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ラウンドワン(4680)

出典: www.sharedresearch.jp


全国展開する複合アミューズメント施設運営事業者

ラウンドワン(4680)

[編集] 主要財務データ

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[編集] 更新内容

2010年8月9日、同社は第1四半期決算を発表、同時に中期経営計画を提示した。

中期経営計画が公表され(下記を参照)、投資家は今後の同社の利益展望に対して疑問を抱いているものと思われる。この疑問に答えるべく、SR社はこの点に関し、中長期見通しの項目で一定の試算を行っている。なお、コメントはあくまでSR社の見解であり、同社によって承認されたものではない。

中期経営計画の概要(同社説明資料より抜粋)は以下の通りである:

  • 概ね向こう5年(2016年3月期)までに実質無借金体制をめざす。
  • 手法として、店舗資産(土地・建物本体)を売却した後、賃借に切り替える(セール&リースバック)手法を活用する。
  • セール&リースバック実施の過程で売却損の発生が想定される。売却損のデメリットとしては、会計上、特別損失の発生により当期純利益が減少する可能性、および借入金返済時に、手元資金の流出が発生する可能性が考えられる。一方、メリットとしては、売却後の賃借料(金利負担)が軽減され、店舗収支の改善が期待される。
  • この手法の活用により、年間平均200~300億円の有利子負債を返済する予定。
  • 現在稼働中の店舗および計画中の店舗体制下で、仮に各店の売上が現状水準で推移した場合でもファイナンス・リースの低下と賃借料の低下により、2016年3月期までに早期の経常利益200億円体制をめざす。


2010年8月6日に同社は、7月の売上状況を発表した。


2010年7月9日に同社は、6月の売上状況を発表した。


2010年6月11日に同社は、5月の売上状況を発表した。


同社は2010年6月2日、同日の同社取締役会において、海外募集による新株式の発行を決議したと発表した。

詳細は以下の通りである:

  • 16,000,000株を上限とする株式を米国やカナダを除く海外で募集する(引受人であるDeutsche Bank AG, London branchの買取引受けの対象株式最大14,000,000株と同引受人に対して付与する追加発行の新株2,000,000株の買い取り権)。
  • ブックビルディング期間は2010年の6月2日から6月4日までになっているが、既に6月2日に発行価格が決定された。
  • 発行価格は526円であり、同社普通株式の同日終値の569円に対し約7.56%のディスカウントである。払込金額は512.1円であり、発行価格との差額が引受人の引受手数料に当たる。従って、同社の手に入る払込金額の総額は8,193,600,000円である。
  • 資金用途は主に日本国内の新規店舗(大阪や東京の繁華街)3店と米国カリフォルニア州の新規店舗の出店資金である。
  • 今回の新株式発行は上記の出店資金を確保するとともに、円滑に進んでいる普通社債の発行(発行予定上限額200億円)とともに財務基盤の強化に貢献すると同社はコメントしている。
  • SR社は今回の新株式発行がポジティブであると考えている。なぜなら、魅力度の高い立地で出店が可能になるだけではなく、主に外部要因により悪化した財務の健全化にもつながると思われるからである。今回の発行により発生する約20%の希薄化についても、上記の点を考慮に入れて見るべきであろう。


2010年5月14日、同社の通期決算が発表された。


2010年5月10日に同社は、4月の売上状況を発表した。


2010年4月9日に同社は、3月の売上状況を発表した。


2010年4月1日に同社は、3月をもって第1回乃至第4回無担保転換社債型新株予約権付社債の全額転換が完了した事を発表した。


[編集] 業績動向

月次動向

2010年7月の単月売上高は全店ベースで前年同期比3.8%増、既存店ベースでは2.8%減となった。店舗数は、106店舗である。

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四半期実績推移

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2011年3月期第1四半期実績


2010年8月9日に同社は第1四半期の決算を発表した(上記表を参照のこと)。上期予想に対する第1四半期累計実績の進捗率は下記の通りである。

  • 売上高:45.9% (上期予想42,900百万円に対して)
  • 営業利益: 32.1% (同6,800百万円に対して)
  • 経常利益: 21.9% (同4,500百万円に対して)
  • 四半期純利益: △1,392百万円(同680百万円に対して)

当第1四半期より会計基準の変更に伴い、資産除去債務に関する会計基準を適用したことから3,173百万円の特別損失を計上、四半期純利益は1,392百万円の損失となった。

資産除去債務による特別損失が予め計画に織り込まれていたこともあり、上期及び通期の業績予想に変更はなかった。ただし、ボウリング事業の既存店売上の減収が続いていること、特別損失が追加で計上される可能性があること(中長期見通しの項目を参照)などを踏まえ、SR社では会社計画の達成は困難と判断する。

2010年3月期通期実績

2010年5月14日に同社は2010年3月期通期決算を発表した(上記表を参照)。

売上高は82,113百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は12,031百万円(前年同期比11.6%減)、経常利益は7,848百万円(前年同期比19.9%減)、当期純利益は3,396万円(前年同期比14.6%減)であった。

同社の通期業績予想値(修正後)に対する達成率は以下の通り。

  • 売上高: 98.9% (通期業績予想 83,000百万円に対し)
  • 営業利益: 91.8% (通期業績予想 13,100百万円に対し)
  • 経常利益: 87.2% (通期業績予想 9,000百万円に対し)
  • 当期純利益: 82.8% (通期業績予想 4,100百万円に対し)

2010年3月期 業績のレポートカード(第4半期初修正予想比)

売上高

目標: 830億円 (前年同期比6.4%増)

実績: 821億円 (前年同期比5.3%増)

売上総利益

目標: 148億円(前年同期比3.5%減, 売上総利益率17.9%)

実績: 138億円(前年同期比10.1%減, 売上総利益率16.8%)

販管費・営業利益

目標: 販管費17億円 (前年同期比1.1%減; 販管費率2.1%)

実績: 販管費18億円 (前年同期比1.2%減; 販管費率2.2%)

目標: 営業利益131億円 (前年同期比3.8%減; 営業利益率15.8%)

実績: 営業利益120億円 (前年同期比11.6%減; 営業利益率14.7%)

経常利益

目標: 90億円(前年同期比8.1%減; 経常利益率10.8%)

実績: 78億円(前年同期比19.6%減; 経常利益率9.6%)

当期純利益

目標: 41億円(前年同期比3.1%増; 純利益率4.9%)

実績: 34億円 (前年同期比15.4%減; 純利益率4.1%)

2010年3月期の業績は全般的に不振だったが、これは当初から予測されたことで、会社側も同会計年度を通して困難な状況をきちんと報告してきた。しかし、2010年3月期業績は2010年2月に行われた下方修正後の会社予想を下回った。

同社は成長軌道への回帰に向けて引き続き舵を取る。2010年5月末現在、既存店売上高は底を打ったとみられることから、2011年3月期会社予想は以前の会社予想より信頼性が高まった可能性が高いとSR社では考えている。2011年3月期の会社予想詳細とSR社による分析は後述のとおり。

2010年3月期決算ハイライト

2010年3月期は試練の年だった。幾つかの外部要因が同社業績に影響した。 主な要因は、消費活動の不振と年初に勃発した新型インフルエンザだった。新型インフルエンザの影響は多大だった。ウィルス感染に対する人々の恐怖心のみならず、学校および当局から「子供を人ごみに連れて行かないこと」という再三の呼びかけがあったことが響いたようだ。所得減少と高速道路料金の引き下げを背景に、人々の足が近隣の娯楽施設から遠方へと移行したため、ラウンドワン施設の集客が落ちたとみられる。

また 、メダルゲームの新型ヒット機種などの投入もなく、アミューズメント収入が減少するとともに、全般的な来場頻度も落ちたようだ。

プラスの面としては、同社は、複数の特別目的会社を活用した借入金の借り換えなどを完了し(連結ベース既存ローン128億円の借り換えを完了した)、 経済危機の嵐を乗り越えた。 事業の存在自体を脅かす突然の脅威だったが、同社はひとまず最悪の時を乗り越えたといえよう。しかし、今後の借り換えに関する不確実性は残っている(2010年3月期決算説明会のプレゼンテーション資料によると、総額約177億円の借り換え需要が2011年3月期にあり、この交渉が進行中であり、また、2012年3月期から2013年3月期に関しては合計397億円の借り換えについて交渉中であるとのこと)。

もう一つ、明るい材料として、全ての施設に設置されたネットワークボウリングの成功が挙げられよう。ラウンドワンの全国的店舗展開と、市場占有率の高さ、同社の革新的資質などにより可能になったこの新しいアプローチが、 ボウリング収入の減少ペースに歯止めをかける一助となったようだ。

2011年3月期の見通し

2011年3月期について杉野社長の期待と不安(2010年5月20日のSR社とのインタビューより)

期待

  • 民主党政権の政策の目玉である子ども手当は2010年6月から支給予定(月額13,000円)である。 子ども手当と高等学校の授業料無償化により、ファミリー層の消費性向が上向く可能性がある。
  • 新しい広告手法。ラウンドワンは、15秒のテレビスポットCMや、新聞折り込みチラシ、バス停広告など、様々な広告手段を駆使して来た。しかし、同社の広告ターゲットであるファミリー層は新聞を購読していない場合が多く、散発的なテレビのスポット広告も効果を上げていないことに同社は気付いたようだ(恐らく、視聴者がテレビ番組を録画してコマーシャル部分を早送りしてしまうことが原因)。2011年3月期会社計画において、売上高のうちに広告費が占める割合は従来通り2.2%に抑えられたが、TVスポットCMに関しては、30秒CMで7時から9時のバラエティー番組に的を絞り込む予定だ(この時間帯は家族が食事をしながら一緒にテレビを観る時間で、録画をしていないことが想定される)。 同社は、不景気によるテレビ広告収入の不振を背景に、広告費も割安になっており、主要テレビ局の広告時間枠を確保することも可能であるとしている。新しいテレビCMは4月1日から放映が開始された。

懸念材料

  • アミューズメント分野では、めぼしい新型ゲーム機などもまだ見当たらない。人気ゲーム機の新規導入がなければ、アミューズメントの収入増は非常に困難だと言えよう。杉野社長は、大手ゲーム機メーカーでは「ゆでガエル現象」がおきており、自社ゲームセンターでの採算性の低さといった目先の課題に目を奪われて、良いゲーム機不在の市場が構造的に不況に陥る危険性を無視しているのではと危惧している。アミューズメント事業の売上高が全社の売上高に占める割合が40%を超えることから、新型ゲーム機不在の問題は今後も引き続き深刻な課題となろう。
  • 公務員と中小企業の給与の低さが、子ども手当による好影響を相殺している。
  • 借り換え–既存ローンの借り換えが出来ないかもしれないとの恐れは過去のものとなった。杉野社長は新たな主要3施設の建設に向けた追加的資金調達に不安を抱いているようだ(詳細は後述)。 こうした資金問題の取り組みの一つとして、2010年6月2日に新株式発行が同社より発表された(直近のアップデートを参照されたし)。

新規出店

店舗数は2010年3月期末で105店舗だったが、2011年3月期には2店舗を新たに出店し、107店舗にする計画。 国内の新規出店は松山の一店舗のみ。もう一店舗は、米国カリフォルニア州(プエンテヒルズモール)に初の米国店をオープンする予定だ。2011年3月期の純利益への米国店の寄与はゼロの見込み。 松山店は売上高400百万円の寄与を見込む(2012年3月期の通期寄与は700百万円の見込み)。2012年12月期以降の大型店舗の新規出店計画については、「長期展望」の項の分析を参照されたい。

既存店売上高および全社売上高

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ラウンドワンは2010年3月期に幾つかの新施設をオープンした。 総店舗稼働月数は2010年3月期の1,201ヶ月(100店舗に相当)から2011年3月期には1,268ヶ月(105~106店舗に相当)まで増加する見込み。これにより、売上高は約5%押し上げられる見込み。つまり、2011年3月期の売上高の増加分は全て前期に開店した新店舗の通期寄与の効果である。 2011年3月期、既存店売上高は前期比横ばいを会社側は予想している(下表参照)。

ボウリング収入は、比較の基準となる前年同期の水準が低かったことと、テレビCMの奏功が期待されることから、2011年3月期第2四半期から小幅増を見込んでいる。 アミューズメントでは、セガおよびその他メーカーから11月に発売される主要メダル・ゲーム機の寄与が予想されることから第3四半期に既存店売上高は増加に転じると会社側は予想している(同社は、市場の活力を盛り返すには 新機種の数が足りないだろうとして、慎重な態度を崩していない)。 カラオケの既存店売上高は、価格競争を背景に引き続き減少が見込まれる。しかし、夏から秋にかけて新型機種が導入される予定で、これにより徐々に集客回復が見込まれることから、減少ペースの底打ちが第3四半期にも期待される。スポッチャの2011年3月期の既存店ベースの売上高は前期比4.6%減が予想されているが、新三郷店(埼玉)の寄与を考慮すると、スポッチャの全社売上高の減少は小幅にとどまるとみられる。

以上の結果、2011年3月期通期の全社売上高は前期比4.7%増の860億円が見込まれる。ボウリングの売上高は328億円(前期比6.5%増)、アミューズメントは354億円(前期比6.0%増)、カラオケは61億円(前期比1.0%増)を会社側は計画している。 スポッチャその他の売上高は減少が見込まれる。スポッチャの売上高は88億円(前期比1.8%減)、その他売上高は29億円(前期比0.6%減)が見込まれる。

費用と利益

同社は、2011年3月期の営業利益は前期比19億円増、経常利益は同12億円増を予想している。

最大の増加要因は基幹事業のリース料の減少分約10億円。これはトレンドの始まりを示すもので、今後、出店経過年を重ねるにつれ、リース料は減少し続ける仕組みになっている(詳細は後述の分析を参照のこと)。

全社総売上高が継続的に増加し、売上総利益率が安定すれば、バランスの取れた改善がもたらされるだろう。

広告費は従来通り総売上高の2.0〜2.4%水準を維持する計画だが、用途の劇的な変化により、費用対効果の改善が期待される。

営業外費用では支払利息の増加が予想される。これは基本的に特別目的会社を通じたレンタル料支払いだが、借り換え条件の影響もあるようだ。

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会社予想には、特別損失45億円も含まれる

  1. うち31億円は資産除去債務費用(小売および同等事業主に将来の店舗閉鎖に備えて関連費用の引当金繰入を求めた会計基準の変更により発生した非現金引当金の繰り入れによるもの)だった。仮にラウンドワンが店舗を閉鎖する場合、契約内容にもよるが、多くの場合、建造物の骨組みのみを所有者に引き渡すことになるが、設備その他定着物の除去、構造物の解体などに必要な経費が発生する。特別目的会社が所有する施設に関しては、ラウンドワンは残余賃貸支払い金を費用として計上する必要がある。
  2. さらに10億円は、前年度の水準をもとに推定される非現金の資産減損損失である。このような損失が実現するかどうかは定かではない。昨年度は、ラウンドワンの持つ二つの施設を対象に9億円の減損処理をしたが、2011年3月期も同様の状況と同水準の減損を想定したようだ。同社は、2010年3月期に9億円の減損処理をしたが、2011年3月期も同様の状況と同水準の減損を想定したようだ 。実効賃貸料負担を軽減するために、セール&リースバックの仕組み(一旦売却した資産を賃借すること)が使われる可能性もある。同社によると、営業利益ベースで、同社の10施設が赤字となっており、既存店売上高が対前年で4%〜5%増となれば、営業赤字施設数は2〜3件に減少する公算である。
  3. 最後に、4億円は旧式アミューズキット(基盤)の除却損失(毎期発生するもの)である。

2011年3月期通期の純利益は前期比26.4%減の25億円が見込まれる。会社予想は基本実効税率42%を前提としている。

キャッシュフローの主要項目としては、設備投資が80億円 (うち、既にオープンした新三郷店の17億円、松山店の11億円、 プエンテヒルズモール店の7億円、新型ゲーム機の45億円)が計画されている。減価償却(リース料を除く)は106億円が予想されている(2010年3月期実績は94億円)。

2011年3月期新規出店計画

7月 松山 スタンダード店舗
8月 米国カリフォルニア州プエンテヒルズ スタンダード店舗

2012年3月期以降 新規出店計画 (2010年3月期末現在時点)

時期未定 難波 スタンダード店舗
時期未定 池袋 スタンダード店舗
時期未定 梅田 スタンダード店舗


中長期見通し

ここでは、同社の中期経営計画や既存店の現状に基づき、投資家が抱くであろう3つの疑問についてSR社独自の分析に基づき、以下のとおり試算・解答を試みた。なお、試算に当たっては保守的な前提を置くように努めた。従って、SR社が可能性が高いと判断したシナリオではなく、より厳しいシナリオを想定した場合の試算値となっている。

1)2012年3月期以降の新規出店計画(3店舗)はどうなるのか?

同社の2012年3月期以降の計画店舗(難波、池袋、梅田)に関して、同社は従来のスタンスを変更し、「財務体質強化の一環として、当社が所有する形態にとらわれず、一旦売却した後の賃借、もしくは完全売却を検討」と2010年8月9日に公表した「業績説明資料」にて記載している。つまり、セール&リースバックか売却が検討されているということになる。

(3店舗の状況)

2007年後半から2008年年頭にかけて、ラウンドワンは、国内有数の商業地域における物件の提案を受けた。東京、大阪の一等地における大型用地が市場に出回るのは非常に稀なことで、ラウンドワンはここでの出店に非常に乗り気だった 。このような一等地での出店により、安定したキャッシュフロー収入が確保できるばかりか、同社が複合アミューズメント施設を多く有する地域から来店した顧客に対する強力な広告ツールになると考えたようだ。

有価証券報告書を見ると、2008年3月期に同社は、池袋、梅田、難波(千日前)の不動産のための債務保証を行っていたことが分かる。監査人から承認される通常の会計行為の一部として、特別目的会社による非営業資産の取得費用は、当該資産が営業資産になるまではバランスシートに載せる必要はないことになっていた。同社は3つの特別目的会社を通じて土地および土地を購入する権利を取得したが、これは全て特別目的会社の銀行からの借入によるものだった(2008年3月期および2009年3月期の有報の単体の財務諸表の注意書きとして債務保証が開示されている)。 SR社では、この契約は2008年3月期の第3四半期後半から第4四半期中に行われたものだと考えている。

池袋

2008年3月期の有報の注記事項に(有)アールワン池袋という特別目的会社に対する220億円の保証債務が開示されている。2010年5月28日の報告で、同社は、この池袋の土地を売却した場合、現在の土地価格に照らすと、40億〜50億円の損失になるとの試算を提示している。

梅田

梅田(大阪)の土地取得権利の費用は、2008年3月期の有報の注記事項に11億円と開示されていた。2009年3月期末も同じ数字が開示されていたが、SR社の理解としては、梅田の開発が中止になった場合、さらに追加費用が科せられるようだ。梅田の総開発費用は池袋の開発費用に匹敵するのではないかとSR社では推測している。

難波(千日前)

2008年3月期中に同用地の手付金が支払われた。その後、特別目的会社を通じてラウンドワンは同土地を取得した。この際の債務保証は2009年3月期の有報の注記事項に92億円と記されている。大阪のお馴染みエリアの一等地である。難波の総開発費用は池袋や梅田の概ね半分程度になるのではないかとSR社では推測している。

想定されるシナリオ

SR社は、3店舗につき、その金額の大きさ(すなわち重要性の高さ)から2010年内にセール&リースバックか売却かの選択がなされるだろうと推測している。さらに、池袋、梅田については売却、難波についてはセール&リースバックが選択されるだろうと判断している。池袋、梅田に関して、仮にセール&リースバックが選択された場合、開発までは同社が請け負うことになるため、売却損あるいは負債返済に伴う現金支出が大きく膨らむ可能性があるためだ。

2)既存店のセール&リースバックはどうなるのか?

同社の中期経営計画に基づけば有利子負債返済目的で、既存店舗のセール&リースバックが進められていくことになる。同社は説明会でセール&リースバックの推進に伴う売却損は経常利益の範囲内に抑えたいと述べている。そのため、仮にSR社が想定しているように3店舗(池袋、梅田、難波)に関連した売却損を2011年3月期に計上することになれば、既存店のセール&リースバックは2012年3月期以降、複数年にわたって実施されることとなろう。

3)ボウリングの既存店売上が落ち続けるとどうなるのか?

SR社では、ボウリング事業の既存店における減収が続いていることや、2011年3月期第1四半期の決算説明会にて、会社側が同事業に対して従来よりも慎重な見通しを示したことで、投資家が同事業の先行きを不安視しているのではないかと考える。過去を振り返れば、同事業の売上高には一定のサイクルが認められることから、将来的に同事業が再び増収に転換する局面も訪れるものと思われる。ただ、そうしたSR社の判断とは別に、同社のボウリング事業があと何%落ち込むと営業赤字になるか、ストレス・ケースを想定、試算値を算出することは客観的な分析の観点から有用と考え、参考までに以下に記載する。

想定シナリオ

SR社では、以下の前提に基づき、簡易なストレス・テストを実施している。

  • 2010年3月期の数値を使用
  • ボウリング以外の事業の売上高は横ばいと想定
  • 限界利益率79%(コスト分析の項目を参照)と想定
  • 今後のファイナンス・リースの低下、支払利息の低下などに伴う今後の増益効果を織り込んでいない

試算結果

上記想定に基づけば、ボウリング事業の売上高が2010年3月期の実績から約39%落ち込むと、同社が全社ベースで営業赤字に陥るとの結果が導かれる。日本のボウリング市場の縮小は続くとSR社では考えるが、数ある弱小運営業者が市場から撤退するなか、同社はこれまで自らの市場シェアを拡大させることで成長を実現してきた。当面、同社のボウリング事業は苦戦を余儀なくされるかもしれないが、約4割減収になると考えるのは悲観的であろう。

なお、上記試算では想定していないが、施設の老朽化に伴うリース料の低減の結果、営業利益が増加することは、本来ならば考慮すべき重要な点である。同社によれば、2010年3月末時点で3年以内に設置された店舗は約30店舗であり、向こう3年間で約30億円のリース料減少が見込まれるとのことである。


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[編集] 事業内容

[編集] 概略 

コア・ビジネス - 複合アミューズメント店舗の運営

ラウンドワンの複合アミューズメント店舗(出所:会社データよりSR社作成)

同社は、関西圏並びに関東圏を中心として全国的に複合アミューズメント店舗を運営することに特化している。大阪・京都・兵庫に跨る一部の地域(「北摂」)では、同社のプレゼンスは極めて高い。同社が提供するサービスはまずボウリングだが、それ以外にアミューズメント(ゲーム)やカラオケそしてスポッチャ(「スポーツ・チャレンジ」という和製英語の略)がある。このように同社の提供するサービスは多岐にわたるが、それぞれの損益を把握することは容易ではない。すべてひとつの店舗内で来場者に提供されるサービスであることから、総費用を適切に配分することが困難なことがその主因である。ただし、限界利益率においてはボウリングが最も高く、次にアミューズメントが高いと推定される。ボウリングの限界利益率は90%を超えていると推定される一方、アミューズメントでは景品等に係る変動費があるため、ボウリングほど高い限界利益率はないものと考えられる。カラオケにおいては、利用者に対して食事や飲み物も提供することから売上高に対する変動費の比率が高く、限界利益率も低くならざるを得ない。また、スポッチャの限界利益率は当初はもっと高いと思われていたが、売上高の絶対額が従来の想定を下回っているため固定費負担が大きくなっていることが推定される。

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[編集] ビジネス 

同社の事業における店舗は、「スタンダード型」と「スタジアム型」に分類することができる。スタンダード型では、主にボウリングとアミューズメント(ゲーム)が売上高の構成要素となる。一方、スタジアム型ではスポッチャがこれらに加わることになる。スタジアム型は、スタンダード型に対してより新しい形態の店舗であるが、同社の売上高を牽引すると期待されてきた。しかし、スポッチャのコンセプトは市場での十分な牽引力とはならず、最初の流行が過ぎたあと、リピート客は減少した。直近では、従来のスタンダード型の店舗展開へと同社は再び舵を切り返している。換言すれば、従来のスタンダード型における主力事業であるボウリングとアミューズメントの売上高拡大が再び最重要視されているのが現状である。これに対して、スポッチャは顧客をまず店舗に呼び込むための広告塔としての役割を果たしていると考えられる。当該店舗における来場者の増加の結果、ボウリングやアミューズメントの売上高も増加することが想定され、この限りにおいてスポッチャの存在も重要であると考えられる。




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ボウリング (2010年3月期売上高の37.5%): ボウリングの料金並びに貸し靴代等が売上高の主力構成要素である。また、ボウリングのフロアーには自動販売機(飲料並びにスナック等)の設置が多いことから、この売上高も同セグメントの売上高に含まれている。2009年3月上旬には、ネットワーク対戦ボウリングの「がんばれ! ぼうりんぐ番長!」が全店に設置され、インターネット接続で全国の同社店舗の利用者が互いに対戦できる新システムが導入され、今後の売上高に対する貢献が期待されている。また、新規にオープンする店舗においてもすべて「がんばれ! ぼうりんぐ番長!」は設置される予定である。

「がんばれ!ぼうりんぐ番長!」
「がんばれ!ぼうりんぐ番長!」というネットワーク型ボウリング対戦システムの既存店への設置が完了し、新規出店店舗にもあまねく装備される予定である。これは利用者が同社の他店舗にいる利用者とネットワーク上でリアルタイムのボウリングをプレーできるシステムである。登録者数は2010年3月期末時点で約200万人と月8万人のペースで増加した。これらの数値は、同システムが利用者に評価されていることを示唆するものであり、可能性としては自動スコアリング・システムの導入時と同様に再度のボウリングブームにつながる可能性も否定できない。


アミューズメント (40.7%): 同社が来場者に提供するメダル・ゲームなどのゲーム機器の利用に対して支払われる料金が売上高を構成する。同社には国内最大のゲームアーケード運営者としての側面もあり、主力ゲーム機器メーカーのすべての最新のゲーム機器が常に設置されている。ゲームの種類でいえば、メダル・ゲームやUFOキャッチャー等が中心となる。

カラオケ (7.4%): カラオケボックスのレンタル料金及びカラオケ利用者の飲食料金が売上高を構成する。

スポッチャ (10.9%): スポッチャ施設への入場料が売上高を構成する。同施設が設置されているのはスタジアム型店舗(2010年3月期末時点の総店舗数105店中43店)のみであり、スタジアム型店舗の規模はスタンダード型よりも大きい。多くの場合、スタジアム型店舗の屋上階とその下の階が、スポッチャ専用エリアとなっている。ここで利用できるサービスは、リラクゼーション、スリーオンスリー・バスケットボール、旧来のエアーホッケーなどのゲーム、バッティング、ローラースケートなどが含まれる。利用者は一切の追加料金を支払うことなく一定の時間内においてこれらのサービスの全てを利用することができる仕組みである。

同社の事業ポートフォリオにおいてスポッチャの位置づけはやや微妙なものになりつつある。スポッチャが「スタジアム型」新店舗の一部として導入された当初は、利用者はかなりの興味を示すものの、その興味が長続きしないことが次第に判明してきている。たとえば、同社が初めてスポッチャの既存店売上高を公表した2008年3月期においては前期比で16.1%減、そして2009年3月期は9.8%減、2010年3月期には9.2%減だった。

その他 (3.0%):同社の店舗内のハンバーガー店などのテナントからの賃料収入並びにその他の各種のアミューズメントサービス関連事業が売上高を構成している。

店舗展開

同社の複合アミューズメント店舗数は2010年3月末で105だが、最も古いものは1995年3月期にオープンされたものである。2005年3月期から2008年3月期にかけてはスポッチャ施設を擁するスタジアム型の出店が中心となったが2009年3月期実績並びに2010年3月期会社予想ではスタジアム型はそれ以前と比較して急減している。同社の店舗展開は、新規オープンを決定してから実際に営業を始めるまでにおよそ2年程度の期間を要する。同社は出店のペースを落としている。2006年3月期から2010年3月期には年間約10店の出店があったが、2011年3月期については2店舗の出店計画しか発表されていない。2011年3月期以降の出店計画については、業績動向の項を参照のこと。

新規出店件数(出所:会社データよりSR社作成)



基本店舗モデル

また、同社によるスタンダード型店舗の基本モデル事例は以下のとおりである。初期投資額は15億円で、3~4階建ての体育館のような建物を街道沿いの1,800坪(6,000平方メートル)の土地に建設し、ボウリング36レーン、ゲーム機260台、カラオケボックス24部屋を設置。年間売上高は8億円前後であり、その内訳はボウリング360百万円(45%)、アミューズメント340百万円(43%)、カラオケ60百万円(8%)、その他40百万円(5%)である。ROICは8%で、経常利益は110百万円(リース料が低減される4年目以降は191百万円)である。一方、スタジアム型店舗は、これにスポッチャの設備が加えられたものであり、土地面積は2,500~5,000坪(8,000~16,000平方メートル)前後である。また、これに対する初期投資額は18億円~20億円である。

コスト分析

同社の事業構造は典型的な固定費ビジネスに分類されるであろう。同社が開示している資料に基づけば、2009年3月期実績における限界利益率は79%前後(変動比率21%より)という高い水準にあると推定することができる(直近の会社側推定値では70%~80%)。ここでは、営業費用のうち本社経費(販管費)、人件費、広告宣伝費、賃料、リース料、減価償却費をすべて固定費と見做し、残った金額の合計を変動費と推定している。同社の客単価は2,000~2,200円前後で安定的に推移してきており、今後もこれに大きな変化は想定しにくい。従って、同社においてはいかに既存店における来場者数を多くし既存店売上高を拡大するかが利益を拡大させるうえで最も重大な課題となる。

2009年3月期:売上高に対する費用・利益の比率(出所:会社資料よりSR社作成)

また、同社のビジネスモデルにおいては、施設あたりの固定費が中長期的な観点では減少する傾向にあることに基づく。同社のモデル事例によれば、新規出店後3年間における年間リース料は203百万円であるのに対して、4年目から6年目までは123百万円、そして7年目では94百万円である。同期間において売上高が一定であると想定した場合、それぞれ売上高に対する比率は、16.9%、10.3%、7.8%である。売上高を含むその他の条件が全て同じであれば、この比率の低下分だけ営業利益率は同期間に上昇することが想定できる。

image:R1JP-lease-2nd-outline.png

このようにリース料が低減する理由は、初期投資の一巡が次第に進捗するからである。ボウリング以外の部門においてはリースの更新期間が3年であり、初期投資分が一巡する4年目以降は3年目までと比較してリース料が低下する。ボウリングのリース契約は6年間であるため当初の6年間においてリース料に変化はみられないが、7年目以降に関してはリース料が低下する。これらによって、4年目並びに7年目において全体のリース料が前年と比較して低下していくのである。ボウリングに関しては、そもそも売上高に占めるリース料の比率が10.0%と他の部門よりも低い。また、変動費も少ない(限界利益率が高い)ため同社の利益の柱とされている。更には7年目以降に関してはリース料の売上高に対する比率が1.1%にまで低下するため、ボウリングの利益率は更に上昇することが推定できる。ボウリングにおいては、他の部門と異なり実質的に追加投資を行うことなくリースの再契約を行うためリース料の低下が大幅になるのである。ただし、ここでは売上高一定を前提としているので、実際には既存店売上高の動向が同社の利益率に大きな影響を及ぼす。現実問題としては、特にスポッチャの売上高の絶対額並びに毎年一定の売上高を維持するという想定に無理があり、スポッチャの売上高に占めるリース費用の比率はここにある数字よりもかなり大きくなっていると推定される。ただし、それ以外の部門においては現在の同社を分析するうえで少なくとも参考になる数値であると考えられる。

店舗年齢推移

2009年3月期まで、新規オープン以来1~3年目の店舗数は増加を続けたが、2006年3月期から2010年3月期の二桁成長は、2011年3月期の新規オープン計画により低下している。(詳しくは業績動向の項を参照)従って、同社における店舗年齢別店舗構成においては、固定費負担の少ない4年目以降の店舗が占める比率が継続的に拡大することが見込まれる。結果として同社の固定費負担は今後相対的に低下することが見込まれている。

店舗年齢別店舗構成比率の推移(出所:会社資料よりSR社作成)


過去の急速な店舗展開を支えたSPC(特別目的会社)スキーム

2010年3月期末の店舗数105の内、SPCスキームを利用したものが約59を占めた。同スキームにおけるノンリコースローンにおいてはリコースローン以上に自己資本にレバレッジをかけた借入が可能となり、同じ資本金額でより多くの店舗展開が可能となる。これを利用した同社は急速な店舗展開を実現してきたのである。同社のSPCスキームではSPCの資産のおよそ10%が同社からの出資で賄われ、残る90%がノンリコースローンで調達されるというのが典型的な例である。このSPCスキームにおける設備のリース契約期間は7~8年であるのに対して、ノンリコースローンの期間は5年である。同社は当初、万が一債務不履行が発生したとしても、当該物件の他用途への転換が難しいことから、同社は当該物件における営業をリース期間においては継続できる可能性が高いとみていた(むしろ、債権者からすればそのような事態を回避するためにもリファイナンスに協力的な立場を取る可能性が高いと思われる)。しかし、2011年3月期における厳しい調達環境に直面した同社は、新たに中期経営計画を策定。セール&リースバックを活用して、負債を返済していく方向に舵をきった。

このSPCスキームに係るノンリコースローンの残高合計は2010年3月期末で568億円であったが、短期借入分が175億円(1年内返済予定となった長期借入分を含む)そして長期借入分が393億円であった。これに対して718億円(総資産の3分の1)相当の資産が担保に差し入れられている。

SPCの運営資金に充てられる債券については、ノンリコースローンが償還期日を迎えるにつれ、徐々に一般的な法人向けローン債権に変わってきている。一般的というのは、特定の資産によって保証されるのではなく、会社全体によって保証されるローンという意味である。

SW(Strengths, Weaknesses)分析

強み(Strengths)

  • 同社のビジネスモデルは、一つの大型アミューズメント施設内にボウリング、ゲームセンター、カラオケを組み合わせ、顧客集客力を高めると同時に営業収入を安定化させている点で独自性の高いものとなっている。これら市場の成長は見込めないものの、同社はそのような利点を活用することで、全国展開する複合アミューズメント施設の唯一の運営事業者として拡大を続けることが可能となっている。多くの成熟市場と同様に、新規参入者のみならず、これら3つの各個別市場の既存業者でさえも、複合アミューズメント市場に今から進出することは難しいと思われる。実際に、過去に大手ゲーム機メーカーがそのような試みを行ったが、おそらくボウリング場の黒字運営という巧妙な技術を必要とする能力を習得できなかったために、その試みは失敗に終わっている。
  • 力強いブランド力。同社は顧客認知度が高く、全国展開を行う同社のプレゼンスが、主要テレビ・ネットワーク上でそのブランドを宣伝することを可能としている。
  • 力強いキャッシュフロー創出力。過去10年間の高い収益成長が今後も続く公算は低いものの、出店の波が一度沈静化すると、同社のアミューズメント施設はボウリング愛好者だけでなく投資家にとっても喜ばしいものとなろう。但し、既存店売上高の減少を食い止めることが重要な条件となっている。

弱み(Weaknesses)

  • 小売業者などと比較した場合、出店のリスクが大きい。小売業者の場合、店舗のスクラップ・アンド・ビルドが比較的容易であるのに対して、同社の設備はかなり大がかりかつ特殊であるため、新規出店を決定してから営業開始までに2年前後の期間を必要する一方、撤退するにも大きな会計上の除却損が発生する可能性がある。
  • 既存事業に特化する方策が厳守されているため、既存事業の市場でのプレゼンスがある一定の水準にまで到達した段階で、成長性は減速せざるを得ない。海外進出は既存事業の地域的な拡大と看做すこともできるが、カントリー・リスクやコイン・ゲームなどに係る規制の差異などがあり、一概に国内でのノウハウがそのまま活かせるかどうかは不透明である。
  • 積極的な投資戦略の収穫期となるはずであった現在において、利用者の可処分所得の減少を背景に売上高が伸び悩んでおり、短期的には財務体質の急速な改善が望めない。


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[編集] 市場とバリューチェーン 

マーケット概略

1960年代に初めて日本に入ってきたボウリングは日本人に広く受け入れられた。当時ボウリング場に適した土地の保有者は、余剰資金がある限りにおいてまずボウリング施設への投資を躊躇しなかった。日本国内のボウリング場の数は最盛期には4,000カ所に達したが、今日では900~950カ所にまで減少してきている。ボウリングをするのに何時間も行列していたことと比較すれば、隔世の感が否めない。今日では日本人のアミューズメントやエンターテインメントの楽しみ方もかなり多様化しており、ボウリングへの支出割合は減少傾向が続いているようである。2010年3月期末時点で全国105店舗を展開する同社は、国内ボウリング市場においておよそ3分の1のシェアを占めると推定される(金額ベース)。店舗数でのシェアは10%前後に過ぎないものの、平均的なボウリング場に比べて同社は一店舗当たりのレーン数がかなり多いことから、金額ベースでのシェアは店舗数ベースよりもかなり大きくなる。同社がボウリング市場に参入したのは1980年代初頭であり、現在から振り返れば新規参入が商業的に可能なほとんど最後の時期であったようにも思われる。市場にかなり遅く参入した同社は、ゲームなどの他のアミューズメントを組み込んだ新しいボウリング場を開発し、それを「ラウンドワン」ブランドを冠した全く新しい複合アミューズメント店舗に発展させたのである。日本のボウリング市場の規模は、現在900億~1,000億円市場と推測されるが、1年で約10カ所の施設が閉鎖されており、市場縮小傾向は継続すると考えられる。ただし、同社は数ある弱小運営業者が次第に市場から撤退する一方で自らの市場シェアを拡大させ、売上高の成長を達成できる可能性が高い。

これまでの市場拡大や、市場見通しに応えるべく開発されたゲームと施設の過剰供給が原因で、アーケードゲーム市場は飽和状態にある。市場規模はピーク時の7,000億円から約6,000億円に縮小した。一部の既存事業者は、市場の縮小を受けて同事業について再考するようになり、全国展開する大手事業者のなかにはより小規模な地方企業に事業を売却する動きに出ているところもある。ゲームメーカーがゲームタイトルの製造を抑制するなど、設備過剰はバリューチェーン全体に波及効果をもたらした。小規模なゲームセンター事業者は資金繰り面での課題から機器の交換に手間取っており、メーカーはこれを受けて生産するゲームタイトル数を減らし、さらにこの影響として、大規模ゲームセンター事業者への選択肢も狭まった、という具合だ。

顧客

同社の施設への来場者の世代別構成比は以下の通りである。10代と20代を併せた若年層が全体の50%前後を占める。30代と40代を併せた世代が10%から20%前後を占め、残る30%から40%がその他の世代に属する。また、日本の人口自体が成長しなくなるなかで、少子化によるデモグラフィー悪化が進捗する方向にある。これに鑑みれば主要顧客層である若年層は、中長期的にみて日本の人口以上に減少する可能性が高い。結果としては、同社にとって来場者数の減少にも直結しかねない。ただし、同社の複合アミューズメント店舗に慣れ親しんだ現在の若年層は30代、40代になってもリピーターであり続ける可能性があり、必ずしも悲観的になる必要はない。

サプライヤ

同社はサービス関連事業に特化しているがゆえに、特に主だった調達部材は存在しない。同社の店舗における設備も資産として取得したものではなく、リース会社からリースされているものがほとんどである。ボウリング設備の主要メーカーは自らもボウリング場を運営しているスポルト(旧ブランズウィック、未上場)である。アミューズメント(ゲーム)のゲーム機器に関しては、セガサミー(東証6460)、バンダイナムコ(東証7832)並びにスクエア・エニックス(東証9684)の子会社であるタイトーが主要メーカーであり、これらの企業も同様に自らゲームセンターを運営している。これらの主要ゲーム機器メーカーにとって同社は最大手顧客であると思われるにもかかわらず、同社は数量割引などを受けていないとのことである。ただし、これらの業者は同社に対してゲーム機器の納期などで特別な便宜を図っている。

参入障壁

同社の各事業領域においては、ほとんど参入障壁はないものと思われる。ただし、各アミューズメント施設を単独で運営するのではなく、全国に複合アミューズメント店舗を展開できるノウハウは専ら同社だけが有しているものであり、これが参入障壁になると考えられる。また、市場におけるラウンドワンのブランド認知度は極めて高く、同等のブランド力など望むべくもない単独のアミューズメント施設を運営する弱小業者には、このブランド力も参入障壁になるものと考えられる。一方、同社に対するゲーム機器の納入業者社はかつて市場参入を試みているのだが、これらの参入障壁の存在のためかこれまでのところいずれも失敗に終わっている。

競合環境

同社は複合アミューズメント店舗を全国的に運営するという点でユニークな事業体であるため、厳密な意味での競合他社は存在しない。広義には、一般のボウリング場、ゲームセンター、カラオケボックスなどすべてが競合他社であるとも言えるが、同社によれば「ラウンドツー」は存在しないとのことである。ボウリングに関しては、スポルトがおそらく第二位業者と言えるが、12店舗のボウリング場を運営しているに過ぎない。アミューズメント(ゲーム)では、セガサミー(東証6460)、バンダイナムコ(東証7832)、スクエア・エニックス(東証9684)の子会社であるタイトーなどが競合他社となるが、いずれも複合的なアミューズメント店舗を全国展開しているわけではない。また、アドアーズ(東証4712)やウェアハウス(東証4724)なども競合他社として挙げられるが、同社にとっての最大の収益源と目されるボウリングに深く関与してないことに加え、規模的に直接比較できる段階には至っていないと言えるであろう。

代替品

本質的にみて、同社のサービスは利用者に対してアミューズメントやエンターテインメントを提供するものであるため、いかなる他のアミューズメントもエンターテイメントも同社のサービスの代替品となり得る。ただし、同社の主力であるボウリングに関しては、どの世代の利用者も一緒になって楽しめ、スポーツとしての性格もあり、時間的にも金銭的にも負担が小さく、覚えるべきルールもほとんどないなどの特色があり、ボウリングに対する需要が現状以上に急速に低下するとは考えにくい。アミューズメントもエンターテインメントも多様化の方向性に大きな変化はないだろうが、ボウリングは長期的にみてもそのなかでのひとつのカテゴリーとして存在し続ける可能性が高い。

成長性とサイクル

同社の対峙する市場には大きな成長性があるとは考えにくく、むしろサイクルがあると考えるのが妥当であろう。ただし、一般的な在庫調整や設備投資あるいは景気循環といった要因によるものではなく、これは同社の提供するアミューズメントとそれ以外のアミューズメントやエンターテイメントとの兼ね合いによるものである。例えば、ボウリングに自動スコアリング・システムが導入された際には、これがボウリングの再ブームにつながったことがあった。また、一方では携帯電話の若年層への浸透が急速に進んだ時期に関しては、彼らの可処分所得が携帯電話関連領域に集中したため、同社の店舗への来場者数並びに同社売上高にネガティブな影響を与えることがあった。家庭用ゲーム機器の新発売や人気ソフトの新発売など、同社の来場者数や売上高に影響を与える事例には事欠かないが、概して言えることはどのサイクルも短期的な調整に終わる一方、同社が対峙する市場は長期的には緩やかな縮小傾向にあるものと考えられる。

グループ企業

同社にはポイントカード発行を事業とする連結子会社がかつて存在したが、損益悪化のため2002年3月期には同事業は清算され、2003年3月期以降は連結決算自体が取り止められていた。一方、2002年からはリース会社の勧めに従い、SPCスキームを活用した新規出店が開始されている。当時の関係法令に則ればSPCはオンバランスする必要がなく、連結財務諸表の作成・提出も義務づけられていなかった。ただし、2007年3月期の段階では、SPCを連結対象子会社とすることが義務づけられ、同社は再び連結決算を開示するに到り、SPCに係る資産並びに負債などが同社の連結財務諸表に反映されることとなった。損益計算書に関しては、売上高、経常利益並びに当期純利益は単体ベースと連結ベースでほぼ同一である。営業利益段階では、親会社ラウンドワンがSPCに賃料を支払うことから差異が生じる。ただし、親会社ラウンドワンが支払う賃料から支払利息、設備修繕費、事務委託料などを差し引いた残存額のすべてを配当として出資者のラウンドワンに支払うため、経常利益段階での格差は生まれない。ひとつのSPCの資産はおよそ10%が親会社ラウンドワンからの出資で賄われ、残る90%がノンリコースローンによって賄われるのが典型的とされている。貸借対照表に関しては、SPC関連のノンリコースローン残高が単体ベースでは計上されていないため、連結ベースでの分析が必須である。同社の資料によれば、2010年3月期末時点で連結子会社にはSPC4社、匿名組合59社が含まれる。両者はテクニカルな面で相違するところがあるが、いずれも会計上の取り扱いに実質的な格差があるものではない。

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[編集] 戦略 

既存店売上高回復に注力

2009年8月10日に行われた決算説明会において杉野社長が強調したのは以下の三点である。

  • 既存店売上高を前年同期比で、できるだけ早くプラスに回復させそれを維持するための施策を実行する。
  • 財務体質改善のために、国内においてはしばらく新規出店を手控える。
  • いずれは国外で本格的な店舗展開を立ち上げたい。

国外での本格的な店舗展開に関しては、既存店売上高の回復並びに財務体質改善が一定レベルまで実現できた段階において実行に移されるものである。杉野社長によれば北米に限らず国外展開は、超長期的にみて同社にとって避けて通れないものであるとのことである。国内展開のみに留まりながら既存のビジネスモデルに特化していれば、いずれは成長できなくなるというのが基本的な考え方である。同社ではカリフォルニア州ロサンゼルスのショップングモール内に海外1号店を2010秋頃にオープンさせる予定である。そもそも杉野社長が1980年頃からボウリング場の経営に与しはじめた理由は、同業他社よりも低い費用で同業他社よりも質の高いサービスを提供できることに確信をもったことである。直近の同氏の分析によれば、北米での店舗展開においても同様の確信がもてる状態にあるとのことである。

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[編集] 過去の財務諸表

前期以前の業績概況(参考)

Image:R1JP-quarter-2nd-outline.png

2010年3月期第3四半期実績

2010年2月10日に同社は第3四半期の決算を発表した(上記表を参照のこと)。通期予想に占める第3四半期累計実績の比率は下記の通りである。

  • 売上高:72.1% (通期予想83,000百万円に対して)
  • 営業利益: 58.6% (同13,100百万円に対して)
  • 経常利益: 51.4% (同9,000百万円に対して)
  • 純利益: 54.3% (同4,100百万円に対して)

2010年3月期第3四半期(2009年10月~12月)の売上高は19,002百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は1,639百万円(前年同期比22.2%減) という結果であった。

第3四半期の新規出店は3店舗で、2009年12月末の総店舗数は104店舗となった。

同社は2010年3月期通期の業績予想を第3四半期の決算発表と同時に下方修正した。詳細は以下の通り。

  • 売上高:83,000百万円(前の予想より3.5%減)
  • 営業利益:13,100百万円(前の予想より10.3%減)
  • 経常利益:9,000百万円(前の予想より14.3%減)
  • 当期純利益:4,100百万円(前の予想より16.3%減)

第3四半期はボウリングの売上高は6,850百万円(前年同期比6.2%増、通期予想の70.5%)であった。第3四半期の既存店売上高は8.6%減(9カ月累計では前年同期比3.5%減)となった。売上の減少は経済状況と新型インフルエンザ懸念による需要の落ち込みによるものであった。同社との取材からSR社は、現在の事業戦略が景気が回復に向かうのを待っている中で以前から導入している戦略的損益改善策(限定的な割引とダイレクト・マーケティング)を継続させていくことにあると考えている。好評のネットワーク型ボウリング対戦システム「がんばれ!ボウリング番長!」(事業内容を参照のこと)が明るい材料となっており、同社では約百万人のボウリング対戦システムのユニーク・プレーヤー総数と既存店売上高の増収(6%~7%)を見込んでいる。

厳しい経済状況が中小の運営業者を弱体化させ、究極的に淘汰させていくと同社はコメントしており、ボウリング業界の競合状況については慎重ながらも楽観的に見ている模様であった。短期的には、2011年3月期第1四半期の広告宣伝を強化し(販促構成の中でテレビ媒体を拡大)、(5月上旬の)ゴールデンウィーク中の売上をテコ入れする計画を打ち出した。


アミューズメントの売上高は8,275百万円(前年同期比8.3%増、通期予想の73.5%)であった。既存店の減収の主な要因はファミリーの来店頻度の低下とゲーム・コンテンツの低迷であった。同社によれば、ファミリーの来店頻度は前年同期比で約20%低下し、アミューズメント事業の既存店減収率9%のうちの約6%超を占めたという。ファミリーの客足は新型インフルエンザ懸念が沈静化すれば回復に向かう見通しであるが、コンテンツについては同様な回復は見込めない。コア・ゲームプレーヤーは一般にメダル・ゲームを行うことが多く、メーカーによる新型ゲーム機の市場導入ペースが鈍化している。アミューズメント事業に明るい兆しが見られないわけではなく、UFOキャッチャーが前年同期比でプラスの伸びを見せている。同社は市場での淘汰が始まっており、残りの運営業者がその恩恵を受ける可能性があることも指摘している。

第3四半期の決算説明会において同社はゲーム・コンテンツを強化し業績を向上させる点を強調した。2月にはコナミからの約100種の新型機の導入があり、さらなる導入も予定されている。同社は、ゲーム機の値上げにつながったとしても、メーカーが広告宣伝を拡大させることを望んでいる点も指摘した。


事業別の第3四半期売上高は以下の通りである。

  • カラオケ:1,452百万円 (前年同期比6.6%増)。 通期予想に対して第3四半期累計売上高の比率は72.2%である)。第3四半期単独の既存店売上高は15.3% 減(同累計13.0%減)。
  • スポッチャ: 1,755百万円 (前年同期比7.8%減)。 通期予想に対して第3四半期売上高の比率は72.0%である)。第3四半期単独の既存店売上高は16.6% 減(同累計9.2%減)。
  • その他:668百万円 (前年同期比13.8%増)。 通期予想に対して第3四半期売上高の比率は72.8%である)。第3四半期単独の既存店売上高は12.1% 減(同累計0.9%減)。


同社は、赤字店舗数の削減(2010年3月期第3四半期時点で104店舗中13店舗が赤字)と有利子負債の削減等、短期および中期的な財務の改善に注力している。店舗年齢が収益性に貢献する形となっている。賃借料が開店4年目以降約7%低下し(コスト構造分析を参照のこと)、2011年3月期の店舗のうち、約70%が4年以上の店舗年齢となっていく。店舗の閉鎖は黒字化努力が失敗に終わった場合に選択する最後の手段とされている(店舗閉鎖コストは700百万円~1,300百万円)。同社は10年以内にほぼ無借金とする内部目標を打ち出した。2010年3月期第3四半期末の貸借対照表上のSPC関連有利子負債(短期負債を含む)は約63,000百万円であった、

SR社は、2011年3月期の総リファイナンス費用が約14,000百万円となり、その内、同社からはSPCの自己資本を強化させる約3,000百万円の出資が必要となると理解している。SPCの有利子負債のリファイナンスではノンリコースローンがコーポレートローンに置き換えられることになり、これは、全体のコスト(設備リース料が主にSPCによる支払利息に等しく、一般に社債はノンリコースローンよりも低めの支払利息となっている)にプラス影響を及ぼすと思われる。


転換社債に関する追加情報

同社の転換社債の割当て前の日興シティグループによる同社株式の空売り向けに、杉野社長が株式の貸出しを行ったが、このことに対して一部の個人投資家は自己取引ではないかとの懸念を抱いているようである。杉野社長はこの行為がいかなる自己売買にも適用せず、リーマンショック後の貸し渋りで生じた資金調達危機から会社を脱却させる唯一の選択肢にすぎないと主張している。日興シティグループが株価リスクのヘッジ手段(株式の空売りを通じて実施)を講じずに転換社債の買い手となることは不可能であった。ここ触れなければならないのは、日興シティグループがそもそもリスクを負って同社の転換社債を引き受けるという決断した唯一のが証券会社だったということである。

転換社債を購入する投資家は一般に、債券部分と比較した転換オプションの価値に投資妙味を見ている。このようなオプションは(株価が転換価格を上回ることで生じる)転換の確率に基づき評価される。株価とオプション価格を切り離すために、転換社債の投資家の多くは株式の空売りを行い、株価の損益を相殺させている(投資家は社債の転換を通じて株式のロング・ポジションを取り、さらに空売りを通じて株式のショート・ポジションをとることで、正味エクスポージャーはゼロとなる)。


2010年3月期第2四半期実績

2009年11月11日に発表された第2四半期累計実績は、売上高が前年同期比で5.4%増加したものの、営業利益が同19.2%減、経常利益が同32.0%減、当期純利益が11.8%減という結果であった。消費の低迷と新型インフルエンザへの懸念が客足の鈍化に寄与し、10月末にかけての事業環境に悪影響を及ぼしたと同社は説明している。マクロ経済的圧力が今後も継続すると同社は見ており、営業時間の延長や顧客増を狙った取り組みなど、戦略的な損益改善策を進めている。具体的には、大多数の店舗において10月31日から営業時間が延長された(週末は24時間営業)ほか、よりローコストのダイレクト・マーケティングで集客する、モバイル会員制度を導入した。同社はまた、人気の高い「がんばれ! ぼうりんぐ番長!」に備わったトーナメント方式のプレーを向上させ、ネットワーク型対戦機能を更に強化したことを発表している。 連結通期業績予想は、当初予想から下方修正された。売上高860億円(期初予想から5.5%マイナス)、営業利益146億円(11.5%マイナス)、経常利益105億円(19.2%マイナス)、当期純利益49億円(22.2%マイナス)を見込む。

事業別の具体的概説と見通し
アミューズメント
ゲームの売上高は期初会社予想を下回ったものの、四半期実績としては前年同期比で1億8500万円(1.1%)の増加だった。新しいゲームタイトルの不足とマクロ経済的諸条件が計画通りの進行を妨げたと同社は発表コメントで示唆している。経済的圧力が今後も存続すると見込まれる一方、市場に新タイトルが投入され売り上げが伸びる可能性や、民主党が提案する景気刺激策が可処分所得にプラスの影響を与えることも考えられ、下半期に入る段階での当該セグメントの見通しは不透明である。

ボウリング
新型インフルエンザへの懸念から、ボウリングの売上高は会社予想を下回った。具体的には、一部の顧客(熟年層、ファミリー)がボウリング場を訪れる頻度の低下がみられた。150億円という上半期売上高は期初予想より9億4200万円低いものだったが、前年同期比では10.7%のプラス成長を示している。ボウリングの売上高は全売上高の35%以上を構成する。したがって、他の事業における売上増が予想以下となったことを、前年同期比プラスのボウリング売上高が埋め合わせる格好となった。

カラオケ
カラオケの売上高は30億円で、前年同期比では6.5%のプラス成長だったが、会社予想の32億円には満たなかった。業界他社には、厳しい経営環境の割には健闘し、売上高は横這いまたは微増で逃げ切ったところもある。これら企業は、顧客の来店時間に基づく料金変更を実践している。こういった柔軟な料金設定を採用したところでは、顧客あたり支出は減少した反面、客数が減ることはなかった。

スポッチャ
スポッチャは、前年同期比で売上減を記録した唯一のセグメントで、売上高が2009年3月期上半期の48億円から47億円に減少した。当セグメントの動向について同社は、都心部のスポッチャ施設の業績は地方の施設に比べ良好だったことを示している。

2010年3月期第1四半期実績
8月7日に発表された第1四半期実績は、売上高195億円(前年同期比4.5%増)、営業利益21億円(36.3%減)、経常利益11億円(54.8%減)、当期純利益6億円(53.3%減)という結果であった。会社予想と比較した場合、売上高で491百万円(-2.5%)の未達であり、経常利益で138百万円(-10.9%)、当期純利益で45百万円(-6.8%)の未達である。経常利益の未達額に関しては以下の分析が開示されている。


アミューズメント機器の新規導入の遅れからリース料並びに減価償却費は想定値よりも少なくなり、期間損益に対してプラスの影響を及ぼした。ただし、売上高が未達となったことに加え、テレビコマーシャル等の広告宣伝費やアミューズメントでの販売促進策としての景品関連費用が想定値を上回り、期間損益を押し下げる要因になった。また、営業外損益では店舗開発期間延長に伴う金利負担の増加から匿名組合からの配当が想定値を下回った。


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[編集] 損益計算書 

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直近実績においては、日本経済の未曾有の悪化を主因として調整を余儀なくされている。2010年3月期の売上高は821億円(前期比5.3増)で営業利益は120億円(11.6%減)であった。売上高の伸び悩み並びに営業利益の減少の主因は既存店売上高の減少であると言えよう。既存店売上高は、2008年3月期には前期比4.0%減となったのに続き2009年3月期も8.5%減となり、2010年3月期は7.7%減となった。同社の事業は固定費ビジネスであることに鑑みれば、売上総利益率の悪化は限定的であったとも言えるだろう。2010年3月期の売上総利益率は、2009年3月期実績である19.7%に対して16.8%となった。同社の既存店舗におけるリース料の継続的な低下などが売上総利益率の極端な悪化を抑制する方向に働いたと考えられる。

過去の業績予想と実績

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[編集] 貸借対照表 

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資産

2010年3月期末時点の固定資産のほとんどは、同社の店舗営業に関連した有形固定資産である(固定資産総額2,121億円のうち2,022億円)。

負債

同社の有利子負債は、2009年3月期末では1,179億円だったが、2010年3月期末では1,389億円にまで増加している。ノンリコースローン残高に限れば、同期間に833億円から568億円に減少しているが、それを上回る借入金の増加があった。

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株主資本

2010年3月期末時点の株主資本は対前年比132億円純増の862億円となったが、これは当期純利益34億円、配当金支払い14億円、転換社債の転換による新規株式発行112億円の結果である。

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株主還元

過去の株式分割の調整後でみれば、同社は過去5年連続1株当たり20円の配当を維持しており、2011年3月期の1株当たり配当金も20円が予定されている。当面の同社の配当支払い方針は、現行の絶対額である1株当たり20円を維持するものであり、配当性向については特に目標値は掲げられていない。実際に、2009年3月期は当期純利益の急落にもかかわらず20円配当が継続された結果、配当性向は31.7%(2008年3月期は13.8%)にまで上昇している。また、自社株の買戻しの可能性はいまのところ考えにくい。

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[編集] キャッシュフロー計算書 

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営業活動によるキャッシュフロー

2010年3月期の営業活動によるキャッシュフローは同社史上最大の222億円の流入に達した。減価償却費は40億円増加したものの、税金等調整前当期純利益の減少が大きく影響した。会社予想に基づけば、2010年3月期の営業活動によるキャッシュフローの流入も高水準を維持する見込みである。税金等調整前当期純利益は2009年3月期の70億円に対して、2010年3月期には112億円が予想されている。一方、損益計算書・貸借対照表ベースの減価償却費は2009年3月期の88億円に対して2010年3月期会社予想では106億円が見込まれている。同社の営業活動によるキャッシュフローの特色は、税金等調整前当期純利益と減価償却費の影響が相対的に大きいことである。言い換えれば、運転資本の変動の影響が小さいといえる。この背景としては、1)同社のサービスに対する対価が現金で支払われることが多いこと、2)調達部材が少ないこと、3)在庫の絶対水準が低いことが理由として挙げられる。

投資活動によるキャッシュフロー

2010年3月期の投資活動によるキャッシュフローは356億円の流出となった。営業活動によるキャッシュフローと合算した数値は134億円の流出である。フリーキャッシュフロー(税金等調整前当期純利益+減価償却費+のれん償却費+運転資本増減+法人税等の支払額+設備投資)では、161億円の流出である。連結決算再開以降の過去4年度連続で、同社では両者において大幅な流出が続いてきており、これを財務キャッシュフローによる流入が補っている。

財務活動によるキャッシュフロー

テクニカルな会計の詳細:同社の財務活動によるキャッシュフローは、単体と連結では大きく異なるものとなっている。これは会計基準の変更により2007年3月期からSPCが連結決算に含められるようになったためである。そのため、2006年3月期以前の財務活動によるキャッシュフローは期中の財務活動を完全に反映するものとはなっていない(詳細はSPCに関する項を参照。)

同社が15カ所のスタジアム型施設の出店を行った2007年3月期の財務活動によるキャッシュフローは、主にノンリコースローン(約310億円)によるものとなっている。2009年3月期と2010年3月期の同キャッシュフローは主に長期借入金によるものである。同社は、2009年3月期に329億円を調達して143億円に相当するSPCに係るノンリコースローンを返済、2010年3月期には432億円を調達し、ノンリコースローン231億円を返済した。

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[編集] その他情報

[編集] 沿革

1980年12月に設立された杉野興産株式会社のローラースケート場は、来場者が土日に過度に集中するという問題に直面し、一旦その敷地を倉庫に模様替えすることになったが、当時まだ大学生であった現CEO兼代表取締役社長の杉野公彦氏が倉庫ではなくボウリング場の経営を提案し、自らが経営にあたったのがラウンドワン設立への布石となった。主要顧客層と同年代であった杉野氏は、自らが望むコンセプトに従いボウリング場を経営し大きな成功を収めることとなり、やがては新店舗を立ち上げ1993年3月にはラウンドワン(旧)を設立するに至った。杉野氏は、大規模店舗内に主力のボウリング以外にゲームセンターやカラオケボックスなども併設させ、ラウンドワン以外には存在しない新しい複合アミューズメント店舗を各地に立ち上げ、現在までに全国で同店舗を運営するに至っている。

年月 事項
1980年12月 ラウンドワンの前身である杉野興産株式会社を設立。大阪府泉大津市にローラースケート場をオープンラウンドワンの前身である杉野興産株式会社を設立。大阪府泉大津市にローラースケート場をオープン
1993年 3月 現代表取締役社長兼CEOの杉野公彦氏がラウンドワン(旧)を設立
1997年 8月 大証二部上場
1998年12月 東証二部上場
1999年 9月 東証・大証一部へ指定替え


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[編集] ニュース&トピックス 

2010年3月25日に同社は、第4回無担保転換社債型新株予約権付社債の株式転換が完了したと発表した。2010年3月25日時点における転換株式総数は3,390,435 株であり、発行済株式総数は79,452,914 株である。

また、当該4回債の全額転換後の資本金が20,924,591,490 円になったことも同日発表した。

同社は、2010年3月10日に第4回無担保転換社債型新株予約権付社債の強制転換価額が530.9円に確定したと発表した。強制取得日は2010年3月25日である。SR社は、第4回債に関して転換株式総数が3.4百万株となり、結果的に発行済株式総数は79.5百万になると推測している。

2010年2月10日、同社の第3四半期実績が発表された。



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[編集] トップ経営者 

杉野公彦氏:1961年生まれ。CEO兼代表取締役社長で同社の創業者である。同社の過去の成長は同氏の意思決定によるところが大きく、また将来においても同社の意思決定に対する最大のキーパーソンである。

吉田健三郎氏:1947年生まれ。常務取締役。元プロボウリング選手で、1997年に同社に入社している。 現在、同社の業務執行を統括している。

田川由登氏:1948年生まれ。取締役。同氏も元プロボウリング選手で、1992年に同社に入社している。現在、同社のリスク管理を統括している。

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[編集] 従業員 

同社の従業員数(パートタイマーを含まない)は、2010年3月期末時点で1,188名(期初に比べて14.8%増)である。平均年齢は30.0歳、平均給与は515万円である。また、新規出店には、1店舗当たり10~15名の配属が平均的であり、加えて登録ベースで100~250名に及ぶパート・アルバイト従業員を1店舗当たりで擁するのが平均的である。

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[編集] 大株主 

2010年3月期末時点では、大株主上位10名合計で発行済株式の64.85%を占めた。筆頭株主は同社の創業者にして現代表取締役である杉野公彦氏であり、その持株比率は25.04%である。杉野公亮氏保有の14.70%と合算すれば、持株比率は39.74%である。

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[編集] IR活動 

機関投資家向け決算説明会は現在東京で四半期ごとに、大阪では半期ごとに行われている。一方、個人投資家向けの説明会は現在計画されていない。決算説明会では、CEO兼代表取締役社長の杉野公彦氏が直接投資家やアナリストに対して説明を行い質疑応答にも対応している。IR窓口は総務部部長田邊憲昭氏(電話番号:072-224-5115)である(日本語以外の言語での応対は不可)。


IR自粛期間について:同社は原則として決算発表(四半期決算を含む)の約2週間前よりIRに関する取材を断る。ただし、事業に関する基本的な内容や過去に発表済の内容に関する取材等を受けることにしている。

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[編集] ところで

同社では外国人顧客のために施設案内や遊び方を説明した多言語のパンフレットを用意している。

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