ラウンドワン(4680)
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2012年 2月 5日時点
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直近更新内容
概略
2012年1月12日、株式会社ラウンドワンは12月の売上状況を発表した
(月次売上の項目へのリンクはこちら、会社HPへのリンクはこちら)
2011年12月8日、同社は11月の売上状況を発表した.
2011年11月29日、同社は川崎大師店のセール&リースバック契約を締結したと発表した。同契約が損益に与える影響については、既に会社予想に織り込んでいると同社は述べている。
(リリース文へのリンクはこちら)
2011年11月10日、同社は2012年3月期第2四半期決算及び2012年3月期通期会社予想の修正を発表した。
(決算短信へのリンクはこちら、通期会社予想の修正へのリンクはこちら、2012年3月期第2四半期決算の項目へのリンクはこちら)
同日、同社は10月の売上状況を発表した
3ヵ月以上経過した会社発表はニュース&トピックスへ
業績動向
月次動向
2011年12月の売上高は全店ベースで前年同月比0.2%減、既存店ベースでは同4.8%減となった。店舗数は、109店舗である。
四半期実績推移
2012年3月期第2四半期実績
2011年11月10日、同社は2012年3月期第2四半期決算及び2012年3月期通期会社予想の修正を発表した。
第2四半期累計期間の売上高は前年比10.7%増の45,998百万円であった。同社によれば、1)新型ゲーム機の導入、人気作品「ONE PIECE」とのコラボ企画の実施等により業績向上に努めたこと、2)東日本大震災以降、顧客の「安・近・短」嗜好が以前よりも増し、同社サービスに対する需要が堅調であったこと、などが増収に寄与した模様だ。
サービス別の売上状況は以下の通りである(括弧内は既存店ベース)。
- ボウリング:前年比9.2%増(同4.7%増)
- アミューズメント:前年比7.6%増(同3.3%増)
- カラオケ:前年比27.2%増(同20.6%増)
- スポッチャ:前年比8.4%増(同8.4%増)
また、同社の限界利益率は高い(約79%程度とSR社は推定)ことから、営業利益は前年比70.9%増の9,396百万円となった。四半期純利益も特別損失で合計2,594百万円を計上(うちセール&リースバック実施による損失が約2,380百万円)したが、2,430百万円となった(前年同期は四半期純損失5,506百万円)。
会社予想との対比に関しては、上記1)、2)の要因などにより売上高は期初会社予想を約1,600百万円上回った(計画比3.6%増)ほか、経常利益は売上高の増加以外にリース料の減少などもあって期初予想を2,250百万円上回った(計画比47.9%増)と同社はコメントしている。一方、当期純利益はセール&リースバックを実施した際に特別損失が生じたため、ほぼ計画通りの結果であったとのことである。
こうした会社予想との乖離や直近の実勢を踏まえ、同社は2012年3月期通期会社予想の修正を行っている。
財務面に関していえば、同社は、2012年3月期第2四半期累計期間中に、1)町田店の店舗、2)板橋店の店舗、3)難波千日前店(仮称、2012年春オープン予定)の建設用地、を売却すると同時に賃貸借する契約(セール・アンド・リースバック)を締結している。同社が第2四半期累計期間中に計上した特別損失は主に本取引に関連したものとみられる。
同社のリリース文によれば、町田店の売却先はリテール・バルーン合同会社(日本リテールファンド投資法人(東証1部8953)が匿名組合出資を行っている特別目的会社)、残り2物件の売却先はいずれも日本リテールファンド投資法人となっている。
同社は板橋店の売却によって得た資金(約24億円)は有利子負債の返済に充当したとしている。また、難波千日前店の建設用地の売却によって得た資金(約80億円)は、アールワン難波(当該物件所有会社)の有利子負債返済に充当、それによって同社の保証債務は解消された。
2011年3月末の有利子負債は136,159百万円、現預金残高22,773百万円を控除した実質有利子負債は113,386百万円であったが、2011年9月末の有利子負債は125,416百万円、実質有利子負債は98,023百万円となった。同社は期初に2012年3月末の実質有利子負債を98,600百万円まで減少させる計画であったが、半年前倒しで実現した格好。また、実質有利子負債とは別に2011年3月末時点で存在した保証債務約82億円は、難波千日前店のセール&リースバックによってなくなった。
2012年3月期第1四半期実績
2011年8月8日、同社は2012年3月期第1四半期決算を発表した。
売上高は前年比12.9%増の22,238百万円であった。同社によれば、顧客の「安・近・短」嗜好が以前よりも増しているとのことであり、同社サービスに対する需要が堅調であったとのことだ。また、同社の限界利益率は高い(約79%程度とSR社は推定)ことから、営業利益は前年比97.3%増の4,305百万円となった。四半期純利益も特別損失計上が合計17百万円に留まったこともあり、1,821百万円となった(2011年3月期第1四半期は四半期純損失1,392百万円)。
経常利益は会社予想を約1,920百万円上回っており、その要因は、売上の超過達成(約840百万円)、リース料の減少(約290百万円)などとなる。
会社予想では2012年3月期第1四半期の既存店売上高を前年比3.1%増と想定していたが、実績は前年比7.2%増であった。既存店売上高が好調であった理由について、同社は、1)上述したように東日本大震災後、顧客の「安・近・短」嗜好が増したこと、2)既存店の前年同期の売上水準が低いこと、3)料金改定の影響(アミューズメント以外)、などと分析している。サービス別の売上状況は以下の通りである。
サービス別の売上状況は以下。
- ボウリング:前年比11.3%増
- アミューズメント:同11.6%増
- カラオケ:同32.0%増
- スポッチャ:同7.9%増
2012年3月期第1四半期は好調なスタートを切ったが、2012年3月期上期および通期の会社予想は期初の会社予想が据え置かれた。同社は、2012年3月期第2四半期も2012年3月期第1四半期と同水準の業績であるならば、通期会社予想を上方修正するとコメントしている。
2012年3月期上期の会社予想は既存店前年比2.0%増を前提としている。一方、2012年3月期第1四半期の既存店売上高は前年比7.2%増となったほか、2011年7月の既存店売上高は4.3%増と計画を上回るペースで推移している。
2012年3月期の見通し
2012年3月期新規出店
| 2011年9月 | 岐阜 | スタンダード店舗 |
2013年3月期新規出店計画 (2011年8月現在)
| 2012年春頃 | 難波(千日前) | スタジアム店舗 |
| 2012年春頃 | 東京23区内 | スタンダード店舗 |
| 2012年冬頃 | 池袋 | スタンダード店舗 |
同社は2011年11月10日に、2012年3月期通期会社予想の修正を行った。修正後の会社予想は下記のようになる。
2012年3月期通期会社予想
- 売上高:89,500百万円(前回予想88,000百万円)
- 営業利益:16,000百万円(同12,500百万円)
- 経常利益:11,000百万円(同8,000百万円)
- 当期純利益:3,300百万円(同3,300百万円)
同社は、会社予想の修正理由について、第2四半期累計期間の実績及び直近の業績動向を勘案した結果、当初の想定を上回る見込みとなったためと述べている。なお、当期純利益については、下期においても財務体質強化に向けたセール&リースバックを実施することを前提に算出したとして前回予想を据えおいている。
修正後の前提は、既存店売上高が前年比1.7%増(上期実績:同5.7%増、下期計画:同2.2%減)、全社ベースの売上高が前年比6.2%増(上期実績:同10.7%増、下期予想:同6.2%増)である。参考までに前回予想では、既存店売上高が前年比±0%、全社ベースの売上高は前年比4.4%増の前提となっていた。
2011年10月の既存店売上高は前年比4.0%減となったが、同社はこの点について、1)前年同期のハードルが高いこと(2010年10月は既存店売上高が6.0%増と好調であった)、2)土日祝日の天候要因(雨が少なかった、同社の店舗は雨が降ると顧客が増える)、3)個人消費の減速、などが影響しているとみている。11月に入ってからは持ち直しているとのことであり、2011年10月の実績は天候要因などもあって実態より悪かったのではないかと同社は説明している。
同社は2012年3月期中にセール&リースバックを行うことによる損失4,600百万円を見込んでいる。2012年3月期上期とほぼ同額の損失を下期にも計画していることとなり、これによって有利子負債返済を中期経営計画よりも前倒しで実現していく構えだ。
中長期見通し
中期経営計画の概要(2010年8月公表の同社説明資料より抜粋)は以下の通りである:
- 概ね向こう5年(2016年3月期)までに実質無借金体制をめざす。
- 手法として、店舗資産(土地・建物本体)を売却した後、賃借に切り替える(セール&リースバック)手法を活用する。
- セール&リースバック実施の過程で売却損の発生が想定される。売却損のデメリットとしては、会計上、特別損失の発生により当期純利益が減少する可能性、および借入金返済時に、手元資金の流出が発生する可能性が考えられる。一方、メリットとしては、売却後の賃借料(金利負担)が軽減され、店舗収支の改善が期待される。
- この手法の活用により、年間平均200億~300億円の有利子負債を返済する予定。
- 現在稼働中の店舗および計画中の店舗体制下で、仮に各店の売上が現状水準で推移した場合でもファイナンス・リースの低下と賃借料の低下により、2016年3月期までに早期の経常利益200億円体制をめざす。
以下、同社の今後を占ううえで重要と思われる事項を、同社業績説明会(2011年2月16日、2011年5月19日、2011年8月11日、2011年11月14日)および同社に対するSR社のインタビューを基にまとめた。
SR社は、同社が再び成長トレンドに乗るための「必要十分条件」を挙げるとするならば、「必要条件」として有利子負債の順調な返済が、「十分条件」として米国での店舗オペレーションが成功、追加的に出店を行えるようになることがそれぞれ該当すると考える。
1) 2012年3月期下期以降の出店はどうなるのか?
国内
2012年3月期下期以降に出店を予定している難波(千日前)、東京23区内、池袋の各店舗の概況は以下のようになる。同社は、現状の計画以外の出店は原則凍結するとしているが、デベロッパー側で内装も含めた初期投資額の大部分を負担するケースでかつ首都圏立地、ないしは地方の大型ショッピングモール内の立地に限り出店する可能性があるとのことだ。
難波
2012年3月期上期中にセール&リースバック契約を締結済み。同社は2012年春頃のオープンをめざしている。1年間稼働した場合の収益見込み額は、売上高が約2,400百万円、経常利益が約700百万円とのことである。
東京23区内
詳細は未定。大型ショッピングビル内のスタンダードタイプであり、2012年春頃にオープンの予定。
池袋
セール&リースバック契約を締結済みである。2012年冬頃にオープン予定。1年間稼働した場合の収益見込み額は、売上高が約1,600百万円、経常利益が約300百万円とのことである。
海外
2010年8月下旬にオープンした(米国1号店である)ロスアンゼルスのプエンタ ヒルズ モール店が、期待値(当初見込み:年間売上高約600万ドル強)を上回る実績を達成した模様。そのため、同社は追加的に2~3店舗を出店し、1号店同様の結果を収められるか検証していく方針である(米国のボウリング市場については「マーケット概略」を参照)。
同社は米国ボウリング市場に「ラウンドワン」は存在しない、つまり、日本市場に同社が参入した頃と同じように、ボウリングを中心とした複合施設は他になく、差別化による収益機会を米国市場にも見出しているとコメントしている。
2)既存店のセール&リースバックと有利子負債返済
2012年3月期以降においては、順次、既存店のセール&リースバックを実施していくとコメントしている。
中期経営計画のメインシナリオとして、年平均25,000百万円の有利子負債返済を進めることによって、2016年3月末までに実質無借金となることをめざしている。
同社によれば、上記有利子負債返済のシナリオを実現するためには、2012年3月期以降で42店舗から43店舗のセール&リースバックを実行する必要があるそうだ。つまり、年間約8店舗のセール&リースバックを実行していくことになる。平均的な店舗像は、資産が22億円から23億円、負債が19億円、資本が3億円から4億円とのことである。仮に1店舗の売却損が6億円から7億円とすれば、年間約50億円(6、7億円×8)前後の損失を計上。また、年間のキャッシュアウト額を3億円から4億円とすれば、年間のキャッシュアウトは30億円(3、4億円×8)程度になると同社は述べている。
こうしたセール&リースバックによる負債返済年間約150億円(1店舗平均負債19億円×8店舗)に加え、減価償却費相当額(約100億円)の約定弁済を行っていくと、年間の有利子負債返済額が250億円になるというのが同社の計画である。
ちなみに、セール&リースバックの実行は営業キャッシュフローを見据えながら行っていくとのことだ。つまり、営業キャッシュフローの水準が高まる可能性がある上記中期経営計画の後半にかけて、売却物件を徐々に増やしていく意向のようだ。また、2012年3月期以降、売却損を経常利益の範囲内に抑え純損失計上を回避するとともに、純利益を毎期増益させていきたいと述べている。
ただし、上記はあくまでメインシナリオであり、経常利益の水準次第ではより急ピッチでの有利子負債返済が可能となる、あるいは、逆により緩やかなペースで有利子負債返済を行っていくといったシナリオも描けよう。例えば、経常利益の水準が増加した際には、セール&リースバックに伴う損失額を想定よりも増やすことが可能となる。
実際、2011年9月末の純有利子負債は98,023百万円であることを踏まえれば、やや計画よりも前倒しで返済を進めつつあるといえる(単純に年間25,000百万円の有利子負債返済を進めると仮定すれば、2015年9月末までに実質無借金を達成できる計算となる)。そのため、2011年11月14日の業績説明会において、杉野社長は実質無借金を計画よりも前倒しで実現する可能性があるとして、2014年3月末より早い段階での達成も場合によっては有り得るとコメントしている。
3)その他のコメント
- 当面エクイティファイナンスは実施しない(2011年2月16日に開催された同社業績説明会でコメント)
- 2010年8月に米国にオープンした店舗は好調。ロサンゼルスにもう1店舗出店したい
- 資金繰りへの不安を指数化すると、2009年:100、2010年:50とすると現在:10ぐらい(2011年5月19日に開催された同社業績説明会でコメント)
- 2012年3月期は期中借り換え額が約27,100百万円ある。既に約17,300百万円については金融機関等と合意済み。また、残りのローンの融資先は既にリファイナンスに応じた実績のある金融機関である(2011年8月11日に開催された同社業績説明会でコメント)
- 現時点ではヘビーユーザーのウェイトが高いがライトユーザーの来店頻度を高めるような施策を取りまとめて、2013年3月期以降で実施していきたい(2011年11月14日に開催された同社業績説明会でコメント)
- 実質無借金を実現した後に実施を検討しているのは、1)北米への更なる出店、2)国内の同社の店舗が比較的少ない首都圏地域への出店。ともにキャッシュアウトフローを最小限に抑制しながらではあるが、現時点では優先順位が高い(2011年11月14日に開催された同社業績説明会でコメント)
事業内容
概略
コア・ビジネス - 複合アミューズメント店舗の運営
同社は、関西圏ならびに関東圏を中心として全国的に複合アミューズメント店舗を運営している。大阪・京都・兵庫にまたがる一部の地域(「北摂」)では、同社のプレゼンスは極めて高い。同社が提供するサービスはまずボウリングだが、それ以外にアミューズメント(ゲーム)やカラオケそしてスポッチャ(「スポーツ・チャレンジ」という和製英語の略)がある。このように、同社の提供するサービスは多岐にわたるが、それぞれの損益を把握することは容易ではない。すべてひとつの店舗内で来場者に提供されるサービスであり、総費用を適切に配分することが困難なためである。ただし、限界利益率においてはボウリングが最も高く、次にアミューズメントが高いと推定される。ボウリングの限界利益率は90%を超えていると推定される一方、アミューズメントでは景品等にかかる変動費があるため、ボウリングほど高い限界利益率はないものと考えられる。カラオケにおいては、利用者に対して食事や飲み物も提供することから売上高に対する変動費の比率が高く、限界利益率も低くならざるを得ない。また、スポッチャの限界利益率は当初はもっと高いと思われていたが、売上高の絶対額が従来の想定を下回っているため固定費負担が大きくなっていることが理由と考えられる。
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ビジネス
同社の事業における店舗は、「スタンダード型」と「スタジアム型」に分類することができる。スタンダード型では、主にボウリングとアミューズメント(ゲーム)が売上高の構成要素となる。一方、スタジアム型ではスポッチャがこれらに加わることになる。スタジアム型は、スタンダード型に対してより新しい形態の店舗であるが、同社の売上高を牽引すると期待されてきた。しかし、スポッチャは当初の期待を裏切り、最初の流行が過ぎたあと、リピート客は減少した。そのため、最近では、従来のスタンダード型の店舗展開へと同社は再び舵を切っている。つまり、従来のスタンダード型における主力事業であるボウリングとアミューズメントの売上高拡大に再び注力しているのが現状である。一方、スポッチャは顧客をまず店舗に呼び込むための広告塔としての役割を果たしていると考えられる。スポッチャを広告塔として来場者が増加した場合、ボウリングやアミューズメントの売上高も増加することが想定され、この限りにおいてスポッチャの存在も重要であると考えられる。
ボウリング (2011年3月期売上高の36.8%): ボウリングのゲーム料金と貸し靴代等が売上高の主な構成要素である。また、ボウリング場の脇には自動販売機(飲料やスナック等)が設置されていることから、この売上高も同セグメントの売上高に含まれている。
アミューズメント (同41.8%):売上高は、同社が来場者に提供するメダル・ゲームなどのプレー料金で構成される。同社には国内最大のゲームアーケード運営者としての側面もあり、主なゲームメーカーの最新のゲーム機すべてが常に設置されている。ゲームの種類でいえば、メダル・ゲームやUFOキャッチャー等が中心となる。
カラオケ (同 8.0%): 売上高は、カラオケルームのレンタル料金およびカラオケルーム利用者の飲食料金で構成される。
スポッチャ (同 10.4%): 売上高は、スポッチャ施設への入場料で構成される。同施設が設置されているのはスタジアム型店舗(2011年3月期末時点の総店舗数109店中43店)のみであり、スタジアム型店舗の規模はスタンダード型よりも大きい。多くの場合、スタジアム型店舗の屋上階とその下の階が、スポッチャ専用エリアとなっている。ここで利用できるサービスは、リラクゼーション、スリーオンスリー・バスケットボール、旧来のエアーホッケーなどのゲーム、バッティングマシン、インラインスケートなどが含まれる。利用者は一部飲食代を除いて追加料金を支払うことなく一定の時間内においてこれらのサービスのすべてを利用することができる仕組みである。
その他 (同 3.1%)::売上高は、同社の店舗内のハンバーガー店などのテナントからの賃料収入、ならびにその他の各種のアミューズメントサービス関連事業によって構成されている。
店舗展開
同社の複合アミューズメント店舗数は2011年3月末で109店舗。最も古いものは1995年3月期にオープンしている。2005年3月期から2008年3月期にかけてはスポッチャ施設を擁するスタジアム型の出店が中心となったが、2009年3月期以降はスタジアム型がほとんど出店されていない。同社の店舗展開は、新規出店を決定してから実際の営業開始までにおよそ2年程度の期間を要する。同社は出店のペースを落としており、2006年3月期から2010年3月期には年間10店舗以上の出店があったが、2011年3月期の出店は4店舗、2012年3月期は1出店計画しか発表されていない。
基本店舗モデル
コスト分析
同社によると同社の限界利益率は70~80%である。同社の客単価は2,000~2,200円前後で安定的に推移してきており、今後も大きな変化は想定しにくい。従って、同社においてはいかに既存店売上高を拡大するかが、利益を拡大させるうえで重要となる。
同社のビジネスモデルにおいては、施設当たりの固定費が中長期的に減少傾向にある。同社によるモデルケースによれば、新規出店後3年間における年間リース料は203百万円であるのに対して、4年目から6年目までは123百万円、そして7年目では94百万円である。同期間において売上高が一定であると想定した場合、それぞれ売上高に対する比率は、16.9%、10.3%、7.8%である。売上高およびその他の条件が一定とすれば、比率の低下分だけ営業利益率は上昇すると見込まれる。

リース料が低減する理由は、初期投資の一巡効果が徐々に出てくるからである。ボウリング以外の部門においてはリースの更新期間が3年であり、初期投資分が一巡する4年目以降は3年目までと比較してリース料が低下する。ボウリングのリース契約は6年間であるため、当初の6年間においてリース料に変化はみられないが、7年目以降に関してはリース料が低下する。これらによって、4年目ならびに7年目において全体のリース料が前年と比較して低下していくのである。
ボウリングに関しては、売上高に占めるリース料の比率が10.0%と他の部門よりも低く、変動費も少ない(限界利益率が高い)ため同社の利益の柱とされている。さらには7年目以降に関してはリース料の売上高に対する比率が1.1%にまで低下するため、ボウリングの利益率はさらに上昇すると推定できる。ボウリングにおいては、他の部門と異なり実質的に追加投資を行うことなくリースの再契約を行うことができるため、リース料の低下が大幅になるのである。
ただし、ここでは売上高が一定であることを前提としているため、実際には既存店売上高の動向が同社の利益率に大きな影響を及ぼす。現実問題としては、スポッチャの売上高の絶対額ならびに毎年一定の売上高を維持するという想定にやや無理があり、スポッチャの売上高に占めるリース費用の比率は上記の数値よりも実際は大きくなるものと推測される。ただし、それ以外の部門においては同社を分析するうえで、ある程度参考になる数値といえよう。
店舗年齢推移
2009年3月期まで、新規オープン以来1~3年目の店舗数は増加を続けたが、2006年3月期から2010年3月期にかけての店舗拡大ペースは、2011年3月期以降、大幅に鈍化している(詳しくは「業績動向」の項を参照)。従って、同社における店舗年齢別店舗構成においては、固定費負担の少ない4年目以降の店舗の構成比が継続的に拡大することが見込まれる。結果として、同社の固定費負担は今後低下していくことが見込まれている。
過去の急速な店舗展開を支えたSPC(特別目的会社)スキーム
2011年3月期末の店舗数109のうち、SPCスキームを利用したものが約57を占めた。同スキームにおけるノンリコースローンにおいては、日本における一般的な融資形態であるリコースローン以上に自己資本にレバレッジをかけた借入が可能となり、同じ資本金額でより多くの店舗展開が可能となった。この方法で同社は急速な店舗展開を実現してきたのである。例として、同社のSPCスキームではSPCの資産のおよそ30%が同社からの出資で賄われ、残る70%がノンリコースローンで調達されるという形態が挙げられる。
このSPCスキームにおける設備のリース契約期間は7~8年であるのに対して、ノンリコースローンの期間は5年である。同社は当初、万が一債務不履行が発生したとしても、当該物件の他用途への転換が難しいことから、同社は当該物件における営業をリース期間においては継続できる可能性が高いとみていた(むしろ債権者からすれば、そのような事態を回避するためにもリファイナンスに協力的な立場を取る可能性が高いと思われる)。しかし、2011年3月期に厳しい調達環境に直面した同社は、新たに中期経営計画を策定。セール&リースバックを活用して、負債を返済していく方向に舵をきった。
このSPCスキームにかかるノンリコースローンの長期借入金分(1年内返済予定となった長期借入金を含む)合計は2011年3月期末で41,848百万円であった。
SPCの運営資金に充てられる債券については、ノンリコースローンが償還期日を迎えるにつれ、徐々にリコースローンに変わってきている。
SW(Strengths, Weaknesses)分析
強み(Strengths)
- 同社のビジネスモデルは、一つの大型アミューズメント施設内にボウリング、ゲームセンター、カラオケを組み合わせ、集客力を高めると同時に営業収入を安定化させている点でユニークがある。各々、市場の成長は見込めないかもしれないが、同社はそうした市場動向をむしろ利用することで、全国展開する複合アミューズメント施設の唯一の運営事業者として拡大を続けることが可能となっている。新規参入者のみならず、これら3つの各個別市場の既存業者でさえも、複合アミューズメント市場に今から進出することは難しいと思われる。実際、過去に大手ゲームメーカーがそのような試みを行ったが、(おそらく)ボウリング場の黒字運営という巧妙な技術と能力を習得できなかったために、その試みは失敗に終わっている。
- 力強いブランド力。同社は顧客認知度が高い、主要テレビ局のCMを通じてブランドを宣伝することで、全国展開を行う同社のプレゼンスをさらに高めることが可能である。
- 力強いキャッシュフロー創出力。過去10年間の高い収益成長が今後も続く公算は低いものの、出店の波が一度沈静化すると、同社のアミューズメント施設はボウリング愛好者だけでなく投資家にとっても喜ばしいものとなろう。ただし、そのためにも既存店売上高の減少を食い止めることが重要な条件となる。
弱み(Weaknesses)
- 小売業者などと比較した場合、出店のリスクが大きい。小売業者の場合、店舗のスクラップ・アンド・ビルドが比較的容易であるのに対して、同社の設備はかなり大がかりかつ特殊であるため、新規出店を決定してから営業開始までに2年前後の期間を必要する。一方、撤退する場合にも大きな除却損が発生する可能性がある。ただし、2011年3月期に出店した府中駅前店は居抜き物件の活用であったこともあり、出店を決定してから営業開始まで約半年であった。今後の出店がこうした居抜き物件の活用であれば、出店リスクは軽減される余地がある。
- 既存事業に特化する方針のため、市場でのプレゼンスがある一定の水準にまで到達した段階で、成長率は減速せざるを得ない。海外進出は既存事業の地域的な拡大と看做すこともできるが、カントリー・リスクやコイン・ゲームなどに係る規制の差異などがあり、一概に国内でのノウハウがそのまま活かせるかどうかは不透明である。
- 積極的な投資戦略の収穫期となるはずであった現状でも、日本経済低迷の影響で売上高が伸び悩んでおり、短期的には財務体質の急速な改善が望めない。
市場とバリューチェーン
マーケット概略
1960年代に初めて日本に入ってきたボウリングは日本人に広く受け入れられた。当時ボウリング場に適した土地の保有者は、余剰資金がある限りにおいてまずボウリング施設への投資を躊躇しなかった。日本国内のボウリング場の数は最盛期には4,000ヵ所に達したが、今日では900程度にまで減少してきている。ボウリングをするのに何時間も行列していた昔と比較すれば、隔世の感が否めない。今日では日本人のアミューズメントやエンターテインメントの楽しみ方もかなり多様化しており、ボウリングへの支出割合は減少傾向が続いているようである。
同社が事業を行う市場に大きな成長性があるとは考えにくい。しかし、サイクルは存在しよう。もっとも、一般的な在庫循環や設備投資循環などの景気循環というよりは、同社の提供するアミューズメントとそれ以外のアミューズメントやエンターテイメントとの兼ね合いによるものである。例えば、ボウリングに自動スコアリング・システムが導入された際には、これがボウリングの再ブームにつながったことがあった。また、一方では携帯電話の若年層への浸透が急速に進んだ時期に、彼らの支出が携帯電話関連領域に集中したため、同社の店舗への来場者数や同社売上高にネガティブな影響を与えることがあった。家庭用ゲーム機器の発売や人気ソフトの発売など、同社の来場者数や売上高に影響を与える事例には事欠かないが、概してどのサイクルも短期的な調整に終わる傾向がある。一方、同社が事業を行う市場は長期的には緩やかな縮小傾向にあるといえる。
2011年3月期末時点で全国109店舗を展開する同社は、国内ボウリング市場においておよそ3分の1のシェアを占めると推定される(金額ベース)。店舗数でのシェアは10%前後に過ぎないものの、平均的なボウリング場に比べて同社は一店舗当たりのレーン数が多く、金額ベースでのシェアは店舗数ベースよりも高くなる。同社がボウリング市場に参入したのは1980年代初頭であり、今から振り返れば、同市場に新規参入が可能な最後の時期であったようにも思われる。後発の同社は、ゲームなどの他のアミューズメントを組み込んだ新しいボウリング場を開発し、それを「ラウンドワン」ブランドを冠した全く新しい複合アミューズメント店舗に発展させたのである。日本のボウリング市場の規模は、現在800億~900億円市場と推測されるが、毎年約10ヵ所の施設が閉鎖されてきたことを踏まえれば、今後も市場の縮小は続くものと考えられる。ただし、同社は数ある弱小運営業者が次第に市場から撤退する一方で自らの市場シェアを拡大させ、売上高の成長を達成できる可能性が高い。
以前の市場拡大や、市場の拡大見込みに応じて過剰に開発・供給されたゲームおよび施設のために、アーケードゲーム市場は飽和状態にある。市場規模はピーク時の7,000億円から約5,000億円に縮小。一部の既存事業者は、市場の縮小を受けて同事業について再検討するに至っている。全国展開する大手事業者のなかには、より小規模な地方企業に事業を売却する動きもみられる。メーカーがゲームタイトルの製造を抑制するなど、設備過剰は関連企業も含めて業界全体に波及している。実際、小規模なゲームセンター事業者は資金繰り面での課題から新たなゲーム機を導入できず、メーカーも生産するゲームタイトル数を減らさざるを得なくなり、回りまわって、大規模ゲームセンター事業者が導入するゲーム機の選択肢も狭まるという悪循環が起きている。
米国市場
同社は2010年8月下旬に米・ロスアンゼルスに海外1号店を出店した。同社は今後も米国市場における出店を検討している。同社の2012年3月期第1四半期説明会資料によれば、米国ボウリング市場は以下のようになる。
(概要)
- 市場規模:70億ドル(1米ドルを80円とすれば、日本の約6.7倍の市場規模)
- センター数:5,350センター(民営:約4,800センター/その他(軍・協会等):約550センター)
- 参加人口:約7,100万人(1年に1回以上ボウリングをする人口)
その他特徴は以下。
- 大手2社が400店舗、準大手が50店舗程度で、その他のほとんどは家族経営である
- 不況時に強く、ここ数年間は安定成長を継続している
- 古いタイプのボウリング場は年々閉鎖され、ボウリング以外のアイテム(ゴーカート、アーケードゲーム、ミニゴルフ等)で複合化された店舗が年間20~50店舗建設されている
- 他のレジャー (ゴルフ、釣り、テニス、ビリヤード、サイクリング、ローラースケート、アイススケート、マラソン)に比べて参加率が非常に高い
- 身近な社交の場として、平均所得者以上の層の利用割合が増えている
顧客
同社の施設への来場者の世代別構成比は、10代および20代の若年層が全体の50%前後、30代および40代が10%から20%前後、残る世代が30%から40%である。日本における人口減少や少子高齢化が進む中で、主要顧客層である若年層は、中長期的に減少する可能性が高く、結果として、同社にとって来場者数の減少にも直結しかねない。ただし、同社の複合アミューズメント店舗に慣れ親しんだ現在の若年層は30代、40代になってもリピーターであり続ける可能性があり、必ずしも悲観的になる必要はないとSR社では考える。
サプライヤー
特に主だった調達部材は存在しない。同社の店舗における設備も資産として取得したものではなく、リースされているものがほとんどである。アミューズメント(ゲーム)のゲーム機器に関しては、セガサミー(東証6460)、バンダイナムコ(東証7832)ならびにスクエア・エニックス(東証9684)の子会社であるタイトーが主要メーカーであり、これらの企業も同様に自らゲームセンターを運営している。これらの主要ゲーム機器メーカーにとって同社は最大手顧客であると推測されるが、同社は大量購買による割引などを受けていないとのことである。ただし、これらの業者は同社に対してゲーム機器の納期などでは特別な便宜を図っている。
参入障壁
同社の各事業領域においては、表面上、参入障壁はないように思われる。ただし、各アミューズメント施設を単独で運営するのではなく、全国に複合アミューズメント店舗を展開できるノウハウは専ら同社だけが有しているものであり、これが参入障壁になると考えられる。また、市場における同社のブランド認知度は極めて高く、単独のアミューズメント施設を運営する弱小業者には、このブランド力も参入障壁になるものと考えられる。加えて、設備投資に数10億円規模を要するため、こうした投資負担も参入障壁として存在する。一方、同社に対するゲーム機器の納入業者は市場参入を試みてきたが、こうした参入障壁の存在のためか、これまでのところいずれも失敗に終わっている。
競合環境
同社は複合アミューズメント店舗を全国的に運営するという点でユニークな事業体であるため、厳密な意味での競合他社は存在しない。広義には、一般のボウリング場、ゲームセンター、カラオケボックスなどすべてが競合他社であるともいえるが、同社によれば「ラウンドツー」は存在しないとのことである。ボウリングに関しては、スポルトがシェアで第2位と推測されるが、14店舗のボウリング場を運営しているに過ぎない。アミューズメント(ゲーム)では、セガサミー(東証6460)、バンダイナムコ(東証7832)、スクエア・エニックス(東証9684)の子会社であるタイトーなどが競合他社となるが、いずれも複合的なアミューズメント店舗を全国展開しているわけではない。また、アドアーズ(東証4712)やウェアハウス(東証4724)なども競合他社として挙げられるが、同社にとっての最大の収益源と目されるボウリングに深く関与していないことに加え、規模的に直接比較できる段階には至っていないといえるであろう。
代替品
同社のサービスは利用者に対してアミューズメントやエンターテインメントを提供するものであるため、いかなる他のアミューズメントやエンターテインメントも同社のサービスの代替品となり得る。ただし、同社の主力であるボウリングに関しては、どの世代の利用者も一緒になって楽しめ、スポーツとしての性格もあり、時間的にも金銭的にも負担が小さく、覚えるべきルールもほとんどないなどの特色がある。よって、ボウリングに対する需要が現状以上に急速に低下するとは考えにくい。アミューズメントやエンターテインメントの多様化傾向は続くであろうが、ボウリングは長期的にみても独立したカテゴリーとして存在し続ける可能性が高い。
グループ企業
以前、同社にはポイントカード発行を行う連結子会社が存在したが、損益悪化のため2002年3月期には同事業は清算され、2003年3月期以降は連結決算自体が取り止めとなった。一方、2002年からはリース会社の勧めに従い、SPCスキームを活用した新規出店が開始されている。当時の関係法令に則ればSPCはオンバランス化する必要がなく、連結財務諸表の作成・提出も義務づけられていなかった。ただし、2007年3月期の段階では、SPCを連結対象とすることが義務づけられ、SPCにかかる資産ならびに負債などが同社の連結財務諸表に反映されることとなった。
損益計算書に関しては、売上高、経常利益ならびに当期純利益は単体ベースと連結ベースでほぼ同一であるが、営業利益段階では、ラウンドワンがSPCに賃料を支払うことから差異が生じる。ただし、ラウンドワンが支払う賃料から支払利息、設備修繕費、事務委託料などを差し引いた残存額のすべてを配当として出資者のラウンドワンに支払うため、経常利益段階での格差は生まれない。ひとつのSPCの資産はおよそ10%が親会社ラウンドワンからの出資で賄われ、残る90%がノンリコースローンによって賄われるケースが多い。貸借対照表に関しては、SPC関連のノンリコースローン残高が単体ベースでは計上されていないため、連結ベースでの分析が必須である。同社の資料によれば、2011年3月期末時点で連結子会社にはSPC4社、匿名出資組合57社が含まれる。両者はテクニカルな面で相違するところがあるが、いずれも会計上の取り扱いに実質的な格差があるものではない。 なお、2011年3月期からは 米国子会社Round One Entertainment Inc.が連結対象となっていることにより、売上高から純利益まで単体ベースと連結ベースに差異が生じている。
戦略
既存店売上高回復に注力
2009年8月10日に行われた決算説明会において杉野社長が強調したのは以下の3点である。
- 既存店売上高を前年同期比で、できるだけ早くプラスに回復させそれを維持するための施策を実行する。
- 財務体質改善のために、国内においてはしばらく新規出店を手控える。
- 将来的には国外で本格的な店舗展開を立ち上げる。
国外での本格的な店舗展開に関しては、既存店売上高の回復ならびに財務体質改善が一定レベルまで実現できた段階において実行に移されるものである。杉野社長によれば北米に限らず国外展開は、超長期的にみて同社にとって避けて通れないものであるとのことである。国内展開のみにとどまりながら既存のビジネスモデルに特化していれば、いずれは成長できなくなるというのが基本的な考え方である。同社は、2010年8月にカリフォルニア州ロサンゼルスのショッピングモール内に海外1号店をオープンさせた。そもそも杉野社長が1980年頃からボウリング場の経営をはじめた理由は、同業他社よりも低い費用で同業他社よりも質の高いサービスを提供できることに確信をもったからである。直近の同氏の分析によれば、北米での店舗展開においても同様の確信がもてる状態にあるとのことである。
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過去の財務諸表
前期以前の業績概況(参考)
2011年3月期通期実績
2011年5月11日、同社は2011年3月期通期決算を発表した。
売上高は前年比2.7%増の84,303百万円であった。2010年3月期中に出店した11店舗の通期寄与や2011年3月期中に出店した4店舗の寄与により増収となった。営業利益は前年比5.1%減の11,416百万円であった。既存店の売上高が前年比2.2%減となったことが響いた格好。また、経常利益は支払利息の増加もあって前年比11.7%減の6,929百万円となった。当期純損失12,673百万円となったが、これは特別損失27,280百万円を計上したことが主因でる。特別損失の主な内訳としては、出店計画変更損失21,451百万円、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額3,173百万円、減損損失1,796百万円などが挙げられる。出店計画変更損失とは、保有店舗の土地・建物を売却し、賃貸借契約に切り替える際に生じたものである。
経常利益は会社予想を約1,100百万円程度下回って着地したが、要因はアミューズメント基盤の一部のリース減価償却方法を定額法から定率法に変更したこと(約500百万円)、売上高の未達(約190百万円)、人件費の増加(約250百万円)などである。
当期純損失は12,673百万円と会社予想を1,173百万円下回ったが、これは上記のように経常利益が計画を下回ったこと、特別損失が27,280百万円と会社予想の同26,500百万円よりも膨らんだためである。特別損失が会社予想を上回った理由は、東日本大震災に伴い災害損失引当金繰入額363百万円を計上したことなどである。
2011年3月期第3四半期実績
2011年2月10日、同社は第3四半期の決算を発表した。また、同時に通期業績予想の修正を発表した。
2011年3月期通期業績予想の修正内容は以下の通り。
- 売上高:84,500百万円(前回予想86,000百万円)
- 営業利益:13,000百万円(同14,000百万円)
- 経常利益:8,000(同9,000百万円)
- 純損失:11,500百万円(同2,400百万円の純損失)
同社は売上高の下方修正について、第3四半期までの実績を鑑み、売上高の回復が想定以上に緩やかであるためとコメント。営業利益および経常利益については、同社の費用の大部分が固定費であるため、売上高の減少影響であるとしている。また、当期純損失の拡大については、既存店舗を含む出店形態の変更損失で特別損失13,100百万円 を追加計上(2010年10月22日開示の特別損失に加えて)するためとのことだ。SR社はこの特別損失の主因は、同社が以前より言及してきた梅田店のセール・アンド・リースバック実施によるものと推測している。
2011年1月の既存店売上高は前年比横ばいとなったが、これはアジアカップサッカーの日本戦が週末に集中したことなど、特殊要因もあったとのことである。曜日あるいは特殊要因を除いた既存店売上高は2010年10月以降、概ね前年比3%から4%増で推移していると同社はコメントしている。
足下(2011年2月)の動向に関しては、カラオケとスポッチャが好調、続いてアミューズメントが好調で、ボウリングが前年並みとのことである。カラオケに関しては、新機種「JOYSOUND CROSSO(エクシング社)」、「LIVE DAM(第一興商社)」を導入した効果が、アミューズメントに関しても新型機種を積極的に導入している効果が表面化していると同社はみている。一方、スポッチャについては前年のハードルが低いこと、テレビCMを投入している効果と同社は推測している。ただし、今後も好調に推移するかどうかについては、不透明感が強いともコメントしている。ボウリングについては、2010年10月に既存店の前年比がプラスに転換したが、その後は再び前年割れとなっている。
2011年3月期第2四半期実績
2010年11月10日、同社は第2四半期の決算を発表した。2010年11月5日に修正した予想値通りの着地だった。通期予想に対する第2四半期累計実績の進捗率は下記の通りである。
- 売上高: 48.3%(通期予想は86,000百万円)
- 営業利益: 39.3%(同14,000百万円)
- 経常利益: 34.6%(同9,000百万円)
- 純損失: 5,506百万円(同2,400百万円の純損失)
第2四半期累計実績は、経常利益3,114百万円と当初予想の同4,500百万円を1,386百万円下回った。この要因としては売上の未達が主因である。同社は限界利益率が高いため、売上高を当初前年比5.1%増とみていたが、実績は前年比1.8%増に留まったことが減益要因として響いた格好だ。また、当期純損失の計上に関しては、第1四半期に資産除去債務費用として3,173百万円、第2四半期に池袋の不動産売却に伴い8,800百万円をそれぞれ特別損失として計上したことによる。
通期予想について、同社は上期計画の未達分を下期で補えるとして、2010年10月22日の修正値を据え置いている。その根拠として同社は以下の点を挙げている。
- 既存店売上高は2010年10月には40ヵ月ぶりに既存店売上高がプラスとなった(前年比6%増)
- 今後もアミューズメント施設における大型機器の導入や新たなカラオケ機器の導入により、堅調に推移するものと想定している
2010年10月の既存店売上高は、前年に比べて日曜日が1日多いことを差し引いても実質的に4%前後の伸びだった模様だ。ただし、ボウリング、スポッチャなど2010年9月までマイナス基調が続いていたところが改善した点について、理由ははっきりしていない模様であり、同社は「要因について仮説が立てられるようになるのは3ヵ月連続でプラスになったときである」とコメントしている。
アミューズメントに関して、同社は、2010年10月下旬に体感ゲーム「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス(バンダイナムコ社)」を導入済みである。また、2010年11月下旬にカードゲーム「戦国対戦(セガ社)」、2010年12月に体感ゲーム「メタルギア・アーケード(コナミ社)」、メダル・ゲーム「パノラマファンタジー(コナミ社)」など新型機種を積極的に導入する予定である。また、カラオケに関しては、2010年4月に全店舗の3分の1に新機器の「JOYSOUND CROSSO(エクシング社)」を導入して以降、堅調に推移してきたが、2010年11月にも全店舗の3分の1に新機種の「LIVE DAM(第一興商社)」を導入している。
2011年3月期第1四半期実績
2010年8月9日、同社は第1四半期の決算を発表した。上期予想に対する第1四半期実績の進捗率は下記の通りである。
- 売上高: 45.9% (上期予想は42,900百万円)
- 営業利益: 32.1% (同6,800百万円)
- 経常利益: 21.9% (同4,500百万円)
- 四半期純利益: △1,392百万円(同680百万円)
当第1四半期より会計基準の変更に伴い、資産除去債務に関する会計基準を適用したことから3,173百万円の特別損失を計上、四半期純利益は1,392百万円の損失となった。
資産除去債務による特別損失があらかじめ計画に織り込まれていたこともあり、上期および通期の業績予想に変更はなかった。ただし、ボウリング事業の既存店売上の減収が続いていること、特別損失が追加で計上される可能性があること(中長期見通しの項目を参照)などを踏まえ、SR社では会社計画の達成は困難ではないかと推測している。
2010年3月期通期実績
2010年5月14日、同社は2010年3月期通期決算を発表した。
売上高は82,113百万円(前年比5.3%増)、営業利益は12,031百万円(同 11.6%減)、経常利益は7,848百万円(同19.9%減)、当期純利益は3,396万円(同 14.6%減)であった。
同社の通期業績予想値(修正後)に対する達成率は以下の通り。
- 売上高: 98.9%(通期業績予想は83,000百万円)
- 営業利益: 91.8% (同 13,100百万円)
- 経常利益: 87.2% (同 9,000百万円)
- 当期純利益: 82.8% (同 4,100百万円)
2010年3月期 業績のレポートカード(第4半期初修正予想比)
売上高
目標: 830億円 (前年同期比6.4%増)
実績: 821億円 (前年同期比5.3%増)
売上総利益
目標: 14,800百万円(前年同期比3.5%減, 売上総利益率17.9%)
実績: 13,800百万円(前年同期比10.1%減, 売上総利益率16.8%)
販管費・営業利益
目標: 販管費 1,700百万円 (前年同期比1.1%減; 販管費率2.1%)
実績: 販管費 1,800百万円 (前年同期比1.2%減; 販管費率2.2%)
目標: 営業利益 13,100百万円 (前年同期比3.8%減; 営業利益率15.8%)
実績: 営業利益 12,000百万円 (前年同期比11.6%減; 営業利益率14.7%)
経常利益
目標: 9,000百万円(前年同期比8.1%減; 経常利益率10.8%)
実績: 7,800百万円(前年同期比19.6%減; 経常利益率9.6%)
当期純利益
目標: 4,100百万円(前年同期比3.1%増; 純利益率4.9%)
実績: 3,400百万円 (前年同期比15.4%減; 純利益率4.1%)
2010年3月期の業績は全般的に不振だったが、これは当初から想定されていた。また、同社も期中、厳しい状況を継続的に報告してきた。しかし、2010年3月期業績は2010年2月に行われた下方修正後の会社予想をも下回った。
同社は引き続き、再成長路線に戻ろうと努力を続けている。2010年5月末現在、既存店売上高は底を打ったとみられることから、2011年3月期会社予想は以前の会社予想より信頼性が高まった可能性が高いとSR社では考えている。2011年3月期の会社予想詳細とSR社による分析は後述の通り。
2010年3月期決算ハイライト
2010年3月期は試練の年となった。同社の業績に影響した幾つかの外的要因の中でも特に、消費活動の低迷と年初に勃発した新型インフルエンザが深刻な影響をもたらした。新型インフルエンザの影響は特に大きく、ウイルス感染に対する人々の恐怖心のみならず、学校当局から「子供を人ごみに連れて行かないこと」という再三の呼びかけがあったことが消費者行動に響いたようだ。所得減少と高速道路料金の引き下げを背景に、人々の足が近隣の娯楽施設からより遠方へと移行したことも、ラウンドワン施設の集客減少に影響したものとみられる。
また 、メダル・ゲームの新型ヒット機種などの投入もなく、アミューズメント収入が減少したことも、全般的な来場頻度の低下につながったものとみられる。
ポジティブな材料として、同社は、複数の特別目的会社を活用した借入金の借り換えなどを完了し(連結ベース既存ローン128億円の借り換えを完了した)、事業の存続自体を脅かしかねない、突然降ってわいた問題をひとまず乗り切ったことが挙げられよう。もっとも、今後の借り換えに関する不確実性は残っている(2010年3月期決算説明会のプレゼンテーション資料によると、総額約177億円の借り換え需要が2011年3月期にあり、この交渉が進行中である。また、2012年3月期から2013年3月期に関しては合計397億円の借り換えについて交渉中であるとのこと)。
他にポジティブな材料として、すべての店舗に設置されたネットワークボウリングの成功が挙げられる。ラウンドワンの全国的店舗展開と、市場占有率の高さ、同社の革新的アイディアなどにより可能になったこの新しいアプローチが、 ボウリング収入の減少ペースに歯止めをかける一助となったようだ。
2010年3月期第3四半期実績
2010年2月10日に同社は第3四半期の決算を発表した。通期予想に対する第3四半期累計実績の進捗率は下記の通りである。
- 売上高:72.1% (通期予想83,000百万円)
- 営業利益: 58.6% (同13,100百万円)
- 経常利益: 51.4% (同9,000百万円)
- 純利益: 54.3% (同4,100百万円)
2010年3月期第3四半期(2009年10月~12月)の売上高は19,002百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は1,639百万円(前年同期比22.2%減) という結果であった。
第3四半期の新規出店は3店舗で、2009年12月末の総店舗数は104店舗となった。
同社は2010年3月期通期の業績予想を第3四半期の決算発表と同時に下方修正した。詳細は以下の通り。
- 売上高:83,000百万円(以前の予想より3.5%減)
- 営業利益:13,100百万円(同10.3%減)
- 経常利益:9,000百万円(同14.3%減)
- 当期純利益:4,100百万円(同16.3%減)
第3四半期はボウリングの売上高は6,850百万円(前年同期比6.2%増、通期予想の70.5%)であった。第3四半期の既存店売上高は前年同期比8.6%減(9ヵ月累計では同3.5%減)となった。売上の減少は景気低迷と新型インフルエンザへの懸念による需要の落ち込みによるものであった。同社との取材を通じ、SR社は、現在の事業戦略が景気回復を待ちつつ、以前から実施している戦略的損益改善策(限定的な割引とダイレクト・マーケティング)を継続させていくことにあると考えている。ネットワーク型ボウリング対戦システム「がんばれ!ぼうりんぐ番長!」(「事業内容」を参照)が好評であることは明るい材料であり、同社では約百万人のボウリング対戦システムのユニーク・プレーヤー総数と既存店売上高の増収(6%~7%)を見込んでいる。
厳しい経済状況が中小の運営業者を弱体化させ、究極的に業界内での淘汰が進むと同社はコメントしており、ボウリング業界の競合状況については慎重ながらも楽観的に見ている様子であった。短期的には、2011年3月期第1四半期の広告宣伝を強化し(販促媒体の中でテレビの比率を拡大)、ゴールデンウィーク中の売上をテコ入れする計画を打ち出した。
アミューズメントの売上高は8,275百万円(前年同期比8.3%増、通期予想の73.5%)であった。既存店の減収の主因は家族の来店頻度の低下とゲーム・コンテンツの不振であった。同社によれば、ファミリーの来店頻度は前年同期比で約20%低下し、アミューズメント事業の既存店減収率9%のうちの約6%超を占めたという。ファミリーの客足は新型インフルエンザ懸念が沈静化すれば回復に向かう見通しであるが、コンテンツについては同様な回復は見込めない。コア・ゲームプレーヤーは一般にメダル・ゲームを行うことが多く、メーカーによる新型ゲーム機の投入ペースが鈍化している。同事業に明るい兆しがないわけではなく、UFOキャッチャーが前年同期比でプラスの伸びを見せている。同社は市場での淘汰が始まっており、残りの運営業者がその恩恵を受ける可能性があることも指摘している。
第3四半期の決算説明会において、同社はゲーム・コンテンツを強化し業績を向上させる点を強調した。2月にはコナミからの約100種の新型機の導入があり、さらなる導入も予定されている。同社は、たとえゲーム機の値上げにつながったとしても、メーカーが広告宣伝を拡大させることを望むとコメントした。
事業別の第3四半期売上高は以下の通りである。
- カラオケ:1,452百万円 (前年同期比6.6%増)。通期予想に対する第3四半期累計売上高の進捗率は72.2%である。 既存店売上高は第3四半期累計ベースで前年同期比13.0%減、第3四半期だけでみれば同15.3% 減となっている。
- スポッチャ: 1,755百万円 (前年同期比7.8%減)。通期予想に対する第3四半期累計売上高の進捗率は72.0%である。 既存店売上高は第3四半期累計ベースで前年同期比9.2%減、第3四半期だけでみれば同16.6% 減である。
- その他:668百万円 (前年同期比13.8%増)。通期予想に対する第3四半期累計売上高の進捗率は72.8%である。既存店売上高は第3四半期累計ベースで前年同期比0.2%減、第3四半期だけでみれば同12.1% 減である。
同社は、赤字店舗数の削減(2010年3月期第3四半期時点で104店舗中13店舗が赤字)と有利子負債の削減等、短期および中期的な財務の改善に注力している。一方、店舗年齢の上昇は、収益性の改善に貢献する。賃借料が開店4年目以降約7%低下し(コスト構造分析を参照のこと)、2011年3月期の店舗のうち、約70%が4年以上の店舗年齢となっている。そのため、店舗の閉鎖は黒字化努力が失敗に終わった場合に選択する最後の手段とされている(店舗閉鎖コストは700百万円~1,300百万円)。同社は10年以内にほぼ無借金とする内部目標を打ち出したが、2010年3月期第3四半期末の貸借対照表上のSPC関連有利子負債(短期負債を含む)は約63,000百万円であった、
SR社は、2011年3月期のリファイナンス額が約14,000百万円となり、そのうち約3,000百万円はSPCの自己資本を強化する目的で出資が必要となると理解している。SPCの有利子負債のリファイナンスではノンリコースローンがリコースローンに置き換えられることになるが、このことは、全体のコスト(設備リース料が主にSPCによる支払利息に等しく、一般に社債はノンリコースローンよりも低めの支払利息となっている)にプラスの影響を及ぼすものと思われる。
転換社債に関する追加情報
日興シティグループ証券による空売り(日興シティグループ証券が同社の転換社債を購入する前)のために、杉野社長が貸株を行ったが、このことに対して一部の個人投資家は自己売買ではないかとの懸念を抱いているようである。杉野社長はこの行為がいかなる自己売買にも該当せず、リーマンショック後の貸し渋りで生じた資金調達危機から会社を脱却させる唯一の手段であると主張している。実際、日興シティグループ証券が株価変動リスクのヘッジ手段(株式の空売りを通じて実施)を講じずに転換社債の買い手となることは不可能であった。また、日興シティグループ証券はそもそもリスクを負って同社の転換社債を引き受けると決断した唯一の証券会社であった。
転換社債を購入する投資家は一般に、債券部分と比較した転換オプションの価値に投資妙味を見ている。このようなオプションは(株価が転換価格を上回ることで生じる)転換の確率に基づき評価される。株価とオプション価値を切り離すために、転換社債の投資家の多くは株式の空売りを行い、株価の損益を相殺させている(投資家は社債の転換を通じて株式のロング・ポジションを取り、さらに空売りを通じて株式のショート・ポジションをとることで、正味エクスポージャーはゼロとなる)。
2010年3月期第2四半期実績
2009年11月11日に発表された第2四半期累計実績は、売上高が前年同期比で5.4%増加したものの、営業利益が同19.2%減、経常利益が同32.0%減、当期純利益が11.8%減という結果であった。消費の低迷と新型インフルエンザへの懸念が客足を鈍化させ、10月末にかけての事業環境に悪影響を及ぼしたと同社は説明している。景気低迷による悪影響は今後も継続すると同社は見ており、営業時間の延長や顧客増を狙った取り組みなど、戦略的な損益改善策を進めている。具体的には、大多数の店舗において10月31日から営業時間が延長された(週末は24時間営業)ほか、よりローコストのダイレクト・マーケティングで集客する、モバイル会員制度を導入した。同社はまた、人気の高い「がんばれ! ぼうりんぐ番長!」に備わったトーナメント方式のプレーを向上させ、ネットワーク型対戦機能をさらに強化したことを発表している。
通期業績予想は、当初予想から下方修正された。売上高86,000百万円(期初予想から5.5%下方修正)、営業利益14,600百万円(同11.5%下方修正)、経常利益10,500百万円(同19.2%下方修正)、当期純利益4,900百万円(同22.2%下方修正)を見込む。
事業別の具体的概説と見通し
アミューズメント
ゲームの売上高は期初会社予想を下回ったものの、四半期実績としては前年同期より185百万円増加(前年同期比1.1%増)した。新しいゲームタイトルの不足と景気低迷が計画を下回った要因であると同社はコメントしている。景気低迷による悪影響が今後も存続すると見込まれる一方、市場に新タイトルが投入され売り上げが伸びる可能性や、民主党が提案する景気刺激策が消費者の支出にプラスの影響を与えることも考えられ、下半期に入る段階での当該セグメントの見通しは不透明である。
ボウリング
新型インフルエンザへの懸念から、ボウリングの売上高は会社予想を下回った。具体的には、一部の顧客(熟年層、ファミリー)でボウリング場を訪れる頻度の低下がみられた。15,000百万円という上半期売上高は期初予想より942百万円低いものだったが、前年同期比では10.7%増となっている。ボウリングの売上高は全売上高の35%以上を構成する。したがって、他の事業における売上の伸びが予想以下となったが、ボウリングの売上高の伸びによって打ち消された。
カラオケ
カラオケの売上高は3,000百万円で、前年同期比では6.5%増となったが、会社予想の3,200百万円には届かなかった。同業他社には、厳しい経営環境のなかでも健闘し、売上高は横這いまたは微増に留めたところもある。こうした企業は、来店時間によって料金変更をするなど、柔軟な料金設定を行っており、顧客一人当たりの支出は減少したが、顧客数は減少しなかった。
スポッチャ
スポッチャは、前年同期比で減収となった唯一の事業で、売上高は2009年3月期上半期の4,800百万円から4,700百万円に減少した。なお、当事業について同社は、都心部のスポッチャ施設の業績は地方の施設に比べ良好だったと説明している。
2010年3月期第1四半期実績
2009年8月7日に発表された第1四半期実績は、売上高19,500百万円(前年同期比4.5%増)、営業利益2,100百万円(36.3%減)、経常利益1,100百万円(54.8%減)、当期純利益600百万円(53.3%減)であった。会社予想と比較した場合、売上高で491百万円(△2.5%)、経常利益で138百万円(△10.9%)、当期純利益で45百万円(△6.8%)それぞれ未達に終わった。経常利益が未達であったことに関し、以下の分析が開示されている。
アミューズメント機器の新規導入の遅れからリース料ならびに減価償却費は想定値よりも少なくなり、期間損益に対してプラスの影響を及ぼした。反面、売上高が未達となったことに加え、テレビCM等の広告宣伝費やアミューズメントでの販売促進策としての景品関連費用が想定を上回り、期間損益を押し下げる要因になった。また、営業外損益では店舗開発期間延長に伴う金利負担の増加から匿名出資組合からの配当金が想定を下回った。
損益計算書
過去の業績予想と実績
貸借対照表
2011年3月期末時点の固定資産のほとんどは、同社の営業店舗に関連した有形固定資産である。
負債
同社の有利子負債は、2010年3月期末では138,887百万円だったが、2011年3月期末では136,159百万円にまで減少。ノンリコースローン残高に限れば、同期間に56,803百万円から41,848百万円に減少していた。
株主資本
2011年3月期末時点の株主資本は前年より6,227百万円減少し、79,950百万円となったが、これは当期純損失12,673百万円、配当金支払い1,750百万円、新株発行による調達4,096百万円などの結果である。
株主還元
株式分割を調整すれば、同社は過去5年連続1株当たり20円の配当を維持しており、2011年3月期の1株当たり配当金も20円が予定されている。同社は、当面現行の水準の1株当たり20円を維持する方針であり、配当性向については特に目標値は掲げられていない。
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キャッシュフロー計算書
営業活動によるキャッシュフロー
同社の営業キャッシュフローの特色は、税金等調整前当期純利益と減価償却費の影響が相対的に大きいことである。言い換えれば、運転資本の変動の影響が小さいといえる。この背景としては、1)同社のサービスに対する対価が現金で支払われることが多いこと、2)調達部材が少ないこと、3)在庫の絶対水準が低いこと、などが理由として挙げられる。
投資活動によるキャッシュフロー
2011年3月期の投資活動によるキャッシュフローは23,563百万円のマイナスとなった。営業活動によるキャッシュフローと合算した数値(フリーキャッシュフロー)は1,145百万円のマイナスである。単純フリーキャッシュフロー(税金等調整前当期純利益+減価償却費+のれん償却費+運転資本増減+法人税等の支払額+設備投資)では、10,499百万円の流出である。ともに、2007年3月期以降大幅な流出が続いてきた。
財務活動によるキャッシュフロー
テクニカルな会計の詳細:同社の財務活動によるキャッシュフローは、単体と連結では大きく異なるものとなっている。これは会計基準の変更により2007年3月期からSPCが連結決算に含められるようになったためである。そのため、2006年3月期以前の財務活動によるキャッシュフローは期中の財務活動を完全に反映するものとはなっていない(詳細はSPCに関する項を参照。)
その他情報
沿革
当初、杉野興産株式会社として1980年12月に設立、ローラースケート場の運営を行っていたが、すぐに来場者が土日に過度に集中するという問題に直面し、いったんその敷地を倉庫に模様替えすることになった。しかし、当時まだ大学生であった現CEO兼代表取締役社長の杉野公彦氏が倉庫ではなくボウリング場の経営を提案。自らが経営にあたったのがラウンドワン設立への布石となった。主要顧客層と同年代であった杉野氏は、自らが望むコンセプトに従いボウリング場を経営し大きな成功を収めることとなり、やがては新店舗を立ち上げ1993年3月にはラウンドワン(旧)を設立するに至った。杉野氏は、大規模店舗内に主力のボウリング以外にゲームセンターやカラオケボックスなども併設させ、ラウンドワン以外には存在しない新しい複合アミューズメント店舗を各地に立ち上げ、現在までに全国で同店舗を運営するに至っている。
| 年月 | 事項 |
|---|---|
| 1980年12月 | ラウンドワンの前身である杉野興産株式会社を設立。大阪府泉大津市にローラースケート場をオープンラウンドワンの前身である杉野興産株式会社を設立。大阪府泉大津市にローラースケート場をオープン |
| 1993年 3月 | 現代表取締役社長兼CEOの杉野公彦氏がラウンドワン(旧)を設立 |
| 1997年 8月 | 大証二部上場 |
| 1998年12月 | 東証二部上場 |
| 1999年 9月 | 東証・大証一部へ指定替え |
ニュース&トピックス
2011年8月
2011年8月24日、同社は「ラウンドワンスタジアム板橋店」と「(仮称)ラウンドワンスタジアム難波千日前店(2012年春オープン予定、現在は建設予定地)」の売却と賃貸借契約締結(セール&リースバック)を発表した。
- 売却の概要
いずれのセール&リースバックも契約締結日は2011年8月24日であり、かつ売却先は日本リテールファンド投資法人(東証1部8953)である。
- 有利子負債返済
同社によれば、板橋店の売却による資金(約24億円)は有利子負債の返済に充当するとのことである。また、難波千日前店の売却により得る資金(約80億円)は、資産保有会社であるアールワン(当物件所有会社)の有利子負債返却に充当される予定であり、これにより同社の保証債務は解消されることになるとのことだ。
- 業績への影響
同社は当該2物件の売却により、約10億円から12億円程度の損失が発生する見込みだが、業績予想に織り込み済みであり、業績予想への修正は行わないとのことである。
2011年8月8日、同社は2012年3月期第1四半期決算を発表した。
2011年5月
2011年5月11日、同社は2011年3月期決算を発表した。また同時に、4月の売上状況を発表した。 同社によれば、ゴールデンウィーク前には全店舗が修繕と安全確認を終え、震災前の施設稼働状態になったとのことである。
2011年4月
2011年4月14日、同社は町田店を売却し、同時に賃貸借契約を締結すると発表した。契約締結日(予定)は2011年4月18日である。
2011年3月
2011年3月29日、同社は同日午前10時時点の店舗の営業状況について下記の通り、発表した。
- 全館営業停止店舗2店:福島店・仙台苦竹店
- 一部施設の営業停止店舗2店:足利店(ボウリング)、草加店(ボウリング)、盛岡店(ボウリング)
同社によれば、全館および一部施設の営業停止店舗は、修繕および安全確保のためであり、建物自体への問題はないとのことである。従って、停電や節電等による営業時間短縮、消費者マインドの落ち込みなど間接的な影響を見極めたい模様だ。
注:同社は、「東日本大震災の被災者・被災地への支援」についてホームページ上で別途開示している。
2011年3月28日、同社は同日午後9時時点の店舗の営業状況について下記の通り、発表した。
- 全館営業停止店舗3店:福島店・盛岡店・仙台苦竹店
- 一部施設の営業停止店舗2店:足利店(ボウリング)、草加店(ボウリング)
2011年3月14日、同社は3月11日に発生した「東日本大震災」による2011年3月14日時点における影響について、下記のようにコメントを発表した。
被害の状況
- 顧客および従業員などに対する人的被害はない
- 東北地方や関東を中心として、物品の落下や建物の損傷等の被害を受けている店舗があり、また電力の供給不足に対応して、全館の営業停止や施設の一部分を営業働停止にしている店舗がある
2011年3月14日午後1時時点の営業状況の詳細は以下の通り(国内総店舗数 107 店)。
- 全館営業停止店舗 6 店:福島店・郡山店・盛岡店・仙台苦竹店・市川鬼高店・さいたま鴻巣店
- 一部施設の営業停止店舗 13 店:八千代村上店(ボウリング)、市原店(ボウリング・アミューズメントの一部)、習志野店(ボウリングの一部)、宇都宮店(ボウリングの一部・スポッチャの一部)、足利店(ボウリング)、前橋店(ボウリングの一部・スポッチャの一部)、上尾店(スポッチャの一部)、入間店(スポッチャの一部)、草加店(ボウリング・アミューズメントの一部)、足立江北店(ボウリングの一部)、南砂店(ボウリング)、横浜駅西口店(カラオケの一部)、川崎大師店(スポッチャの一部)
- 全館通常営業店舗 88 店:西日本・四国・九州・沖縄等
業績への影響
- 被災店舗の営業停止等に加え、東北電力及び東京電力より電力の供給を受けている店舗に関しては、当面の間は営業時間の6 時間程度(計画停電の場合は9 時間程度)の短縮、また全店舗においても営業に大きな支障を生じない範囲内での省電力化に対応した営業体制とすることで、安定した電力供給への協力を実施していく予定
- テレビコマーシャルは、当面の間は必要に応じて公共広告への切り替え放送に協力しており、各テレビ局の判断に委ねている状況
- 以上の結果が業績に与える影響は現在精査中。業績に重大な影響を与えることが見込まれる場合は、速やかに開示する
2011年3月10日、同社は梅田店(2011年3月25日オープン予定)の売却と賃貸借契約締結(セール&リースバックの活用)を発表した。同社によれば店舗運営上の大きな変更はなく、業績への影響についても2011年2月10日に発表した業績予想に織り込んでいるとのことだ。
2011年2月
2011年2月10日、同社は2011年3月期第3四半期決算を発表した。また、同時に通期業績予想の修正も発表した。
2011年2月10日、同社は府中本町駅前店、梅田店の出店概要についてリリース文を公表した。同社によれば、2店とも、当初見込みよりオープン時期が早まり、2011年3月中を予定しているとのことだ。同社は府中駅前店については年間売上約7億円、梅田店については、年間売上約20億円を見込んでいる。
2010年11月
2010年11月10日、同社は2011年3月期第2四半期決算を発表した。
2010年11月5日、同社は、10月の売上状況と2011年3月期第2四半期(累計)業績予想の下方修正を発表した。修正後の会社予想は下記の通りである。
- 売上高: 41,556百万円(前回予想42,900百万円)
- 営業利益: 5,499百万円(同6,800百万円)
- 経常利益: 3,114百万円(同4,500百万円)
- 純損失: 5,506百万円(前回予想は純利益680百万円)
同社は営業利益の下方修正について、ボウリング・スポッチャなどが不振で売上が伸び悩んだこと、計画以上に人件費などのコスト負担が大きかったことを理由として指摘している。また、純利益の修正に関しては、2010年10月22日に発表した特別損失の発生を第2四半期で取り込んだことによるとしている。通期業績予想に関しては、2010年10月22日に発表した数値から変更はない。
2010年10月
2010年10月22日、同社は、池袋に新規出店することを決定したと発表した。また、同時に2011年3月期通期業績予想の下方修正を発表した。売上高、営業利益、経常利益の予想はこれまでと変わらないが、当期純利益の予想がこれまでの2,500百万円から2,400百万円の当期純損失へと修正されている。同社はこの理由について、池袋に新規出店をするに際し、セール&リースバックを活用。不動産の売却に伴い8,900百万円の特別損失を計上するためとしている。
2010年8月
2010年8月9日、同社は第1四半期決算を発表、同時に中期経営計画を提示した。
中期経営計画の概要(同社説明資料より抜粋)は以下の通りである:
- 概ね向こう5年(2016年3月期)までに実質無借金体制をめざす。
- 手法として、店舗資産(土地・建物本体)を売却した後、賃借に切り替える(セール&リースバック)手法を活用する。
- セール&リースバック実施の過程で売却損の発生が想定される。売却損のデメリットとしては、会計上、特別損失の発生により当期純利益が減少する可能性、および借入金返済時に、手元資金の流出が発生する可能性が考えられる。一方、メリットとしては、売却後の賃借料(金利負担)が軽減され、店舗収支の改善が期待される。
- この手法の活用により、年間平均200億~300億円の有利子負債を返済する予定。
- 現在稼働中の店舗および計画中の店舗体制下で、仮に各店の売上が現状水準で推移した場合でもファイナンス・リースの低下と賃借料の低下により、2016年3月期までに早期の経常利益200億円体制をめざす。
2010年6月
2010年6月2日、同社は同日の取締役会において、海外募集による新株式の発行を決議したと発表した。
詳細は以下の通りである:
- 16百万株を上限とする株式を米国やカナダを除く海外で募集する(引受人であるDeutsche Bank AG, London branchの買取引受けの対象株式最大14百万株と同引受人に対して付与する追加発行の新株2百万株の買い取り権)。
- ブックビルディング期間は2010年の6月2日から6月4日までになっているが、既に6月2日に発行価格が決定された。
- 発行価格は526円であり、同社普通株式の同日終値の569円に対し約7.56%のディスカウントとなっている。払込金額は512.1円であり、発行価格との差額が引受人の引受手数料に当たる。従って、同社の手に入る払込金額の総額は約8,194百万円である。
- 資金用途は主に日本国内の新規店舗(大阪や東京の繁華街)3店と米国カリフォルニア州の新規店舗の出店資金である。
- 今回の新株式発行は上記の出店資金の確保、および財務基盤の強化が目的であると同社はコメントしている。また、円滑に進んでいる普通社債の発行(発行予定上限額200億円)とともに財務基盤の改善に貢献すると期待しているともコメントしている。
2010年5月
2010年5月14日、同社の通期決算が発表された。
2010年4月
2010年4月1日、同社は3月をもって第1回および第4回無担保転換社債型新株予約権付社債の全額転換が完了したことを発表した。
2010年3月
2010年3月25日、同社は第4回無担保転換社債型新株予約権付社債の株式転換が完了したと発表した。2010年3月25日時点における転換株式総数は3,390,435 株であり、発行済株式総数は79,452,914 株である。
また、当該4回債の全額転換後の資本金が20,925百万円になったことも同日発表した。
2010年3月10日、同社は第4回無担保転換社債型新株予約権付社債の強制転換価額が530.9円に確定したと発表した。強制取得日は2010年3月25日である。SR社は、第4回債に関して転換株式総数が3.4百万株となり、結果的に発行済株式総数は79.5百万になると推測している。
2010年2月
2010年2月10日、同社の第3四半期実績が発表された。
トップ経営者
杉野公彦氏:1961年生まれ。CEO兼代表取締役社長で同社の創業者である。同社の過去の成長は同氏の意思決定によるところが大きく、また将来においても同社の意思決定における最大のキーパーソンである。
吉田健三郎氏:1947年生まれ。常務取締役。元プロボウリング選手で、1997年に同社に入社している。
現在、同社の業務執行を統括している。
田川由登氏:1948年生まれ。取締役。同氏も元プロボウリング選手で、1992年に同社に入社している。現在、同社のリスク管理を統括している。
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従業員
同社の従業員数は、2011年3月末時点で正社員1,249名と臨時従業員の平均雇用人員(1人当たり1日8時間換算)4,348名の合計の5,597名である。また、単体ベースでは正社員1,180名と臨時従業員の平均雇用人員(同情)4,348名の合計の5,528名である。単体ベースの基本項目は以下。
- 平均年齢は30.8歳
- 平均給与は524万円
- 新規出店には、1店舗当たり10~15名の配属が平均的であり、加えて登録ベースで100~250名に及ぶパート・アルバイト従業員を1店舗当たりで擁するのが平均的である
大株主
2011年3月期末時点では、大株主上位10名合計で発行済株式の52.28%を占めた。筆頭株主は同社の創業者にして現代表取締役である杉野公彦氏であり、その持株比率は20.84%である。同氏の長男である杉野公亮氏保有の12.21%と合算すれば、持株比率は33.08%である。
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IR活動
機関投資家向け決算説明会は現在東京で四半期ごとに、大阪では半期ごとに行われている。一方、個人投資家向けの説明会は現在計画されていない。決算説明会では、CEO兼代表取締役社長の杉野公彦氏が直接投資家やアナリストに対して説明を行い質疑応答にも対応している。IR窓口は総務部部長田邊憲昭氏(電話番号:072-224-5115)である(日本語以外の言語での応対は不可)。
IR自粛期間について:同社は原則として決算発表(四半期決算を含む)の約2週間前よりIRに関する取材を断っている。ただし、事業に関する基本的な内容や過去に発表済の内容に関する取材等に限り受けることにしている。
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