZOZOに対して過度な在庫を委ねることに懸念を抱いており、それが在庫切れや消費者満足度の低下につながっている。また、販路分析を行ったり、その専用商品を積極的に開発したりするという面で、やるべきことが数多くあるといえる。
経営戦略と成長機会
将来的な成長分野としては次のものが考えられる(順不同で記載)。
B2C(企業対消費者取引)の領域
- アパレル以外のファッション・アクセサリー、ハンドバッグ、靴等の販売を拡大することが自然な流れであると思われる。
- 高級化志向を進める。海外の有名高級ブランドを取り込むことがZOZOプラットフォームを一層拡大させる上で重要であろう。
- 低価格路線を進める。リスクを高める可能性はあるが、将来的に利益をもたらし得る手段の一つであろう。イメージが希薄化していくリスクを伴う一方で、大衆市場向けファスト・ファッション・ブランドの提供は、大幅な成長加速と財務リターンをもたらす公算がある。高価なハイファッションとH&Mのような大衆市場向けのアパレルの両方を同一サイトで販売することは賢明ではないようにみえるかもしれないが、SR社は銀座の買い物客がプラダのブティックに立ち寄った後に数百メートル先のユニクロに行くことに抵抗はないと考える。
- ファッション関係以外の商品の販売。この選択肢は同社の検討課題には入っていないようであるが、将来的に大型化、成熟化した「ZOZORESORT」サイトでの化粧品やインテリア用品が販売されることは想像に難くない。
B2B(企業間取引)の領域
- 現在のB2Bは、同社のノウハウとインフラを利用したアパレルメーカー自身のオンライン・ショッピングのウェブサイト構築にかかわるものである。同社の中核事業であるZOZOサイトでの販売に対してこの事業は補足的なものと思われるが、受託販売モデルの場合と同じように包括的サポートの形態での顧客契約を増加させることに成功した場合には、この事業は大幅な追加的成長を牽引する要因となり得る。
2011年3月期第2四半期決算説明会(2010年10月30日開催)では、前澤友作社長より、以下の新たな事業戦略が提示された。
1)ファッション・データベース・オープン・プラットフォーム戦略(FDP戦略)
- 今後数年を見越した事業戦略
- 同社が持つ商品のデータベースを、ブランドの許可を得たうえで外部のECサイトや検索サイト、メディアサイト、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)などに提供する
- 上記によって在庫情報の一元化、高度な物流管理などアパレル流通プラットフォーム構築をめざす
- 数年後には、ファッション・ブランドの市場規模4兆円(同社調べ)×20%(EC化率目標)=8,000億円の流通規模になると想定、そこに同社が関わっていく方針
- Yahoo! Japanとの業務提携は当該戦略の事例の一つである
2)海外展開
- グローバルサイトの創設、現地の有力パートナーとの提携による各国独自のサイト運営の2つの手段を検討
- 地域としては、ZOZOTOWNへのアクセス状況や日本のブランドへの注目度からアジアへの進出が有力
2)の海外展開に関しては、2011年4月にソフトバンク社と、中国でのZOZOTOWN の展開に向けた合弁会社を設立すると発表している。
過去の財務諸表
概略
同社の過去の財務諸表の状況を要約すると以下のようになる。
- 力強いトップライングロース
- 豊富な現金保有、無借金
- 高いキャッシュ創出力
前期以前の業績概況(参考)
2011年3月期通期業績
2011年4月26日、同社は2011年3月期通期決算を発表した。
2011年3月期の主要指標
- ショップ数: 248(ストア企画開発事業50、 ストア運営管理事業198)
- 総会員数:3,133,091人(2010年3月末比+1,104,384人)
- アクティブ会員数: 1,216,698人(2010年3月末比+415,212人)
- 商品取扱高:57,131百万円(前年比54.2%増)
売上高は前年比38.7%増の23,801百万円。積極的な広告宣伝の実施やサイトのリニューアル、ヤフー株式会社(東証1部4689)との業務提携、ショップ数の増加などによって会員数、アクティブ会員数ともに大幅に増加。商品取扱高が前年比54.2%増となったことが寄与した。また、積極的な広告宣伝などによって販売管理費も前年比46.8%増となったが、増収効果が大きく寄与し、営業利益は前年比80.8%増の5,851百万円となった。
同社は2011年4月に、1)グローバルサイトの立ち上げ(5 月下旬を予定)、2)ソフトバンク社と(中国でのZOZOTOWN の展開に向けた)合弁会社の設立を発表している。(これらの点に関する)2011年4月28日開催の決算説明会における前澤社長の主なコメントは下記の通りである。
1) グローバルサイトの立ち上げ
- 自動翻訳エンジンをつかって、5ヵ国語(日本語、中国語(繁体字)、中国語(簡体字)、韓国語、英語)に対応するサイトを立ち上げる
- 販売可能な商品の範囲は各ブランドメーカーの意向次第だが、約700のブランドメーカーから既に許可を得ている
- 決済方法はPaypalのみ、世界82ヵ国への配送を予定、配送料は顧客負担
- 2011年3月期のZOZOTOWNにおける海外販売実績は約1億円
2)ソフトバンク社との中国でのZOZOTOWN の展開に向けた合弁会社の設立
- 合弁会社「スタートトゥデイホンコン(仮称)」に対する出資比率は同社が52.7%、ソフトバンクが47.3%となる。なお、同時にアリババに新株予約権を付与、行使後の出資比率は同社50.1%、ソフトバンク44.9%、アリババ5%となる
- 中国事業は上記合弁会社が100%出資する子会社「スタートトゥデイシャンハイ(仮称)」を通して、2011年9月下旬を目処にスタートする。第1にアリババグループの持つタオバオのプラットフォームを利用し、ZOZOTOWNを中国国内で展開、第2にZOZOTOWNを中国最大のネットショッピングサイトであるタオバオモールに出店、と2つの販売窓口を設ける
- 物流センターは中国現地に設置し、ローカルベースでの出荷を行う
- フルフィルメントについての詳細は現時点では公表できない
- 国内ブランドメーカーは、同社およびタオバオに対して手数料を支払うこととなる
(ソフトバンク孫正義社長による動画コメントが説明会で流れたが、同氏は今回の合弁事業に対する期待とともに、事業が安定するまで1年から2年は掛かるだろうとコメントしている)
2011年3月期第3四半期業績
2011年1月28日、同社は2011年3月期第3四半期決算を発表した。また、同時に通期業績予想の上方修正、期末配当金予想の増額修正を発表している。
当四半期の主要指標
- ショップ数: 226(ストア企画開発事業50、 ストア運営管理事業176)
- アクティブ会員数: 1,097,485人(総会員数2,772,976人)
- アクティブ会員当たり年間購入金額: 44,659円
送料無料キャンペーンが2010年3月末で終了したことから平均出荷単価が前年同期比で8.5%上昇、出荷件数の増加と共に商品取扱高の大幅な増加(前年同期比62.7%増)へとつながった。受託販売手数料率については新店の契約条件を変更(新規契約の手数料率は約30%)したことから、2010年3月期第3四半期累計期間平均の24.1%から2011年3月期第3四半期累計期間平均は25.5%と1.4%上昇し、売上総利益率は2010年3月期第3四半期累計期間の59.4%から2011年3月期第3四半期累計期間は66.7%に改善した。売上高販管費率は、広告宣伝費の増加により、2010年3月期第3四半期累計期間の41.3%から2011年3月期第3四半期累計期間は43.2%と1.9%上昇した。もっとも、売上総利益率の改善効果が大きく、営業利益率は2010年3月期第3四半期累計期間の18.1%から2011年3月期第3四半期累計期間は23.5%へと改善した。
2011年3月期通期の会社予想の修正内容は以下の通り。
- 売上高 :23,500百万円(前回予想23,000百万円)
- 営業利益:5,210百万円(同4,600百万円)
- 経常利益:5,210百万円(同4,610百万円)
- 当期純利益:2,920百万円(同2,580百万円)
売上高はテレビCMを始めとした積極的な広告宣伝の実施、取扱いブランドの拡充などによる商品供給の強化により、商品取扱高が好調に推移した結果、前回発表した予想値を若干上回る見込みになったとのことだ。また、営業利益に関しても受託販売における平均手数料率が当初計画より上昇したことに伴い、従来予想を上回る見込みになったと同社はコメントしている。
通期会社予想の修正を鑑み、通期ベースの配当金予想は1株当たり6.0円から7.0円に増額修正されている。
2011年1月31日開催の決算説明会における前澤社長の主なコメントは下記の通りである。
- 新規の会員数は計画を下回ったが、新規会員のアクティブ率や既存会員の一人当たり購入金額が計画を上回っており、悲観はしていない
- ヤフー株式会社(東証1部4689)との(2010年11月24日からの)業務提携効果として、2010年12月の商品取扱高のうち3.5億円(構成比5.3%)がYahoo!JAPAN経由だった。また、12月の獲得会員の平均年齢が全体では29.5歳であるのに対し、Yahoo!JAPAN経由の登録顧客の平均年齢が33.4歳、同社サイトへのトラフィックの40%がYahoo!JAPAN経由であった(提携前は22%)ことなどが挙げられる
- iPhoneアプリ(2010年11月下旬にリリース)のダウンロード数は2011年1月27日時点で約53万件と好調。今後Android携帯など他のスマートフォンにもアプリをリリースしていく予定
- ZOZOTOWNの認知率は2009年12月が49%であったのに対し、2010年12月は77%(対象年齢18歳から33歳、同社独自調査)。これ以上認知率を高める必要はなく、2012年3月期以降は認知率を挙げるための広告宣伝は行わない予定。その代わり、「ZOZOTOWN」を活用するメリットなど、販売促進により重きを置いていく方針
- 2011年2月1日よりポイント制度による新たなキャンペーンを行う予定
- 2012年3月期はグローバル展開を始め、周囲を驚かせるようなことを行う予定
同社が2011年2月1日より開始したキャンペーンは、2月1日から2月14日まで期間限定で、合計21,000(税込)以上の買い物に対し、ポイント還元率を5%(通常1%)とする内容であった。同社は、今回のキャンペーンの結果も踏まえて2012年3月期の販売促進策を決めていくとコメントしている。同社によれば、テレビCM効果などによって同社の認知度は高まったが、それをいかに新規アクティブ会員につなげていくかが2012年3月期の販売促進策の課題であるとのことだ。
今後に関しては、2012年3月期の「すごい」施策が注目されるが、「グローバル展開」以外は明らかになっていない。SR社は同社が商品取扱高に占めるアクセサリーの比率(現在4%程度の模様)を高めるのが同社の成長に寄与する方策であり、同社もその方向に動くのではないかと推測していたが、特にそういった意図はないようだ。ちなみに、同社が中期ビジョンで掲げる目標値、商品取扱高1,000億円、経常利益100億円(ともに2013年3月期)に「ファッション・データベース・オープン・プラットフォーム戦略」や「グローバル展開」は含まれていないため、見直される可能性もある。
2011年3月期第2四半期業績
2010年10月28日、同社は2011年3月期第2四半期決算を発表した。同社の通期会社予想に対する第2四半期累計期間の進捗率は以下の通り。
- 売上高: 44.5%(通期予想23,000百万円)
- 営業利益: 53.7%(同4,600百万円)
- 経常利益: 53.5%(同4,610百万円)
- 当期純利益: 52.9%(同2,580百万円)
当四半期の主要指標
- ショップ数: 211(ストア企画開発事業47、 ストア運営管理事業164)
- アクティブ会員数: 973,985人(総会員数2,442,256人)
- アクティブ会員当たり年間購入金額: 44,936円
送料無料キャンペーンが2010年3月末で終了したことから平均出荷単価が前年同期比で9.8%上昇、出荷件数の増加と共に商品取扱高の大幅な増加へとつながった。2011年3月期は大掛かりな送料無料キャンペーンは予定されていないことから、同社の想定通り、通期についても単価は前年比で上昇するものと思われる。受託販売手数料率については新店の契約条件を変更(新規契約の手数料率は約30%)したことから、2010年3月期上半期平均の24.0%から2011年3月期上半期平均は25.2%と1.2ポイント上昇し、売上総利益率は2010年3月期上半期の59.5%から2011年3月期上半期は64.6%に改善した。売上高販管費率については、賃借料などにおいてスケールメリットが働き、2010年3月期上半期の41.3%から2011年3月期上半期は40.5%と0.8%の低下となった。加えて、送料無料キャンペーンの終了に伴い出荷件数に占める複数買いの件数比率が増加、荷造り運賃が抑制されたことも利益率改善につながっている。
一方、目標獲得会員数については、計画を下回った。同社では、6月25日から開始した夏のセールに合わせてテレビCMを実施しており、CMによる会員増を見込んでいた(2009年1月に初めてテレビCMを実施した際は会員数が大きく増加)が、今回は前回ほど効果が出なかった模様である。もっとも、仮に通期の獲得会員数が計画に到達しなかった場合においても、同社は通期の業績予想は達成できる可能性が高いとの見通しを示している。既存会員の商品取扱高が計画を上回って推移しているためである。
上期業績は当初予想を上回ったが、テレビCM等を追加で投入する可能性も含めて、通期会社予想は据え置かれた。
説明会より
2011年3月期第2四半期決算説明会(2010年10月30日開催)では、前澤友作社長より、「ファッション・データベース・オープン・プラットフォーム戦略」、「グローバル展開」など新たな事業戦略について言及があった(「経営戦略」の項参照)。また、アウトレットのサイト(「ZOZOOUTLET」)を2011年11月24日にオープンするとコメントした。同社はこれまでアウトレットサイトの開設に否定的であっただけに興味深い展開といえる。SR社の理解では、これは同社の長期戦略と何ら矛盾するものではない。ただし、同社がコメントするような「期間限定」の施策となるかについては、やや懐疑的にみている。なぜなら、アウトレットモールは、テナントの在庫リスクを回避するために必要な措置だからだ。
なお、「FENDI」のオフィシャルオンラインショップが、2010年11月15日付でZOZOVILLA(ZOZORESORT内のラグジュアリーブランドを扱うショッピングサイト)内に期間限定でオープンする予定である。
2011年3月期第1四半期業績
2010年7月29日、同社の2011年3月期第1四半期決算が発表された。同社の第2四半期累計期間業績予想に対する第1四半期の進捗率は以下の通り。
- 売上高: 50.5%(上期予想9,690百万円)
- 営業利益: 72.2%(同1,560百万円)
- 経常利益: 71.9%(同1,560百万円)
- 当期純利益: 70.5%(同870百万円)
当四半期の主要指標
- ショップ数: 166(ストア企画開発事業46、ストア運営管理事業121)
- アクティブ会員数: 871,316人(総会員数2,197,147人)
- アクティブ会員当たり年間購入金額: 45,412円
ストア企画開発事業では、「BAPY®(reprise)」など新規5店の出店などにより、商品取扱高が順調に増加した。また、メーカー自社EC支援事業においても、有力ブランド「SHIPS」の自社ECサイト支援業務を新規獲得し、同社全体の売上高、商品取扱高は共に計画を上回り、四半期営業利益率は過去最高の水準となった。
送料無料キャンペーンが2010年3月末で終了したことから平均出荷単価が上昇、それに伴い1人当たりの年間購入金額も上昇した。SR社では平均単価は前年同期比で10%強上昇したと推定している。2011年3月期中は大掛かりな送料無料キャンペーンは予定されていないことから、通期についても単価は前年比で上昇するものと思われる。 受託販売手数料率については新店の契約条件を変更(新規契約の手数料率は約30%)したことから、2010年3月期平均24.4%から2011年3月期第1四半期平均25.1%と0.7ポイント上昇し、売上総利益率は2010年3月期通期の60.4%から2010年3月期第1四半期は61.3%に改善した。売上高販管費率については、賃借料などにおいてスケールメリットが働き、2010年3月期第1四半期の42.2%から2011年3月期第1半期に38.3%と3.9%の低下となった。加えて、送料無料キャンペーンの終了に伴い出荷件数に占める複数買いの件数比率が増加、荷造り運賃が抑制されたことも利益率改善につながっている。
一方、目標獲得会員数については、4、5月は計画値を達成したものの6月の未達が響き、第1四半期全体としては計画を若干下回った。同社では、6月25日から開始した夏のセールに合わせてテレビCMを実施しており、CMによる会員増を見込んでいた(2009年1月に初めてテレビCMを実施した際は会員数が大きく増加)が、夏と冬の季節の違いなどもあり今回は前回ほど効果が出なかったもよう。同社は会員数の獲得に向け、第2四半期以降に広告宣伝活動を活発化させる予定(9月中旬以降にテレビCMの実施を計画)である。しかしながら、仮に通期の獲得会員数が計画に到達しなかった場合においても、同社は通期の業績予想は達成できる可能性が高いとの見通しを示している。
第1四半期業績は計画を上回るペースで推移しているが、第2四半期以降に物流センターの増床に伴う賃貸料増加やテレビCM等の広告宣伝費用増加等を見込んでいることから、第2四半期累計期間および通期の業績予想は据え置かれた。 物流センターZOZOBASEの増床(2010年秋に計画)では、機械設備の新規導入に加えてレイアウト変更も予定されており、作業フローの見直しも行われる見込み。
EC支援事業では、第2四半期中に株式会社パル(東証2726)および株式会社メルローズのショッピングサイトの支援業務を受託、これら新規案件のショッピングサイトのオープンによる寄与は第3四半期に実現する見通しである。
2011年3月期第1四半期決算説明会(2010年7月30日開催)では、前澤友作社長より「ZOZOTOWN」のリニューアル計画について言及があった。詳細は明らかにされなかったが、主に検索性能の改善、ソーシャルショッピング機能(ショッピングをテーマにユーザー同士が情報共有できるソーシャル・ネットワーク型のサービス)の充実などが主な目玉となるもようである。SR社ではリニューアルは秋以降、本年中に実施されるのではないかと推測している。
2010年3月期通期実績
2010年4月27日、同社は2010年3月期通期決算を発表した。
売上高は17,159百万円(前年比60.4%増)、営業利益は3,236百万円(前年比47.0%増)、経常利益は3,247百万円(前年比46.2%増)、当期純利益は1,859万円(前年比46.3%増)であった。 同社の通期業績予想値に対する第2四半期の業績進捗率は以下の通り。
- 売上高: 105.3% (通期業績予想 16,300百万円)
- 営業利益: 103.7% (同 3,120百万円)
- 経常利益: 103.7% (同 3,130百万円)
- 当期純利益: 106.2% (同 1,750百万円)
2010年3月期 業績のレポートカード
売上高
目標: ストア企画開発事業(直接販売)約 9,000百万円(前年比37% 増)
実績: 10,400 百万円 (前年比50% 増)
目標: ストア運営管理事業の取扱高(委託販売)26,000百万円 (前年比75% 増)
実績: 26,700百万円 (前年比78.3% 増)
目標: 700,000人から 750,000人のアクティブ会員
実績: 801,486人のアクティブ会員
売上総利益
SR社は売上総利益を約64%と推定。
実績: 60.5%
販管費・営業利益
目標: 2010年3月期における営業利益率の会社予想値は19.1%。
実績: 18.9%
SR社は販管費を約7,300百万円と推定。
実績: 7,100百万円
2010年3月期の好決算は新規会員数の大幅拡大によるもので、同社が創立以来初のテレビCMを行った第3四半期と第4四半期に特に会員数が急増した。主な注目点は下記の通りである。
- 第1四半期から第4四半期にかけての四半期別の受託販売事業(ストア運営管理事業)の平均受託販売手数料率は、23.7%、24.2%、24.4%、24.8%であった。
- 18.9%の営業利益率は販促費の拡大から2009年3月期(20.6%)比で低下したが、同社によれば当初予想通りであった。広告宣伝費は2009年3月期の388百万円から1,021百万円に増加した。2010年3月期に同社は初めてテレビ広告を使用した。
- アクティブ会員数の拡大と送料無料キャンペーンが会員当たり平均年間購入金額を減少させた。ただし、同社によれば、(送料無料キャンペーンが終了したことから)2010年4月からは会員当たり平均購入金額は増加に転じている(顧客が1万円以上の購入に適用される送料無料を利用できる組み合わせ購入を行っていることに起因した可能性が高い)。
2010年3月期第3四半期の実績
2010年1月28日、同社は2010年3月期第3四半期の決算を発表した。第3四半期累計値の通期会社予想に対する進捗率は下記の通りである。
- 売上高 71.3% (通期予想は16,300百万円)
- 営業利益 67.3% (同3,120百万円)
- 経常利益 67.5% (同3,130百万円)
- 純利益 68.7% (同1,750百万円)
当四半期の主要指標
ショップ数: 146(ストア企画開発事業41、ストア運営管理事業105)
アクティブ会員数: 648,932人(総会員数1,761,951人)
アクティブ会員当たり年間購入金額: 45,390円
既存アクティブ会員の購入率: 41.2%
2010年3月期第2四半期の実績
2009年10月29日、同社は2010年3月期第2四半期の決算を発表した。第2四半期累計値の通期会社予想に対する進捗率は下記の通りである(2009年10月15日に業績予想の修正)。
- 売上高: 100.0%(通期予想は6,659百万円)
- 営業利益: 100.1%(同1,210百万円)
- 経常利益: 100.1%(同1,219百万円)
- 純利益: 100.1%(同698百万円)
当四半期の主要指標
ショップ数: 128(ストア企画開発事業39、ストア運営管理事業89)
アクティブ会員数: 545,284人(総会員数1,519,877人)
アクティブ会員当たり年間購入金額: 46,393円
既存アクティブ会員の購入率: 41.5%
2010年3月期第1四半期の実績
2009年7月30日、同社は2010年3月期第1四半期の決算を発表した。第1四半期の通期会社予想に対する進捗率は下記の通りである。
- 売上高: 49.0%(通期予想は6,262百万円)
- 営業利益: 59.9%(同885百万円)
- 経常利益: 60.0%(同890百万円)
- 純利益: 60.8%(同497百万円)
当四半期の主要指標
ショップ数: 106(ストア企画開発事業34、 ストア運営管理事業72)
アクティブ会員数: 483,504人(総会員数1,381,574人)
アクティブ会員当たり年間購入金額: 47,993円
既存アクティブ会員の購入率: 40.6%
損益計算書
2003年3月期から2011年3月期にかけて、同社の売上高は年率65.8%の急成長を遂げてきた。
売上総利益率は、ストア企画開発事業とストア運営管理事業(受託販売)の構成から影響を受ける。受託販売の売上総利益は100%であるため、自社販売の売上総利益率が一定と仮定した場合、受託販売が拡大すれば、全体の利益率は上昇する。
売上高販管費比率は安定的に推移している(コスト分析は「コスト構造」の項での説明を参照)。そのため、売上粗利益率と同様に、売上構成の変化が営業利益率の水準を左右する。
これまでのところ、同社が計上する営業外利益および費用の計上はごくわずかとなっている。2003年3月期から2011年3月期にかけて、経常利益率は営業利益率とほぼ同水準となっている。
2003年3月期から2011年3月期にかけての同社の実効税率の平均は42.8%であった。
貸借対照表
2006年3月期以降の同社のバランス・シートは、ネットキャッシュ・ポジション(有利子負債合計を上回る現預金)にあり、圧倒的な流動資産を有し、そのビジネス・モデルがもたらす流動性の高さを反映している。同社の取引サイクルが短期的であるため、同社にとっては運転資金が相対的に重要となっている。
運転資金の分析
同社の狭義の所要運転資金(売掛金+在庫-買掛金)を考慮した場合、売掛金が所要額合計(2006年3月期から2011年3月期にかけて)を左右する重要な要素となってきた。運転資金増減の内訳は下記の通りである。
2007年3月期の売掛金は売上拡大を受けて前期の倍以上の水準となった。
同社は、受託販売事業が将来的な成長分野となると述べ、運転資金のトレンドには受託販売の影響が反映されているとしている。受託販売はバランス・シートの負債側に影響を及ぼし(委託者にかかる負債)、そのような効果を捉えるために、受託販売預り金を運転資金に含める必要がある。
受託販売の増加は受託販売預り金の増加につながり、所要運転資金を減少させる。受託販売と自社販売(ビジネス・モデルを参照)におけるリスクの比較を考慮すると、受託販売は在庫の減少を通じて事業リスクを軽減させるだけではなく、受託販売預り金を通じてキャッシュ創出源を提供することとなる。
受託販売の有無を調整した運転資金回転率(売上高/運転資金)を比較してみると、受託販売が及ぼす運転資金効率への影響が明らかになる。
受託販売預り金を調整すると、運転資金回転率が大幅に改善する。2008年3月期にみられるマイナスの運転資金額は、マイナスの所要運転資金によるものである。受託販売預り金が同社の主要な資金調達源を提供している。
資産
同社の資産の大部分は、現金および現金同等物となっている。2011年3月期末時点で同社の現金勘定は総資産の58.8%を構成している。同社のビジネス・モデルは、キャッシュ創出能力が高いものとなっている。しかしながら、株主の観点では、多額の現金の保有は、リターンを生まないことから、ROEを低下させていることになる。
有形固定資産は物流センター「ZOZOBASE」にかかる設備である。無形固定資産は、同社のウェブサイトや物流センターに使用されるソフトウェアとシステム、さらには同社ブランドを含んでいる。売上を創出する上で無形固定資産への依存度が高い。
負債
同社の負債は資産サイドの流動性の高さを映し出している。流動負債は主に買掛金と受託販売預り金(受託販売から回収される現金でアパレルメーカーに支払われるべきもの)から構成されている。
ポイント引当金は、将来ZOZO会員がZOZOポイントを使用すると見込まれる金額を示すものである。
純資産
2007年3月期の純資産の増加は第三者割当増資(約1,046百万円)によるものである。2008年3月期のIPOによって純資産は1,560百万円増加した。2009年3月期および2010年3月期の増減は純利益と配当支払いを反映している。
一株当たりデータ
株式分割および希薄化を調整した同社のEPSは、2003年3月期から2007年3月期にかけて大きく成長しており、初期の段階における急激な売上拡大を反映している。EPSの拡大は純利益率の上昇(2004年3月期の0.7%に対して2011年3月期は13.0%)も反映している。
キャッシュフロー計算書
2008年3月期のIPOによって同社の現金同等物は1,560百万円増加したが、同期にはフリーキャッシュフローも1,350百万円創出されている。高水準の営業キャッシュフローは、同社が成長に向けて外部の資本調達源に依存する必要がないことを示している。
営業活動からのキャッシュフロー
2008年3月期と2011年3月期の高水準な営業キャッシュフローは、主に売上拡大による純利益の増加に起因する。同社の場合は、純利益が概ね営業キャッシュフローの水準を決定付けている(すなわち、非現金項目やその他の調整勘定はわずかとなっている)。2006年3月期から2011年3月期にかけての対営業キャッシュフローに占める純利益比率は平均71.2%であり、上昇傾向にある(2006年3月期の55.6%から2011年3月期は78.8%)。
投資活動からのキャッシュフロー
2006年3月期から2011年3月期にかけての主要な投資キャッシュフローは、有形固定資産への投資に関連している。同社の減価償却対象資産の大部分は、工具器具および備品(2011年3月期の有形固定資産の49.7%)に加え、建物(2011年3月期の有形固定資産の35.2%)から構成される。工具器具および備品は償却速度が速く、更新投資へとつながる。
設備投資の額は営業キャッシュフローと比較した場合に限定的といえよう。
財務活動からのキャッシュフロー
2007年3月期および2008年3月期の財務キャッシュフローは株式発行(2007年3月期の第3者割当増資、2008年3月期のIPO)によるものである。同社のビジネス・モデルの特徴である力強いキャッシュ創出能力を考慮した場合、将来的な資金調達ニーズの推定は必要ないであろう。同社の事業から高水準なキャッシュが創出される限りにおいて、財務キャッシュフローは配当支払い(「配当および株主還元」の項を参照)によって決定付けられることになると思われる。
単純フリー・キャッシュフロー
同社の単純フリー・キャッシュフローは純利益と運転資金の増減によって概ね決定される(固定資産は純利益に比較して小規模となっている)。2006年3月期の単純フリー・キャッシュフローは低めの純利益の影響もあってマイナスとなった。2007年3月期の運転資金の変化は、売上拡大に牽引された売掛金の増加を主因としている(詳細は「運転資金の分析」の項を参照)。
同社の単純フリー・キャッシュフロー・イールド(単純フリー・キャッシュフロー/自己資本)は2006年3月期と2007年3月期はマイナスとなったが、2010年3月期は3.3%であった。
その他情報
沿革
1998年 5月:輸入CD・レコードの通信販売を目的に、東京都江戸川区に有限会社スタート・トゥデイを設立
2000年 1月:インターネット上のCD・レコードの輸入販売サイト「STMonline」の運営を開始
2000年 4月:株式会社スタートトゥデイへ組織変更
2000年10月:アパレル商材を中心としたEC事業のさきがけとなるインターネット上のセレクトショップ「EPROZE」の運営開始
2004年12月:セレクトショップ17店舗を統合し、インターネット上のショッピングサイト「ZOZOTOWN」の運営を開始
2005年 9月:ポケットカード株式会社との提携カード「ZOZOCARD」の発行を開始
2006年 8月:ZOZOBASE(物流センター)を開設(千葉県習志野市)
2007年 1月:日本全国のファッションショップ検索ナビゲーションサイト「ZOZONAVI」の運営を開始
2007年10月:提供中の各サービスを統合したファッションポータルサイト“「ZOZORESORT」”の運営を開始
- “「ZOZORESORT」”の運営開始に伴い、ショッピングサイト「ZOZOTOWER」を「ZOZOTOWN」に統合
2007年12月:東京証券取引所マザーズ市場に上場
2009年 3月:メーカー自社EC支援業務の第1号案件である株式会社ビームスが運営するオフィシャルECサイト「BEAMS Online Shop」のEC支援開始
同社の始まりは、同社創設者の前澤友作社長がパンクロック・ミュージシャンおよび高校時代に結成したバンドのリーダーとして生計を立てようとした時にさかのぼる。バンドはそのライブ時に自身のレコードと共に珍しいインディーズ・レーベルCDの販売を行っていた。その経験から需要があることを認識していたため、前澤氏は1995年にインディーズの輸入CDの通販事業を開始した。1998年には同社の前身となる会社を設立した。2000年1月に輸入CDやレコードのオンライン通販専門サイト「STMonline」を立ち上げることで(2006年に分社化)、同社は初めて消費者へのリーチを目的とするインターネットの使用を開始した。同じ年に同社は原宿の裏通り(日本の若者の間で裏原または原宿裏通りとして知られる)にあるようなニッチなストリート・ブランドを発売するオンラインセレクトショップ第1号の「EPROZE」をオープンした。ユナイテッドアローズ、ビームス、シップス等の「セレクトショップ」系大手小売業者(後にSPA型メーカーに進化)はクールなストリート・ブランドが同社のウェブサイト上の販売に同意した事実に感心し、同社に注目するようになった。そのような関心から、同社が小規模な実験的ブランドの販売を行うこととなった。その後、この全3社がすべてのブランドを、2004年12月にスタートしたオンライン・ショッピングモール「ZOZOTOWN」に載せることとなった。この成功を機に、同社は2007年12月に東証マザーズへの上場を果たした。
ニュース&トピックス
2011年10月
2011年10月28日、同社は2012年3月期第2四半期決算を発表した。
(決算短信へのリンクはこちら、2012年3月期第2四半期決算実績の項目へのリンクはこちら)
2011年10月14日、同社は2012年3月期第2四半期累計期間の業績予想を上方修正した。
(リリース文へのリンクはこちら)
2012年3月期第2四半期累計期間
- 売上高:13,786百万円(前回予想13,450百万円)
- 営業利益:3,332百万円(同2,940百万円)
- 経常利益:3,323百万円(同2,945百万円)
- 純利益:2,084百万円(同1,650百万円)
同社は上記上方修正の要因として、1)商品取扱高が、返品受付の開始、ポイント還元率のアップ(1%から3%へ)、ゲスト購入制度の開始の様々な取り組みや新規ショップのオープンなどによって順調に推移したこと、2)販売管理費は、ポイント還元率を変更したことによるポイント関連費用の増加はあったが、人件費等の経費を抑制することができたこと、を指摘している。
通期会社予想については、個人消費の先行き不透明感が拭えない現状を鑑み、修正は行わないと同社は述べている。
2011年8月
2011年8月23日、同社が2011年4月26日開示のリリース文の通り、同社とソフトバンク株式会社(東証1部9984)との合弁会社ZOZOTOWN HONGKONG Co., LIMITEDが中国上海市に100%子会社を設立したと発表した(リリース文へのリンクはこちら)。
- 名称:走走城(上海)电子商务有限公司
- 資本金:HKドル40百万円
- 株主:ZOZOTOWN HONGKONG Co., LIMITEDの100%出資子会社
同社は本件が2012年3月期の業績に与える影響は算定中であり、今後の具体的な協議の過程で業績に重大な影響を及ぼすことが明らかになった場合には、速やかに開示するとコメントしている。
2011年6月
2011年6月23日、同社は「eBay Gmarket CO., LTD」および「eBay Auction CO., LTD」との業務提携に向け基本合意したと発表した(リリース文へのリンクはこちら)。
同社のリリース文によれば、eBay Gmarket CO., LTDは「eBay Gmarket(以下、Gmarket)」を運営する会社であり、eBay Auction CO., LTDは「eBay Auction(以下、 Auction)」を運営する会社であり、「Gmarket」および「eBay Auction」は、BtoC取引をメインとした韓国最大のショッピングサイトであるとのことだ。
「Gmarket」および「eBay Auction」内に新たに追加されるカテゴリー「日本ブランド(名称未定)」に、日本のファッションブランドを扱うECサイトとして「ZOZOTOWN」を出店することについて、同社が上記2社と基本合意に至ったとのことである。両サイトへの「ZOZOTOWN」の出店時期は2011年8月中を予定していると同社は述べている。
2011年6月20日、同社は香港における合弁会社の設立が完了したと発表した(リリース文へのリンクはこちら)。
- 商号:ZOZOTOWN HONGKONG Co., LIMITED (英語名)、啓潮(香港)電子商務有限公司(漢字名)
- 資本金:HKドル 46百万
- 出資比率:同社52.7%、ソフトバンク社:47.3%
(アリババ株式会社に新株予約権を付与しており、新株予約権行使後の出資比率は、同社:50.1%、ソフトバンク社:44.9%、アリババ株式会社:5.0%となる予定)
同社は、本件が2012年3月期の業績に与える影響を算定中であり、今後具体的な内容を協議していく過程で業績に重要な影響を及ぼすことが明らかになった場合には、速やかに開示するとしている。
2011年5月
2011年5月27日、同社は持分法適用関連会社である株式会社クラウンジュエルの株式を追加取得することにより、クラウンジュエル社を完全子会社化することを決定したと発表した(ここをクリック)。
2011年5月18日、同社がZOZOTOWNのグローバルサイト「ZOZOTOWN.com」を同日オープンしたと発表した(ここをクリック)。同社によれば、「ZOZOTOWN.com」は、中国語、韓国語、英語などの5言語の切り替えに対応し、香港、台湾などのアジア諸国をはじめ、イギリス、フランスなどのヨーロッパ諸国、アメリカなどの世界82ヵ国への配送が可能であるとのことだ。
2011年4月
2011年4月26日、同社はソフトバンク社と香港に合弁会社を設立し、その100%子会社として中国にファッションECサイトを展開する会社を設立することで合意したと発表した。合弁会社「スタートトゥデイホンコン(仮称)」に対する出資比率は同社が52.7%、ソフトバンク社が47.3%を予定。合弁会社の100%子会社「スタートトゥデイシャンハイ(仮称)」の設立は2011年7月、事業開始は2011年9月を予定しているとのことである。
2011年4月15日、同社は2011年3月期通期業績予想の上方修正を発表した。修正内容は下記の通りである。
- 売上高:23,801百万円(前回予想23,500百万円)
- 営業利益:5,851百万円(同5,210百万円)
- 経常利益:5,865百万円(同5,210百万円)
- 当期純利益:3,103百万円(同2,920百万円)
同社によれば、商品取扱高が好調に推移し、売上高が前回予想を上回ったとのことだ。そうした売上高の上積みに加え、3月に予定していた広告宣伝を一部実施しなかったことも、営業利益が前回予想を上回った要因であるとしている。なお、今回あらたに特別損失として353百万円の計上を行っており、これによって当期純利益の上方修正が少額に留まっている。この特別損失は、これは東日本大震災に対する復興支援目的で同社はチャリティーTシャツの予約販売を行い、販売総額353百万円を復興支援団体に寄付したことによるものである。
2011年3月
2011年3月23日、同社は「東日本大震災」後の復旧状況について以下のようにコメントを発表している。
被害の状況
- 物流倉庫 ZOZOBASEは既に復旧し3月22日より再稼動している
- 道路事情・配送車輌の燃料事情・東日本の計画停電等の影響により、商品の配送の一部に遅延が生じている
業績への影響
今回の地震が業績に及ぼす影響は軽微
注:同社は、「東日本大震災」についてホームページ上にて別途開示している。
2011年3月14日、同社は3月11日に発生した「東日本大震災」の2011年3月14日時点における影響について、下記のように発表している。
被害の状況
- 物流倉庫ZOZOBASEにおいて、商品・備品の落下、転倒等の被害が発生しており、商品の入庫及び配送を一時停止している
- 復旧見込みについては、確認作業を進めており、判明次第改めて報告する
業績への影響
今回の地震が業績に及ぼす影響は軽微であると想定している。しかし、今後予期せぬ事象により業績に重大な影響を与える事項が判明した場合には速やかに情報開示する。
2011年2月
2011年2月4日、同社は1月度月次商品取扱高および会員数の状況を発表した。
2011年1月
2011年1月28日、同社は2011年3月期第3四半期決算、通期業績予想の上方修正および通期配当予想の増額修正を発表した。
2010年12月
2010年12月14日、同社は同日開催の取締役会で、株式の分割を決議したと発表した。同社によれば、2011年1月31日の株主を対象に普通株式1株につき300株の割合をもって分割する予定。
2010年10月
2010年10月28日、同社は2011年3月期第2四半期決算を発表した。 また、同時にヤフー株式会社(以下、Yahoo! Japan)とファッション関連のサービス領域において、業務提携を行うことで基本合意したと発表した。
業務提携の内容は以下の通りである。
- ファッション製品データベースに関する事業
同社の構築するファッションデータベースを活用した、「Yahoo! Japan」のファッション関連サービス領域の強化
- ECショッピングサイトの連携に関する事業
同社運営ECサイト「ZOZOTOWN」内でのYahoo! Japan ID、Yahoo!ウォレット、Yahoo!ポイントとの連携
同社は、本業務提携の開始により、新規会員の増加や既存会員との取引を活発化させる効果が見込まれるとコメントしている。
2010年10月15日、同社は2011年3月期第2四半期累計期間の会社予想の上方修正を発表した。修正後の会社予想は下記の通りである。
- 売上高: 10,243百万円(前回予想9,690百万円)
- 営業利益: 2,467百万円(同 1,560百万円)
- 経常利益: 2,468百万円(同 1,560百万円)
- 当期純利益: 1,366百万円(同870百万円)
同社は、業績予想を上方修正した理由について、積極的な広告宣伝の実施や取り扱うブランドの拡充によって、商品取扱高が好調に推移したこと、販売管理費も商品取扱高の増加に伴うスケールメリットなどから、抑制されていることを指摘している。一方、通期の会社予想に関しては、積極的な広告宣伝の実施を見込んでいることを理由に据え置いている。
トップ経営者
前澤友作氏が同社の創業者兼社長である。前澤氏から投資家と本レポートの読者に対して以下のようなメッセージがある。「当社は急成長を続けているが、投資家の方々は依然として当社の可能性と将来性を過少評価している」
従業員
2011年3月期時点で、同社の正社員数は284名である。主要指標は下記の通りである。
- 平均年齢: 27.7歳
- 平均勤続年数: 3.3年
- 平均年間給与: 4,401千円
- 労働組合はない
配当および株主還元
同社は配当政策を配当性向25%としている。
IR活動
同社は4半期ごとに決算説明会を開催し、IR情報を掲載するウェブページhttp://www.starttoday.jp/irinfo.htmlの更新を行っている(ただし情報は日本語のみの提供)。
ところで
会社名のスタートトゥデイは米国のパンク・ハードコア・バンドのゴリラビスケッツのアルバム名に由来している。アルバムのスタートトゥデイは1989年に発売され、ハードコア・ファンの間でそのジャンルの決定版のアルバムあるいは音楽スタイルとして見なされている。
同社のショッピング・ウェブサイトの名称「ZOZOTOWN」は、想像と創造(どちらも「ZO」が含まれる)の二つの日本語に基づいて付けられたものである。
「ZOZORESORT」のサービス:
ZOZOTOWN – インターネット・ショッピングサイト
ZOZOPEOPLE – ソーシャル・ネットワーキング型のサービスで、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の親密性とブログ・サービスとしての分断された状態との間のギャップを埋めるようなサービスをめざす
ZOZOQ&A – ユーザー同士の情報交換用の掲示板システム
ZOZONAVI – ユーザーが日本中のファッションブティックを検索できるサービス
ZOZOARIGATO – ユーザーが「ありがとう」のメッセージを投稿するサービス
ZOZOGALLERY – ファッションに関連するPCデスクトップ用壁紙や携帯待受画像を無料で提供するサイト
主要ウェブサイトに加えて、同社は主要携帯会社のネットワークで利用可能なモバイル版のサイトも運営している。






















