日本駐車場開発(2353)
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直近更新内容
概略
2012年2月29日、日本駐車場開発株式会社は2012年7月期第2四半期決算を発表した。
(決算短信へのリンクはこちら、2012年7月期第2四半期実績へのリンクはこちら)
3ヵ月以上経過した会社発表はニュース&トピックスへ
業績動向
四半期業績動向
四半期毎の季節性に関しての補足
スキー場事業において主に売上及び利益が計上されるのは、スキー及びスノーボードのシーズンである第2四半期(11-1月期)、第3四半期(2-4月期)である。逆に第1四半期(8-10月期)、第4四半期(5-7月期)は売上高の計上は少なく、営業損失となる。従って、全社的な売上高、営業利益も同様に第2四半期及び第3四半期に高く、第1四半期及び第4四半期に低くなりやすい点に注意が必要である。
2012年7月期第2四半期実績
2012年2月29日、同社は2012年7月期第2四半期決算を発表した。通期会社予想に変更はない。
第2四半期累計期間の売上高は前年比6.6%増の5,025百万円となり、半期ベースでは過去最高となった。営業利益は同9.6%増の770百万円、経常利益は同19.0%増の770百万円となった。経常利益の増益率が高いが、営業外費用で計上している投資組合投資損失が7百万円と前年同期の48百万円から減少したことが主因である。また、四半期純利益は法人税率の改正に伴う繰延税金資産の取り崩し等により微増に留まった。
売上高はやや計画を下回ったが、営業利益についてはほぼ計画通りの実績となった。事業別には、駐車場事業、スキー場事業共に計画に通りに進捗していると同社はコメントしている。
- 駐車場事業:売上高4,241百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益799百万円(同19.8%増)
売上高は、国内駐車場事業において、2011年7月末からの物件純増数が81物件(新規契約96物件、解約15物件)と過去最高の物件の伸びとなったこと、既存物件における収益性の改善等によって増収となった。新規契約が順調に進んだ背景として、同社は、オフィス空室率が高止まりしたことにより、オーナーの駐車場収益化需要が堅調であったためと分析している。また、既存物件の収益性改善については、月極・時間貸し駐車場ポータルサイトを開設するなどサービスを拡充したことや、駐車場現場の人材を強化したことが寄与したとのことだ。駐車場現場の人材について、同社はこれまで臨時従業員に多くを依存してきた。しかし、臨時従業員には短期間(平均1年強)で人員が入れ替わり、ノウハウが蓄積されない側面もあることから、臨時従業員の一定割合を高卒の正社員に振り替えることでより駐車場運営のノウハウを蓄積し、サービス満足度を高めていく方針だとしている。
海外駐車場事業に関しては、2012年1月末時点では、タイで5物件(総台数は3,101台)、中国で1物件(総台数は40台)の駐車場運営を行っている。当初想定よりもやや物件獲得が遅れ気味の模様。ただし、営業損失も限定的であり、市場規模を踏まえれば、中長期的にはポテンシャルが大きいと同社はコメントしている。
駐車場事業の売上高の内訳は、国内の売上高が4,128百万円(前年比6.1%増)、そのうち直営事業が2.969百万円(同3.8%増)、マネジメント事業が944百万円(同11.0%増)であった。また、海外の売上高は114百万円(2011年7月期第2四半期より売上計上)であった。
営業利益は、新規物件の増加、及び既存直営物件の収益率が改善したこと、人件費以外の経費削減等によって、人員積極採用による人件費増加を吸収し、増益となった。
- スキー場事業:売上高784百万円(前年同期比4.7%減)、営業損失29百万円(前年同期は営業利益36百万円)
鹿島槍スポーツヴィレッジ、川場スキー場のオープン日を例年よりも計画的に遅らせることで、効率的なスキー場運営を試みたにも関わらず、来場者数は前年同期と同程度であったとのことである。売上高は、オープン日変更に伴うシーズン券売上の計上期間の変更(シーズン券の売上計上はシーズン券の有効期間で期間按分するがオープン日変更によって、その分初月の売上が減少する)とテナント契約形態の変更(これまでのグロス表示からネット表示に変更)により等、一部売上計上方法を変更したこと等によって前年比4.7%減となったが、そうした影響を除けば売上高は増収となった模様。
2010年10月に川場リゾート株式会社の株式を取得し、今第2四半期累計期間は前年同期より1つ多い3スキー場でシーズン前の運営準備費用が発生したことにより、営業損失は前年同期よりも拡大した。
- その他トピック等
カーシェアリング事業
同社は2011年12月にカーシェアリング事業を分社化(日本自動車サービス株式会社設立)、同事業を積極的に拡大していく方針。2012年1月末の設置台数は107台、1,120口、会員数2,167名である。同社は、カーシェアリングサービスのみでは、なかなか利益が出ないものの、同社のように駐車場事業を営む会社がやるとシナジー効果から効率よく収益化が可能であるとコメント。東京にある一部エリアの例を挙げて以下のように収益変動を説明している(出所:2012年7月期第2四半期決算説明会資料)。
- 前提:駐車場5物件、カーシェア8台設置
- 駐車場収益のみ:売上高2,500千円、売上原価1,800百万円、売上総利益700千円
- 駐車場収益+カーシェアリング収益:売上高3,300千円(2,500千円+800千円)、売上原価2,100千円(1,800百万円+300千円)、売上総利益1,200千円(700千円+500千円)
今後に関しては、東京既存直営物件中心に出店していくとのことで、設置台数の目標値として、2012年7月末:150台、2013年7月末:300台、2014年7月末:600台、2015年7月末:1,000台を掲げている。
新規市場としての分譲マンション駐車場の開拓
同社は、2012年7月期下期以降のターゲットとして、オフィスビルの附置義務駐車場に加え、分譲マンションの空き駐車場を挙げている。同社は、以前よりマンション管理会社(マンションの設備維持管理を担う会社、一般的な建売マンションには住人を代表してマンション管理組合という組織が設けられており、マンション管理組合からマンション管理会社が業務委託を受けているケースが多い)から、分譲マンションの空き駐車場の活用について相談を受けていたとのことだ。そこに2012年2月に、国税庁が分譲マンションにおける空き駐車場を外部に賃貸する場合の課税基準を明示したことで、本格的に営業先として開拓するに至ったとしている。同社は当該市場を開拓するメリットとして、新たな営業先が増えることに加え、1)機械式駐車場の割合が多いとみられ、同社の専門性を発揮できること、2)カーシェアリング事業とのシナジー効果が高い点、などを挙げている。また、マンション管理組合のメリットとしては、1)不稼働駐車場の有効活用により増収となり、修繕積立不足の問題等が部分的に解消すること、2)清掃費、管理費等を収益と相殺できること、などが考えられる。
貸借対照表
貸借対照表に関していえば、有利子負債は試算圧縮等により減少傾向にあり、2012年7月末で現預金を控除したネット有利子負債はほぼゼロとなる見込みだという(2012年7月期のネット有利子負債は783百万円)。ちなみに、同社の投資有価証券は2012年1月末で1,411百万円。このうち最大のエクスポージャーはIHI運搬機械株式会社(東証2部6321)であったが、IHI運搬機械社に対しては2012年2月3日付で株式会社IHI(東証1部7013)が公開買付け(TOB)の意見表明を発表。同社も、このTOBに応じる方針であり、IHI運搬機械社の株式を売却する予定(2012年3月23日決済、譲渡金額1,277百万円、譲渡益(税引前)310百万円)。そのため、仮に投資が当初計画通りであったならば、2012年7月末のネット有利子負債はゼロではなく、マイナス幅が膨らむ(有利子負債返済がより進み、現預金を下回る)となる見込みである。
2012年7月期第1四半期実績
2011年11月30日、同社は2012年7月期第1四半期決算を発表した。ほぼ会社予想通りの実績であるとして、2012年7月期第2四半期累計期間の会社予想は期初予想が据え置かれていた。
売上高は前年同期比9.3%増の2,122百万円となり、四半期では過去最高となった。一方、営業利益は同5.6%減の212百万円であった。駐車場事業が増益であったものの、前年同期より運営スキー場が1ヵ所増加したこと等によりスキー場事業が減益となったことが影響した。経常利益は匿名組合投資損失の減少により、同14.8%増の202百万円となった。また、当期純利益は同46.0%増の95百万円であった。
- 駐車場事業:売上高2,094百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益396百万円(同16.9%増)
売上高は、国内駐車場事業において、2011年7月末からの物件純増数が32物件(新規契約38物件、解約6物件)となったこと、海外駐車場事業でもバンコクで2011年7月末から2物件の新規契約を獲得したことなどによって増収となった。内訳は、国内の売上高が2,041百万円(前年比6.0%増)、そのうち直営事業が1.472百万円(同3.3%増)、マネジメント事業が470百万円(同14.4%増)であった。また、海外の売上高は53百万円(2011年7月期第2四半期より売上計上)であった。
営業利益は、新規物件の増加、及び既存直営物件の収益率が改善したこと、人件費以外の経費削減等によって、人員積極採用による人件費増加を吸収し、増益となった。
ちなみに、2011年11月30日時点において、バンコクにおける洪水の直接的な被害はないと同社はコメントしている。
- スキー場事業:売上高28百万円(前年同期比62.9%増)、営業損失184百万円(前年同期は営業損失114百万円)
2010年10月に川場リゾート株式会社の株式を取得し、今第1四半期は前年同期より1つ多い3スキー場でシーズン前の運営準備費用が発生したことにより、営業損失は前年同期よりも拡大した。
- トピックス
カーシェアリング事業を子会社化
同社は2011年11月28日付で、カーシェアリング事業を子会社化することを発表した。今後は、同社の100%子会社である日本自動車サービス株式会社において、カーシェアリングサービスの運営を行っていくことになる。
2011年10月末時点で、同社は全国8拠点において97台のカーシェアリング車両を設置、会員1,844名を有している。今後は、新たな施設での車両設置や貸し出しスキームの提案等の新サービスの拡充もしていく予定とのことで、具体例として、学生向けサービスの導入や大学への設置、環境志向の高い団体や施設への設置等を挙げている。
当該子会社設立後は、東京都内及び大阪市内を中心に展開エリアを拡大し、今後3年間で首都圏を中心に1,000台、中長期的には全国で5,000台の車両を設置することをめざしていくと同社はコメントしている。
同社は同事業を子会社化した上で上記目標を掲げ、強化していく理由について、カーシェアリングサービスをこれまで手掛ける中、ユーザーのニーズの高まりを認識し、将来的にも伸びて行く事業であるとの見通しを抱くに至ったためであると述べている。
SR社の認識の範囲で一般的なカーシェアリングサービスの基本事項についてまとめると以下のようになる。
- カーシェアリングは複数人で車を共有する仕組み。レンタカーと違い、分単位での利用も可能で、会員登録さえしておけば利用に際して対面での手続きが不要となるなど面倒な手続きもない。基本的にはインターネット等で予約するだけで、直接現地に行き、会員カードで鍵を開けるなどセルフサービスで利用する
- カーシェアリングでは一般に会員登録費や利用料金、走行距離といった、いわば量に応じて課金されるシステムが採用されている。自動車を個人で維持・管理しないため、購入費や保険料・車検代・駐車場代などの維持費、維持・管理に伴う手間もかからない。そのため、頻繁に利用しない個人及び個人事業主にとっては、自分で車を保有するよりも割安となる
- 日本における会員数は73,224人、車両数は3,911台(2011年1月時点)。人口に占める会員の比率は0.06%に留まる。一方、欧米では利用が進んでいる。特に、スイスでは会員数が約9.4万人、2,350台の車両が利用されている(2010年6月時点)。会員は人口比では1.22%となる。(出所:交通エコロジー・モビリティ財団「わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移(2011年2月)」)
- 国内では、パーク24株式会社(東証1部4666)、オリックス自動車(オリックス(東証1部8591)子会社)、などが手掛ける。パーク24社の会員数は71,850人、車両台数は2,727台(ともに2011年10月末)、オリックス自動車社の会員数は30,000人、車両台数は1,274台(ともに2011年3月末)
カーシェアリング普及の要件として、1)人口密度が高いこと、2)鉄道などの公共交通機関が発達していること、3)利用者の平均的な走行距離が短いこと、などが挙げられるとSR社は考える。その点、日本はこうした要件を満たしており、今後カーシェアリング市場が黎明期から普及期へと移行する可能性は高い。そのため、同社におけるカーシェアリングサービス事業の展開は要注目といえよう。
過去の四半期実績と通期実績は、過去の財務諸表へ
会社予想(2012年7月期)
2012年7月期の会社予想は、売上高が前年比14.5%増の11,000百万円、営業利益が前年比33.2%増の2,000百万円である。
駐車場事業に関しては、売上高が前年比14.4%増の9,100百万円、営業利益が前年比29.7%増の1,800百万円の計画。増益の大半が国内駐車場事業によって見込まれている。国内駐車場事業に関しては、運営・管理台数の純増目標として4,700台の計画。2011年6月期実績が同3,113台の純増であったことを踏まえれば、純増数で前年比51%増をめざしていることになる。同社はこのための施策として、国内駐車場事業人員数の増加(2010年7月期143名、2011年7月期170名、2012年7月期200名)や管理エリアを細分化することによる地域営業のよりきめ細かい対応、東京都心の既存エリア以外の駐車場逼迫エリアの開拓などを挙げている。また、2011年7月期に発生した震災影響や既存物件の収益性低下などの反動も増益要因としてみている。
スキー場事業に関しては、2011年7月期に震災影響でスキー場営業を休止し、来場者が減少した分の反動をみている点が増収要因としては大きいとSR社は理解している。また、そうした増収要因に加えて、引き続きオペレーション効率の改善等に努めることや減価償却費の減少等によって、高い増益率が見込まれている。
経常利益は前年比30.0%増の1,870百万円の計画。投資組合運用損などによって営業外収支で130百万円の損失が見込まれている。特別損益は特になく、当期純利益は前年比30.1%増の1,106百万円の計画である。
将来の展望
同社は、中期計画を対外的に公表していない。ただし、中期的な経営指標の目標値としては、営業利益率25%(2011年7月期実績15.6%)、経常利益率25%(同15.0%)を掲げる。
営業利益率25%に関しては、人件費以外の販管費の圧縮、及び社員一人当たりが担当する物件数の適正化(月極め専用直営物件であれば一人当たり20~25物件)によって、営業利益率を粗利益率に近づけることで達成を図る方針である。また、財務面では、資金効率の向上を目的として投資有価証券の売却を進めるほか、私募ファンド出資の回収資金(年間1~2億円回収)により、有利子負債や総資産の圧縮などを図っていく方針であり、同社は自己資本比率30%に関して、2010年7月末を達成期限として定めていた。
営業利益の水準として、同社では30億円を一つの目安としている模様である。目標営業利益率25%より逆算すれば、売上高の水準としては120億円を目標としていることになる。また、営業利益の年間成長率は20%から30%を達成していきたいと述べている。SR社では、潜在的な市場規模(附置義務駐車場の開拓余地)を踏まえれば、こうした目標は達成不可能ではないと考える。ただし、優秀な営業マンの育成・定着など人的資源のマネジメントが同社にとっての最大の課題であると認識しており、今後の同社の施策を注視していくつもりである。同社の駐車場事業の売上の過半を占める直営月極専用物件において、売上高販管費率は物件数の増大に反比例して低下する構造となっている。そのため、SR社では、物件数の獲得ができれば、営業利益率を粗利益率に近づけることはさほど困難ではないとみている。
その他、同社では中長期的な視野に立った上での施策として、カーシェアリング事業を強化しているほか、海外展開を進めている。
(カーシェアリング事業への進出)
SR社では、都心部を中心とした車を持たない個人の増加、法人における保有車両減少傾向を受けて、カーシェアリング市場を中長期的に有望とみている。同社におけるカーシェアリング事業は緒に就いたばかりで、今のところ収益貢献は限られるものの、今後の動向は要注目である。2011年7月期における車両設置台数は77台だが、同社は2012年7月期で同150台、2013年7月期で同300台を目標としている。
(海外展開)
同社は、2011年7月期にタイおよび中国に現地法人を設立した。同社は、(2011年9月時点で)5年後ぐらいまで海外駐車場事業で営業利益の半分ぐらいを稼ぎたいとコメントしている。
事業内容
ビジネス
駐車場の運営、コンサルティングを手掛けるほか、2006年よりスキー場を運営する。駐車場事業とスキー場事業の2事業を抱えるが、収益貢献は駐車場事業が大半である。
主な事業部門
駐車場事業(2011年7月期売上構成比:82.8%)
同社は駐車場の有効活用に係るビジネスを展開している。主に都心部の附置義務駐車場(定義は「市場とバリューチェーン」を参照)として設置されているビル附置駐車場をメインターゲットとし、「直営事業」、「マネジメント事業」、「リーシング事業」、「VA(付加価値)サービス事業」などを手掛けている。
- 直営事業
連結売上高の約60%(2011年7月期)、駐車場事業の売上の約73%(2011年7月期)を占める主要事業である。駐車場料金が高い都心部のオフィスビル・商業施設・ビジネスホテルなど附置駐車場の不稼働駐車スペースを同社が借り上げ、外部ユーザーに駐車場として提供(転貸、サブリース)する事業である。
附置駐車場はテナントもしくは来場する顧客のために設置してあるが、近年、営業車を持たない企業テナントが増加してきたことなどから、不稼働駐車スペースが多数存在していると同社はコメントしている。同社は利用ニーズに応じた月極、有人時間貸しなどの運営スタイルの設定や、最適な価格設定などにより効率的な運営を実施し、オーナーには経営リスクの削減と安定収入を保証(オーナーは不稼働の駐車場からも安定収入を得られる、稼働リスクは同社が負う)する。一方、駐車場の稼動を高めることでユーザー対しても、駐車場料金が周辺相場より安く提供することを可能とし、また、商業施設など有人時間貸し運営を行っている駐車場においては、顧客の代わりに機械式駐車場への入出庫を行うサービスを実施するなど、収益創出・コスト削減といった利益改善と、安全面・利便性やサービス向上を同時に提供している。
同社は外部ユーザー(近隣、半径300m程度のユーザーが多い)に対し、月極による賃貸を行っているほか、駐車場物件によっては、駐車場オーナーの意向及び当該駐車場の立地条件や設備の状況・能力等を検討し、月極賃貸に時間貸し営業を組み合わせた運営を行っている。具体的には、駐車場ユーザーは営業等で昼間は外出、その車室は空いたままであるケースが多い。そこで同社は空いた車室をさらに1日貸し、時間貸しといった形で別のユーザーに貸出している。
極端な例を示せば、月極の駐車場を他のユーザーに1日貸しし、さらに1日貸しユーザーが出払っている間に、時間貸しをするケースもある。1つの車室を3ユーザーに貸出ししていることになり、会社ではこうした貸出形態を「3毛作」と呼んでいる。
- マネジメント事業
不動産市場の良し悪しに左右されにくいビジネスモデル構築を目的に、以前より定評のあった有人による駐車場オペレーションを更に強化したことに由来する。
大型オフィスビル、大型商業施設、高級ホテル、ブティックなどの時間貸し駐車場で、集金・契約業務など運営・管理代行をする。日本では真新しい概念であるバレーサービス(施設を利用する顧客の車をエントランスにて預かり、その車を駐車場まで回送し、誘導員は鍵を保管し、帰りの際は駐車場より、顧客の目の前まで車を届けるサービスのこと)など高付加価値のオペレーションを行うことにより、駐車場を含む施設全体の価値向上に努めている。
現在では同社の成長ドライバーとなっており、2006年7月期では駐車場事業売上高の7.8%であった構成比が2011年7月期では同22.2%(連結売上高の18.3%)にまで上昇している。
- その他
直営事業、マネジメント事業以外に、リーシング事業、VAサービス事業、カーシェアリング事業などを手掛けている。
リーシング事業
同社が一括で不稼働部分を借り上げるのではなく、駐車場オーナーの代わりに不稼働部分の駐車場に顧客を誘導する事業である。インターネット(サイト名「月極駐車場検索パ王」 http://p-king.jp/ )での駐車場紹介サービスも展開している。
VAサービス事業
これまで蓄積した駐車場、ユーザー、オーナーに関する情報、運営ノウハウ等を不動産評価や駐車場の整備及びそれに付随するサービスに運用した事業である。駐車場のデューデリジェンス等、単に評価を行うサービスを始め、駐車場の閉鎖を行う場合にはユーザーの解約業務や新たな駐車場の紹介等、駐車場の閉鎖業務も行っている。
また、駐車場のオーナーへ周辺環境等を考慮した最適な設備構成を考案し、リニューアルした場合の収益見込みを明確にした上で、ハード、ソフト両面でのソリューションを提供するリニューアルコンサルティングや安全面に関するコンサルティングを行っている。
カーシェアリング
駐車場事業のその他に含まれる。2008年9月から東京の渋谷・青山を中心にカーシェアリング(商標は「エコロカ」)を開始した。既存の駐車場事業とのシナジーとして会社では、カーシェアリングの車を設置するための駐車場をすでに確保しており、新たな駐車場の仕入れにおいても強みあること、同社が駐車場を展開している地域は、賃料が高い都心部であるため車の所有コストが高く、車を所有できないユーザーが多くいるため、同社がカーシェアリングを提供することで、このような潜在需要を新たに満たすことができること、などを挙げている。
2011年7月時点でカーシェアリング設置台数は77台、ユーザー数は1,364人だが、会社では、中長期的に設置台数1,000台、ユーザー数は20,000人を目標にこの事業の売上高を1,000百万円規模まで成長させるとしている。
スキー場事業(2011年7月期売上構成比:17.2%)
同社では、「関わる人すべてがハッピーなビジネスを」という経営理念に基づき、「不稼働な素材」に注目し、これを活性化させ関係者の満足を高めることに取り組んでいる。そうした経営理念の一貫で、「不稼働な素材」としてスキー場に注目し、2005年12月に日本スキー場開発株式会社を設立している。
2011年12月現在、同社の連結子会社である日本スキー場開発株式会社が、傘下に株式会社鹿島槍(出資比率100%、鹿島槍スポーツヴィレッジ運営)、株式会社北志賀竜王(出資比率100%、竜王スキーパークを運営)、株式会社川場リゾート株式会社(出資比率99%、川場スキー場を運営)の3社を抱える。
- 鹿島槍スポーツヴィレッジ(長野県大町市):2006年より同社が運営を開始。2011年7月期のシーズン来場者数は142千人。同社はアスリート向けのスキー場と位置付ける
- 竜王スキーパーク(長野県下高井郡山ノ内町):2009年11月に当時運営していた竜王観光株式会社の全株式を野村ホールティングス傘下の事業再生ファンドより取得、同社が運営を開始。2011年7月期のシーズン来場者数は245千人。同社は学生等若年層あるいは初心者向けのスキー場と位置付ける
- 川場スキー場(群馬県利根郡):2010年10月に同スキー場を運営する川場リゾート株式会社の株式を取得。2011年7月期のシーズン来場者数は124千人。首都圏からの日帰り圏内にあるなどアクセスがよく、周辺地域のなかでも比較的標高が高いという特徴がある
同社が運営するスキー場についての特徴として、1)標高が高い、集客力のあるエリアに立地、2)人口降雪機を完備、などが挙げられる。今後獲得する可能性のあるスキー場も含め、同社は、1)立地エリアの分散、2)スキー場毎に来場者の特徴がある点、3)IRRの高さ(30%超等)、などを念頭に置いていきたいとしている。
SR社の認識としては、スキー場ビジネスは収益化が難しい上に、容易にエグジットを求めると、その事例をみて、売却候補地が減少、それ以降の物件取得に響く。同社はそうしたリスクを回避するために、投資基準を厳格化を試みている。
同事業は2010年7月期に営業黒字に転じた。同社が実施している施策としては、集客を増やす目的で実施しているイベント開催、PRやオフシーズンの営業強化、スキー場のレストランメニュー改定による原価低減や土地賃借料改定といったコストコントロールや3スキー場の相乗効果(共同マーケティング、共同仕入、リフト整備技術の共有)などが挙げられる。
拠点
成長とともに営業拠点を広げ、2011年12月時点では大阪本社のほか、東京、札幌、仙台、横浜、名古屋、京都、神戸、広島、福岡に支社を構える。同社は、附置義務駐車施設が多く存在する都市部のビルや商業施設を主体に営業活動を行っている関係上、管理・運営する駐車場物件の大半は、関東および近畿に集中している。2011年7月期の駐車場事業の売上高に占める、関東および近畿の構成比率はそれぞれ49.8%および27.6%と高い水準にある。
ビジネスモデル
主力となる駐車場事業は、形態でいえば「直営事業」と「マネジメント事業」に区分される。「直営事業」における同社への収入は、ユーザーからの駐車場料金であり、一方費用として駐車場オーナーに対して定額賃料を支払っている。逆ザヤリスクがある半面、あまり人手を要しない。
一方、「直営事業以外」は有人管理のために人手を要する。稼働率向上によるアップサイドがない代わりに逆ザヤリスクがない。また駐車場事業全体として、駐車場施設を同社の資産として保有するわけではなく、サブリースやコンサルティングフィーなどの収入獲得を目的としたノンアセットビジネスである。
駐車場事業
(直営事業)
月極専用直営物件に関して、売上高の決定要因は、駐車場料金(単価)と貸付台数である。また、貸付台数はさらに借上台数と契約率に分解できる。一方、費用に関して言えば、原価はリース賃料と借上台数によって決まる。そのため、利益をみるに際しては、駐車場契約率とスプレッド(駐車場料金-リース賃料)が重要といえる。
こうした稼働率とスプレッドを一定程度確保するために必要となるのが、豊富な情報とソリューション提案力である。なお、ユーザー募集の際に初期コストは発生するが、基本的に人件費(販売管理費)が駐車場物件数に比例して増加するわけではない。そのため、売上高販管費率は規模の増大に反比例して低下するビジネスモデルといえる。
時間貸し併用直営物件に関して、売上高決定要因は、月極同様に駐車場料金(単価)及び貸付台数となる。ただし、料金及び貸付台数の変動幅は月極よりも高い。費用に関して言えば、原価はリース賃料と借上台数に加えて、有人による運営が一般的なため、人件費が原価に含まれる。
少数物件への依存リスクや上述したような売上高販管費率の逓減傾向を念頭に置けば、安定して利益を確保するためには数多くの月極物件を確保することが必要である。逆に言えば、新たに同社の直営事業のような駐車場ビジネスを始めたとしても、物件が積み上がるまで、当面は安定した利益を計上することが困難な状態で事業を展開しなければならず、この点も参入障壁になっているといえる。実際、同社も直営事業に本格的にシフトした2000年7月期、2001年7月期は営業赤字を計上している。
同社は駐車場を仕入れる際に、駐車場オーナーとの間で同社を賃借人とする賃貸借契約を締結している。当該契約期間は大半が当初2年となっており、期限到来後は1年毎の自動更新となっている。なお、契約期間内に解約する場合には、一方の当事者が相手方に3ヵ月前に書面にて通知することによって、相手方の了承を得ることなく契約の解除が成立する内容となっている。そのため、解約通知から実際の解約までの期間に同社が一定の準備を行うことは可能だが、駐車場オーナーの意思により突然契約を解除され、当該物件からの収入が短期間のうちになくなる可能性がある。
ユーザー募集から獲得までにはタイムラグが生じるが、同社では初期稼働時における逆ザヤリスクを防ぐため、運営開始するまでに駐車場周辺の調査を綿密に行い、ユーザーニーズありきで運営開始することに加えて、最初の数ヵ月間(2~4ヵ月)は駐車場オーナーへ支払う賃料を無料(フリーレント)契約にすることで、初期稼働時における逆ザヤが発生しないとSR社が理解している。
(マネジメント事業)
直営事業とは異なり、駐車場オーナーと賃貸契約を締結しない。マネジメント事業の収益は、契約先である駐車場オーナーが受け取る駐車場料金とは関係なく、運営規模に見合った一定の手数料を毎月契約先から受け取る固定報酬がメインである(オーナーの駐車場料金の一定程度が収入となる契約も一部にはある)。
スキー場事業
スキー場運営に掛かる収入及び費用によって当該事業の収益が左右される。同社は来場者数の増加や夏期営業による売上数量の増大、飲食付きリフト券販売等による売上単価の上昇、レストランメニューの改善や土地賃借料改定、電気利用最適化などコスト管理の徹底等によって、利益創出を図ってきた。
費用構造
費用で大きなウエイトを占めるには、仕入原価(概ね駐車場オーナーへの賃借料)と人件費(販売管理費)である。仕入原価が駐車場の直営物件数に比例して増減するという点で基本的には変動費的な性質を持つが、駐車場の稼働状況に関わらず固定的に発生するという点で、固定費的な性質も備える。
収益性スナップショット、財務比率
2002年7月期から2006年7月期までの同社の売上総利益率は平均46.5%、営業利益率は平均18.3%であった。しかし、2007年7月期に低採算案件の増加や人件費の増加から売上総利益率が37.3%、営業利益率が13.5%に低下している。2011年7月期には売上総利益率が42.2%、営業利益率が15.6%となったものの、以前の水準までには戻っていない。
総資産利益率(ROA)は2007年7月期から2009年7月期にかけて1桁台に落ちているが、分母の総資産が大幅に増加し、総資産回転率が低下したこと、売上高純利益率が低下したことが理由である。一方、自己資本純利益率(ROE)は、その間、総資産利益率ほど低下していないが、これは有利子負債の増加によって財務レバレッジが高められていることが理由である。もっとも、2010年7月期、2011年7月期とROAは再び2桁台を回復している。
- 注:ROA(当期純利益/総資産)=総資産回転率(売上高/総資産)×売上高純利益率(純利益/売上高)
- ROE(当期純利益/自己資本)=ROA(当期純利益/総資産)×財務レバレッジ(総資産/自己資本)
同業他社と比較すると、2011年7月期の営業利益率15.6%、ROE43.8%と他社比で高い利益率を誇る。SR社では以下の点が、利益率の相違につながっている要因と考える。
- 注力する市場の違い
パーク24(4666)、パラカ(4809)が無人コインパーキング、日本パーキング(8997)が時間貸しをメインに自走式の立体駐車場や機械式のタワー駐車場、無人コインパーキングなどを主要なターゲットにしているのに対し、同社は独自に附置義務駐車場を主要なターゲットにしている。つまり、上場企業との競合がなく、同社のネームバリューが活かせること、より市街地に近いところに立地した駐車場を手掛けていること、などが高利益率に寄与しているのではないかとSR社では考える。
- 月極駐車場の比率が高い
一般的には、1物件当たりの台数が小さいとスケールメリットの恩恵を受けられず、物件管理コストなどが嵩みがちとなるものと思われる。しかし、同社は、人件費をあまり必要としない月極駐車場の構成比の高い(「事業内容」参照)。そのため、物件管理コストが抑制され、高い営業利益率につながっているものとSR社では推測する。
- レバレッジの高さ
ROAの水準も高いが、レバレッジによってROEが大きく押し上げられている側面がある。
SW分析
強み
- 駐車場運営のための情報量・ノウハウ:附置義務駐車場の管理・運営実績から、独自のオペーションノウハウ(「3毛作」など)、豊富な情報量を有し、適切なソリューションを提供していることが駐車場オーナーに対する安心感にもつながっているとSR社では考える。豊富な情報量の源泉として、同社は駐車場営業における専門の営業部隊が、日々の営業活動において徹底したエリアマーケティングを実施することで、駐車場情報だけでなく、近隣のユーザー情報(車の所有状況など)のデータを常に蓄積、更新していることが指摘できる。
- ノンアセットビジネスが収益源:設備投資が不要で資産を自ら抱えることのないビジネスモデルであることから、地価の上下に直接的には影響されることがない(間接的には駐車場オーナーからの賃貸価格や駐車場の仕入状況に影響を及ぼす)。
- 附置義務駐車場の開拓余地:「市場とバリューチェーン」を参照。
弱み
- 駐車場、直営事業への依存度の高さ:直営事業が売上高に占める比率が高いため、当該事業の収益要因であるスプレッドと稼働率に全社の収益が依存する格好となっている。
- スキー場ビジネスの収益貢献度、駐車場ビジネスとのシナジー効果の低さ:スキー場事業は2010年7月期に黒字に転換したが、本業である駐車場ビジネスとのシナジー効果が見込めない、独立した事業である。収益寄与度が低いことから、SR社では資産効率の悪化、経営資源の分散化をやや懸念している。
- 社員の平均勤続年数が短い:社員の平均勤続年数が4.1年(2011年7月末)と短いため、各営業マンのノウハウ・スキル蓄積が進みにくい点が課題とSR社では考える。同社の売上拡大のためには、適切なソリューション提供を行うことのできる経験豊かな営業マンの人数増加が必要不可欠なためである。
グループ会社
- 日本スキー場開発株式会社:2005年12月に設立した同社出資割合が100%の連結子会社。傘下に株式会社鹿島槍(出資比率100%、鹿島槍スポーツヴィレッジ運営)、株式会社北志賀竜王(出資比率100%、竜王スキーパークを運営)、株式会社川場リゾート株式会社(出資比率99%、川場スキー場を運営)の3社を抱える。
- NPD GLOBAL CO.,LTD:2010年9月に設立した同社出資割合49%の連結子会社。アジアにおいて駐車場総合コンサルティングを営むために設立された。傘下にタイで駐車場の総合コンサルティング業務を営むNIPPON PARKING DEVELOPMENT (THAILAND) CO.,LTD(NPD GLOBAL社の出資比率は100%)を抱える。
- 邦駐(上海)停車場管理有限公司:2011年7月に中国・上海に設立した出資比率100%の連結子会社。事業内容は駐車場の総合コンサルティング業務。
- 日本自動車サービス株式会社:2011年12月に設立した同社出資割合が100%の連結子会社。カーシェアリング事業を営む。
市場とバリューチェーン
マーケット概略
日本国内
日本における、自動車保有台数7,866万台(2011年3月末)である。一方、自動車には、駐停車のための空間確保が必要であり、日本においては駐車場法や車庫法という2つの法律で自動車の保管場所の確保が義務付けられている。
駐車場には、大きく分けて「附置義務駐車場」、「自走式駐車場」、「コインパーキング」がある。同社が主にターゲットとして事業展開しているのは、ビルインの「附置義務駐車場」である。「附置義務駐車場」とは、一定規模以上の延床面積を有する建物に設置を義務付けられた駐車場で、都心部を中心にビル内に「附置義務駐車場」が多く、その大半が駐車場用地を効率的に利用するために機械によって自動車を立体的に駐車させる機械式立体駐車場になっている。
2009年3月末で日本全国に約6万ヵ所、東京都心部や大阪市、名古屋市などの大都市圏に絞っても約5万ヵ所以上の附置義務駐車場が存在する。対する同社の運営駐車場は全国で622ヵ所(10年7月末、月極専用および時間貸し併用直営物件)に過ぎず、拡大余地は市場規模を鑑みれば非常に大きいといえる。
同社はまた、「自走式駐車場市場」の開拓にも力点を置いている。「自走式駐車場」とは、デパートや大型ショッピングセンターに併設された駐車場棟で、運転者自身がスロープを上がり、空いているスペースに駐車するものである。特徴としては、同じ敷地面積で、平置き式より多くの台数を収めることができ、機械式に比べて収める車の大きさや重さに制限の必要がないほか、維持管理費用が低コストで済むことなどが挙げられる。
一方、同社は「コインパーキング」はターゲットとはしていない。「コインパーキング」は空き地にゲートや精算機を設置して、駐車スペースに駐車するもので大多数は無人で管理されている。同社は「コインパーキング」をターゲットとしていない理由として、「空き地を暫定的に利用する場合が多く、オフィスビルの建設など高度な土地利用に転換され易い点」などを挙げている。
海外
同社は2011年7月期よりタイ、中国に現地法人を設立。海外駐車場事業の本格展開を始めた。同社によれば、両市場の概要は以下のようになる。
タイ
- 駐車場附置義務(バンコク):床面積300㎡以上の建物であれば60㎡につき1台(参考:東京は床面積1,500㎡以上の建物であれば200㎡につき1台)
- 乗用車保有台数(タイ):2,753万台(2010年12月末)
- 駐車場料金(バンコク):月極1ヵ月が6,000円程度(2011年9月時点)
中国
- 駐車場附置義務(上海):床面積200㎡につき1台
- 附置義務施設数(上海):19,183棟
- 乗用車保有台数(中国):8,500万台(2010年10月)
- 駐車場料金(上海):月極1ヵ月が12,000円から18,000円程度、1日料金相場が上限1,000円(2011年9月時点)
調達品目と調達先
駐車場事業の主力である直営事業は、駐車場のオーナーから駐車場を賃借することによって成り立っている。従って、駐車場オーナーが調達先であり、調達品目は駐車場となる。駐車場のオーナー属性は、事業法人、不動産会社、金融機関、ファンド、J-REITなど多岐に渡っている。
同社は基本的に不動産を保有していないため、地価上昇の恩恵はなく、駐車場の賃料上昇要因になるという点で粗利益の減益要因となる。また、オフィスビルの附置駐車場の不稼働部分が減少した場合、既契約の契約台数が減少、あるいは新規の物件獲得が難しくなる可能性がある。ここ数年をみると、不景気時に同社の仕入れ環境が良好な一方、好況時には同社の仕入れ環境が悪化する傾向にある(「損益計算書」を参照)。
顧客
直営事業においては、一般ユーザーより収入が発生するのに対し、時間貸しマネジメントにおいては、駐車場オーナーからの手数料が収入となる。ただし、駐車場事業全般でサービスの提供先は一般ユーザーである。なお、直営事業の月極物件の顧客は法人が約9割、個人が約1割と法人の構成比が圧倒的に高い。
参入障壁
駐車場事業は、基本的に土地と駐車用設備があれば、参入可能であるため参入障壁は高いとはいえず、全国規模で展開する大手から限られた地域で事業を営む個人事業主まで多くの業者が存在する。ただし、収益性と規模の拡大を追求するためには、立地はもちろんのこと、需要に見合った駐車場を適正な原価で仕入れる能力や高い稼働を維持するための一定の運営力などが求められる。
競合環境
2006年6月施行の改正道路交通法を契機に、参入が相次ぎ競合環境は激化した。しかし、その後の需要低迷、低採算化を受けて、新規参入業者の多くは撤退を余儀なくされた。なお、同社がターゲットとしているような附置義務駐車場の場合、複数の駐車場を束ねて運営している企業は極少数であり、各ビルが運営管理しているのが実情のようである。
他の上場企業との比較でいえば、大手のパーク24は無人のコインパーキングの小型駐車場と商業施設向け駐車場を運営している。商業施設向け駐車場では一部同社と競合する可能性があるものの、パーク24が主軸を置くコインパーキングに対しては同社がターゲットとしていないなど、棲み分けができている。トラストパーク(3235)、パラカ、日本パーキングも同様に無人コインパーキングを主なターゲットとしているため、同様のことがいえる。ただし、駐車場綜合研究所(3251)は大都市圏の大型施設に設置された駐車場運営を中心に手掛けており、一部、同社のマネジメント事業と競合している。
代替
同社がターゲットとしていないコインパーキングが代替となろう。また、より広い意味では乗用車利用から乗用車以外の交通手段へのシフト(電車、バス、自転車など)も同社の提供するサービスへの需要縮小を意味する。短期的にはガソリン価格の高騰などによってこうした現象が発生しうる。ガソリン価格高騰による自動車利用の低下は、特に時間貸しの稼働率低下につながり易いが、同社では月極利用を一定水準に保つないしは比率を増加させることによって、悪影響を抑えるべく努力をしている。
経営戦略
既存の駐車場事業の拡大ともに、駐車場活用の新たなソリューションとしてカーシェアリング事業への取り組みや、駐車場事業のグローバル展開を推進する意向である。
既存の駐車場事業の拡大策として、中小規模のオフィスビルに対しては、同社によるサブリース、時間貸し併用サブリースを提案、大型ビル・商業施設に対しては、高付加価値型マネジメントを提案するとともに、法人・個人のユーザーに対してはカーシェアリングの提案を現在進めている。また、より長期的な視野からアジア展開を念頭に置いており、日本で培ったコンサルティングを海外で展開するため、グローバルコンサルティング本部を設立している。
過去の財務諸表
前期以前の業績概況(参考)
2011年7月期通期実績
2011年9月2日、同社は2011年7月期通期決算を発表した(上表を参照)。
2011年7月期の売上高が9,607百万円(前年比10.9%増)、営業利益が1,501百万円(前年比1.3%増)、経常利益が1,438百万円(前年比28.8%)、当期純利益が850百万円(前年比11.1%増)であった。
売上高は駐車場事業の新規物件獲得やスキー場事業で川場スキー場を2011年7月期より新たにグループに加えたことで、創業以来の増収トレンドを維持した。営業利益も駐車場事業が減益となったものの、スキー場事業の増益で過去最高水準を達成した。
経常利益は、営業外収益の増加(投資有価証券売却益の計上などにより営業外収益計208百万円と2010年7月期の同123百万円より増加)、営業外費用の減少(匿名組合投資損失の減少などにより営業外費用計270百万円と2010年7月期の同487百万円より減少)などもあって前年比28.8%と高い増益率となった。
当期純利益は特別損失が減少(特別損失計47百万円と投資有価証券評価損の一巡などにより2010年7月期の同212百万円より縮小)したものの特別利益がそれ以上に減少(特別利益計28百万円と負ののれん発生益の減少によって2010年7月期の同227百万円より減少)したため、前年比11.1%増に留まった。
- 駐車場事業
売上高は7,953百万円(前年比5.8%増)、営業利益は1,388百万円(前年比2.6%減、全社費用を含む)であった。売上高の内訳は、直営事業の売上高が5,763百万円(前年比2.4%増)、マネジメント事業の売上高が1,762百万円(前年比16.4%増)である。また、国内外で分ければ、国内駐車場事業の売上高は7,917百万円(前年比5.3%増)、海外駐車場事業の売上高は37百万円(前年実績なし)であった。2011年7月期末からの国内物件純増数は116物件(運営・管理台数は3,113台の純増)。内訳は新規獲得146件(直営物件131物件、時間貸しマネジメント物件15物件)、解約30件である。物件純増数の計画が約80物件(新規獲得:100物件から120物件、解約:20物件から40物件)であったことを踏まえれば、新規獲得が同社想定好調であったといえよう。同社はこの点について、不動産市況は底打ちを示しているものの、オフィス空室率が高水準にあるなか、ビルの収益性を少しでも上げるべく駐車場の収益化を図ろうとするビルオーナーのニーズが強かったためと分析している。一方、海外については、物件純増数はタイの2物件(運営・管理台数は2,396台の純増)であった。
新規獲得が好調であったにもかかわらず、営業減益であった理由について、以下1)から4)のように同社は分析している。
- 東日本大震災の影響により、東京・横浜の一部エリアで自動車利用を手控える動きがみられ、一時的に時間貸し駐車場の稼働が低下したこと:30百万円程度の営業減益インパクト
- 駐車場既存物件の粗利が減少したこと:65百万円程度の営業減益インパクト
- 新卒採用の積極化による人件費増加や「MARUNOUCHI Bike & Run」の初期費用:93百万円程度の営業減益インパクト
- タイ及び中国進出に伴う費用:39百万円程度の営業減益インパクト
1)震災影響については、2011年5月以降、震災前の水準まで東京・横浜エリアの時間貸し駐車場の稼働水準も戻ってきているとのことである。また、2)既存物件の収益性低下とは、具体的にいえば、大阪エリアで、競合激化による賃料相場の悪化を背景に時間貸し併用直営物件の収益性が低下したこと、東京エリアで賃料相場の下落やユーザーの借換えによって月極専用物件の収益性が低下したこと、をさす。大阪エリアについては、2011年3月で賃料相場が底打ちし、回復傾向にあると同社はコメントしている。また、東京エリアについても、賃料相場が底打ちし、営業人員増強による既存物件のフォローを強化したことによって収益性が回復しつつあると同社は述べている。
- スキー場事業
売上高は1,655百万円(前年比44.6%)、営業利益は113百万円(前年比100.4%増)であった。鹿島槍スポーツヴィレッジの入場者数が142千人(前年比13.4%減)、竜王スキーパークの入場者が245千人(前年比9.6%減)と東日本大震災の発生以降、営業を14日間停止した影響は出たが、川場スキー場が2011年7月期より新たにグループに加わったことで、来場者数は517千人と前年同期の435千人を上回る実績となった。また、積雪が多かったこともあって、シーズン終了日を4月初旬から5月初旬まで延長するなど工夫を行った効果もあったとのことである。これらの結果、大幅増収となり、オペレーションの効率化(3つのスキー場の共同マーケティング、共同仕入、リフト整備技術の共有など)や変動費を抑制したこともあって、営業利益は大幅増益となった。
2011年7月期第3四半期実績
2011年5月31日、同社は2011年7月期第3四半期決算を発表した。
2011年7月期の第3四半期累計期間実績は売上高が7,503百万円(前年比12.0%増)、営業利益が1,344百万円(前年比9.5%増)、経常利益が1,308百万円(前年比39.0%)、当期純利益が792百万円(前年比7.7%増)であった。
- 駐車場事業
2011年7月期第3四半期累計期間の実績は売上高が5,873百万円(前年比5.4%増)、営業利益が990百万円(前年比3.0%減)であった。2010年7月期末からの物件純増数は94物件。内訳は新規獲得120件、解約26件である。通期計画で物件純増数が約80物件(新規獲得:100物件から120物件、解約:20物件から40物件)であることを踏まえれば、新規獲得を中心に物件純増は計画以上のペースで推移している。同社はこの点について、オフィス空室率が高止まりしているため、駐車場を所有しているビルオーナーの駐車場収益化ニーズが強いためとコメントしている。一方、東京、大阪エリアの既存物件に関しては収益改善が遅れているようだ。
- スキー場事業
2011年7月期第3四半期累計期間の実績は売上高が1,631百万円(前年比44.5%)、営業利益が353百万円(前年比71.6%増)であった。東日本大震災の発生以降は、営業を一時中止したこともあって来場者数が伸び悩んだが、川場スキー場が2011年7月期より新たにグループに加わったことで、来場者数は510千人と前年同期の431千人を上回る実績となった。
- 通期会社予想の修正
同社は2011年7月期第3四半期決算の発表と同時に2011年7月期通期会社予想の修正を行った。修正の詳細は以下のようになる。
- 売上高:9,600百万円(前回予想:10,170百万円)
- 営業利益:1,530百万円(同:1,750百万円)
- 経常利益:1,435百万円(据え置き)
- 当期純利益:822百万円(据え置き)
同社は会社予想の修正要因として、1)東日本大震災によって駐車場事業、スキー場事業の売上高が計画を下回る見込みとなったこと、2)駐車場事業において、大阪や東京エリアの既存物件の一部で収益減があり、売上高が想定を下回る見込みとなったこと、3)駐車場事業において、新卒向けの従業員寮の開設費用や皇居ランナーや自転車通勤者に向けた新サービス「MARUNOUCHI Bike & Run」の立上げ費用が発生したこと、などを挙げている。
事業別にいえば、スキー場事業は売上高が計画を下回る見込みとなったものの、春季のスキー場運営期間を当初予定より延長したことなどにより当初計画していた営業利益を達成する見込み。一方、駐車場事業は売上高、営業利益ともに当初計画を下回る見込みとなった。上記の下方修正要因でいえば、1)、3)は一過性の要因ともとれるだけに、今後は、2)大阪および東京の既存物件の収益性改善を課題とSR社は考えている。
経常利益及び当期純利益については、当初見込んでいた私募ファンドからの匿名組合投資損失が見込みより少なかったことや投資有価証券の売却により投資有価証券売却益が発生したこと等により、当初計画が据え置かれた。
- トピックス
タイ
同社のタイ国現地法人SIAM NIPPON PARKING SOLUTIONS CO.,LTD.は、バンコクの中心商業集積地にある、有名大型商業施設 Siam Square(サイアム・スクエア)の駐車場運営業務をチュラロンコン大学から受注し、7月1日より運営を開始する予定。同社によれば、サイアム・スクエアはチュラロンコン大学が1965年から運営を開始している商業施設で総台数1,917台の駐車場に約15,000台の入出庫があるとのことである。
中国
同社は2011年7月中に中国・上海に現地法人「邦駐(上海)停車場管理有限公司(仮称)」を設立する予定。ターゲットとなる駐車場は総台数100台程度の物件とのことであり、今後、3年間で50棟のビル駐車場の運営管理を手掛けることを目標としている。駐車場料金は日本円換算で月極1ヵ月が12,000円から18,000円程度、時間貸し1時間130円程度であり、タイと比較すれば相対的に高い模様だ。
2011年7月期第2四半期(上期)実績
2011年2月28日、同社は2011年7月期第2四半期(上期)決算を発表した。
2011年7月期の上期実績は売上高が4,715百万円(前年比12.9%増)、営業利益が703百万円(前年比5.6%増)、経常利益が648百万円(前年比10.3%)、当期純利益が411百万円(前年比3.0%増)であった。
駐車場事業における物件獲得やスキー場事業における川場リゾート株式会社(川場スキー場(群馬県利根郡)を運営)の子会社化などによって、売上高および営業利益は過去最高水準となった。また、経常増益に対しては、匿名組合投資損失の縮小(50百万円)も寄与した。
一方、計画対比でみれば、売上高で4.5%、営業利益で9.1%、計画を下回った。同社はこの点について、駐車場事業の既存物件(東京の月極専用直営物件、大阪の時間貸し併用直営物件)の収益が悪化した点などを指摘している。もっとも、通期計画に関して同社は、1)駐車場事業の新規契約が計画以上でありその収益寄与が2011年7月期下期に見込まれること、2)カーシェアリングが駐車場事業を一部補完できる程度になってきたこと、3)スキー場事業が計画を上回っていること、などを理由に達成が可能であるとコメントした。
- 駐車場事業
2011年7月期の上期実績は売上高が3,893百万円(前年比5.4%増)、売上総利益は1,449百万円(前年比3.3%増)、営業利益が667百万円(前年比1.8%増)であった。2010年7月期末からの物件純増数は58物件。内訳は新規獲得74件、解約16件である。通期計画で物件純増数が約80物件(新規獲得:100物件から120物件、解約:20物件から40物件)であることを踏まえれば、新規獲得を中心に物件純増は計画以上のペースで推移している。同社はこの点について、オフィス空室率が高止まりしているため、駐車場を所有しているビルオーナーの駐車場収益化ニーズが強いためとコメントしている。また、上記58物件の純増のうち、7物件はマネジメント事業であり、直営事業のみならずマネジメント事業も好調に推移している。この点については、これまで警備会社、ビルメンテナンス会社がガードマンを雇ってやってきたが、昨今、ビルのグレードが向上するなか、駐車場運営専門の会社に任せ、駐車場サービスの質も向上させたいというニーズが増してきているようだ。
一方、既存物件に関しては東京、大阪で苦戦し、駐車場事業の売上総利益に対して約77百万円(約5.5%)のマイナス影響を及ぼした模様。同社は既存物件の収益性向上への取り組みとして、1)人員強化、2)販売チャネルの拡大、などを打ち出している。1)人員強化についていえば、近年増やしつつある新卒採用(2010年4月:14名、2011年4月:22名を予定)を活かし、既存物件のフォローに人を割いていく予定とのことである。また、2)販売チャネルの強化についていえば、これまでのローラー営業手法に加え、ネット集客(Googleその他検索エンジンを活用)を強化していく方針のようだ。
- スキー場事業
2011年7月期の上期実績は売上高が822百万円(前年比70.4%)、営業利益が36百万円(前年比239.3%増)であった。計画対比でいえば、売上高が6.3%ほど計画を下回ったが、営業利益は計画の10百万円を上回った。売上高が未達だった理由として、同社は12月の雪の降り始めが想定よりも遅かったためとしている。ただし、売上原価や販売管理費のコントロールによって営業利益は計画を上回った模様だ。
- トピックス
タイ
同社は2011年1月からタイ、バンコク中心街に位置する「ラマランドビル」(ホテル、オフィス附置駐車場553台)の駐車場運営を開始した。同社によれば、2011年3月上旬時点で第2号となる案件を入札中とのことである。ターゲットとなる駐車場は総台数500台超の物件とのことであり、3年後までに50棟(物件)を獲得したいとのことだ。ちなみに、同社は1棟当たりの売上総利益を年間約12百万円と見込んでおり、仮に50棟獲得できれば売上総利益は600百万円となる計算である。バンコクの駐車場料金は月極1ヵ月の日本円換算で6,000円程度の模様。ただし、駐車場附置義務は床面積300㎡以上、60㎡につき1台と東京(1,500㎡以上、200㎡につき1台)より厳しく、かつ渋滞が深刻、駐車場の供給が足りていないことを踏まえれば、今後駐車場料金に上昇余地があると同社はみている。
その他、2011年3月1日開催の決算説明会における同社コメント概要は以下のようになる。
- 2011年7月末で有利子負債は2,449百万円(駐車場事業:1,216百万円、スキー場事業:1,233百万円)の見通し。スキー場事業では毎年200百万円程度ずつ返済し、今後3年間で600百万円の削減をめざす
- 私募ファンド(匿名組合出資金)のBS計上額は2010年7月末で683百万円であったが、2011年7月末までに300百万円を引当処理、2012年7月末までにさらに300百万円の引当処理を実施する予定
- 投資有価証券のBS計上額は2010年7月末で1,303百万円あるが、順次減らしていく予定
- スキー場事業は、減価償却費が年間約200百万円、EBITDAが同約300百万円。2012年7月期以降をみれば、減価償却費は減少傾向となる見込み。従って、営業利益率は2011年7月期の見込みを下回ることはないだろう。また、スキー場は良い案件の話が来て、かつ売上規模が一定程度であればこれまでのペース(年間1つ)で取得していくことは可能と考える
2011年7月期第1四半期実績
2010年11月30日、同社は2011年7月期第1四半期決算を発表した。同社の上期業績予想に対する進捗率は以下の通り。
- 売上高:39.3%(上期予想4,939百万円)
- 営業利益:29.1%(同773百万円)
- 経常利益:24.9%(同707百万円)
- 当期純利益:16.3%(同398百万円)
売上高は、駐車場事業における物件獲得やスキー場事業における鹿島槍スポーツヴィレッジの夏期営業開始などによって四半期業績としては過去最高となった。一方、営業利益は、駐車場事業における人件費増加やスキー場事業のオフシーズン期間における営業損失の計上から前年同期比24.9%減となった。当期純利益は前年同期比13.7%増益となった。投資有価証券評価損が前年同期の145百万円から18百万円に縮小したことが主因である。
同社によれば、駐車場事業における人件費増加は、今後の国内・海外での成長のための先行投資であるとのことである。また、スキー場事業では、2009年11月に北志賀竜王株式会社(竜王スキーパークを運営)を連結化したことにより、オフシーズンのスキー場事業の営業損失が拡大している。
- 駐車場事業
同社によれば、営業利益は前年比微増を見込んでいたが、実績は前年比0.7%減であり、計画を若干下回った模様だ。この要因として、同社は既存物件(東京の月極専用直営物件、大阪の時間貸し併用直営物件)の収益が悪化し、売上総利益が前年比2.3%と伸び悩んだ点を指摘している。
東京の既存物件の収益悪化については、契約率の低下に表れている。関東エリア(東京・横浜)の契約率は2010年7月期第1四半期に94.1%であったが、今第1四半期は92.2%まで低下した。同社はこの点について、既存物件のフォローが十分でなかったことを理由として指摘。今後の対策としては、既存物件対応の人員増加、情報分析・活用の強化(例、解約理由などのデータ分析とその活用)などの方策を講じていくとコメントしている。
大阪の既存物件の収益悪化については、競合激化による時間貸し併用直営物件の単価下落などが響いたようだ。同社はこの対策として、時間貸し併用直営物件ではなく、マネジメント事業のような提案を増やすことによって、競合を避け、収益を改善させていくと述べている。
2010年7月期末からの物件純増数は24物件である。内訳は新規獲得35件、解約11件であり、新規獲得は順調であると同社はコメントしている。
- スキー場事業
2009年11月に北志賀竜王株式会社の買収、夏場の営業強化になどにより増収となった。同社は、オフシーズンの営業損失を縮小させるべく、年間を通して集客できる施設運営をめざしている最中だ。具体的には、鹿島槍スポーツヴィレッジでは、アウトドアスポーツ拠点としての本格的な夏季営業を開始。自転車のイベント、学生やトライアスリートのスポーツ合宿、小学生の自然体験ツアーなどを実施。また、竜王スキーパークにおいては、山頂において山野草園営業を行った。ただし、こうした夏場の営業強化は緒に就いたばかりであり、営業損失114百万円計上となった。
- トピックス
海外
同社は2010年9月30日にタイに現地法人を2社(NPD GLOBAL CO.,LTD、NIPPON PARKING DEVELOPMENT (THAILAND) CO., LTD)設立。NPD GLOBAL社株式の49.0%を同社が、NIPPON PARKING DEVELOPMENT(THAILAND)社の99.0%をNPD GLOBAL社が保有する形態となっている。
今後3年間で50棟のビル駐車場運営受託をめざす目標を掲げている模様。また、基本的には、Jones Lang LaSalle (Thailand)社とアドバイザリー契約を締結の上、ラサール社の既存顧客であるビルオーナーの紹介を受け、時間貸し併用直営事業を展開していく予定のようだ。
川場スキー場
同社の連結子会社である日本スキー場開発株式会社は、川場リゾート株式会社(川場スキー場(群馬県利根郡)を運営)の株式を10月20日付で取得し(取得比率99%)、子会社化(同社の孫会社化)した。取得価格は329百万円とSR社ではみている(2011年7月期第1四半期決算短信、キャッシュフロー計算書「子会社株式の取得による支出」より)。
同社は株式取得の発表と同時に、通期業績予想を上方修正しており、上方修正額(売上高700百万円、営業利益35百万円)が川場リゾート株式会社の業績見込みとほぼ同額とみなせよう。同社によれば、川場スキー場は東京から日帰りできる距離にあり、その好立地から他の2つのスキー場(鹿島槍スポーツヴィレッジ、竜王スキーパーク)よりも高い単価が見込めるとのことだ。そのため、来場者数は14万人程度と他の2つのスキー場よりも少ないものの、売上高700百万円と相応の額をみているようだ。同社はスキー場への投資基準として、修繕費なども考慮した実質利回り30%(年率)を掲げている。
2010年7月期通期実績
2010年9月3日、日本駐車場開発は2010年7月期通期の決算発表を行った。詳細は下記の通りである。
- 売上高:8,664百万円(前年比10.1%増、会社予想は9,030百万円)
- 営業利益:1,481百万円(同17.7%増、同1,430百万円)
- 経常利益:1,117百万円(同4.4%減、同1,353百万円)
- 当期純利益:765百万円(同24.7%増、同670百万円)
- 駐車場事業
同事業の売上高は7,520百万円(前年比2.4%増)となった。主な内訳は、直営事業の売上高が5,631百万円(同0.6%増)、マネジメント事業の売上高が1,514百万円(同12.1%増)である。直営事業の物件数(月極専用および時間貸し併用)が2009年7月末より44物件、875台の純増となったほか、マネジメント事業の管理物件が2009年7月末より7物件、1,275台の純増となったことが増収に寄与している。こうした増収に加え、人件費を除く販管費が減少したことによる売上高販管費率の低下によって、同事業の営業利益は、1,993百万円(前年比6.6%増)、全社費用を含めた同事業の営業利益は1,425百万円(前年比12.5%増)となった。
- スキー場事業
積極的な販売促進活動によって、鹿島槍スキー場の来場者数が増加したこと、竜王スキーパークの新たな運営主体となったことなどから、同事業の売上高は1,145百万円(前年比116.2%)となった。また、営業利益は56百万円と前年の営業損失9百万円から大幅に改善、スキー場事業開始後4期目にして初の黒字化を達成した。
経常利益は不動産市況低迷から匿名組合投資損失を379百万円計上、1,117百万円(前年比4.4%減)となった。
当期純利益は、株式会社穴吹公務店の株式の投資有価証券評価損失145百万円が発生したが、竜王観光株式会社の全株式の負ののれんの一括償却などによって、特別利益を227百万円計上したことなどから、765百万円(前年比24.7%増)となっている。
なお、第4四半期のみの数値をみると、営業利益が前年同期比28.3%減となるが、これは竜王スキーパークの新たな運営主体となったことで、第4四半期のスキー場事業の赤字幅が前年同期よりも大きくなった(スキー場事業は、第4四半期がシーズン・オフとなるため赤字になる)ことが主因とみられる。
貸借対照表の変化でいえば、投資有価証券は2009年7月末の1,622百万円から318百万円減少し、1,303百万円、匿名組合出資金は2009年7月末の1,035百万円より353百万円減少し、683百万円となっている。投資有価証券の減少は上記穴吹工務店の株式評価損失計上が主因である。その他、竜王スキーパークが連結グループに加わったことにより、有形固定資産が2009年7月末より356百万円増加し、1,261百万円となっている。
会社予想との対比でいえば、売上高と経常利益が未達に終わった。売上高が未達に終わった理由は、同社の新規物件獲得の多い東京エリアで、直営月極直営物件の営業部隊が既存物件に注力した結果、新規物件獲得に手が回らなかったため(純増75万件の想定に対して実績は純増51件)、および既存物件(直営時間貸し)の減収である。新規物件獲得の未達に関し、東京エリアの契約率は、第4四半期以降はほぼフル稼働といえる約95%に回復している。そのため、第4四半期に入ってからは、営業部隊が新規物件獲得に注力できており、同四半期の物件純増数は25物件と高水準であった。なお、同社の東京エリアの契約率が悪化し始めたのは、2009年の1月からである。契約率悪化の理由は、営業人員の退職による人手不足とのことであり、SR社ではこうした人的マネジメントを同社の課題と認識し、今後も注力していくつもりである。
一方、既存物件の減収(172百万円)に関しては、東京エリアで時間貸し大型物件が2009年3月に解約されたこと(27百万円の減収要因)、大阪エリアで時間貸し単価が低下したことなどによる。東京エリアの解約に関しては低収益物件であったため利益面での影響はなかったようだ。一方、大阪エリアの減収に関しては、時間貸し単価の減収を、人件費の見直しや賃料交渉などを行うことにより利益面での悪化を縮小させる努力を行った模様。これらの結果、既存物件の減益影響(売上総利益)は33百万円に留まった。なお、経常利益が会社予想を下回った理由は、匿名組合投資損失の計上による。
2010年7月期を総括すれば、売上高が会社予想に達しなかったが、東京エリアをはじめとした既存物件の契約率に歯止めがかかり、スキー場事業も黒字化を果たすなど、これまでの課題が解決されたという意味において、一定の評価ができるとSR社では考える。
2010年7月期第3四半期の実績
2010年5月28日、同社は2010年7月期第3四半期の決算を発表した。通期会社予想に対する第3四半期累計期間の進捗率は下記の通りである。
- 売上高:74.2%(通期会社予想9,030百万円に対して6,699百万円)
- 営業利益:85.8%(同1,430百万円に対して1,227百万円)
- 経常利益:69.5%(同1,353百万円に対して941百万円)
- 純利益:109.9%(同670百万円に対して736百万円)
売上高(第3四半期累計)は前年同期比12.8%増収の6,699百万円、営業利益(同)は前年同期比35.8%増益の1,227百万円となった。セグメント毎の内訳は以下の通り。
駐車場事業:前年同期比2.8%増収の5,570百万円となった。直営物件売上高は前年同期比0.8%増収の4,205百万円であり、直営物件が前年同期より19物件、598台の純増となったほか、月極専用直営物件における契約率(貸付台数/借上台数)が前年同期の91.2%から94.9%へと3.7%改善したことなどが増収に寄与している。マネジメント事業の売上高は前年同期比13.0%増収の1,111百万円となった。管理物件が前年同期末より6物件、1,083台の純増となったことが影響している。営業利益は物件増加による売上高増加、月極直営物件の契約率向上による売上高総利益率の改善に加え、コストの見直しによる売上高販管費率の低下によって、14.5%増益の1,021百万円となった。
スキー場事業:積極的な販売促進活動によって、鹿島槍スキー場の来場者数が増加したこと、竜王スキーパークの新たな運営主体となったことなどから、117.8%増収となった。また、営業利益は205百万円と前年同期の営業利益12百万円から大幅に改善している。
経常利益(第3四半期累計)は不動産市況低迷から匿名組合投資損失が260百万円増加したものの、前年同期に計上した投資有価証券売却損102百万円が、当期はほとんど発生しなかったこと等により、前年同期比15.1%増益となった。
当期純利益(第3四半期累計)に関しては、株式会社穴吹公務店の株式の投資有価証券評価損失145百万円が発生したが、竜王観光株式会社の全株式の負ののれんの一括償却などによって、特別利益を224百万円計上したことなどから、102.8%増益の736百万円となっている。
通期会社予想、配当予想に変更はなかった。営業利益の進捗率が85.8%とやや高いが、第4四半期にスキー場事業が季節的に赤字となることを踏まえれば、ほぼ会社計画線といえる。
期初の前提との対比でいえば、駐車場の物件純増は通期の純増計画75件に対し、第3四半期累計で25件にとどまっている。同社はこの理由として、低下した既存月極直営物件の契約率回復に努めたことを挙げている。
2010年7月期第2四半期の実績
2010年2月26日、同社は2010年7月期第2四半期の決算を発表した。通期会社予想に対する第2四半期累計期間の進捗率は下記の通りである。
- 売上高:46.3%(通期会社予想9,030百万円に対して4,176百万円)
- 営業利益:46.5%(同1,430百万円に対して665百万円)
- 経常利益:43.4%(同1,353百万円に対して587百万円)
- 純利益:59.5%(同670百万円に対して399百万円)
売上高(第2四半期累計)は前年同期比8.7%増収の4,176百万円、営業利益(同)は前年同期比21.1%増益の665百万円となった。セグメント毎の内訳は以下の通り。
駐車場事業:前年同期比2.9%増収の3,693百万円となった。直営物件売上高は前年同期比0.8%増収の2,806百万円であり、直営物件が前年同期より31物件、704台の純増となったほか、月極専用直営物件における契約率が前年同期の92.8%から94.5%へと1.7%改善したことなどが増収に寄与している。マネジメント事業の売上高は前年同期比15.7%増収の735百万円となった。管理物件が前年同期末より4物件、638台の純増となったことが影響している。営業利益は物件増加による売上高増加、月極直営物件の契約率向上による売上高総利益率の改善に加え、コストの見直しによる売上高販管費率の低下によって、5.7%増益の941百万円となった。
スキー場事業:積極的な販売促進活動によって、鹿島槍スキー場の来場者数が増加したこと、竜王スキーパークの新たな運営主体となったことなどから、91.8%増収となった。また、営業利益は11百万円と前年同期の営業損失から黒字に転換している。
経常利益(第2四半期累計)は不動産市況低迷から匿名組合投資利益が大幅に減少、匿名組合投資損失が80百万円増加したものの、前年同期に計上した投資有価証券売却損102百万円が、当期は発生しなかったこと等により、前年同期比17.1%増益となった。
当期純利益(第2四半期累計)に関しては、株式会社穴吹公務店の株式の投資有価証券評価損失145百万円が発生したが、竜王観光株式会社の全株式の負ののれんの一括償却などによって、特別利益を144百万円計上したことなどから、92.8%増益の399百万円となっている。
通期会社予想、配当予想に変更はなかった。
2010年7月期第1四半期の実績
2009年11月27日、同社は2010年7月期第1四半期の決算を発表した。上半期の会社予想に対する第1四半期累計期間の進捗率は下記の通りである。
- 売上高:42.6%(上半期会社予想4,370百万円に対して1,861百万円)
- 営業利益:46.0%(同651百万円に対して300百万円)
- 経常利益:44.8%(同618百万円に対して277百万円)
- 純利益:16.0%(同356百万円に対して57百万円)
売上高は前年同期比4.3%増収の1,861百万円、営業利益は22.3%増益の300百万円となった。セグメント毎の内訳は以下の通り。
駐車場事業:前年同期比4.1%増収の1,853百万円となった。直営物件売上高は前年同期比0.5%増収の1,402百万円であり、直営物件が前年同期より23物件、662台の純増となったほか、月極専用直営物件における契約率が前年同期の92.6%から94.8%へと2.2%改善したことなどが増収に寄与している。マネジメント事業の売上高は前年同期比24.2%増収の370百万円である。管理物件が前年同期末より8物件、2,548台の純増となったほか、前期中にオープンした大型時間貸しマネジメント物件の収益が期初から寄与したことが、主な増収要因である。営業利益は物件増加による売上高増加、月極直営物件の契約率向上による売上高総利益率の改善に加え、コストの見直しによる売上高販管費率の低下によって、17.4%増益の341百万円となった。
スキー場事業:夏場の集客・販売を強化したことが寄与し、前年同期比129.8%増収の8百万円となった。ただし、ゲレンデ・リフトの整備費用やパンフレットの制作費等の販売促進用費用が発生したことから、41百万円の営業費用となった。
経常利益は不動産ファンドからの匿名組合投資利益が不動産市況低迷から大幅に減少したものの、前年同期に計上した投資有価証券売却損が、当期は発生しなかったこと等により、前年同期比20.5%増益となった。その他、特別損失として、株式会社穴吹公務店の株式の投資有価証券評価損失145百万円が発生している。
通期会社予想、配当予想に変更はなかった。
損益計算書
直営事業に本格的にシフトした2000年7月期、2001年7月期は営業利益段階で赤字となったが、その後は、直営事業が一定の規模まで成長、中核事業となり、2006年7月期においては5期連続となる過去最高収益を達成した。バブル期後の不況下で、ビルオーナーが収益確保に苦しむ中、ビル駐車場の不稼働部分を利用し、迅速に収益化を図るビジネスは、市場に合致し、勢いよく成長を遂げたとみることができよう。
しかし、2007年7月期に営業減益に転じている。首都圏を中心に不動産市場が徐々に好転した結果、ビルオーナーにとって駐車場の収益化よりもテナントリーシングの優先順位が上がり、駐車場の供給が減少したこと、2006年6月に施行された道路交通法の改正により、駐車場業界へ新規参入業者が一時的に増えたことで物件の新規契約獲得が鈍化、価格競争により低採算の物件が増えたこと、などが要因として挙げられる。
その後、同社は収益性悪化に対し、高付加価値マネジメント物件(大型施設や難易度の高い駐車場オペレーションを同社が行う物件など)や地方での新規開拓強化、低収益物件の契約変更や解約などを進めた。その結果、2008年7月期から2010年7月期まで3期連続で、売上高、営業利益ともに過去最高の水準を更新している。
同社は多額の営業外損益、特別損失を計上することがあるが、この大半は保有する有価証券及び投資事業組合への出資に起因している。2006年7月期の営業外収益は、投資有価証券売却益(603百万円)、私募ファンドからの分配金である匿名組合投資利益(84百万円)等を計上したことにより膨らんでいる。また、2008年7月期においては、匿名組合投資利益(1,093百万円)を営業外収益に、投資有価証券売却損(402百万円)を営業外費用に計上したほか、営業投資有価証券評価損(419百万円)及び投資有価証券評価損(565億円)を特別損失に計上している。
過去の会社予想と実績の差異
売上高は会社計画を下回ることが多い。これは、新規物件獲得に重きを置く結果、高目の目標値を掲げてきたことに起因するとSR社では考える。純利益は業績が堅調であった2006年7月期までは期初会社予想を上回る傾向にあったが、減益に転じた2007年7月期から2009年7月期にかけては、期初会社予想を下回る傾向にあった。
貸借対照表
資産
駐車場事業においては、運転資金を必要としない。また、固定資産もほとんど必要としない。しかし、不動産会社との持ち合いや私募ファンドへの出資等を通じて、新規物件受注の提案に繋げるための投資を行ってきた。そのため、現預金と並んで、投資有価証券、匿名組合出資金の資産に占める比率が高い。2011年7月末の投資有価証券、匿名組合出資金の主な内訳は下図のようになる。
なお、匿名組合出資金に関して、同社によれば、これまでの累計ベースでみた投資総額は1,611百万円、同投資利益は1,084百万円であるとのことである(2010年7月末時点)。
負債の部
2003年の上場以後、無借金経営を続けてきたが、金融機関との関係強化及び金融機関グループが保有する駐車場の運営委託を目的として、2005年7月期に10億円の借入を実施している。また、2007年7月期までにも金融機関との関係強化やスキー場取得のために約20億円、金融機関からの追加借入を行っている。一方、2008年7月期以降は、私募ファンドの配当、株式売却などから発生した資金が負債の返済に充てられ、有利子負債が減少傾向にある。
資本の部
2006年7月期までは純利益計上に伴う内部留保の拡充から、純資産が増加を続けてきたが、2007年7月期以降は純利益の水準が低下したのちも高い配当性向を維持してきたため、純資産は減少傾向にあった。なお、2010年7月期は配当性向を低下させたことにより、純利益計上によって内部留保が拡充され、純資産は前期より増加した。
キャッシュフロー計算書
営業活動によるキャッシュフローは比較的安定しているが、2007年7月にマイナスに転じている。税前利益が低水準であったほか、法人税支払い(948百万円)、営業投資有価証券の取得(334百万円)などに起因している。2010年7月期の営業キャッシュフローが高水準であったのは、税前利益が高水準であったことに加え、法人税等の支払額が減少したことによる。
投資活動によるキャッシュフローは同社の有価証券投資を主に反映している。設備投資(ネット有形固定資産取得)は2007年7月にサンアルピナ鹿島槍スキー場を購入したために膨らんだが、他の期は概ね営業活動によるキャッシュフローの範囲内に留まっている。
財務活動からのキャッシュフローは、金融機関からの借入れ及び返済、配当金の支払いによって左右されている。
単純フリーキャッシュフローは一定額以上が創出されてきた。ただし、2007年7月期に関しては上述したように営業活動によるキャッシュフローがマイナスとなったことや設備投資が膨らんだことによってマイナスとなっている。
その他情報
沿革
設立は1991 年12月。現社長の巽氏が、実家の土地有効活用のために駐車場経営を始めたことに端を発する。当初は同社が運営業務を代行するマネジメント業務が中心であり、エンドユーザーの募集や集金を代行し手数料収入を得るビジネスが中心であった。その後、顧客等からの問い合わせの増加に対応する格好で、仲介に事業をシフトし、増収を数年続けた。
しかし、巽氏が次第にフロー型のビジネスでは増収を続けることが難しいと認識し、継続的な収入が見込めるストック型ビジネスへの転換を模索、1999 年7月期より現在の主力事業となる直営事業の本格展開を開始した。2005年にはスキー場運営を目的に、日本スキー場開発株式会社を設立。2008年にカーシェアリング事業の展開を開始している。
同社は、2003年にJASDAQ市場にて株式公開し、2004年に東証第二部に上場。2005年には東証第一部へ指定替えした。同年にはJASDAQ市場に再上場を行っている。
1991年 大阪府寝屋川市にて創業、駐車場に関するコンサルティング業務を開始
1994年 東京都渋谷区に東京支店を開設、首都圏で営業を開始
1997年 東京支店を解消し東京本部を設立、法人営業を積極的に推進
1997年 有人の時間貸し駐車場管理業務を開始
1998年 ビル附置の立体駐車場における駐車場管理業務を開始
1998年 京都市下京区に京都支社を開設
1999年 大阪市中央区に本店を移転、淀屋橋支店を開設
1999年 時間貸し駐車場の管理運営を目的として大阪市中央区に株式会社パーキングプロフェッショナルサービシーズを設立
1999年 ビル附置の立体駐車場における管理人派遣型サブリース業務を開始
1999年 株式会社日本リースオート(現GEフリートサービス株式会社)と業務提携
2000年 ホームページ上での駐車場検索サービスを開始
2000年 インターネット事業部を設立、ネット上での駐車場紹介サービスを本格的に開始
2000年 オートバイテル・ジャパン株式会社と業務提携
2000年 トヨタ自動車株式会社(7203)の情報サイトGAZOOの正式コンテンツに同社のパーキング情報が採用される
2001年 トヨタ自動車株式会社が資本参加、資本金112,500千円に増資
2001年 名古屋市中区に名古屋支社を開設
2001年 神戸市中央区に神戸支社を開設
2001年 横浜市中区に横浜支社を開設
2002年 駐車場のデューデリジェンスを手掛けるVAサービス事業を開始
2003年 日本証券協会に株式を店頭登録
2003年 福岡市中央区に福岡支社を開設
2003年 株式会社マーケットメイカーズを設立
2004年 株式会社クリードと共同で駐車場のみを投資対象としたファンドを組成
2004年 東京証券取引所市場第二部に上場
2005年 東京証券取引所市場第一部に上場
2005年 ジャスダック証券取引所に上場
2005年 広島市中区に広島支社を開設
2005年 スキー場の運営・管理を目的として東京都千代田区に日本スキー場開発株式会社(連結子会社)
2006年 札幌市中央区に札幌支社を開設
2006年 株式会社マーケットメイカーズを吸収合併
2006年 日本スキー場開発株式会社がスキー場の運営を目的として、サンアルピナ鹿島槍スキー場を550,000千円で購入
2006年 仙台市青葉区に仙台支社を開設
2007年 株式会社パーキングプロフェッショナルサービシーズを吸収合併
2008年 カーシェアリング事業を東京都内で本格展開開始
2009年 日本スキー場開発株式会社が竜王スキーパークの運営を目的として竜王観光株式会社の全株式を取得し、竜王観光株式会社(現株式会社北志賀竜王)を連結子会社化
2010年 アジアにおける駐車場の運営・管理・コンサルティングを目的としてタイ国バンコクに現地法人NPD GLOBAL CO.,LTD.を設立
2010年 タイ国における駐車場の運営・管理・コンサルティングを目的としてNIPPON PARKING DEVELOPMENT (THAILAND) CO., LTD を設立
2010年 日本スキー場開発株式会社が川場スキー場の運営を目的として川場リゾート株式会社の株式99.9%を取得し、川場リゾート株式会社を連結子会社化
2011年 タイ国における現地不動産管理のノウハウを持つビジネスパートナーと共にSIAM NIPPON PARKING SOLUTION CO.,LTD.を設立
2011年 中国における駐車場の運営・管理・コンサルティングを目的として邦駐(上海)停車場管理有限公司を設立
2011年 タイ国バンコクにおいて大型商業施設「サイアム・スクエア」の駐車場運営を開始
2011年 大阪証券取引所JASDAQスタンダードにおける同社株式を上場廃止
ニュース&トピックス
2011年11月
2011年11月30日、同社は2012年7月期第1四半期決算を発表した。
2011年11月28日、同社はカーシェアリング事業を子会社化すると発表した。
新たな子会社の概要は以下のようになる。
- 名称:日本自動車サービス株式会社
- 事業内容:カーシェアリングサービスの運営
- 設立予定年月日:2011年12月13日
- 大株主及び持株比率:日本駐車場開発株式会社(100.0%)
2011年10月末時点で、同社は全国8拠点において97台のカーシェアリング車両を設置、会員1,844名を有している。今後は、新たな施設での車両設置や貸し出しスキームの提案等の新サービスの拡充もしていく予定とのことで、具体例として、学生向けサービスの導入や大学への設置、環境志向の高い団体や施設への設置等を挙げている。
当該子会社設立後は、東京都内及び大阪市内を中心に展開エリアを拡大し、今後3年間で首都圏を中心に1,000台、中長期的には全国で5,000台の車両を設置することをめざしていくと同社はコメントしている。
2011年9月
2011年9月2日、同社は2011年7月期決算を発表した。
同日、同社は大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)における同社株式の上場廃止申請を発表した。理由に関し、同社は東証1部に株式売買の取引を集約させるためとコメントしている。
2011年5月
2011年5月31日、同社は2011年7月期第3四半期決算を発表した。また、同時に業績予想の修正ならびに中国現地法人の設立を発表した。
2011年3月
2011年3月12日、同社は、3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」の2011年3月12日時点における影響について、下記のようにコメントを発表した。
駐車場事業
- 同社は被災の影響が大きいとみられる宮城県仙台市に、仙台支社を置き駐車場事業を展開している。現在のところ、同社が管理運営する同市内の駐車場及び当社仙台支社において人的な被害は確認されていない
- ただし、同市内は全般的に停電状態にあるため機械式立体駐車場の稼動に支障が生じるものと考えられ、当社では、電力が回復した場合であっても、設備の安全性を確認した上で、使用に供する方針としている
- また、東京都内及び横浜市内の各駐車場においても、安全確認を順次進めており、安全が確認されたものから営業を開始する方針
スキー場事業
- 現在のところ、来場者及び当社の子会社の人員に関し、地震に起因する人的な被害及びスキー場設備の被害は確認されていない
今後について
同社の業績に及ぼす影響は、現時点においては、限定的とみている。今後、重大な被害を認識した際には改めて報告する予定
2011年2月
2011年2月28日、同社は2011年7月期第2四半期決算を発表した。
2011年1月
2011年1月14日、同社は同日開催の取締役会で、タイに現地法人を設立することを決議したと発表した。同社のリリース文によれば、詳細は以下の通りである。
設立の方法: 現地法人として新会社(SIAM NIPPON PARKING SOLUTION CO.,LTD)を2011年1月17日に設立。SIAM NIPPON PARKING SOLUTION社の株式の50.1%をNPD GLOBAL CO.,LTD(同社子会社)が、残りを現地で不動産会社を営むパートナー2社(Jampathipphong Kitisak:49%、Marut Chalotorn:0.9%)が取得する予定。
同社の業績への影響: 現地法人の設立年度における同社への業績影響は軽微。中長期的な収益貢献を期待
2010年11月
2010年11月30日、同社は2011年7月期第1四半期決算を発表した。
2010年10月
2010年10月8日、同社は同日開催の取締役会において、連結子会社の日本スキー場開発株式会社が川場リゾート株式会社(川場スキー場(群馬県利根郡)を運営)の株式を10月20日付で取得し(取得比率99%へ)、子会社化(同社の孫会社化)することについて決議したと発表した。また、本件を理由に、2011年7月期の上期および通期会社予想につき、上方修正を発表している。会社予想の修正は以下のようになる。
2011年7月期上期および通期会社予想の修正
上期
- 売上高: 4,939百万円(前回予想4,589百万円)
- 営業利益: 773百万円(同707百万円)
- 経常利益: 707百万円(同659百万円)
- 純利益: 398百万円(同370百万円)
通期
- 売上高: 10,170百万円(前回予想9,470百万円)
- 営業利益: 1,750百万円(同1,715百万円)
- 経常利益: 1,435百万円(同1,405百万円)
- 純利益: 822百万円(同805百万円)
2010年9月
2010年9月29日、同社は同日開催の取締役会で、タイに現地法人を設立することを決議したと発表した。同社のリリース文によれば、詳細は以下の通りである。
設立の方法: 現地法人として新会社2社(NPD GLOBAL CO.,LTD、NIPPON PARKING DEVELOPMENT (THAILAND) CO., LTD)を2010年9月30日に設立。NPD GLOBAL社の株式の49.0%を同社が、NIPPON PARKING DEVELOPMENT社の99.0%をNPD GLOBAL社が取得する予定。
今後の見通し: 法人設立後は、タイにおいて、豊富なビル管理の実績のあるJones Lang LaSalle (Thailand)社とアドバイザリー契約を締結の上、ラサール社の顧客であるビルオーナーに駐車場の収益改善、セキュリティ強化およびサービス向上の提案を開始し、今後3年間で50棟のビル駐車場運営受託を目指す方針
同社の業績への影響: 現地法人の設立年度における同社への業績影響は軽微。中長期的な収益貢献を期待
大株主
トヨタ自動車が株主となっているが、これはトヨタ自動車株式会社が情報サイトGAZOOを立ち上げた際、同社のパーキング情報が採用され、それがきっかけとなり、トヨタ自動車が資本参加に応じたことによる。
(2011年7月末時点)
トップ経営者
代表取締役社長の巽一久氏(1968年1月4日生まれ)は、創業者である。
従業員
2011年7月末時点の同社連結ベースの従業員数は318名(年間平均臨時従業員は915名)、単体ベースの従業員数は202名(年間平均臨時従業員は740名)、社員の平均年齢は29.9歳であり、平均勤続年数は4.1年である。
株主還元
収益の大半がノンアセットビジネスより計上されるため、積極的な株主配当を行う傾向にある。会社では、中長期的な事業展開と資本効率を勘案したうえで、毎期の配当方針を決定するとしており、配当性向や株主資本配当率など具体的な数値目標を定めているわけではない。
IR活動
同社は、第2四半期、および決算期の業績発表後に決算説明会を開催しており、IR・投資家情報のウェブサイトを日本語版、英語版で公開している。
























